この世界に機械仕掛けの悪魔を!   作:コードα

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女神犠牲者たちに出会いを!2

という訳で同じ境遇である冒険者・佐藤和真はギルドで最強と謳われるバルバトスと知り合いになった。

 

翌日のギルドに併設された酒場にて、パーティー入りを果たしたバルバトスは恐らく、久しぶりのパーティメンバーがポンコツであることに頭を抱えたくなっただろう。

 

そんなバルバトスを他所に俺ことカズマは上機嫌である。

 

最強冒険者が誘いに乗ってくれた、それだけでもガッツポーズものだが俺と同じく苦労を分かち合う事の出来る人物だと言うことが、だ。

 

「悪い、遅くなった」

 

バルバトスが一番最後に現れ、めぐみんたちが陣取るテーブルに座る。

 

ソレを見て俺は話を切り上げて、自分のパーティーメンバーが座る席に移動した。

 

「この近隣にある廃城に魔王の幹部がこしてきたらしいぞ」

 

俺は先ほど仕入れた情報を口にする。

 

魔王の幹部なんてどう考えても今の俺達では勝ち目が無い。

 

暫くは廃城近隣を通るクエストは避けるのが無難だ。

 

「どんな奴?」

 

「知るわけ無いだろ、この町の冒険者なんていったところでクビチョンパが落ちだ。バルバトスを除いて」

 

俺は即答する。

 

「じゃ、見に行こうか」

 

「貴方は話を聞いてましたか!?魔王の幹部ですよ?死ぬ気ですか!」

 

重い腰を(誤字に非ず)を上げるバルバトスをめぐみんが嗜める。

 

「死なないし、死ぬ気もないね。」

 

「ソレはお前ほど強ければの話だろ!?」

 

「んまぁ、大丈夫でしょ?で、クエスト行くの?」

 

バルバトスの質問に俺は首を縦に振った。

 

めぐみんとアクアには悪いが、駆け出しの俺らにとって金になるクエストといったらこれしかない。

 

「繁殖期に入ったジャイアントトードの討伐。クリア討伐数は5体だけど、討伐数が増えるに応じて報酬が増えるタイプの奴だな」

 

「「カエルは止めよう!」」

 

めぐみんとアクアがはもった。が、俺は依頼書をチラつかせて止めを刺す。

 

「もう受けちまった。行くぞ皆!」

 

「このヒキニート!何で一言もないのよ!?」

 

「鬼ですか!?カズマは鬼なんですか!!?」

 

アクアとめぐみんからの苦情はさて置き、稼がねば!

 

アクアにたかられて金欠になりつつある。キャベツの報酬も残り僅かだしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルバトスこと俺は、カズマ達と供にジャイアントトードの生息地域に脚を踏み入れたわけだが、

 

「この憎きカエルめ!喰らいなさいっ、ゴッドブロー!!」

 

早速出くわしたカエルにアクアが拳を突き出して駆けて行く。

 

「ふっ、我が爆裂魔法を持ってすればカエルなど敵ではないのです!!」

 

そう言って呪文を唱え始めるめぐみん。

 

「めぐみんとアクアは私が盾となろう、カズマとバルバトスは遊撃を頼む」

 

若干頬が赤くなっているダグネス。

 

なら、特攻プリーストを止めようか。あれでは喰われてしまうぞ。

 

俺の装備は滑空砲と太刀をチョイスした。

 

理由は単純、カエルに打撃は効果が薄く満足なダメージは期待できないからである。

 

滑空砲ならダグネスと言う前衛の援護も出来るし、太刀ならカエルを捌けるのでメイスはギルドに預けてきたわけだ。

 

「カズマ、一つ聞いていい?」

 

「何だって、アクア!?喰われんじゃねぇぇぇ!!」

 

俺が、苦労してない?と尋ねようとした時、案の定アクアは頭から茶色いカエルにぱくりと食われた。

 

カズマはソレを見て叫び、腰のショートソードを抜いて走り出す。

 

「『エクスプロージョン』!」

 

空気を震わせ、カエルの密集地で大爆発が起こる。

 

爆裂魔法は威力こそ絶大だが燃費が悪い上にネタ魔法として認知されている。

 

ウィズも好んで使う方ではない、火力が必要な時だけ使っていた記憶がある。

 

「おおっ!」

 

純粋に感心する、めぐみんは見事に五体のカエルを屠った。

 

爆心地のクレーター付近ではカエルの亡骸が無残に転がっている。

 

「ふぅ、爆裂魔法は最強にして最高・・・気持ちよかったです・・・」

 

ぱたりとめぐみんが倒れて、俺の感心は一気にマイナスへ変わった。

 

