ラブライブ!〜9人の勇者〜   作:ぷよR

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言い忘れていたことがあったのですが、ユグドラシルは映像で出る特殊な建物とは違い、見た目は普通のビルで大きめの建物です。だから海未ちゃんたちが捕まるまでユグドラシルという名前は出しませんでした。
そして今回はついに希が...。
では第18話をお楽しみください。


第18話 穂乃果VS希

ヘルヘイムから抜け出した穂乃果たちは取り返した携帯で連絡を取り合い、安否確認しもう夜中近くだったため、一旦家に帰り翌日すぐに穂乃果の家へ集合した。

 

「良かったー...みんな無事だったんだ!」

「そちらこそ上手く逃げたみたいですね」

「へへーん、このシュワシュワロックシードだっけ?で穂乃果はパワーアップしたのだ」

「それは絵里と同じ種類じゃない!?」

「穂乃果ちゃんだけずるいにゃー!」

 

仲間との再開を喜んでいる中1人だけ輪に入れない者がいた。にこだ。腕を組んでそっぽを向いているにこを見て花陽は腕を掴み優しく、みんなの近くに寄せる。

 

「ちょっ...」

「いいたいことあるんでしょ?」

「う.........」

 

みなに見つめられながら少し黙ったあと、頭を下げ

 

「いつまでも意地張って......ごめんなさい」

「やっとにこちゃんが戻ってきたにゃー!」

 

いきなり凛が抱きつき、引き剥がそうとするが嬉しくて仕方ないのか離れる様子はない。海未や真姫たちも微笑みかけ、にこはもうみんな許してくれているのだと分かり、7人の絆が戻った。

 

凛が落ち着きを取り戻した頃に穂乃果とにこ、他の5人で知り得た情報を出し合う。ユグドラシルの目的について話し合いを始めようとした時、ことりの携帯に連絡が入る。

その内容は入院していた英玲奈が退院出来るという連絡だった。そして思い出したことがあるとのこと。早速英玲奈に連絡し、これから病院へと向かうことになった。やはり人数が多いということでことりと今度は真姫が行くことになった。にこがA-RISEに会いたいと駄々をこねたが海未が一蹴し諦めるしかなかった。

 

-病室-

「あなたたちのおかげで退院出来ることになったよ」

「私たちは何も...」

「そうですよ、あなたが頑張ったから治ったんです」

「いや、ベッドの上で失礼だが礼を言わせてくれ」

 

英玲奈が一礼をしたあと、本題に入る。

 

「思い出したことというのはドライバーをつける前のことだ」

「はい...」

「私はツバサとあんじゅと一緒に帰りいつも通り分かれたあと、悲鳴が聞こえ戻るとツバサが黒服の男にスタンガンで気絶させられた後だった、そして見つかった私もスタンガンで気絶させられた」

 

2人は英玲奈の話を深刻そうな顔で聞いている。

 

「そして目を覚ますと私の隣には同じく目を覚ましたツバサとあんじゅがいた、そしてそこにある男が兵士を連れて入ってきた」

「まさか...」

「そう、恐らくあなたたちが考えている通り

 

戦極凌馬だ」

 

「やっぱりね...」

「そしてデータ収集のために協力しないかと言われ断ったら3人ともベルトをつけられ操られたというわけだ」

 

2人はその話を聞いて焦りや怒りを覚える。やはりこのままユグドラシルを放っておくわけにはいかなかった。

 

「あれ?3人ってことは...」

「ああ、ツバサとあんじゅもいずれあなたたちに襲いかかってくるだろう」

「そんな...」

「前は2人を探せるからドライバーを渡されたと記憶していたが...どうやら記憶もめちゃくちゃだったみたいだ」

「きっと衝撃で一時的にそんなったと思いますけど...やっぱりユグドラシルは...」

 

英玲奈は俯くとゆっくり拳を握り始める。2人は背中をさすったり手を握りしめ落ち着かせる。

 

「私は悔しい...友達を奪われ道具にされていることに...」

「一緒にユグドラシルを倒しましょう」

「そうですよ、友達を取り返しましょう」

「ああ、必ず」

 

