この世界に機械仕掛けの悪魔を!   作:コードα

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新たパーティーに強敵を!

「おい、もう一度言ってみろ」

 

カズマが怒りを抑えながら、静まり返るギルド内で男に問い返した。先日、冬将軍によって首を切り落とされてしまったカズマは、数日程休養をとっていた。そして今日、まだ激しい運動を禁止されているカズマは、荷物持ち等の仕事を探していた所でこの男に絡まれた。

 

「何度だって言ってやるよ。荷物持ちの仕事だと?上級職が揃ったパーティーにいながら、もう少しマシな仕事に挑戦できないのかよ?大方お前が足を引っ張っているんだろ?最弱職さんよ?」

 

と言って、同じテーブルにいた他の仲間と笑い合う戦士風の男。前から無駄に態度でか

くて気になってたし、〆るか。

 

「おいおい、何か言い返せよ最弱職。ったく、いい女を三人も引き連れて、しかも全員上級職ときてやがる。おまけにバルバトスまでいやがる。さぞかし毎日、こいつらに任せて自分はのほほんとしてるんだろうなぁ?」

 

それを受け、ギルド内に爆笑が巻き起こった。その言葉に顔をしかめ、注意しようとする奴もいた。我慢を続けるカズマに俺(バルバトス)達は止めに入った。

 

「カズマ、相手にしてはいけません。私なら、何を言われても気にしませんよ」

 

「そうだカズマ。酔っ払いの言う事など捨て置けばいい」

 

「そうよ。あの男、私達を引き連れているカズマに妬いてんのよ。私は全く気にしないからほっときなさいな」

 

「気にする必要は無いよ、後で俺が個人的に〆るから」

 

「いや、バルバトス。コイツが死ぬだろ」

 

うん、カズマにはつっ込むだけの余裕はあるらしい。

 

「上級職におんぶに抱っこで楽しんでいる最弱職だ。苦労知らずで羨ましいぜ!俺と変わってくれよ兄ちゃんよ?」

 

その一言がカズマを激怒させた。

 

「大喜びで変わってやるよおおおおおおおおお!!」

 

「・・・・・え?」

 

絡んでいた男・ダストが、ジョッキを片手にマヌケな声を出す。

 

「代わってやるよって言ったんだ!!おいお前、さっきから黙って聞いてりゃ舐めた事ばっか抜かしやがって!!ああそうだ、確かに俺は最弱職だ!!それは認める。・・・だがなあ、お前!!その後なんつった!!」

 

「そ、その後?その、いい女三人も引き連れて」

 

「いい女!!おいお前、その顔にくっついてるのは目玉じゃなくてビー玉かなんかなのか?どこにいい女がいるんだよ!!教えてくれよ!!いい女?どこにいるってんだよコラッ!てめーこの俺が羨ましいって言ったな!!ああ!!言ったなおい!!」

 

「カズマ落ち着け、アクア達が困っているから落ち着け」

 

そう俺が言って何とかカズマは落ち着きを取り戻した。その後ダストがカズマに胸倉を掴まれたまま話しかけてくる。

 

「そ、その、ご、ごめん・・・。俺も酔ってた勢いで言い過ぎた・・・。で、でもあれだ!お前さんは確かに恵まれている境遇なんだよ!代わってくれるって言ったな?なら一日だけ代わってくれよ冒険者さんよ?おい、お前らもいいか!」

 

そう言ってダストは、テーブルの仲間たちに確認を取る。

 

「俺は別にいいけどよお・・・。今日のクエストはゴブリン狩りだし」

 

「あたしもいいよ?でもダスト。居心地が良いからもうこっちのパーティーに帰ってこないとか言い出さないでよ?」

 

「俺も構わんぞ。ひよっ子一人増えたってゴブリンぐらいどうにでもなる。その代り良い土産話を期待してるぞ?」

 

そう言ってカズマとダストが一日だけパーティーを代える話が纏まった。まあ俺は、ダストがいようがいつも通りクエストをこなすだけだと思っていると、カズマが言ってきた。

 

