ブラック鎮守府に配属されたので、頑張ってみる(凍結中)   作:ラインズベルト

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こんにちは、ラインズベルトです。
とりあえず亀更新になると思います。
これからよろしくです。


第2話

「明石、君に工廠の主任権があるのは知っているか?」

 

俺は唐突に聞いた。明石はきょとんとしている。これは知らないな。前任は建造されたばかりの明石を大本営から連れてきたらしいし。

 

「工廠の……主任権……?」

 

「ああ、そうだ。本来ならば明石はこの鎮守府の工廠の主任で、工廠の責任者であるはずなんだ。この鎮守府でも資料にも主任とされているからな」

 

「わ、私が……本当、ですか……?」

 

「ああ、本当だよ」

 

俺が断言すると明石の表情がパアッと明るくなり、

 

「じゃ、じゃあ早速仕事に取りかかっても良いでしょうか!?」

 

と興奮ぎみに言った。長門達は唖然とその様子を見ている。こりゃあ、ずっとやりたかったやつの目だ。止まらんだろうな。

 

「あ、ああ、良いぞ?まずは修理だが頼める…か?」

 

「ありがとうございます提督!!」

 

嵐のようなスピードだな……。俺は明石が出ていった後、そう思った。

 

「まさか、明石がこんなに早く元気になるなんてな。嬉しい誤算もあったもんだ」

 

流石に直ぐに信頼しすぎなんじゃないか?大丈夫なのか?あいつ。新人研修に来た提督見習いをみるようだ。明石って、結構初期からいるんじゃないの…?元気ならいいんだが。

 

「ま、まぁ明石は大丈夫だろ。それより長門と大淀、陸奥。何が不満か、聞かせてくれないか?」

 

長門はこちらを睨みながら話してくれた。前提督は食事を制限し、補給のみを行っていた。大破でも進撃させ、失敗すれば暴力に出ていた、などなど。まったく、クズの鏡だ。

 

「クズが」

 

俺はついつい本音がこぼれてしまった。

 

(本音か…?まさかクズと言う言葉だとは思わなかったが。これは―――)

 

(く、クズって……)

 

(フフフ、面白い人ね。"提督"さん……?)

 

俺はしまった、と思って咳払いをした。そして話を再開した。

 

「とりあえずは怪我をしている艦娘のために入渠ドックの修理と食事体制の改善だよな」

 

「どうするんだ?」

 

「簡単なことだよ、長門」

 

「?」

 

「修理や改修はトラックの明石だけじゃ足りない。なら他の鎮守府にドッグの修理を依頼するしかない。その次に大本営から食材を送ってもらうんだ」

 

長門は驚いていたが、何も言わなかった。陸奥は、分かってましたとでも言いたげな顔だ。………まず俺は姉が提督として派遣されているラバウル基地に電話を掛けた。伝手がありかつ近い鎮守府がラバウルだったってのもあるけど。

 

『もしもし~?』

 

「もしもし姉さん?」

 

『おお?マーくんだ、何かな?』

 

「鎮守府の入渠ドックが駄目になってるんだ。場所はトラック泊地だから」

 

『分かった!直ぐに行くよー!周辺海域もお任せあれー!』

 

快く引き受けてくれた。言ってしまうと姉さんはブラコンで弟離れが出来ていない。少し前は全く違った態度だったんだが、それは割愛しておく…………ただ……はぁ。

 

「入渠ドックはなんとかなる。あとは、他の艦娘だよな」

 

長門達は俺を見極めるようにしているので、俺は他の艦娘のカウンセリングを始めることにする。

 

「そうだ、まず放送で方針を話さないとな」

 

「集めればいいんじゃないか?」

 

「集めたらパニックになるやつもいるかもしれないだろ?だから放送ならうまく伝わるはずだ」

 

俺は館内放送で今後の方針を話した。これから一ヶ月はこの鎮守府は活動しない。上手く行ってくれよ……。


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