煉獄の義姉弟   作:悪維持

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Episode3 煉獄と烈火、交わりし炎と狼

シグナムside

 

 

 

「それじゃあ、ここからは二手に別れましょうか」

 

 

「……あぁ」

 

 

 

私は協力者である"ギャレン"と名乗る仮面の男と共に、この世界で魔道生物の魔力蒐集を行う為にやって来た。

 

 

 

「この際だから確認しておくが……本当に信じても良いんだな?」

 

 

「えぇ、皆さんとの契約は守りますよ?主である八神 はやてちゃんの命を救うのと、彼女を闇の書の主にする事……それは貴女方も願っているじゃありませんか」

 

 

「承知している。だが、私は貴様を完全に信用した訳ではない。もし私達を裏切り……主はやてに害をなしたら、その時は容赦なくレヴァンティンで両断する……それだけは覚えておけ………!」

 

 

「おぉ……怖い怖い。では、また……」

 

 

 

ギャレンはそう告げると、森の奥へと向かって行った。

 

 

 

あの男と出会ったのは数ヶ月前……主はやての足の麻痺が徐々に上へと侵攻し、このままでは内臓機能の麻痺に発展する可能性を担当医に告げられた。主の足は闇の書の呪いによるもので、蒐集をしなければ呪いは主はやての命を削り尽くす。

 

今すぐにでも魔力を蒐集し、主はやてをお救いしたい……だが、主は蒐集を極端に嫌っていた。自分の不幸を他人にも味あわせくなかったからだ。

 

 

しかし、このまま指をくわえて主はやての死を待つしかないのか…………困り果てた私達の前に突如としてあの男が現れ………私達にある契約を持ち込んだ。

 

 

 

『僕なら、はやてちゃんの病を直せます。ですから、貴女方が蒐集した魔力を少しだけこの銃に分けてもらえれば……その分の魔力を貴女方に差し上げましょう』

 

 

 

最初は半信半疑だったが……後にヴィータとシャマルの二人が契約を受け入れた、主はやての為だと言い聞かせ仕方なく契約を了承した。

 

 

それからと言うもの、魔力蒐集の際には必ずギャレンが同行する様になった。ギャレンは所持している銃でミッド式でもベルカ式でも無い様々な魔法を繰り出していた。

 

 

味方としては心強いが……私はこの男を信用できずにいた。騎士の勘だろうか……ギャレンは何かを企んでいる、だが……その目的は不明だ。私は迂闊にこの男に歯向かえば、主はやてをお救いする手段が無くなる事を察した。

 

 

 

『マスター、魔力反応です。膨大な魔力量を放つ生物を確認しました』

 

 

「…………そうか、場所は特定できるか?」

 

 

『右折方向600Km先です』

 

 

「わかった」

 

 

 

考えるのは後だ……私は気を取り直し、レヴァンティンが示した方向へと飛行魔法で向かった。

 

 

特定の位置に到着し、最初に視界に入ったのは黒い軍服を纏った白髪の少年が佇んでいた。歳は主と同じぐらいだが何故ここに……

 

 

 

『マスター、あの少年から膨大な魔力反応を感知しました』

 

 

「何だと!?」

 

 

 

あの小さな身体からどれだけ多くの魔力を……だが、あれほどの膨大な魔力を蒐集できればページも一気に埋まる……罪悪感はあるが、背に腹は代えられん。

 

 

 

「許せ……少年!」

 

 

 

私は一気に少年との距離を取り、レヴァンティンを振り上げようとするが……

 

 

 

「主になにしやがんだゴラァッ!!」

 

 

「なっ!」

 

 

 

突如、蒼狼が現れて私に攻撃を仕掛けて来た。私は反射神経をフル活用して直撃を避け、少年との距離を取る。

 

 

 

「主、ケガはねぇか?」

 

 

「……あぁ」

 

 

 

狼は少年の元へと足を運ぶと、彼の安否を確認した。あの狼は彼の使い魔か………

 

すると少年がこちらに視線を向けて、問いかける。

 

 

 

「……その持っている剣、ベルカ式……いや、古代ベルカ式のアームドデバイスですね?」

 

 

「デバイスを知っているのか?」

 

 