「だけど、条件がある。バルバトスもこっちのパーティーに入れてくれ」

 

「バルバトスもだと?」

 

いきなりどうしたんだ?と思っているとカズマが話を続けた。

 

「そっちは上級職ばっかのパーティーなんだから、一人ぐらい抜けても大丈夫だろ?バルバトスが抜けても三人もいるし、女だけだからハーレム状態を楽しめるぞ」

 

「それもそうだな・・・。一人ぐらい抜けても三人いるんだし問題ないか。それぐらいなら大丈夫だ」

 

「なら決定だな」

 

そう言うとカズマは悪い顔をする。こ、こいつ、大人気ねえ!けど考えることは同じか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達はゴブリンが住み着いた山道に向かう途中で装甲鎧を着込んだ男が言ってきた。

 

「俺はテイラー。クルセイダーだ。一応、このパーティーのリーダーだ。リーダーの言う事はちゃんと聞いてもらうぞ」

 

続いて、弓を背負った軽薄そうな男が言ってきた。

 

「俺はキース。アーチャーだ。狙撃には自信がある。ま、よろしく頼むぜ?」

 

最後に青いマントを羽織り、まだどこか幼さを残した女の子が言ってきた。

 

「あたしはリーン。見ての通りのウィザードよ。魔法は中級魔法まで使えるわ。まぁ、あたしが守ってあげるわ、駆け出し君!」

 

ダストのパーティーが全員名乗ったので俺達も名乗る事にした。

 

「まぁ、分かっていると思うけど、俺はバルバトス。職業(ジョブ)は凶戦士だから」

 

「もちろん知っていますよ!最強と名高い凶戦士で、実力は魔王軍の幹部を圧倒するほ

どであたし達、魔法使いだけで無く冒険者の憧れの存在!そんな人と一緒にクエストを受けれるなんて光栄です!」

 

「そ、そう。よろしく」

 

そう言って俺は興奮しているリーンと握手する。最後はカズマだな。

 

「俺はカズマ。クラスは冒険者。一応前のパーティーではリーダーをやってた」

 

「「「えっ!?」」」

 

カズマがそう言うと三人が驚いていた。

 

「お前がリーダーやってたのか?あの上級職ばかりのパーティーで?冒険者が!?」

 

「そうだよ」

 

「じゃ、じゃあバルバトスさんもカズマの指示に従ってたの!?」

 

「そうだよ、カズマは的確なアドバイスをくれるから。動きやすくて助かっている」

 

「バルバトスが良い仕事をしてくれているからだ。バルバトスがいなかったらあんなスムーズにはいかないさ」

 

「そう」

 

そう言って俺達は笑い合うが、まだ三人は信じていなかった。

 

「もしかして、何か弱みでも握っているとか・・・・・・」

 

「「それはない」」

 

そう俺達が言うと、カズマが何かに気付いたようだった。

 

「どうした?カズマ」

 

「何か山道をこっちに向かって来てるぞ。敵感知に引っかかった。でも一体だけだな」

 

「カズマ、お前敵感知なんてスキル持ってたんだな」

 

「一体?ならゴブリンじゃないな。どうする?」

 

「ここじゃ、隠れてもすぐ見つかるわよ。迎え撃った方が・・・・・・」

 

「でもさ、このパーティで“初心者殺し”に勝てるの?」

 

俺がそう言うと隣でリーンが青ざめる。

 

「見えるのか?」

 

「最大望遠でなんとか、あの特長的な体躯は忘れないね。滑降砲当たらなかったから」

 

テイラーが尋ねてきたので答えておく。思い出したら腹立ってきた。

 

「と、とりあえず隠れようぜ!バルバトスには俺が『潜伏』掛けるから!」

 

 

 

 

 

俺達は茂みに隠れると全身が黒い体毛で覆われていて、大きな二本の牙を生やした猫科の猛獣が現れた。そいつはしばらく山道の匂いを嗅いだ後、街へと向かう道へと消えていった。

 

「・・・ぷはーっ!ここここ、怖かったあっ!」

 

「な、何アレ・・・」

 

