しばしの沈黙の後、少年達の真意を探ろうと出来るだけゆっくりと尋ねてみる。
「フム・・・SF物に、ありがちな私のクローンとでも言うつもりか? 嘘を付くにしても、もっとマトモな嘘を考え付く事だな」
「違うよ・・・僕達は、あなたと、ミラ A ユーディスとの間の正真正銘の息子だよ・・あぁ・・もちろん育ての親は別にいるけどね・・・」
紅い瞳をした方の少年が、そう答える。即座に、レインは誰から見ても恐らく見抜ける程の、殺気を醸し出しつつ、しかし落ち着いた、しかしこれ以上ない位低い声で、「ふざけるな・・俺の女房は・・ミラはもう17年も前に亡くなっている・・・・お前達は何者だ、何が目的だ?
答えろ! 下手に隠すと命の保証は出来ん」
最早、隠す必要性の無くなった拳銃を少年達に向け、更に右手は非常用アラームのスイッチに、おいてある。
「だから、言っただろう、ユイ・・・いきなり真実を伝え様としても人は、そうそう信じてはくれないよって・・・逆に疑いと、下手をすれば憎悪を起こさせてしまう。やっぱり君に任せるのは失敗だったね・・・」
「だけど、ソラ・・やっと父さんに、逢えたんだよ、少し位説明を、飛ばしても・・・」
「・・・ユイの、そういう所は嫌いじゃ無い・・でも、あえて言うよ・・君は、馬鹿?」
「ごめんなさい・・ソラ」
先程、彼の妻・・ミラの事を語った紅い瞳の少年ユイ、その彼を嗜める様に言葉を発したソラと呼ばれた少年、彼はユイとは対象的に蒼い瞳をしていた。
ユイと呼ばれた少年は、もう一人のソラと呼ばれた少年に対し、少し恨めし気に、そう呟く、それを横目で見ながら、ユイに、それと分かる様に盛大に、ため息をつくとレインをその蒼い瞳で見つめながら、
「本日は大変に失礼な、護訪問になってしまいます、まことに申し訳ありません。
私の名前は、ソラといい、隣にいるのがユイと申します。
私たちは、共にZOITEC社の者です。
本日、伺いましたのは我が社の大株主からの親書を、お渡しするために、参りました。」
二人のやり取りに、少し呆れながらも、その年不相応な物言いに、少し感心しながらも、
「ZOITC・・・・我がネオゼネバスとは犬猿の仲の筈だがな・・・
それに、その話を信用しろと・・仮にも、ここは軍の駐屯基地だ、誰にも悟られずに、ここまで入り込み、あまつさえ私の息子を名のる二十にも満たない子供達を・・・」
「事前に、アポイントメントを、取っていた筈なんですが・・ミイさんにもユイが事前にお会いし仲介を依頼しておいたのですが・・・」
「ごめんソラ、ミイ姉さんに逢えた喜びで、父さんへのアポイントメント頼むの忘れてた・・・・」
「ふぅ・・・ユイ、君ってやっぱりゾイドの事以外には使えないね・・・重ね重ね申し訳ありません。こちらの不手際です。実は事前にミイさんにユイが接触させていただいていました。」
少年達のやり取りに少し唖然としながらも、とりあえずミイを自室に呼び出す事にした。
暫くしてミイが姿を見せると、ユイは今にも泣き出しそうな顔で、ミイに向かい
「又、逢えて嬉しいよ、姉さん! こっちが、この間言った弟のソラだよ」
「初めまして、私はソラと申します。いろんな意味で残念なユイの弟です。
データは、御覧になって戴いている様ですね?」
「えぇ・・・あれは、この世にあってはならない、してはならない研究ね・・・思い出すだけでまだ震えがくるわ・・」
「話の途中で悪いが、ミイ説明を・・・」
ミイは、そうねと呟き一連の出来事を語るのだが、
「実際の所、私にも何も分かって無いの、だって、いきなりユイって子が一人で来たかと思ったら、自分は、あなたの弟です、このデータを父さんと見てとだけ言うと、その後は、ずっと泣いてるのよ、一時間も・・参ったわよ・・・」
呆れ顔のミイだが、そのユイを見つめる瞳には優しさが、溢れている様にも見えた・・・
もう少ししたら、ゾイド出てくると思います。