その1 姉弟の誕生と事の始まり
薫side
―― 気がつけば、何も無かった…………そして、此処に居た。
…………此処は何処?
そして……アタシは誰?
「…………」
アタシはその辺りを歩く…………止めどなく……言われるまでも無く……ただ、ひたすらと………
「?」
そう思ってたら、地面から黒い何かが盛り上がってきた。アタシくらいの身長を持つ何かは少しずつ人の形になってきて、最終的にアタシより小さい男の子になった。
「…………」
「…………」
「…………」
「………あっ」
そいつはアタシに気づくと、こっちに来ようとして転けた。
「…………」
アタシは少しずつそいつに近づいて、手をさしだした。でも、そいつは首をかしげてわからない仕草をした。
「…………立てる?」
それがアタシが初めて口にした言葉だった……すると理解したのかそいつは手を握った。その瞬間…………
「あれ?」
目から何かが出てきた。それは握ったそいつの目からも何かが出ていた。拭こうとしてもどんどん出てくる……止まらない…………どうしよう……そう思った…………でも、それはそいつも同じだった。溢れてくるモノを止めようと目をふさいだ……でも、止まらない…………何で?何で目からこんなモノが出てくるの?わからない…わからないよ…………
「……誰か助けて」
「呼んだ?」
そう思ってたら、女の人が突然現れた…………
これがアタシ達、煉獄義姉弟とヴラド・スカーレットさんとの初めての出会いだった…………
「ん……んん…………」
「……姉……ん?…義姉…ん……義姉さん!」
「……陽………………」
「
「ううん、大丈夫……懐かしい夢を見てたから…………」
「…そう、それはそうとスカーレット様から電報が来たよ?」
「ヴラドさんから?」
大切な弟……陽から先輩であり、アタシ達の大好きなヴラドさんからの伝達だ、きっと何かあると思った。
「それで、内容は?」
「あぁ、どうやら転生神のミスでまた一人誤認転生した人が出現して……スカーレット様に白羽の矢がたったらしい」
「はぁ?またぁ?今年で3回目だよ!?あっちがミスるの!それでヴラドさんに横流しって、あんまりじゃない!!!」
「まったくだよ、あのバカ神達はスカーレット様の力量を否認識しすぎる……いっそ全員、称号剥奪した方が良いね?」
アタシもそうだけど……陽もそうとう怒ってる。それにしてもアイツら…………あぁ、ムシャクシャするぅ!!
「それで、ヴラドさんは何て?」
「スカーレット様もお忙しいから、誰か代理を頼んでくれないかって…「なら、アタシがやる!!」……ね、義姉さんが!?」
「ヴラドさんが忙しいならアタシがやる!あの時……アタシ達を拾って、育ててくれたのはヴラドさんだもの…だからせめて恩返しがしたい!せめて……あの人の役に立ちたいから……」
「義姉さん………わかった、スカーレット様にそう報告してくるよ」
「お願いね、陽」
そう言って、陽はヴラドさんにこの事を伝える為に電話をかける……さて、アタシも支度しますか!!
1時間後……
「いやぁ~ 悪いねぇ、薫ちゃん。迷惑かける事になっちゃって………」
「ヴラドさんが謝る事無いよ!悪いのはお偉いさんの方なんだから……アイツら、ヴラドさんの苦労も知らないで……!」
「ありがとう、その言葉だけで私も報われるよ……」
「ヴラドさん……」
「その点、きっちりと頑張ってもらうからね?」
ヴラドさんは笑顔で微笑んだ…………この笑顔でアタシ達はいつも救われたんだ……ヴラドさんの悲しい顔なんて見たくない……ううん、絶対させない!