「ななな何で、こんな所に“初心者殺し”が・・・・・・」

 

「なぁ・・・もしかしてあいつ、ものすごくヤバい?」

 

「初心者殺しは比較的弱いモンスターの周りをうろついて、弱い冒険者を狩るモンスターだ。今のお前達じゃ勝てない。次、“初心者殺し”が出たら俺が狩る」

 

「た、頼むぜ。バルバトス・・・」

 

そして、俺達はゴブリンの生息地に向かったが、テイラー達がカズマの実力を認めだしたのかカズマに預けていた荷物を取っていた。

 

 

 

“初心者殺し”が引き返してくる気配も無く、俺達が歩いていると山道を下った先の角を曲がった先にたくさんの反応があるとカズマが言った。

 

ゴブリンは通常十匹ぐらいだが、カズマが言うには数え切れない程の数がいるらしい。

 

俺は警戒するように言ったんだが、キースとテイラーが一気に駆け下りていき、二人はゴブリンがいる角の先を見て言った。

 

「「ちょっ!多っ!」」

 

叫ぶ二人に続き、俺達も角を曲がると三十やそこらはくだらないゴブリンの群れがいた。

 

「言ったじゃん!だから言ったじゃん!あたし、こっそり数を数えた方がいいって言ったじゃん!」

 

「ゴブリンなんて普通は多くても十匹ぐらいだろ!ちくしょう、このまま逃げたって“初心者殺し”と出くわして、挟み撃ちになる可能性が高い!やるぞ!」

 

ゴブリン達が奇声を上げて向かってきた、俺たちは坂の上に陣取っていたが、ゴブリンが放った矢がテイラーに当たった。

 

「痛えっ!ちくしょう、矢を食らった!弓構えているゴブリンがいるぞ!リーン、風の防御魔法を!」

 

「バルバトス、何時ものアレで頼む!」

 

「分かった」

 

カズマの一声で俺はレンチメイスを構えてゴブリンに真っ向から突進していく。

 

「ちょっ!バルバトスさん!!?」

 

「リーンは引き続き守りをよろしく!」

 

何時ものアレ、後ろでめぐみんが爆裂魔法を詠唱し、カズマが『クリエイトウォーター』と『フリーズ』で敵の足元を乱し、ダグネスが剣を振り回して敵を一箇所に集め、俺はダグネスのフォロー。今回にいたっては俺がダグネスとめぐみんの役割も担う形でことが運び、数分でゴブリンの屍が山のように積み重なった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴブリンの群れを討伐した帰り道。

 

「くっくっ、何だよあれ!あんな魔法の使い方、聞いたことねえよ!」

 

「あんなゴブリン討伐、初めてだぜ」

 

「本当!初級魔法なんて取るだけ無駄って教わったのに!」

 

「おい、戦闘終わったんだから荷物よこせよ。最弱職の冒険者は荷物持ちが基本だろ?」

 

「ちょっ、悪かったよカズマ、これからは冒険者だからってバカにしねえ!」

 

「ご、ごめんねカズマ!てか、何で最弱職が一番活躍してるのさ!おかしいよ!」

 

「おいカズマ、MVPなんだから、お前の荷物も持ってやるよ!」

 

そうテイラー達がカズマを称賛していた。

 

そして、問題は帰り道に現れた。

 

草原を横切る形で伸びる道を歩いている時、俺はふっと遠めに見えた異常を最大望遠で確かめる。

 

元の世界でテレビに映っていたデーモン閣下のような顔をした奴の腕が変わったかと思うと“初心者殺し”を()()()

 

「どうしたんです?いきなり止まって・・・ひゃぁ!?」「ごめん!」

 

振り返るリーンを俺は抱えて跳躍、スラスターを吹かしてカズマ達の前に降り立つ。数秒前に居た所は小規模爆発があったみたいに窪んでいた。

 

「ファック!当たらなかったな・・・」

 

特長的な台詞と供に舌打ちし、手にしていたギターのような装備を剣のように構える。

 

ヤバイ奴だ、多分ベルディアよりも・・・・カズマ達には荷が重過ぎる。何より、カズマは本調子じゃない。

 

「皆は出来るだけ後ろに居て・・・カズマ!」

 

「お、おう!」

 

「“いつも通り”に行こう!」

 

そう言うと俺はレンチメイスを構えて地を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(カズマ)は頭をフル回転させる。

 

相手は恐らくアンデットだ。そんな外見だし、何より顔色が悪い!

