今回も本編の続きで、夏煉の異変の原因解明に続き一輝がピンチに!?
本編スタートです!
鬼崎side
突如、僕の腹部へと疾風の如く突進して来たのは黒髪のセミロングに翠の瞳の少女……そう、紛れもない僕の義妹である夏煉だ。
でも決定的に彼女に不可欠なモノが抜けていた…………そう、夏煉は僕の事を『陽太義兄さん』と慕い呼んでくれていたのだ……しかし、現状の彼女は…………
「えへへぇ~♪おにいちゃん、おかえり♪かれんイイこにしておにいちゃんがかえってくるのをずっと、ずっと、ずぅ~っとまってたんだよ?ほめてほめて♪」
そう、まるで幼稚園児の様に僕を『おにいちゃん』と呼びながら甘えてくる…………あえて言うけど、僕はシスコンじゃない……ただ家族として、義妹として夏煉が大切なだけだ。
そう思っていたら、ふと夏煉が悲しそうな顔をしながら僕を見つめてくる。
「おにいちゃん……どうしたの?かれん、おにいちゃんにわるいことしちゃったの?」
マズイ……そんな顔で見ないでくれ…………色々と開けちゃいけない扉を開けてしまう……!
そう思いつつ、不意に鼻から垂れるモノを拭うと同時に夏煉の頭を優しく撫でつつ笑顔で宥める。
「だ、大丈夫だよ夏煉、僕は怒っていないさ……それより、すまないね…………数日の間、君を独りぼっちにして…………寂しかったろう?」
「ううん、かれんね。おにいちゃんとおねえちゃんがかえってくるのをしんじてまってたの。だからさみしくなかったんだ♪」
「そうかい、偉い偉い」
「えへへ♪おにいちゃん、くすぐったいよぉ~~♪」
ナニ、コノ天使……ホントウニ僕の義妹ナノカナ?
満面の笑みで抱きついてくる夏煉に、僕は優しく頭を撫でる…………不味い、このままだとマジで変な扉を開けかねない!!
そう焦っていたら、不意に夏煉の息からお酒の匂いがした。
お酒?………………ま、まさか!?
「夏煉……もしかして…………酔っぱらってるのかい?」
「ふぇ、よっぱらってる?なにそれ?」
僕は、落ち着いてもう一度彼女の顔を覗いてみると…………頬がほんのりと赤くなり、目付きがトロンと緩やかになっている。
間違いない……この娘、お酒を…………
「………誰だい?夏煉に、僕の義妹にお酒を飲ませたのは…………」
僕はあらんばかりの殺気を居残り組の戦闘員達に向けると……戦闘員達は必死に『していない』、『やってない』、『自分達は無実だ』と言う素振りと無実の自重を懸命に弁解していた。
戦闘員達じゃ無いとすると………誰が…………
「えへへ、おにいちゃ~ん♪」
くっ…………とにかく、まずは子犬の如くじゃれついてくる悩殺危険少女をどうにかしないと……話にならない…………
取り敢えず僕は殺気を抑えつつ、夏煉へ微笑みながら話しかける。
「か、夏煉……ちょっと、僕の部屋まで行って遊ぼうか?今までさみしい思いをさせた分だけでも一緒にいたいからね?」
「おにいちゃんのおへやで?」
「うん、そうだよ……ダメかな?」
「わぁいわぁい!いくいくぅ♪」
夏煉が笑顔で賛成すると、僕はゆっくりと立ち上がり夏煉の手を握りながらホームの出口まで歩きつつ自分の部屋へと向かった。
薫side
「い、行っちゃいましたね……二人とも」
「そだね…………」
アタシと一輝、そして戦闘員達は未だに現状を把握できずにいた。それは、突然夏煉が陽へ突進に近い抱きつきを食らわせた後に無性にじゃれつき始め、その後に陽から極上の殺気をプレゼントされたら二人してホームを後にした…………本当にこれってどうなってんの?
アタシは冷や汗をかきながら考えていたら、不意に銀色の空き缶が転がってきた。
「あ?何これ…………ゲェッ!?こ、これって……!!」
「どうしました?義姉さん……その空き缶が何か?」
そう、この缶は見覚えがある…………
これはかつて、ヴラドさんがアタシの二十歳の誕生日の際に大人の仲間入りとして持ってきてくれた魔界のお酒…………
その名は〈
この魔酒を口にすると、呑んだモノの心の奥底の欲望や感情を引き出させ暴走させる恐ろしい魔酒。以前、陽が間違ってジュースとして飲んでしまい……豪快に酔っぱらって、破壊衝動のままに暴れだし……アタシとヴラドさん、そしてティーオちゃんに零夜さん、キリカさん達と他にもヴラドさんの知り合いであるMr.Eさんにウィルディアスさん等の大人数で陽の暴走を食い止めた苦い思い出がある。
そして、残った〈神狂い〉は二度と陽が飲まない様にアタシが厳重に保管しつつ、飲んでたんだけど………
まさか、夏煉の暴走がこれが原因だったとはね…………
「義姉さん、大丈夫ですか?ボーッとしてますけど……」
「えっ!?あぁ、大丈夫大丈夫……問題ないから安心して」
「そうですか?……それなら良いんですけ《ドクンッ!》……ぐッ!?」
「え?……一輝?」
突然、一輝が苦しそうに俯き、胸を両手で押さえる。
「一輝?……ちょ、大丈夫!?一輝!!」
「ね、義姉……さん…………か、身体が……身体が……暑く…………あ、うがああぁッ!?」
「一輝!しっかりして、一輝!!」
突然苦しみだした一輝を、アタシは必死に呼び掛けつつ優しく背を撫でて介抱すると……ホームの出入口から深紫色の霧がホーム全体に蔓延し、そのまま苦しんでいる一輝の身体へと勢いよく入り込む。
「う……くぁ…………が、ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!??????」
「キャッ!?……痛つつ……はっ!?い、一輝!!」
一輝は大量の霧を吸収し悲痛の叫びをあげる、アタシは一輝の叫びと共に発せられた衝撃波に吹き飛ばれて壁に激突するけど急いで起き上がる。
「がぁぁッ!!……ね、義姉……さん……!うぐ!ヴぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーあ…………」
一輝は苦しみながらアタシへと手を伸ばした後、断末魔に近い悲鳴を上げ……糸が切れた様にバタリと力無く地面へと倒れた。
「一輝!」
アタシは慌てて一輝の元へ駆け寄って身体を起こし、必死に呼び掛けた。
「一輝!一輝!!お願い……目を開けて!!一輝!!!」
必死に一輝へ呼び掛けつつ、身体を揺するけど…………返事はせず、死んだ様に動かなった……
嘘……嘘だ、こんなの嘘だ!!
「イ……イヤ、イヤ……一輝…………一輝ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
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キャスト
鬼崎 陽太郎:潘めぐみ
兵鬼 薫:小清水亜美
鬼町 夏煉:原田ひとみ
鬼鉄 一輝:逢坂良太
お酒のアイディアはヴラドさんからいただきました。
そして、一輝の運命は如何に!?
次回もお楽しみ!!