では第16話をお楽しみください。
「起きろ嬢ちゃん」
「ん...?......あ、ここは...」
「ハロー、高坂穂乃果」
「わっ!...私寝ちゃったんだ...」
寝てしまった高坂穂乃果をサガラはインベスの来ない石で出来た小屋のようなところに連れてきて横にさせ寝せていた。もう寝てから7時間が立ち今は夜の11時頃。
「ありがとうございます!サガラさん!この恩は忘れません!」
「おいおい、大袈裟だぜ」
サガラは嬉し泣きしている穂乃果にハンカチを差し出し涙を拭かせる。
「そういえば嬢ちゃんはなんでこんなとこに来てたんだい?」
「このヘルヘイムを調査に来たら閉じ込められて...ってサガラさんこそ」
「ああ、俺もチャックの中に入ったら、出られなくなっちまった」
「それは災難でしたねー」
「それにしてもなんでヘルヘイムの調査に来たんだ?」
「謎の組織が知っていたヘルヘイムのことについて調べる事が出来れば何か足しになるかなって思って...」
「謎の組織...もしかしてそれはユグドラシルの事じゃないのか?」
「ユグドラシルって言うんですか?でもなんで知ってるんですか?」
「それは当然だよ、なんせ俺もそのユグドラシルの一員だからだよ」
「え...?」
ユグドラシル。それは世界的に有名な医薬品メーカーである。そしてこの日本には東京に支部を置いて活動している。ユグドラシルと聞けば誰もが分かるほどだ。
だがそのユグドラシルは穂乃果たちの敵だった。あまりに巨大な敵に海未たちは焦りを感じずにはいられなかった。
「君たちの知りたいことはなんだい?」
凌馬は海未たちになんでも聞いてくれと笑顔で言ってくる。
「では聞きますがこのベルトは何なんですか?」
「それにロックシードもにゃ」
凌馬は待ってましたと言わんばかりに手を叩く。
「よくぞ聞いてくれた、この戦極ドライバーは私が作ったものだ」
そしてロックシードも凌馬の手で作り出されたものであり、『ナイトオブスピアー』や『龍砲ハッハッハ』は凌馬の趣味で付けられたものだった。
凌馬がノリノリで話していると海未は隣に座ることりに合図を送る。
とそこに絵里が現れた。
「海未、無駄な抵抗はよしなさい」
「...分かっています」
流石に生身で変身した絵里に勝つことは出来ないため諦めて大人しくする。
「じゃあこれはなんのために...配ったんですか?」
「言ったじゃない、ベルトの効能がどれほどの物かの確認と」
絵里はゲネシスドライバーを取り出す。
「そしてこの完成形であるゲネシスドライバーを作るためにデータをとっていたの」
「最初から仕組まれていたのですか...」
すると俯いていた真姫は拳を握りしめ、素早く立ち上がる。
「ユグドラシルの目的なんてどうでもいいの!私はなんで絵里と希がこんなことを手伝ってるのよ!?」
希は目を細めると何かを言おうとするが、口をつぐんでしまう。
「それだけはいえないわ、でもね
これはあなたたちのためよ」
「えっ...?何が私たちのためよ...これが私たちのためになるわけないでしょ!!」
真姫は絵里の元へ走る。絵里はすぐに斬月・真に変身しソニックアローを首元に当てられ真姫は動けなくなってしまう。
「暴れないで、まだあなたたちに話すことがあるの」
「くっ...」
真姫は大人しく席に戻り、悔しそうな顔をしながら座る。斬月は変身を解くがゲネシスドライバーは付けたままにしている。
「絵里と希はμ'sが解散したあとほとんど生徒会におらず、穂乃果がいない間私が生徒会長になり分かった話ですが、ほとんど他の生徒会の人に仕事を任せていたみたいですね」
「仕方ないやん、こっちの方が生徒会の仕事よりも大切やもん」
「凛も知ってたけど勉強に集中してるかと思ってたよ...」
しばらく沈黙が続く。凌馬とシドは何かを考える海未たちをみて口を開かないようにする。そしてその沈黙を破ったのは意外にも花陽だった。
「どうしてそんなに言えないの?それが分かれば真姫ちゃんだって納得するかも...」
「ごめんなさい、今私たちがしている事こそこのユグドラシルがしている1番大事な事なの」
「絵里ちゃん...」
「そろそろ私の話を再開してもいいかい?すまない、私もこのあと仕事があるので」
「はい...」
-----
穂乃果はサガラがユグドラシルの一員と聞き一瞬固まってしまう。その目を丸くした穂乃果を見てサガラは可笑しくて笑ってしまう。
「ははは、驚いたか?」
「当たり前です、サガラさんまでも私たちの敵だったなんて......でもそれならなんで助けたんですか?あのままほっとけばやられてたのに...」
「ああ、それはお前が面白いからだよ」
「面白い...?笑える...?私が面白い...?」
困惑している穂乃果を見てまたサガラは笑い出す。穂乃果はまた笑われ頬を膨らませる。とそこにライオンインベスが現れる。
「なにあれ!?あんなインベス初めて見た!」
「俺の目の前で嬢ちゃんの力を見せてくれ」
「私の力と、とにかく変身しないと!変身!」
