それではスタート!!
陽太郎side
とある異世界の某所で出会った僕と騎士シグナムの戦いは熾烈を極めていた。
「【紫電……」
「【煉獄……」
「「一閃】!!」」
騎士シグナムから放たれるレヴァンティンの炎の太刀と僕の牙剣から放つ魔炎斬撃が再び衝突し合うと、僕等の周囲が紅蓮と蒼炎が混ざった炎のフィールドと化した。
「私とここまで対等に張り合えるとはな……これほど心踊るのはお前以来だ、鬼崎!!」
「称賛として貰っておきますよ!騎士シグナム!!」
騎士シグナムもそうだが、僕も彼女と戦えてとても楽しい。身体全体が、全身から沸き立つ煉獄の血が、身体の奥底で渦巻く混沌の力がもっと戦えと叫んでいる。
僕はこんなにも戦いが心踊るモノだとは知らなかった。戦は古来より生き残るか、死ぬかを決める命の殺り取り……残酷で、冷酷に、そして死と言う名の敗北が隣り合わせの戦いにこの様な楽しみ方があった事を感激していた。
その理由は、最初に一閃同士の対決の後に見せた……騎士シグナムの笑顔だった。
煉獄一閃は、僕の中に眠る煉獄の炎を
それを彼女は炎の太刀で相殺させた………
僕は彼女の笑みを見ると何故か胸が高鳴り、心が燃え上がる。どうしてそうなるのかはわからない…………でも、彼女と戦い続ければ何かわかるのかも知れない。
僕は一時後退した後、地面に足を思い切り踏み込んで騎士シグナムに向かって勢いよく飛び出し、牙剣を横凪ぎに振るう。
すると騎士シグナムは、挿した鞘を逆手に持って牙剣を受け止めた後にレヴァンティンを上段に振り落とそうとするが、僕は敢えてその攻撃を左手で受け止める。
ーザシュ!
「何!?」
「はぁっ!」
騎士シグナムが驚愕している隙に、僕は彼女の脇腹に蹴りを入れて吹き飛ばした後に再び接近して牙剣を袈裟凪ぎに振るうが、騎士シグナムは再び鞘で受け止め様とする。
だけど僕は牙剣を振るわずに、左腕に蹴りを放ち鞘を弾き飛ばした後に騎士シグナムの左肩を牙剣で斬りつける。
「くっ……!」
「はぁ……はぁ………」
騎士シグナムは肩を抑えて一時後退すると、僕は息を整えながらレヴァンティンを掴んだ左手に視線を向ける。生々しい傷が開き、血が流れているが…………関係無い。もっと戦えればそれで良いと考え再び牙剣を構えると、騎士シグナムもいつの間にか鞘を拾って、レヴァンティンを構えた。
「レヴァンティン!」
『Schlange from』
レヴァンティンから薬莢が一本飛び出すと同時に、一度鞘に納めて勢いよく抜刀すると刀身が一本の繋がったワイヤー状の連結刃なって僕に襲いかかる。
「それなら……!」
僕は牙剣を左腰に抜刀術の構えを取った後、態勢を低くして一気に騎士シグナム目掛けて駆けあがる。襲いかかるレヴァンティンの連結刃が肩や、横腹、頬を掠めても僕は止まらなかった。
(駆けろ……襲い来るレヴァンティンの刃よりも速く!走れ!!背中に追い縋る…………死神より速く!!!)
僕は必死に駆けながら速度を上げ、連結刃を徐々にかわし………騎士シグナムの目の前まで身を屈めていた。
(は、速…………ッ!)