 

「リーン、さっきの防御魔法で壁を作ってくれ!」

 

「それより逃げようよ!」

 

「逃がしてくれる相手かよっ!早く!!テイラー!」

 

「おう!」

 

「魔法の直ぐ後ろで盾になってくれ!」

 

「ハァ!?おま「いいから!」畜生っ!後で奢れよ!!」

 

リーンが発動する防御魔法の直ぐ後ろで盾を構えるテイラー、それでも焼け石に水だ。

 

「キース!アイツを観察して気になった所とか教えてくれ!!」

 

「任せろ!」

 

即興ながらバルバトスが気にせず戦える程度の陣形を組み上げる。

 

後は俺の予測通りなら相手はアンデットモンスター、ベルディアと同じ水が弱点だ。

 

「我が名はクラウザー!最近分離した魔王軍暗部の半身である!!」

 

そのでかい声に愕然とするテイラー達、どこか表情は恐怖に固まっている。

 

「なぁ、キメラって何だ?」

 

「アホ!駆け出しじゃ先ず敵わない強敵だぞ!?」

 

「って言うかアイツ魔王軍幹部って言わなかった!?」

 

俺が聞くとキースとリーンが立て続けに言った。

 

成る程、見立て違いか・・・不味い!

 

「ぶっ潰せば関係ないだろ!!?」

 

焦る俺とは裏腹にバルバトスは強気だ、俺は少しでもバルバトスに応えるべくクラウザーを凝視しする。

 

「そしてぇ!」

 

クラウザーが手を空に翳すと僅かに光を何かが反射した。ヤバイ!!

 

「皆、伏せろぉ!!!!」

 

「貴様を破壊する者ッ!!」

 

俺が叫ぶと同時にクラウザーも叫び、その手に乗った半透明の円盤を放り投げる。

 

それは先日、俺の首を撥ねた冬将軍の特殊攻撃だ。

 

「ひぇ!?」

 

テイラーの盾が見事に切断され、円盤の軌道は僅かに逸れた。アレ、氷だよな!?

 

「ばっ!リーン!!」

 

氷の円盤を追って振り向いたテイラーが怖気づいたのか立ち尽くすリーンに向かって叫ぶ。

 

「壊されないしっ!!」

 

リーンに迫る氷の刃をレンチメイスが真上から突いた。

 

俺はあることに気がついた。

 

「ファック!」

 

ギターのような装備、と言うかギターを弾いて吐き捨てるクラウザー。

 

すると氷の破片からリーンを庇ったバルバトスが何かに突き飛ばされる。

 

「空気砲・・・・あのギター鬱陶しいな」

 

攻撃の正体に気がついたバルバトスが忌々しげに呟いた。

 

 

 

 

 

先ほどから激しい攻防を続けるバルバトスとクラウザー、その戦いは所々で攻撃の矛先が俺達に向いてバルバトスが庇いに入るという繰り返しである。

 

俺はあることに気がつき、思い返す。冬将軍の円盤を除いて空気砲しか特殊攻撃をしていない?

 

まさか・・・クラウザーはそれしか攻撃を持っていないんじゃ!?

 

「キース!あの剣の弦を狙えるか!?」

 

「あ、ああ!」

 

俺はキースに尋ねると弓を引き絞りながらキースは答えた。

 

よし!これでアイツの攻撃を一つ封じることが出来る。後は頼むぜ!