穂乃果はオレンジアームズへと変身しライオンインベスに立ち向かう。大橙丸で切りつけるが少しよろけただけで効いている様子はない。今度は無双セイバーと同時に切りつけても意味はなくツメで反撃される。
「効かない!?」
「ははは、終わりか、嬢ちゃん?」
「ま、まだですよ!」
「ふっ」
「やあっ!」
一方、その頃にこは穂乃果が入ってしまったクラックの前にいた。ここに居ればまた開くのではないかと思っていたからだ。
「どうしよう、今日はママが帰ってこないからチビ達に夕飯作って...」
4時間前
『お姉ちゃんどうしたの?』
『お姉ちゃん今日アイドルの仕事で泊まり込みなのよ』
『とまり~』
『それなら仕方ないですね、頑張ったくださいねお姉さま!』
『がんばれー!』
『がんばれ~』
『ええ、お姉ちゃんは頑張ってくるから3人で仲良くしてるのよ』
『『『はーい』』』
現在
「ちゃんと戸締りとかガスの元栓とかも紙に書いて教えておいたし大丈夫よね、仕方ないわ。今は穂乃果の命がかかってるんだもの」
そしてにこは何も食べていなかったために、穂乃果の為に持ってきていたおにぎりやサンドイッチを少しだけ食べながら待つ。
「これこのままだと私補導されて、『スクールアイドル‘矢澤にこ‘深夜に徘徊で......』って私はもうスクールアイドルじゃ無かったわよね...」
にこは空を見上げながらまたμ'sにいた頃を思い出してしまう。彼女にとってそれだけμ'sは心の支えでかけがえないものだった。思わず涙が溢れてくる。
「何泣いてんのよ...」
と、その時にこの前にクラックが出現した。
「来たわね!怖いけどやるのよ矢澤にこ!」
そしてにこは覚悟を決め、クラックの中へと足を踏み入れる。その森のただならぬ雰囲気で気を当てられてしまうが、頬を2回ほど叩き気合を入れる。そしてクラックは閉じてしまう。
「ここまで来たらちゃんとしなきゃね...」
だがそんな思いを踏みにじるかのように初級インベスが現れる。
「ぬぅあんでよ!?」
どうしよう出来ないにこの足元に何かを当たるのに気づく。
「え...これは?...ロックシード...?なんでこんなとこに...とにかく、これの使い方なら熟知してるわ!」
にこは落ちていたイチゴロックシードを開けコウモリインベスを出現させると、操って初級インベスに攻撃させる。最後に空中から突進させ爆散させた。
「ふぅ...ってここら辺どんだけロックシード落ちてるのよ!...念のために何個拾っておいた方がいいわね」
にこはロックシードを数個拾うと穂乃果を探すために歩き始めた。
「待ってなさい、私はあなたのせいでμ'sの時間を無くしてしまった...けど私にかけがえなの無い時間をくれたあなたを無くすわけにはいかないのよ!」
-----
「ヒマワリロックシードは何のためにあるのですか?」
「確かにそうだよね、ベルトに付けても何も起こらないし」
「そのヒマワリロックシードはこの果実の栄養分を安全に摂取するためだ、もしこのまま食べるようなら...」
凌馬はあの森になっていた果実を取り出す。そして研究員に透明なケースを持ってこさせたあと、あらかじめ細かくしておいた果実をネズミに与える。するとすぐにネズミの体が緑に光り、
インベスへと変化したのだ。
「なっ...!?」
「この果実は食べた者の体を別の生物へと変貌させる、つまりインベスになるんだ」
凌馬はそのケースを返し、研究員は戻っていく。
「ちなみに実験に使ったインベスは処分するから安心したまえ」
「そんな...もしかして今まで戦っていたインベスは...」
「そして最後だ、これは今私が製作中のドライバーだ。製作中と言ってもただの図案だけだけどね」
図画用紙に描いた案は2つほどあり、禍々しい目がたくさんあるベルトと花が咲いているようなベルトの2種類。
「どうだい?この高みへ到達するためにも我々に協力しないかい?そしたらドライバーも返してあげよう」
「協力...しないと言えばどうなるのですか?」
「うーん、しばらくはここに滞在してもらうことになるかな。まぁ十分に過ごせる環境だから」
「何のためにそんなものを作る必要が...あるんですか?」
「力、より強力で誰もが抗うことの出来ない力。そんな力を手に入れてみたくはないかね?」
5人は顔を見合わせ難しい顔をする。
「君たちには少し難しかったかな?まぁのんびりしていってよ」
黒影トルーパーが来ると5人ともまたあの牢屋へと逆戻りしていった。そして絵里、希、凌馬、シドはそれぞれの仕事へと戻っていった。
-----
「強いなぁ...このライオンのインベス...」
鎧武はライオンに押され続けていた。パインやイチゴで対抗しても歯が立たない。まともな所で休め無かったことも加わっているのか、段々と動きが鈍くなる。
「嬢ちゃん終わりかい?」
「まだまだ...!」
弱っている鎧武にライオンは大きくジャンプしツメで切りかかる。防ぐのが一瞬遅れた鎧武は「やられる」と思った。その時、コウモリインベスがライオンに向かって突撃してたのだ。
「えっ...?...あ!
