今回は一輝と薫のエピソードと、夏煉の身に異変が起こります。
それではスタート!!
一輝side
こんにちは、黒鉄 一輝あらため鬼鉄 一輝です。
転生派が起こした同時多発テロ《転生事変》が終結した後。僕はあらためて薫義姉さん、陽太郎義兄さんの新しい家族として幽霊列車で二人が住む異世界【煉獄の園】へと向かっていた。
義姉さんの話だと……その城には義理の妹が残りの戦闘員達と共に城の警護をしているんだとか。
「でね?その夏煉って娘は、陽の事を一番に思ってんのよ。家族想いで、しっかりしててぇ~……まぁ、ちょっぴりネガティブ思考になって心配な事も多々あるけどさ?アタシ等の可愛い義妹な訳さね」
「へぇ、そうなんですか……」
薫義姉さんが楽しそうに
そんな事を考えてたら、不意に……
「一輝」
「え?はい、なんで……《デコ……ピンッ!》のほわぁっ!?」
薫義姉さんから強烈なデコピンをもらい、あまりの痛さに額を抑えながらのたうち回る。
ものすごく痛い…………!ヒビが入ったかもしんないぐらいの痛さだ……!!
「ぬぉおお……!!ず、頭蓋骨が……頭蓋骨が割れるくらい痛い~……!!!」
そうやってのたうち回ってたら、薫義姉さんが若干キレ気味な顔をして歩み寄って来た。
「何、シケた顔してんだ……?おい一輝、まさかテメェ……新参者の自分は
「へ?」
「へ?じゃねぇよ、そうなのか……そうじゃねぇのかハッキリしな……返答次第じゃあ、怒らないからさ……とっとと聞かせな」
「………ほ、本当に怒りません?」
「義姉に二言は無ねぇよ。だから教えて?」
薫義姉さんは笑顔で語りかけるも、身体から溢れでるオーラはどす黒いモノだった…………だから僕は先ほどまでの考えを正直に話そうと正座で座り、口を開く。
「……正直、僕は二人の家族になった事に少しばかり不安はあります。いや、別に
「ふぅ~ん。そうかい、そうかい……よぉ~くわかったよアンタの考え。まぁ、ようするにだ……ちょいとばかしアタシ等と上手くやってけるのか、どうか……って事で悩んでんだろ?」
「………はい」
「…………この、大バカ野郎が!!」
「ブバハっ!?」
僕の返答を聞いた薫義姉さんは思いっきりの平手打ちを僕の頬にかました。突然襲ってきた痛みに僕は頬を抑える。さっきのデコピンも痛かったけど……これは尋常な無いくらい痛い!!!
そう痛がっていたら、薫義姉さんが胸ぐらをグイッと掴んで近づかせる。
「一輝………このアタシが!陽が!一度もアンタの事を『出来損ないだからいらない』だとか『弱いし迷惑だから消えろ』だとか言った事があるか!!??……確かに突然違う生活や家族が変わって戸惑う事もある、会った事も無い義妹と仲良くできるか心配する事もあるさ……でもな!アタシ等は……アタシ等【煉獄義姉弟】はアンタを家族として、義理の弟ととして迎えてやると心の奥底で決めた!!アンタの様な純粋で一生懸命な生き方をする奴は好きさ……それが血が繋がってなかろうが、落ちこぼれだろうがなんだろうがそんな細かいのは関係ねぇ!!!今この場に居るテメェは今まで落ちこぼれで独りだった黒鉄 一輝か?いいや違う!今此処に居るのは、アタシの誇れる剣士の義弟……鬼鉄 一輝、変わったアンタ自身だろうが!!!!」
「ッ!?」
掴かまれた手が緩まれたと同時に、薫義姉さんの方へ視線を向けると……其処には蒼い瞳からポロポロと涙が水の様に流れ続けており顔が真っ赤に染まって泣いていた義姉さんが居た。
「だから……もう、迷惑だからとかいらないだとか言わないでよ一輝………お願いだから……!お義姉ちゃんから離れないでよぉ………!!お願い…お願いだよぉ………!!!」
あぁ…………そうか、僕は…………未だに黒鉄 一輝としての未練を引き摺っていたんだ……………もし、もし薫義姉さんと早く出会えていたら………………僕は変われていたのかもしれない…………
そう思うと涙が溢れ出て、薫義姉さんを離さない様に強く抱き締めた。
もう離したくない…………その一心で…………強く抱き締めた。
「義姉さん!………義姉さん!!…………義姉さん!!!」
「ッ!……一輝、一輝!一輝!!!」
そうだ、僕はもう黒鉄 一輝じゃない。
黒鉄 一輝はあの時あの場所で死んだ………そして、義姉さん達と出会い僕は鬼鉄 一輝に生まれ変わったんだ!!
