ブラック鎮守府に配属されたので、頑張ってみる(凍結中) 作:ラインズベルト
「もう日暮れか……」
俺が窓の外を見ると、すでに日は沈みかけていた。1人くらいならばケアできると思う。
この基地の艦娘は20名程度。
戦艦
長門、陸奥
正規空母
蒼龍
軽空母
鳳翔
重巡洋艦
青葉
軽巡洋艦
夕張、大淀
駆逐艦
睦月、如月、時雨、夕立、
工作艦
明石
給糧艦(補給艦)
間宮
全員が全員昔からいるわけではない。間宮や伊良湖は明日か明後日に大本営から配属される予定だ。話しによれば睦月と如月、夕張は古参組らしく、酷い状態だという。
「蒼龍から、やっていくか」
俺は比較的あとに配属された蒼龍の部屋へ行くべく、執務室を後にした。
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コンコン。俺は蒼龍の部屋をノックする。
「誰……?」
「提督の九条だ。入っても良いか?」
「うん。いいよ……」
俺は確認を取ってから部屋に入る。部屋にはボロボロの布団と古いタンスしかない。これではまともに休むこともできないだろう。
「提督……私、もういらないの……?」
蒼龍の目は虚ろで焦点が合っていない。危険な状態には変わりない。着任が遅い艦だったはずだが、これじゃあ吹雪たちは相当しんどくなるな。
「蒼龍、俺をしっかり見ろ。大丈夫だ、お前は必要だ。大切な仲間なんだからな」
「本当……?」
「ああ……!」
蒼龍は思いっきり泣いた。泣き終わると疲れたのか寝てしまった。彼女等の過去は消せない。戻りもしない。だからこそ、これからのために救わないといけないんだ。
俺はしばらく、寝息を立てる蒼龍の手を握っていた。
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「これで治れば良いけど、治るわけ無いかなぁ……」
すごく大変なのは承知の上だったが、これはかなり骨が折れそうだ。彼女等の傷は深いようだ。
コンコン。こんな時間に誰だろうか。
「どうぞ?」
「失礼します、提督殿。憲兵隊長として配属されることとなった真崎武雄(まさき たけお)大尉です」
「憲兵副隊長として配属されることになった中島悠斗(なかじま ゆうと)中尉です」
2人は陸軍式の敬礼をしたので、俺は海軍式の敬礼で返した。憲兵長の真崎さんが話し出す。
「遅くなりましたがご挨拶に参りました。これより提督殿の指揮下に入ります」
「了解しました。これからよろしくお願いします」
真崎さんたちは「では」と部屋を出た。主に鎮守府は海軍から工廠担当兵と医務官が配属され、陸軍からは憲兵が配属されるようになっている。
「そういえば、辻谷軍曹も中尾少尉も俺より年下に見えたんだっけ……」
俺はそんなことを思った。……医務官は明日に来ると言っていたし、運営は遠いな。
「確か前任は建造をせず、回していたらしいから……」
彼女等が優秀なのだろう。艦娘達は轟沈艦がいない。それが凶と出るか吉と出るか……。
俺は不安を覚えながら、艦娘のケアについて考えることにした。