新機動戦記ガンダムSEED DESTINY  -白き翼‐   作:マッハパソチ

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戦う理由は人それぞれである。

しかし、本当に正しい理由を持つものなど存在しない。

故に人と人とはぶつかり逢い、戦うのであろう……




第五話   飛び立つ翼(前編)

アスランが自らの決意を心に決めたのは

旧友たちと共にかつての戦友の墓参りに行った時だった。

 

2年前、地球に降りアークエンジェルを追っていた日々

親友と討ち合う中で、強い葛藤に苛まれていたアスランの

一番の理解者であった友――ニコル・アマルフィ。

 

前大戦後、オーブに身を窶していた

アスランにとって、彼の墓の前に立つのは久方ぶりの事であった。

 

彼への追悼を終えると

同行していた旧友、イザーク・ジュールとディアッカ・エルスマンが

アスランに現状に対するザフトの立ち回りを話す。

 

積極的自衛権という形で連合軍との交戦に応じる事。

プラント側が戦争を望んでいないとしても

核が撃たれた以上、何もしない訳にはいかないという事。

 

そして、イザークはアスランにザフトへと戻るように進言する。

 

『プラントや死んでいった仲間たちのために俺はまだ軍服を着ている。

 だからお前も何かをしろ。……それだけの力、ただ無駄にする気か?』

 

 

 

そうして今、アスランはザフトの軍服を着、特務隊の証をつけ、

デュランダルから託された『剣』のコックピットにいる。

 

この機体に乗る前、デュランダルに掛けられた言葉を思い返す。

 

『君にはこのままミネルバに合流して貰いたい

 私はあの艦に期待している。かつてのアークエンジェルのようにね。

 君もそれに手を貸してくれたまえ。

 ザフト、プラントのためだけではなく、皆が平和に暮らせる世界の為に……』

 

 

 

急激に動いていく世界の中で、アスランは悩み、考え、今再びその手に銃を取るのだった。

 

 

 

  「――アスラン・ザラ、セイバー、発進するっ」

 

 

 

 

 

昨日、デュランダルの命により、ザフトへと入隊したゼクスは今

再び整備工のもとへと訪れ、行われている作業を見守っていた。

 

整備工のいるドッグには先日発見された

半壊したビルゴ4機と、同じく半壊したガンダム01が運びこまれてきていた。

 

ゼクスがデュランダルにこのドッグへと運ぶように頼んだのである。

 

「……しかし、まあ、驚いたぜ。あんたがザフトに入るなんてよぉ、

 …それも軍服の色は赤、加えて『フェイス』に任命されるなんてよ。

 てっきり俺は、勝手に出撃したことで捕まるんじゃねえかと思ってたぜ」

 

整備工は、ゼクスへと話しかける。

 

「それについては、私もまだ戸惑っているが、

 もう決めたことだ。引き返すつもりはない」

 

「あんたがそう言うなら、もう俺から言うことはねえよ」

 

整備工はこの話はもう終わりだという風に言葉を区切る。

 

そして次の話題へと話を切り替えていく。

 

「……驚いたって言やぁ、今運び込まれてきてるこいつら

 こんなもん一体どうしたんだぁ?」

 

「…これのことについては詳しくは説明できないが、

 デュランダル議長が私に託したとだけ言っておく。

 ………それに、これがあればエピオンを直す事ができる」

 

ゼクスは整備工にビルゴの装甲に使われているのが

エピオンと同じ、ガンダニュウム合金であることを説明する。

 

「へぇーそいつは朗報だなぁ。

 これであんたの相棒の真の姿が拝めるってわけだな、

 いやぁ、メカニック冥利に尽きるねえ。

 ………だがよぉ、あの4機のことはいいとして、

 あっちの白い奴はどうすんだ?」

 

そう言って整備工はガンダム01の方を示す。

 

拾われてきた全5機の中で最も損傷度の高いのは

まぎれもなくガンダム01であった。

 

ガンダム01はゼクスが元いた世界でリーブラの主砲による直撃を受けている。

形を留めているのはガンダニュウム合金の恩恵とガンダム01を設計した、ドクターJのおかげであろう。

 

「……何とか、復元することはできないか?」

 

「へっ?