だから、この
それが、鬼鉄 一輝として生まれ変わった僕がすべき事なんだ!!!
僕は新たな誓いを胸に秘め、これからの人生を歩もうと決意した。
鬼崎side
やけに後ろの車両がうるさいけど………まぁ、大丈夫だろうとそう思いながら幽霊列車を運転していると、僕らの故郷である【煉獄の園】が見えてきた。
『間もなく終点《断罪の地獄城》、《断罪の地獄城》でございます。ながらいご乗車~ありがとうございます。間もなく終点《断罪の地獄城》、お降りの際はお忘れ物の無いようお確かめください』
「ようやくか……」
僕はそう呟くと、幽霊列車の運転を自動運転へと切り替え義姉さん達が居る後ろの車両へと向かう。
「二人とも、そろそろ着くから降りる準備を………って、どうしたんだい二人とも?顔が真っ赤だけど……」
「あ、あぁ陽……なんでも無いよなんでも……」
「ぼ、僕も大丈夫ですよ……義兄さん」
「そうかい?まぁ、それなら良いけどね」
扉を開けると何故か泣いていたのか顔が赤い義姉さんと一輝が目を擦りつつ平然と装っていた。
これは、あまり深追いしない方が良さそうだね?
そう思っていると、辺りが暗くなりアナウンスが響く。
『終点《断罪の地獄城》、《断罪の地獄城》でございます』
「おっと、城のホームに着いたみたいだ。さっ、早く降りるよ」
「う、うん。わかったよ……一輝、荷物をまとめて降りるよ」
「はい……あ、義姉さん。ちょっと……」
「ん?何……」
「手……繋いでも良いですか?」
「…………うん、良いよ」
一輝がそう言うと、義姉さんは嬉しそうに手を繋いだ。
まるで僕と夏煉みたいだな…………
そう考えながら降りるとホームには『煉』の漢字が刻まれた黒紫の旗が貼り付けられ、其処には城に残っていた戦闘員……眼魔コマンド、クローズ、ヒトカラゲの一団が出迎えてくれた。
「出迎えご苦労様」
「帰ったよぉ~ あ、そうそう……この子さ、新しいアタシ等の義弟の鬼鉄 一輝って言うんだ。其処んところヨロシクね♪」
「初めまして、新しく義姉弟の契りを交わした鬼鉄 一輝です。戦闘員の皆さん、最初はご迷惑をかけるかも知れませんがどうぞよろしくお願いします」
一輝が自己紹介を終え、一礼すると戦闘員達はお返しに一礼をしたり、拍手をしたりして一輝を快く受け入れてくれた。
「さて、これで一輝の紹介は終わるとして……明日からは皆また普段通りの仕事を「おーーにーーいーーちゃぁぁぁぁぁぁん!!!!」グボハァァァ!!??」
ードカァァァァン!!!!
「陽!?」
「義兄さん!?」
戦闘員達へ指示を出そうとした瞬間、疾風と共に僕の腹部へ何かが突進して来たのと同時に吹き飛ばされめり込む様に壁へぶつかる。
僕は腹部をきつく締め付けられる痛みを耐え、おそるおそる覗くと…………其処にいたのは……
「か…………夏煉?」
「えへへ♪おかえり、おにいちゃん♪」
そう……城へ残してきた僕の義妹の夏煉だった。
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キャスト
鬼崎 陽太郎:潘めぐみ
兵鬼 薫:小清水亜美
鬼町 夏煉:原田ひとみ
鬼鉄 一輝:逢坂良太
アナウンス:チョー
夏煉の身になにが……
次回もお楽しみに!!