「もしかして、動けないのか?」

 

「はい、ぶっちゃけ私は一回撃つと動けなくなります。やばいです、カエルの接近する音が聞こえます!このままだと喰われて粘液塗れに・・・!」

 

動かない、動けないながらもめぐみんの口調からは「もういやだ」と言う嫌悪感だけは

伝わってきたので滑空砲を構えてダグネスに提案する。

 

「ダグネス、めぐみんの回収を頼める?援護はするから」

 

「分かった。待っていろ、めぐみん!」

 

駆け出すダグネスをサイトから外しつつ、カエルを捕らえ、トリガーを引く俺。

 

めぐみんを抱えるためにしゃがみこんだダグネスの前でカエルが爆ぜた。

 

「なっ!?」

 

「先ずはひとーつ。」

 

硝煙を上げた砲口を次の獲物に向ける俺。

 

直ぐに分かったことがある。

 

このパーティー、アレだ。カズマは恐らく類は友を呼ぶスキル持ちだろう、アクアと言う駄女神が、幸運値EX程はあろうカズマの幸運値をマイナスに下方修正しているに違いない。

 

なんで冒険者以外が駄目駄目なんだ!ダグネスにいたっては大剣を抜くそぶりが無い、あれなの?喰われるの待ってるの!?

 

視線を向ければ、カズマはカエルの頭をカチ割ってアクアを引きずり出している所だった。

 

仕方ない、暴れるか。

 

 

 

 

 

 

「嘘、だろ?」

 

一瞬、俺の前でバルバトスが舞ったのは一瞬だった。

 

生きるカエルは残り8匹、それが一瞬で死に絶えた。

 

「ねえ、アイツは何をしたの?どうして平然と立っていられるの!?」

 

「知るか!ただ、動いただけに見えたぞ!?」

 

俺はそう思った。

 

魔法を覚えたんだ。魔法剣士みたいなスタイルで行こうと思う。と俺は言った。

 

俺は無意識のうちにファンタジー感とやらを大切にしていたらしい、目の前でジャイアントトードを蹂躙したバルバトスは太刀に付着したジャイアントトードの血を振り払うと舌を伸ばした一匹にカウンターで舌を断ち切り、バルバトスはブースターで一気に加速した。

 

「アレが、バルバトスがギルド最強などと言われる所以だ」

 

「ダメージを一切無視した戦い方はまさに凶戦士(バーサーカー)そのものです!驚くべきは一切ダメージを負っていない事ですね。まぁ、普段高難度クエストばかり受けている人が私達のようなパーティーで初級クエストに出ればこうなりますね」

 

「あれが、バルバトスの突き詰めた余力か」

 

ダグネスが言うとめぐみんが補足する。

 

「終わったよ~、駄女神さんは生きてる!?」

 

手を振るバルバトスは、先ほどまで狂気に駆られてカエルを殲滅している姿とは打って変わっていた。

 

何だろう?この普段と戦闘時のギャップを受ける感覚は、あれが美少女戦士とかならいっやふぅー!ってギャップ萌えに悶える所なのに。

 

話によると俺と同じ転生者で、この駄女神にいきなりあの身体にされたらしいが・・・それでも転生特典羨ましい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「おかえり、バル君。どうしたの?凄い量のカエル肉だけど」

 

店に戻ると(バルバトス)をウィズが優しく出迎えてくれた。

 

ウィズは直ぐに俺の抱えるカエル肉の束を見て尋ねてくる。

 

「ああ、パーティメンバーで分けたんだけどこの量でね」

 

「バル君、パーティーに入ったの!?」

 

ずいっとウィズが顔を寄せた。

 

顔が近い!

 

「ああ、前に墓地に来たメンバーに入れてもらったんだ。」

 

「そっかぁ、バル君ギルドでも孤立しがちって聞いてたから私は嬉しいなぁ」

 

純粋に喜んでいるウィズには悪いが、あの駄女神のせいでそういう訳にも行かないような気がしている。

 

カズマの苦労、その一割でも回ってきそうな気がするのだ。

 

「俺が孤立?」

 

「そう、バル君自分基準で考えてクエスト受けるでしょう?だから誰もついて来れない

だろうし・・・パーティメンバーを死なせない為に無茶をするでしょ?」

 

ウィズは恐らく、出会って間も無くのころを思い出しているのだろう。

 

あの頃は、戦闘にも慣れてなかったし無茶もした物だ。

 

「大丈夫、ぜったいに帰ってくるよ。」

 

「うん」

 

「放っておいたら変なもの仕入れちゃいそうだからね」

 

おれはそう言ってからかうとウィズは「そんなことないよう!」と言った。

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