あんたぁ、あれを部品として使うんじゃなくて

 修理する気でいるのかぁ?…そりゃ、あんたの相棒を直しても

 あんだけありゃ、装甲も、部品も余ると思うし、出来ないことはねぇが

 ……ただ、あれだけの損傷だ、どれだけの時間が掛かるか分かったもんじゃねえ」

 

「……それで構わない。直してくれ」

 

「よしっ、あんたがそこまで言うなら何とかしてみるさ。

 俺の知り合いの腕のいいメカニック何人かに声をかけてみる。

 そいつらも俺と同じで機械弄んのが大好物だからな、

 なあに、任せとけって、必ず直してやっからよ」

 

そう言って整備工は自分の胸叩く

それを見てゼクスは、やはり御人好しだと、微笑むのであった。

 

 

「それにしてもあんたぁ、あんたにはもう自分の機体があんのに、

 どうしてあの機体に拘るんだぁ?あの機体に何か思い入れでもあんのか?」

 

「……思い入れ、か」

 

ゼクスにも自分が何故ここまでガンダム01に拘るのか分からない、

ただ何となく、本当に何となく、

このガンダムが壊れている姿を見ていたくないと思ってしまのだった。

 

(…それにしてもガンダム01か、つくづく、私はこの機体と縁があるようだ。

 ……ヒイロよ………お前は今、一体何をしている……?)

 

 

 

 

浜に倒れていた少年――ヒイロ・ユイが目を覚ましたのは

キラたちがオーブ本島に移り住んですぐの事だった。

 

 

 

数人の子供たちがヒイロの顔を覗きこんでいるのを確認する。

ヒイロが目を覚ました事に気づくと、

驚いたのか一斉にヒイロの傍から離れる。

 

「うわっ!起きたっ!」

「だから言ったじゃん、死んでないって」

「だってよ、こいつ全然起きなかったし」

 

そして口々に囁き合う。

 

その内の少女が一人、部屋から出て、何処かに駆けていき

 

「ねぇーあのお兄ちゃん、目ぇー覚ましたよー」

 

誰かにヒイロが目覚めた事を教える。

 

 

しばらくすると、その少女と共に1組の男女が部屋へと入ってくる。

 

男の方は、身長170cmほど、茶髪に紫の瞳

肩に鳥型のロボを乗せ、優しげな雰囲気を持つ青年。

 

女の方は、身長160cmほど、桃色の頭髪に水色の瞳

三日月が重なったような髪飾りを付け、

男の方と同じく優しげな雰囲気を持っているが、どことなく掴み辛い雰囲気の女性。

 

「……気がついた?」

 

「………」

 

男の声にヒイロは首を肯かせ返事をする。

 

「ここは?」

 

「ここはオーブですわ」

 

(……オーブ?)

 

女がヒイロの質問に答える。

聞き慣れない単語に疑問を浮かべるが、

 

「そういえば自己紹介がまだでしたわね

 私はラクス・クラインですわ、よろしくお願い致しますわ」

 

「僕はキラ・ヤマト、よろしくね」

 

「……ヒイロ・ユイだ」

 

「まあ、ヒイロさんというのですね」

 

名を名乗る男女に対し、自らも名前を口にする。

 

「……それで、俺は何故ここにいる?」

 

「それは僕の方から話すよ。……ラクス、子供たちを連れて部屋を出てくれる?」

 

「わかりましたわ。……さあ、みなさん、少し向こうで遊びましょうね」

 

そう言って、ラクスと名乗る女性は子供たちの手を取り部屋から出て行く。

 

「それじゃ、先ず、――――」

 

それを確認するとキラ・ヤマトと名乗った青年がヒイロがここにいる経緯を話し出す。

 

