幻想郷は夢を見る。   作:咏夢

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意味の分からない独自性ごめんなさい。
あとお燐とお空ファンごめんなさい。

魔理沙とパチュリーって組んだら強そうだなぁ……あ、関係ないですけど。


大晦日、巫女、宴会②

「まだ……起きて、る……もん……」

「「可愛い……」」

 

眠そうなチルノを眺め、ふと空を見上げると日が静かに沈んでいる所だった。ここまで長い気がしたのだが、冬の日没は早い、まだまだ年は明けないようだ。

ここは一度寝かせておこうと、大ちゃんと笑いあった。

 

「よっ、燐乃亜♪久しぶりだねぇ~一緒に酒でも」

「止めて下さい勇義さん。それ怒られるの私なんですから。……お久しぶりですね、燐乃亜さん」

「こんにちはー♪」

 

何回声をかけてきたか分からない鬼を制して、さとりとこいしがひょっこりと現れた。ほんのり頬は赤いが、しっかりとした口調で私と話す。

 

「あ、そうだぁ~。私達のペット紹介してないよね~?」

「そういえば……。着いてきて頂けますか?」

「あぁ、構わないよ」

 

少し歩くと、一匹の黒猫と羽の生えた鳥頭がキャッキャと笑っていた。さとりが近づくと、猫がクルリと振り向き次の瞬間女の子になった。

 

「さとりさま、どうしたんです?」

「さ、さとりさまだぁ!どうしたんですか~?」

「いえ、紹介だけですから。……お空、その件については後程じっくり話を聞きます。」

「うえぇっ!?な、何の事でしょうねぇーははー。」

「……。」

 

身内に覚りがいると大変な事も多いようだなぁと考えていると、さとりが溜め息をついて言った。

 

「お燐と、お空です。挨拶を」

「燐だよ~宜しくね♪」

「空です!宜しくね~」

「燐乃亜だ、宜しくな」

「わーっ♪みんな仲良しだね~」

「友好関係が広いのは良いことです。悪い子達では無いので、宜しくお願いしますね」

 

新しい顔見知りも増えて、少し落ち着いた頃を見計らったかのように、今度は咲夜が声をかけてきた。

 

「燐乃亜。お嬢様が呼んでるわ、来てくれる?」

「ん?そりゃまたどうして……」

「ふふっ。さっきからおちょくられてばかりで、気が済まない様ですから。それで弱みを握っていない貴女を呼んだんでしょう、多分。」

「……何だろう、あいつ本当に館主だよな?」

 

そんなこんなで、レミリアとフランをあやしながら、美鈴や咲夜、パチュリーとも話をした。魔力や気力の概念などと、中2には明らかに解らない話だったが、それなりに楽しめたと思う。ついでに言うと、パチュリーの使い魔、小悪魔とも話をした。少し酔っているようで、途中咲夜に叩かれていたが、頼りにはなりそうだ。

 

 

 

少し会場内を見渡してみる。どの集団もみんな賑やかに楽しんでいて……

 

――眩しかった。

 

私もそこに居るのに、何かが違う気がして。

ただ憧れだけを抱いている自分に、変化を求めている。

要するに、私は"外来人"なのだ。"夢の迷い人"などと銘打っていても、所詮は部外者なのだ。まさに今それを実感しているではないか。

 

どれだけの人と知り合おうと、

どれだけの場所に出向こうと、

 

私はその人の経歴を知らないし、

私はその場所に縁も所縁も無い。

 

淋しい。虚しい。また、独りになった。

 

「燐乃亜?」

「……?」

 

ワンピースの裾を引かれ、私が目線を下げるとフランがいた。私の心を見透かしたように、フランは少し静かな神社の裏へと私を連れていった。

ハンカチを取り出してその上に座るフランは、何だか小さく見えた。

 

「……独りじゃ、無いよ。」

「えっ?」

「だって、そういう顔だったよ燐乃亜。寂しいよー助けてよーって」

「……そうか?」

「……そうだよ。」

 

私達の間では、それだけで充分だった。パチュリーによると、吸血鬼は長生きな上に見た目が比例しないらしい。きっと何十年、何百年と辛い思いをした事があるのだろう。どんなに小さくても幼くても、その思考は私よりも格段深いのだろう。

そう考えると、何だか自分が小さく思えるのだ。格言とかでよくある話だが、実感しているのだから仕方ないだろう。

 

「あんたら、こんなとこで何やってるのよ。そろそろ始めるわよ?」

「はーい♪」

「始めるって……?」

「あぁ、燐乃亜には言ってなかったわね。実は……」

「霊夢~?着付け始めるわよ~?」

「うぅ……。だからいつもの服で良いって」

「貴女の一存で決められる事じゃ無いのよ。ほら、早く」

「……じゃ、後でね」

 

苦々しい表情で去っていった霊夢を不思議に思いながら見つめていると、今度は橙が顔を出した。

 

「早く早く~♪」

「あ、あぁ。何が始まるんだ?」

「"博麗巫女神楽"だよっ!」

「なにそれ?」

「昔は百年刻みで行われていた行事でな、紫様が今年いきなり復活を宣言した次第だ。」

「ほえぇ~!って今年いきなり!?」

「それで出来る霊夢もすげぇよな……」

「うむ……本当に天才というか何というか……」

 

藍も含めた四人で放心していると、表から声がした。どうやら霊夢が出てきたようだ。急いで境内の方へ行くと、そこには白を基調とした神楽衣装を身に纏った霊夢が目を瞑って立っていた。そこには簡単な舞台が作られており、周りには沢山の人や妖怪、亡霊などが集まっていた。これは博麗神社が妖怪神社と言われるのも頷けてくる。

神聖な静けさの中、霊夢の指先が動き出す。魔理沙に言わせればその様子は、まるで別人の様だったという。

               ..

「ホント、貴女にそっくりね……零華。……そう、これが見せたかったのよ……。」

 

紫はそう呟いて、瞳を輝かせていた。何だか私は此処にいてはいけない気がして、霊夢の舞に目を戻した。

 

―――――――

 

気づけば、霊夢の神楽は終わって辺りは焔だけの明るさになっていた。誰かが声をあげて空を指さし、皆が背後を振り返った。

ほんのりと明るい地平線を、皆が思い思いに眺めている。一年に一回のこの瞬間を見逃す訳にはいかないのだ。

 

そして……今年初めての朝陽が顔を出した。眩い光が辺りを包み込み、皆が感嘆の声を漏らす。

ふと、この景色を迎える仲間たちに、まだ冷たい空気を吸い込む人物が一人。

             ...

「明けましておめでとう……燐乃亜。」

「……っ!……うん、おめでとう。」

 

まだ名前も知らない彼女の声が、私を更に幸せにした。

新しい年に、私は、私達は新しい希望を見出だした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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