REBORN DIARIO   作:とうこ

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煩い

 授業が午前中に終わり、この日は教室にいる生徒の数も極端に少なく疑問を抱いた山本武は、正午も近い時刻に一人暇を持て余していた。

 通学路をブラブラと帰宅していたが、途中近所のバッティングセンターで暇を潰そうと行き先を変更する。寄り道の最中に教室でクラスメイトから聞いた週末明けからの一件をぼんやりと想起する。

 

 ここ二日で、風紀委員会の輩が立て続けに何者かに襲われている。

 彼の脳裏には、あの日の伊波紫乃の姿が過ぎる。初夏の香りと、この胸にほんのりとしょっぱい後味、蜃気楼を眺めるように揺らぐ彼女の背中を、引き止められなかった。あの日を境に、彼女は再び遠い存在となった。出会う以前よりもずっと、遠い。

 

 

 あれから、なんとなく山本武の方から話しかけることはなくなった。そして、必然的に彼女との束の間の親密な関係はぱたりと途絶えた。なんとなく、話しかける勇気が持てなかった。

 今までならこんなことなかったはずなのに、自分が関わるせいで彼女を思い詰めさせるくらいなら、断ち切るべきなのか。

 またあんな彼女の表情は見たくない。

 

 彼女もまたあの男がいる風紀委員会の一委員である。

 例の事件とは、関わりがあるのだろうか。彼女が巻き込まれない保証はどこにもない。

 そうなると彼はいてもたってもいられなくなるが、結局のところ彼にできることは何もない。彼女を想うだけでは、彼女のために何もしてやれないのだ。

 

 彼女の隣にいるのが自分ではないことを日々痛感し、胸を痛めた。いつも彼女のそばで見守る役目なのは、自分ではない。あいつなんだ。

 大会前のコンディションが優れないではない。特に最近はカルシウム不足でもない。

 

 それならば、あいつに対するこの感情は、何だろうか?

 

 

 

 最寄りのバッティングセンターへと向かう道中だった山本武は、すれ違い様に他校生達のとある会話を耳に入れた。すぐそこにある商店街で、銀髪の並中生と黒曜の輩が喧嘩しているそうだ。

 咄嗟に普段から喧嘩っぱやい友人の獄寺隼人の姿が目に浮かんだ。

 彼のことは日常茶飯事のことであるから、また他校生に絡まれて買った喧嘩だろうかと山本武は呑気に考えていた。顔くらいは出そうと商店街方面に踵を返した。

 

 商店街に着くと、真っ先に沢田綱吉の姿が目に入った。

 すると彼の足元には、ぐったりと獄寺隼人が倒れているではないか。あの負けん気だけが取り柄である奴が、白いシャツの胸元から血を垂れ流している。

 

 沢田綱吉の方に目をやると、白のニットを被った緑色の制服の男が、片手に何かを操り迫っている。あれに獄寺隼人はやられたのか。

 彼にもかなりヤベー事態であることはわかる。その場の状況もわからないまま、咄嗟に身体が動いた。内心足が竦んでいた。雲雀恭弥には、二度も軽くあしらわれる力量しかない力不足の自分だ。

 だが、今はそれより、目の前で友人をいたぶられた直面に、彼は静かな怒りに震えていた。

 

 




帝一の國を予備知識無しで観に行きました。
知識もない分、個人的に楽しめました。

大鷹弾の山本感半端ない(ボソッ
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