「えぇ、時々ちょっかいをかけてくる集団……確か時空管理局でしたっけ?彼等が持つ杖と同じモノを感じまして…………戦魔王様もそれとは形状は違いますが……デバイスを所持しています」

 

 

「管理局……ッ!……以前、管理局の大勢の職員全てを峰打ちで仕留め、デバイスを粉々に破壊したのは………!」

 

 

「デバイスには記録保存機能が取り付けられてましたからね………何度も狙われて修行の邪魔をされたらたまりません………………貴女も管理局と関わりがあるのなら、そのデバイスも破壊させてもらいます」

 

 

 

少年はそう告げると目を閉じて、右手をゆっくりと掲げながら呪文を詠唱した。

 

 

 

 

 

 

夜空(ソラ)を駆けし蒼狼の牙、剣と成りて悪を断て!」

 

 

 

 

 

「アオォォォォォォォォンッ!!!」

 

 

 

 

 

 

少年が呪文を詠唱し終えると同時に、蒼狼は鬼気迫る遠吠えをあげながら剣へと変身し……そのまま彼の右手に収まった。

 

 

少年は剣を構えると同時に身を屈め……勢いよく距離を詰めて斬りかかってきたが、私はレヴァンティンでそれを受け止め鍔迫り合いに持ち込んだ。

 

 

 

 

 

陽太郎side

 

 

 

 

神獄界から修行の為にやって来た異世界で、僕は桃色髪のポニーテールで騎士甲冑の様な衣装を身に纏った女性と剣を交えていた。

 

 

 

「まぁ、せっかくですから自己紹介を………僕は鬼崎 陽太郎。そしてこの剣の名は蒼鋼狼の牙剣、僕の魔剣です」

 

 

「……守護騎士ヴォルケンリッターが将、剣の騎士シグナム。そして我が魂……炎の魔剣レヴァンティンだ」

 

 

「レヴァンティン……良い名ですね」

 

 

「そちらもな!」

 

 

 

女性ー騎士シグナムは一旦離れ、僕との距離を取ろうとすると……

 

 

 

「レヴァンティン!」

 

 

『Explosion』

 

 

 

彼女の剣の鍔元から薬莢(やっきょう)が飛び出すと、刀身が炎に包まれたと同時に一気に踏み込んで斬りかかる。

 

 

 

「【紫電一閃】!」

 

 

 

騎士シグナムが放つ炎の一太刀に、僕は牙剣の刀身に蒼い魔炎を纏わせてその攻撃に対抗した。

 

 

 

「【煉獄一閃】!」

 

 

 

炎の斬撃と魔炎斬撃がぶつかると、僕と騎士シグナムの周りに衝撃波が生じ周りを破壊し、ものすごい粉塵が舞う。

 

 

土煙が晴れると、またも鍔迫り合いとなっていた為……僕は騎士シグナムとの距離を大きく開かせる。

 

 

 

 

すると、騎士シグナムが不意に笑っていた……まるで、自身と渡り合える相手を見つけたかのように…………

 

 

 

 

不思議と僕も心が軽くなる…………何故かは知らないけど、彼女と戦っていると胸が熱くなる。

 

 

 

 

もっと戦ってみたい、もっと全力でぶつかりたい………

 

 

 

 

少しだけ、少しだけでもいいから時が止まって欲しいと願った。延々と彼女と戦いたい、そしたら何かが得られるかも知れない……僕にあって彼女に無いモノが………

 

 

 

「ガル……少しだけ僕のワガママに付き合ってくれるよね?」

 

 

『良いぜ?丁度、したっぱ相手にウンザリしてた所だ……あの姉ちゃんならザコどもよりも手応えあるんじゃねえか?』

 

 

「レヴァンティン」

 

 

『カートリッジもまだ十分残っているので、問題ありません』

 

 

 

 

 

 

「「そう(そうか)……なら、全力で死合うまで!!」」

 

 

 

 

 

これが、僕と騎士シグナムの初めての出会い……初めての戦闘、そして……僕の初恋の相手だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

 

鬼崎 陽太郎:潘めぐみ

 

 

蒼鋼狼の牙剣 (ガル):中井和哉

 

 

シグナム:清水香里

 

 

レヴァンティン:柿原徹也

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーギャレン:日野聡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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