「任せてよ♪アタシ、兵鬼 薫はヴラドさんを支える一柱だよ?頑張って見せるから!!」
そう言い残して、アタシは歪みを通じて転生の間に向かった。
鬼崎side
薫義姉さんが支度を済ませ、向こうへ行った後に僕はスカーレット様に挨拶をしに行った。
「お久しゅうございます…スカーレット様」
「あっ、陽君!久しぶりだねぇ♪」
「えぇ、ご大変でしたでしょう……」
「そうなんだよねぇ……実験とかもあるし~
「お土産と言うと…気絶してるアレが、ですか?」
そう言って、スカーレット様の後ろで気絶している三人 (男性一人と女性二人) が目に入り、指をさす。
「そう♪こいつらどうしようも無いクズだから今回のお詫びに
「なる程、僕は女には興味がありませんが……義姉さんは喜ぶでしょうね?」
「陽君も満更でも無いって顔してるね?」
「えぇ、こう言う愚者程下らないモノを持っているモノです。そして絶望した顔も………」
「なら持っててもらえる?」
「はい、ゆっくりと殺らせてもらいます…」
「ちょい待ち!……ココだけの話だけどね?ゴニョゴニョ……参考になった?」
「えぇ、殺り甲斐がありますね……」
愚者(男)の状態を話した後、スカーレット様は義姉さんの所に向かって行った。僕はこれから始まる事を楽しみにしながら愚者達を大広間へと連れて行き……バケツの水三杯をそれぞれの愚者達にぶちまけた。
「ぶはぁ!?冷たっ!な、何だ!?」
「ソージ!朱乃!無事だったのね!?」
「どうやら私達は生き返ったみたいですわ……」
「ようやくお目覚めかい?」
そう言うと、愚者達はこっちに気づいて憎悪の視線でこっちを睨む。
「何だお前は!?さてはあのヴラドとか言う奴の仲間だな……!」
「私達を誰だと知っていての事なの?早くここから解放しなさい!この下等生物風情が!!」
「あらあら……お仕置きが必要みたいですわね?」
愚者達は何か喚いてる様だけど……聞くのが面倒臭いと思い、ため息をついた。スカーレット様が言ってた通りの愚者だね……
「はぁ……やっぱり下らないねぇ…………」
「なんだと!?」
「下らないと言ったんだよ……それすらの知性も無いなんて……流石は愚者だね?」
「こいつ……はっ!丁度良い肩慣らしだ!!アイツらに復讐する前にまずはモブのお前からぶち殺してやる!!」
「私達に喧嘩を売った事を後悔しなさい?」
「うふふ……黒焦げにしてあげますわ♪」
もはや勝った気でいるかの様に、愚者達は勝ち誇っているけど……愚の骨頂とはこの事だね?
「そのセリフ、そっくりそのまま返すよ」
「ほざけ!!」
《Welsh Dragon Over Booster!》
すると、愚者の一人は赤龍帝……もとい偽龍帝の鎧を纏う…………けど、それはもう錆びがついてボロボロになり、今にも壊れそうなひ弱な鎧だった。そう、これがスカーレット様から聞いた、強大な力を得ようとした男の成れの果てだった。
「ど、どうなってんだ!?何で僕の鎧がボロボロに……!?」
「そんな……あり得ないわ!赤龍帝の鎧がこんなに傷ついてるなんて!?」
「それが君の限界なんだよ?それでよく僕を殺すとかほざいたね?」
「うるせぇ!お前……僕に何かしやがったな!?」
「正直に答えないと後が怖いですわよ?」
「さぁ?君自身で聞いてみたら?偽龍帝君?」
「この……モブの分際でコケにしやがってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
その言葉を皮切りに、愚者の男はボロボロの鎧で突進して来た。僕は右手に黒い手袋はめて、愚者の突進をジャンプでかわすと同時に頭を手袋がついた右手で触る。そうする事でこいつの記憶を読み取り、過去や罪……その他もろもろを頭に叩き込んだ後で、水色の笛を取りだして思いきり吹く。
ーピィィィ~~!!!
吹いた瞬間に、使い魔である"
「甘いわね!」
「隙だらけですわ!!」
「君たちがね?【
後ろの女達が魔力攻撃を放とうとするけど、そんな暇は与えずに僕は死鎌に群青のオーラを纏わせて光のループを女達に二つ放つ。放たれたループは女達の周りを囲むと、そこから包帯が出現し女達の身体を拘束していく。
「な、何ですのコレは!?」
「か、身体が動かない!?」
「おい!リアス達に何しやがる!!」
「安心してよ、狙いは君だけでね……彼女等は邪魔だから退場してもらうだけさ」
そう言ってる間に、女達はミイラ状態となっていた。
「た、助けて……ソウ………ジ」
「ソージ……君…………」
その後、女達は完全にミイラとなり……次の瞬間、小型のピラミッド態となった。
「リアス!?朱乃!?」
「さぁ、残るは君だけだ……」
「殺す……お前だけはマジでぶっ殺す!!!」
愚者は、黒いオーラを放ちながら僕を睨みつける。対して僕は笑顔でこう言い放つ。
「せいぜい、足掻いてみせてよ……でも、最後に君に見せるのは勝利と喜びじゃない……待つのは絶望と………死だ………!」
その言葉がトリガーとなり、僕は
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キャスト
鬼崎 陽太郎:潘めぐみ
兵鬼 薫:小清水亜美
兵藤 宗二:宮野真守
リアス・グレモリー:日笠陽子
姫島 朱乃:伊藤静
ヴラド・スカーレット:阿澄佳奈