初めて戦場に出たのは、いつの頃だっただろうか・・・
19・・いや20ぐらいだったか・・
「まあ・・どうでもいい事だな、さて・・こいつで終わりだな‼」
そう一人呟きtriggerを弾いた
その瞬間、彼の愛機からAEZ'200㎜ビームガンが火を吹き相対している、敵機を撃ち抜きその鋼鉄の巨体をその大地に沈めていったのだった。
「レイン大尉! 何時もながら、お見事です!」
「カイ曹長・・世辞は良い・・後処理は任せても大丈夫だな?」
「はい! もちろんです! 後で報告書を提出させて頂きます‼」
ハキハキとした返事を返した、カイ曹長にたいして満足そうに頷き、レイン大尉は、自分の愛機であるグレートタイガー’raincustomを駐屯基地へと向けて駆けさせた。
基地に帰還したレインを待っていたのは、少し小柄な女性仕官だった、彼女はレインの姿を見つけると・・・
「お疲れ様です大尉・・今回もお疲れ様です」
「まあ・・スイーパーゾイド相手だったからな・・
時間はかからんよ・・」
「それはそうと・・何か話でもあるんだろう?
基地へと帰還した早々に、ミイが・・・
技術特務員の君が、出迎えてくれる位だから な・・・」
基地へと帰還したレインを待っていたらしいミイに対し 複雑な感情をうかがわせる様な表情をしつつ、レインは彼女に尋ねるのだった。
彼女は、しばらくの間、目を閉じて考えている様子だったが、やがて意を決した様子で
「・・・後で、これに目を通して・・・
私には・・・どうして良いか・・ネオゼネバス軍の
一人として・・どうすれば良いか、分からない・・」
今にも、泣き出しそうなミイを見つめ
「解った・・何のデータかは解らんが・・必ず見よう
苦しい時には、遠慮なく言ってこい。
上官としてだけではなく・・・まあ、その・・・」
「ありがとう・・・父さん・・・・」
言い淀むレインに、そう呟きミイは俯きがちに、その場を後にして行った。
最愛の娘からのデータチップを受け取り、深く溜め息をつきつつ、
(あの娘が、あそこまで悩む事とは? 軍に関係する事・・・? 中身を確認してみるしかないが・・少なくとも、良い事ではないか・・)
ともかく今は、周りの目もあるし、通常の任務に従事しているしかないか、そう判断していると整備兵からの報告を受ける為に、愛機のあるドッグへと足を進めた。
彼の愛機は・・グレートタイガー’raincustom
ネオゼネバスの誇る高速大型ゾイドのサーベルタイガー、
そのサーベルタイガーの上位機種のグレートタイガーを更に、機動力を重点的に強化したcustom機である。
その為機体の調整が必要以上に難しく、整備兵泣かせの上、操縦するのも一苦労なのだ。
しかし、このタイガーは約10年程前、かのネオゼネバスの英雄にして、現皇帝であるヴォルフ・ムーアによって与えられた、栄誉の機体であり、この駐屯基地においての象徴であり、最高の戦力なのである。
しばらくした後で、カイ曹長の報告書を受け取り、軽く夕食をとり、自室に帰ったレインはミイから受け取ったデータに目を通す。
そこで彼が見た物・・・それにより彼の運命の歯車は周囲を巻き込み確実に、静かに回り初めたのだった・・・・・