ヒイロが浜に倒れていた事、

キラがそれを見つけて保護した事、

目覚めるまで丸1日意識を失っていた事、

 

「―――と、いうこと何だけど、

 ……よく、わかったかな?」

 

「……理解した」

 

「そう、よかった……それで、僕の方からも君に聞きたい事があるんだ。

 ……君、どうしてあんなとこにいたの? 何があってあんな日に……」

 

「………………」

 

ヒイロは逡巡する、自らの事情はある程度把握した

しかし、先ほどラクスと名乗る女性が口にしたオーブという単語

おそらく地域か国の名前だが、ヒイロには見当も付かない。

 

「よく、覚えていない」

 

よって、未だ謎が多い中、無闇に自分の心の内を明かしたりはしない。

 

逆に、

 

「……オーブ」

 

「え?、うん、さっきラクスが言ってたね。ここはオーブだけど……」

 

「………俺には、わからない」

 

「……君、もしかして記憶が?」

 

相手から情報を聞き出すため、会話を誘導する。

 

生憎と、ヒイロはまだ自分の名前以外の情報を伝えていない

この状況を利用し、自分の素性を偽る。恰も、記憶を失くしているかの様に…。

一流の工作員に仕立て上げられたヒイロにとっては造作もない事である。

 

「それじゃ、君、自分の両親のこととか、出身は?……」

 

「わからない」

 

「じゃあ、2年前の戦争のことは?」

 

「………わからない (……2年前?)」

 

ヒイロの知る、大きな戦いとは1年前から始まったものだけだ。

2年前の戦いなど聞いたこともない。

 

 

そのあとも、ヒイロはキラから様々な情報を聞き出していく。

 

自分が今いる国がオーブという島国である事、

2年前、地球とプラントと呼ばれるコロニーの間で大きな争いがあった事、

それがナチュラルとコ―ディネイターと呼ばれる人種のすれ違いで引き起こされた事、

このオーブという国がナチュラル、コ―ディネイター、どちらの陣営にも属していない中立国である事、

そして、つい先日、ユニウスセブンと呼ばれるコロニーが地球に落とされた事。

 

ヒイロは情報を手に入れながら

会話の中に出てくる自らの知らない言葉と

それを語るキラについての真意を、考え、推し量っていく。

 

また、ヒイロはリーブラ破壊後、己を包んだ光の事を思い出す。

 

(……これまでの点から、この男の言う事に虚偽は無いと推測。

 自分の知らない単語及び事象、そしてゼロから見たあの光

 ……以上の点を踏まえ、俺の身に起きた事は………)

 

客観的な意見、事実、現状、推論、全てを考慮した上で

己の中に現実的な真実を導き出す。

 

(……どうやら俺は『知らない場所』へと飛ばされたらしいな)

 

 

ヒイロは決して自分の身に起きた事を夢物語だと思わない。

 

 

 

「君、これからどうするの? そんな状態じゃ」

 

ヒイロが記憶喪失であると信じ込んだキラはヒイロの身を案じる。

 

現状、元の世界へと戻る手立ては無い。

それに、万一、帰る手段が分かったとしても

海に沈んだ『アレ』を回収しなくてはならない。

 

「………………」

 

「……もし、君がよければだけど、記憶が戻るまで

 ここにいたらどうかな?」

 

例え、元の世界に戻れたとして

戦いの終わった向こうでは、自分の様な『兵士』はもはや必要ない。

 

(……現状に於いて、俺がすべきことは『アレ』の回収もしくは破壊。

 ………その為にはより多くの情報が必要だ)

 

 

「……わかった」

 

 

こうしてヒイロは己が目的を果たすため

キラたちの元に身を寄せる事にしたのだった。

 

 

 

 

翌日の午前、ヒイロはキラと共に自分が発見された浜辺へと来ていた

表向きは自分の記憶の手掛かりを探したいという理由で。

 

件の浜辺の周りには人の生活の気配がなく

この周辺で唯一存在していたとされる木造の家屋が傍らで倒壊している。。

 