にこちゃん!!」
「待たせたわね、穂乃果。ちゃんと生きてたわね...はぁ...はぁ...」
「大丈夫?服ボロボロだけど...気に引っ掛けた?」
「仕方ないでしょ!どんだけ歩きにくいのよこの森!」
話しているとすぐにライオンが立ち上がり鎧武に向かってくる。
「援護するわ!」
「うん!」
大橙丸と無双セイバーを合体させ、ライオンに切りつける。効いていないがそのスキにコウモリの頭を脇腹に突進させ、ふっ飛び気に激突する。
「今だ!」
『ロックオン!』
『イチ ジュウ ヒャク セン マン!』
『オレンジチャージ!』
大橙丸で切りつけ、そのまま回転しながら木ごと無双セイバーで肩から右脇腹に切りつけ、苦しんだあと爆散した。にこはロックシード施錠しコウモリを戻す。
「ふぅ...にこちゃん、ありがと」
「...ふんだ」
にこの態度を見て穂乃果はにこがまだあの時の事で意地を張っていることが分かった。溜息をつきながら変身を解く。
「嬢ちゃんたちそんな所にいるとまたインベスに見つかるぞ、こっちに隠れろ」
サガラに言われ2人は急いで小屋に入る。
「なんでにこちゃんここに?」
「私はただ、このクラック?を見つけて入ってみたらたまたま穂乃果がいたから助けただけよ...」
穂乃果はすぐに自分のことを危険を冒してまで助けに来てくれたことが分かった。嬉しくてにこに抱きつく。
「にこちゃーん!」
「ちょっ...なによ!」
「嬢ちゃん、それにしてもどんどん力をつけてるな」
「えへへ、そうかなぁ」
「どうしてそんなに力をつける?」
「そうよ、あんたほとんど毎日屋上で練習してるじゃない」
「なんでにこちゃん知ってるの?」
キョトンとした表情で聞かれ、にこは頬を膨らましてそっぽを向く。
「どうしてか.........私は誰かのために自分の力が使えるってことが嬉しいんです、それで誰かが喜んでくれたり楽しんでくれたりすると私まで楽しくなって」
「ほう」
「だからこの力は私にとって誰かのために使うことで意味があるんだと思います」
それを聞いてサガラは少し微笑むと、
「それはそれで面白いな、あと1ついいことを教えてやろう。園田海未たち5人がユグドラシルに捕まった」
「「えっ!?」」
「このロックシードを使って助け出してみろ、お前は面白いからくれてやろう」
するとレモンが描かれたロックシードと普通のロックシードよりも少し大きめで桜が描かれたロックシードと何かの部品を手渡される。
「いーえるえすぜろいち...とサクラロックシード?」
「それはエナジーロックシード、そのドライバーのプレートを外しユニットをセットするんだ。そしてそのロックシードはヘルヘイムを行き来できる乗り物だ」
「へー...ありが...とう...ござ...あれ?」
穂乃果とにこはロックシードに見とれ、サガラの方をまた見るとそこにもうサガラはいなかった。
「え、あれ?」
「消えた...?」
穂乃果の足元に何か落ちた音がした。拾うとそれは地図で現在地からユグドラシル基地内へと続くルートが記されていた。
「よし、このロックシードを使えば強くなれそうだし...反撃開始だよ!」
ついににこは穂乃果と出会い、協力して見事に強敵のインベスを倒すことが出来ました。この調子で仲直りすることが出来るのでしょうか。そしてユグドラシルから海未たちを救い出せるのか。
では第17話で。