 

 

 

 

 

 

 

「空気砲・・・見えない弾ってココまで厄介なんだな!」

 

クラウザーが放つそぶりを見せたらレンチメイスを振るってみる。が、空振りに終わり、(バルバトス)の顔面を空気の塊が襲った。

 

何とか踏み止まり、背後を肩越しに確認する。

 

まだリーンが動けずに居る、不味いな。縫い止められた。

 

「ファックッファックッファクッファああああ!!指、指が皮一枚にぃぃぃ!!?」

 

連続で空気砲を放っていたクラウザーが悲鳴を上げた。

 

どうやらギター剣(仮)に張っていた弦が切れて、弾けた勢いでクラウザーの指をちょ

ンぱしたらしい。左手の指の殆どが第一関節からぶらんと垂れている。

 

「・・・・アンタ、仮面悪魔に通ずる所あるだろ」

 

呆れながら俺は言う。同時にレンチメイスがクラウザーの左肩をばくりと捕らえる。

 

「とか言いながら凶器で挟むな!!」

 

「俺は、コメディアンに壊されないし帰る場所があるんだ」

 

「ソレは結構!」

 

「じゃ、死になよ。お前」

 

レンチメイスが唸りを上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、スゲー!俺たち生きてるよ!!」

 

テイラーが思わず叫んだ。

 

アクセルの街・正門まで来て漸く緊張から開放されたテイラーの第一声がこれ。

 

「魔王軍の幹部相手にして生きてる!カズマも凄いね!加入して直ぐにあんな指示出すなんてさ!!」

 

一日限定のパーティーで、的確な指示を出したカズマを賞賛するリーン。

 

「バルバトス、お疲れ。お前、クルセイダーがいるパーティーなのに体張ってるのか?」

 

「まぁ、ダグネスは色々残念だから。仕方なんだよ、いざ戦力で換算すると一番持久力あるの何故か俺だから」

 

「で、いつもスプラッターなトドメを?」

 

「仕方ないじゃん、ジェイソンよりはマシだ!」

 

「「「何ソレ!?」」」

 

とキースに答えていると言われて嘆く俺、理解を示したのはカズマだけ。と言っても後半のトドメの部分に関してはテイラー達と同じ反応だった。

 

ジェイソンは知ってるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ファックッ!人の腕だと思って斬りおとしやがって!!」

 

カズマ達が去った草原、そこで切断された左腕を()()()()て再生し始めたクラウザーが吐き捨てる。

 

「冬将軍だけじゃ駄目だな、もっと強力でオールシーズン対応の奴がいい・・・珍しいだけじゃなく・・・強力な!」

 

クラウザーが自分の物にした力はあくまでバルバトスが殺し尽くした冬将軍の物だ。そ

れも消えかけの残滓を拾い集めた物に過ぎない。

 

魔王軍の情報網を駆使してもっと強力なモンスターを取り込めばバルバトスに十分勝てると踏んだのだ。

 

分離後に手にしたクラウザーだけの能力、仮面悪魔に言わせれば「残騎が一人減った」と言うところのストックだ。

 

クラウザーは一度の戦闘で五回殺さなければ本当の死は訪れない。

 

これは魔王軍に知られていない秘め事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐずっ・・・・・・。ひっ、ひぐう・・・・・。ガ、ガズマあああっ・・・・・」

 

ギルドに戻るとアクアが白目をむいて気絶をしたダクネスを背負って泣いていた。・・・まぁ、大体わかる。そう思っていると、ダストが半泣きの状態でめぐみんを

背負っていた。

 

「何これ。いや、聞かなくても、なんとなく分かるからいい」

 

「おい、聞いてくれよっ!この子が我が力を見せてやろうとか言って何もない草原で、いきなり爆裂魔法をぶっぱなして、そしたら、その轟音で何と初心者殺しがやって来て!この子はぶっ倒れて使いものにならんわ、クルセイダーは嬉々として突っ込んでいくわで、命からがら逃げて来たんだがもう死ぬかと・・・・」

 

「これから、新しいパーティーで頑張ってくれ」

 

「俺が悪かったから!今朝の事は謝るから許してください!」

 

そして、本気で泣き出すダスト。

 

コレに懲りたら二度と人をバカにしないことだ。想像以上の苦労を背負っているから。

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