「前はこの家に皆で住んでたんだけど、

 ユニウスセブン落下の影響で高波に浚われて……」

 

「………そうか」

 

「それで、何か思い出せた事はある?」

 

「…いや、ない」

 

「そう、……まあ、そう簡単には無理だろうから、焦らずいこう」

 

「……ああ」

 

キラはそう心配してくれるが

ヒイロはとある目的の為にここに来ている

その目的とは、『アレ』が落ちたとされる大体の場所の特定である。

 

(俺が倒れていたのがこの場所、海に落ち、ここに漂着、

 この男に発見された時間を考えろと距離は遠くはないか……ただ…、)

 

キラの話では、当時、海にはユニウスセブンと呼ばれるコロニーの欠片が

落ちた影響で海は荒れていたため、『アレ』の居場所を正確に掴むことは出来なかった。

 

潜水艇があれば調査できるが、当然そんなものはない。

 

「…………戻るぞ」

 

「え? もういいの?」

 

「ああ」

 

 

その日の夜、ヒイロは一人家を抜け出し、オーブ軍の軍港の前まで行くが

ユニウスセブン落下テロの影響で、軍港の警備は厳重

例えヒイロであっても何の装備も持たないままでは

誰にも見つかる事無く侵入するのは不可能であった。

 

何の収穫も上げられないまま、ヒイロが家まで戻ると

リビングである男がコーヒーを飲みながらニュースを見ている。

 

男の名はアンドリュー・バルトフェルド

この家の住人の一人でキラ、ラクスとも旧知の間柄である。

 

「…………」

 

「……こんな夜中にどこへ行っていた?」

 

無言でリビングを通り過ぎようとするヒイロに

バルトフェルドから声がかかる。

 

「………少々散歩に行っていた」

 

「そうかい、だが、こんな物騒な世の中だ。

 子供が一人で夜出歩くのは関心せんな」

 

「………」

 

バルトフェルドの言葉に無言で返すとヒイロはその場を後にするのだった。

 

 

 

ヒイロが去った後、リビングに一人の女性が入ってくる。

 

「まるで、父親見たいね」

 

「馬鹿言うな、あんなデカイ子供持った覚えはないよ」

 

女性の名前はマリュ―・ラミアス。現在は『マリア・ヴェルネス』という偽名を使い

モルゲンレーテ社に勤めているが、前大戦で活躍した不沈艦、アークエンジェルの艦長

その人である。

 

「それよりもあの子一体何者なのかしらね?

 こんな状況の中で漂流はしているは、

 記憶は失っているはで………」

 

「さあ、分からんね。……ユニウスセブンの飛来とともに現れて

 まるで、星の王子様だね……」

 

言いながら、バルトフェルドはコーヒーを啜る。

 

「まあもちろん、そんなロマンチックなものでは無いが

 ………アイツの眼は何を考えているのか、まったく読めん」

 

「そうね、2年前アークエンジェルに乗ってたキラ君たちと比べても、

 全然感情というものが見えないものね……」

 

「……何にしても、キラたちが面倒を見ると言ってるんだ

 俺たちは黙って見ていればいいだろう……」

 

そう言ってバルトフェルドはまたコーヒーを啜る。

 

そんな彼を見てマリュ―は

 

「やっぱり、父親みたいじゃない」

 

と呟くのだった。

 

 

 

 

ヒイロがキラたちの元で居候して一週間が過ぎようとしていたとき

地球連合軍がプラントに対し核攻撃を行ったという報せが入った。

 

 

その夜、キラ・ヤマトは既に動き始めた世界で自分がどう行動すべきか考えていた。

 

親友のアスラン・ザラに聞かされたユニウスセブンでの事、

オーブで尋ねられた何とどう戦っていくのかということ。

 

動いていく世界、自分たちが戦っても何も変わらなかった世界。

 

 

2年前、ヤキンドゥーエでのラウ・ル・クルーゼとの死闘

人の存在を否定し続ける彼をキラは倒し、

人の想いと、世界を守ったが……。

 

