煉獄の義姉弟   作:悪維持

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こんにちは、悪維持です!

今回は一輝の異変の原因と、それの対応です。

それでは本編スタートです!!


その16 オーバーフローと応急処置

鬼崎side

 

 

 

「くぅ、くぅ……」

 

 

「はぁ……ようやく寝てくれたよ」

 

 

 

僕は一安心と思い、額の汗を拭いつつ穏やかな表情を浮かべ眠る夏煉を見る。あの後お酒に酔って精神年齢が退化した夏煉をなんとか僕の部屋まで誘導し、以前気分転換の為に購入した幻夢コーポレーションで発売された本格的パズルゲーム『PERFECT PUZZLE』を一緒に遊んだ。一番驚いたのは、夏煉が巧みなコントロール操作でハイスコアを叩き出した事だが……どうやら夏煉は頭を使うゲームが得意らしい。

 

そして十分ゲームで遊び続け、疲れ果ててグッスリお休みになりました………と今に至るという流れになった訳さ。

 

 

 

「むにゃむ……ふふ…ようたにぃさぁん…………」

 

 

「…………ふ、ようやく聞かせてくれたね」

 

 

 

満面の笑みを浮かべつつ寝言で僕の名を呟く夏煉に、ほくそ笑みながら頭を撫でた後寒がらない様に毛布をかけて部屋を後にする。

 

 

今度……夏煉が起きたら、彼女が好きな料理でも作ってあげよう。

 

 

そう思いながら歩を進めていると、クローズの一人が大慌てで駆けつける。

 

 

 

『クロッ!クロクロッ!!』

 

 

「どうしたんだい?そんなに慌てて……」

 

 

『ブラッ……』

 

 

 

耳元でクローズが語った言葉に……僕は目を見開くと同時に勢いよくクローズの胸ぐらを力強く掴む。

 

 

 

「………それは冗談で言ってるんじゃないだろうね?」

 

 

『ゼ、ゼアッ……!』

 

 

「嘘じゃないんだろうね!?」

 

 

『ゼ……ゼアッ!!』

 

 

「チッ!…………どうしてそういう非常事態をもっと早く知らせないんだ!!!!」

 

 

『チョルヌイッ!?』

 

 

 

僕は自分の不甲斐なさに対しての舌打ちし、力一杯にクローズを放り投げ、駆け足でホームへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薫side

 

 

一輝が倒れた後、クローズの一人に陽を連れてくるよう命令して…………アタシは泣きながら死んだ様な状態の一輝を抱き抱える。

 

 

 

「ヒッグ……イヤァ……イヤだよぉ……!起きてよ一輝ぃ……!!これからなのに……これから一輝の幸せが一杯できる時間が始まるのにぃ…………死なないでよぉ!!死んじゃヤダよぉ!!!一輝ぃ!!!!アアァァァッ!!!アアアァァァァァァッ!!!!」

 

 

 

どうして?どうして一輝ばかり……アタシのできたばかりの大切な義弟がこんな目に遭うの?

 

 

 

 

許さない……………!

 

 

 

 

 

許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ!!!!!!

 

 

 

 

一輝を苦しめた黒鉄の連中も…………

 

 

 

 

今まで一輝を苛めた奴らも…………

 

 

 

 

そして一輝を苦しめる要因である屑転生者を転生させた転生神も…………

 

 

 

 

一輝を、アタシの義弟をさんざん苦しめた奴らは全員、完膚無きまでぶっ潰すしてやる………!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

アタシは未だに起きない一輝を抱きながら、義弟に今までの仕打ちを行った連中に対しての怨みと憎しみから生み出された漆黒のオーラを放出していると…………右手に優しくて暖かい温もりを感じた。

 

アタシはゆっくりと視線を下へと向けてみるとそれは…………

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ、ハァ…………義姉、さ……ん…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

アタシの右手を強く握り、苦しそうな表情を浮かべつつ震えた声で喋る義弟(一輝)だった。

 

 

一輝が目を覚ました瞬間、アタシの中にあった憎しみと怒りが消えてオーラも霧散する。

 

 

 

「いっ、き……?」

 

 

「ハァ………義姉さ、ん……!……ハァ、憎しみに……悲しみに心を……囚われ、ないで…………くださ、い…………!」

 

 

「無理して喋らないで!まだ苦しそうにしてるのに………このままじゃアンタが……!」

 

 

「ぼ、僕は大丈夫……大丈夫だから…………義姉さんは……もう、泣かないで……ください……」

 

 

「ッ!誰の為に泣いてると思ってんの!?…………一輝が、大切な一人の家族が死んじゃったらって思えば誰だって悲しくて泣くよ!!……だからお願い、もう無理して喋らないで………」

 

 

「義姉さん!」

 

 

 

一輝を抱き抱えたまま、声がした方へ視線を向けるとホームの入り口から陽が急いでアタシの方へ駆け寄る。

 

 

 

「陽……!一輝が、一輝が…………!!」

 

 

「落ち着いて、話はクローズから聞いているから…………一輝、僕がわかるかい?」

 

 

「義兄……さ、ん…………グッ!」

 

 

「これはひどいね……一輝、一旦落ち着いて深呼吸をするんだ……ゆっくりで良いから慎重に…………」

 

 

「わ、わかりました……」

 

 

「急いで担架を持ってきてくれ!」

 

 

 

苦しそうにする一輝はゆっくりと呼吸を整えるために深呼吸をし、陽は戦闘員へ担架を持って来るよう伝えると一輝の腹部へ手を置き瞳を閉じる。

 

 

 

「……………」

 

 

「何かわかった?」

 

 

「しっ、静かに…………」

 

 

「ハァ……ハァ…………ハァ………………」

 

 

 

一輝の呼吸が少しだけ落ち着いて来たら、陽が目を開けてアタシに視線を向ける。

 

 

 

「義姉さん、闇水(くろうず)を一輝に使って」

 

 

「闇水を?」

 

 

「一輝の今の状態は、魔力を大量に吸収したことで起きるオーバーフローが原因だ。本来、一輝は体内に取り込める魔力量が低い……だから、一気に煉獄の園(この世界)の魔力を大量に吸収したことで…………とにかく先ずは余分な魔力を体内から取り出す必要があるんだ」

 

 

「わかった、やってみる」

 

 

 

アタシは陽の言うとおり、右の掌から闇の渦を展開して一輝の胸に当てる。

 

 

 

「一輝、すぐに良くなるからね……【闇水】!」

 

 

 

闇水を使用すると、一輝からアタシの身体へ少しずつ魔力が流れてくる。それを続けて行くにつれ、苦しそうにしていた一輝の表情がだんだんと落ち着いた表情になる。

 

 

そこへ良いタイミングで眼魔コマンドとヒトカラゲの二人が担架を持って来ると、それに一輝を乗せて陽と一緒に医務室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

鬼崎 陽太郎:潘めぐみ

 

兵鬼 薫:小清水亜美

 

鬼町 夏煉:原田ひとみ

 

鬼鉄 一輝:逢坂良太

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

次回もお楽しみに!!
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