「【煉獄…………!」
そして構えた牙剣に蒼い煉獄が宿ると、刃先を峰に切り替えて勢いよく騎士シグナムの胴を思いきり薙ぎ払った。
「いっ……せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん】!!!!」
改心の一撃を受けた騎士シグナムは前のめりとなって、レヴァンティンを手離してゆっくりと地面に倒れた。僕は騎士シグナムとの戦闘の疲労と魔力の消耗でフラつきながら倒れそうになるが、それは精神力で持ち堪えようとする。けど、やはり慣れない無茶は……
「主!」
倒れそうになった所を、剣形態から獣形態に変身したガルに受け止めてもらった。
「ゴメン………ガル、助かった………………」
「ったく、とんでもねぇ無茶しやがってよぉ……」
「ははは………まぁ、本気で死合ったからね……暫くは休養が必要みたい…………だ…………」
僕はガルの背中に凭れて苦笑しながら、ゆっくりと意識を手放した。
ガルside
「主?おい!主!!」
俺は必死に主に呼び掛けるが……どうやら修行のツケが出やがったみたいで心配はねぇらしい。とにかく主をこのままにしとくのは悪いよな………俺は近くの木に主と倒れてる騎士の姉ちゃんを寝かせて、持ってた魔剣も側に置いた。
つーか、この姉ちゃんの騎士甲冑重すぎだろ…………
「うぅ~っし、これで良いだろう………そんで、隠れてる奴出てこいよ…………」
俺は後ろから感じる視線へ、殺気がこもった睨みを向けると………
『ナハトタイテレバ、カサマ?』
近くの木々からタカの様な怪人が現れた。俺が一番に注目したのは、ソイツがつけている金色のウロボロスが入ったベルトだった。
このベルトの怪人に俺は見覚えがあり……アンデッドであると確信した。
『ナタイヅキニイザンソノシタワクヨ……ァマシカシ』
「俺はウルフェン族を元に創られた魔剣だからな?気配察知はお手のものよ……そういうテメェこそアンデッドだな……しかも上級のだろ…………何が目的だ……」
『ウオラモテシタワニラチコヲナンオノソ、ダンタンカ?』
「この姉ちゃんを?何でアンデッドが……」
『ゾウラモテシタワモデクヅラカチ、ナデイレイメノータスマ!!』
「はっ!やれるモンなら…………」
俺は溜め込んだ魔力を解放すると……獣形態から徐々に二足歩行となり、額から黄色い角が生えた人狼の魔族………ウルフェン族に似た獣人形態へと姿を変えた。
『ヤッテミナ!!ヤキトリ野郎!!!』
コノ形態ニ変身デキルノハ15分グライダガ…………制限時間内ニ倒セリャ文句ネェダロ!!!
『ガイゼフミカオオノイナコゾニシ!!』
『上等ダ、ゴラァッ!!』
俺ハ主ト姉チャンを庇ウ様ニ、ヤキトリ野郎目掛ケテ突ッ込んダ。
ヴラドside
「そう、陽君はもうソッチに居ないんだ……」
『えぇ、ご丁寧に置き手紙を残して修行に戻ったみたいで…………』
「そぉ……それじゃあ、こっちで陽君を探してみるよ」
『そうですか…………フワァ~』
「ありま、レイ君寝不足?」
『まぁ……キリカからサボった分の数倍の仕事を不眠不休でヤらされまして………』
「なはは……それは御愁傷様で、それじゃまたね♪」
『はい……これで…………』
私は神獄神こと荒神 零夜との通信を切った後に、可愛い陽君を探すべく【次元世界捜索スキャナー】を起動させようとした瞬間に電話がかかったので、仕方無く繋げてみた。
もう、こんな時に…………
「ハイハイもしもし?……あ、これはどうもどうも……こっちは今それどころじゃあ……え?あぁ確かに二人は家で預かってますが……はぁ~、またそちらの上層部が…………それとは別件で?…………………………そうですか…………わかりました直ぐに向かいます。…………それとそちらの上層部に伝言頼めますか?もしまたあの子達を目の敵にするならソノ時は容赦はしないから覚悟しておけ…………って★それじゃ、私はこれで……」
私は通信を切ると、研究施設に格納された棚から試作用のオリジナル電王ベルトとケータロス…………そして電王原作とは違う仮面をつけたデンカメンソードを加えた【オリジナル変身キット】を準備した。
「よし!…………待っててね……陽君!」
私は【オリジナル変身キット】をアタッシュケースに入れて、トライゴウラムで陽君が居ると言う《魔法少女 リリカルなのは》の異世界へと向かった。
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キャスト
鬼崎 陽太郎:潘めぐみ
蒼鋼狼の牙剣 (ガル):中井和哉
シグナム:清水香里
レヴァンティン:柿原徹也
イーグルアンデッド:杉田智和
ヴラド・スカーレット:阿澄佳奈
荒神 零夜:櫻井孝宏
如何でしたしょうか?
ガルの獣人形態は『仮面ライダーキバ』に登場するガルルがモデルです。
そして、次回はヴラドさんがまさかの!?
お楽しみに!!