『知れば誰もが望むだろう、君のように成りたいと、君のようで在りたいと

 故に許されない君という存在も』

 

『それでも、それでも僕はっ!……力だけが僕の全てじゃない』

 

『それが誰に分かる?何が分かる?……分からぬさ、誰にも!』

 

彼のキラの存在を否定した言葉だけは拭い去ることは出来なかった。

 

ナチュラルとも普通のコ―ディネイターでもない自分が果たして

動き続ける世界で何かしてもいいのか、自分の存在が受けいられるのか

キラの中に渦まく葛藤は日に日に大きくなっていくばかりであった。

 

その葛藤が、戦うことへの不安と恐怖を生む。

 

力があっても、戦うための想いが無ければ意味はない。

キラには力がある、2年前の大戦で得た戦うための『力』、

だが今のキラと2年前のキラには大きな違いがある。

それは想い、戦うための『想い』を今のキラは持っていない。

 

ただ平和な世界で平穏に暮らしていければそれでいいのだが

時代が、世界がそれを許さず、キラを置いてけぼりにしていく。

 

 

(……僕は一体どうすればいい?)

 

 

―――ふと、窓の外を見ると人影がある。

 

少年――ヒイロ・ユイが浜辺に立っていた。

 

 

 

 

「何をしているの?」

 

キラは外に出て、ヒイロに近づき声をかける。

 

「別に……」

 

「そう…………」

 

「……………」

 

「……………」

 

しばらく二人は黙って黒に塗り染められた海を眺める。

 

 

「お前は?」

 

「え?」

 

「お前は何をしにここへ来た?」

 

静寂の中、ヒイロがキラに声を掛けてくる。

 

「僕は……、少し眠れなくて……」

 

「……そうか」

 

「……………」

 

「……………」

 

「………もし」

 

「……………」

 

「もし、戦えるだけの力を持っていて、でも戦うのが嫌で、

 それでも戦わなければいけない人がいたら

 ……その人はどうすればいいと思う?」

 

キラは、記憶の無い人間に何を尋ねているんだろうとも思うが、

なぜか、ヒイロに自分の悩みを打ち明けてしまう。

ただ何となく、彼なら答えてくれると思ったのである。

 

「………」

 

「戦う目的など、先々で変わる」

 

「……え?」

 

「守るため、殺すため、戦う時々で戦う人間の目的は変化する。

 力を持つ者は簡単に世界に振り回され、そして容易に戦う目的を変える。

 中には戦うことを存在意義とし、目的にすることもある」

 

「……………」

 

「しかし、戦うことで世界が変わる事など微々たるものだ。

 兵士にできることなど、たかが知れている……。

 だがそれでもし、世界に狂わされ、自分の戦う理由を見失っても尚、戦わねばならないとき俺は、    

 

      ―――自分を信じて戦うまでだ」

 

 

「……自分を、信じて?」

 

「そうだ、誰かの命令ではなく自らの感情と意志に従い、戦うべき時に戦う、ただそれだけだ」

 

ヒイロはキラにそう告げる。

 

2年前のキラの『力』も『想い』も、ただ守りたい、戦いを止めたい

そんな感情に突き動かされた結果手に入れたものであった。

 

キラの中で葛藤は未だ渦まいているが

少しだけ自らの心に希望が持てた気がする。

 

「……君は、……強いね」

 

「違う、……俺は弱者だ」

 

そう言うと、ヒイロはキラの横を通り抜け、家へと戻っていく。

 

 

そして、キラはかつて自らに問うたことを、

 

(……想いだけでも、力だけでも)

 

もう一度、己の心に刻みつけるのだった。

 

 

 

 

『ラクス・クライン暗殺事件』

 

 

その事件が起きたのは、それから幾日も経たない夜のことであった。

 

 

 

                       つづく




第五話(前編)です。

今回は本当に自分目線での作品になったと反省しています。
後編では頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

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