しばらく宥めたあと、ことりと真姫は病室から出る。一刻も早くユグドラシルに乗り込みたかったが分かっているだけでも敵のライダーは4人おり、今回は絵里がいなかったために逃げきれたかと思うと、今の実力では適いそうになかった。

 

-----

「それにしてもあの嬢ちゃん、なんでエナジーロックシードを持ってたんだ?」

「確かにそうね」

「何でやろか...」

「とにかく高坂穂乃果にエナジーロックシードが渡った以上軽視は出来ない」

「ああ、分かってる」

 

すると希は絵里に耳元で小さな声で呼び、一旦絵里と希は会議の部屋から出ていく。

 

「どうしたの希?」

「にこっちに言えって言われたんやけど、必ず連れ戻す。信じてるからって」

「にこ...にこは特にドライバーも渡さなかったら関わって欲しくなかったけど」

「ここまで来たらにこっち絶対引き下がらんよ?」

「そうでしょうね...やっぱり......にこが信じてるって...か...」

 

 

翌日、いつも通り放課後にそれぞれ練習をしたりステージに出ていたりした。

チーム鎧武とレッドホットはステージの方へ、蒼天とインヴィット、レイドワイルドは学校や広場などでダンスの練習をしていた。

レッドホットのステージでは、『Daring!!』をバックに踊りかなりの大盛況。

蒼天は大きい広場で他の人の迷惑にならないように、メンバーにしか聞こえないほどの音で『私たちは未来の花』を流しダンス練習。

インヴィットはいつもμ'sが練習していた屋上とは逆側の入口付近で『なわとび』を流し、静かで美しいダンスに出来るよう練習。

レイドワイルドはいつもの屋上で『恋のシグナルRin rin rin!』で元気なダンスではなく少し静かめなダンスを練習していた。

同じ屋上で練習をしていた花陽と凛は練習の休憩中の空いた間にメンバーと離れ2人で話していた。

 

「かよちんってロックシード何個持ってる?」

「どうしたの急に?」

「昨日ことりちゃんがキウイ貰っててみんな何個持ってるか気になって」

 

それを聞くと花陽は一旦凛から離れドアの付近に置いていたカバンを持ってきてまた凛の隣に来る。

 

「私はヒマワリとドングリの2つだけだよ」

「凛なんて1個だけにゃ」

「確かに錠前ディーラーさんもいなくなったし、ヘルヘイムからしか手に入れられる方法ないよねー」

「だったらちょっとヘルヘイムに行ってみない?」

「え~...危ないよー...」

 

花陽は無鉄砲な凛のことを心配しヘルヘイムに行くのを止める。いくら移動手段があってもやはり心配でしょうがない。

凛は仕方ないにゃあと言っているがやはり新しいロックシードが欲しいようだ。穂乃果が

エナジーロックシードを持っていたのを見て自分も欲しくなったのだろう。

ロックシードの話題から戻り、2人はユグドラシルのことを忘れ楽しく話していた。

 

そしてチーム鎧武はことりの曲である『スピカテリブル』をバックに踊り、元μ'sが2人もいることからかなりの賑わいを見せている。

そして約2分間のパフォーマンスが終わり、次は穂乃果の『シアワセ行きのSMILING!』も大盛況。そこから穂乃果とことりはパフォーマンスとして仮面ライダーに変身しようとしたその時、インベスが出現した。

 

「きゃあー!」

「また化け物!」

「みんな落ち着いて!ヒデコ、フミコ、ミカ!みんなを避難させて!」

「分かった!」

「任せといて!」

「無茶しちゃダメだよ!」

『おおっと!?またインベスの乱入だ!ここからはパフォーマンスじゃないからこれでお開きにするぜ!次回を楽しみにしてくれよ!』

 

ヒフミらは観客たちを誘導し出来るだけ遠くへと逃げていく。配信をしていたサガラも配信を止める。出現したシカとカミキリは穂乃果たちを襲い、生身で穂乃果の首をつかみステージ裏へ投げられる。ことりは後ろから突進すると2体のインベスは逃げていく。

 

「穂乃果ちゃん大丈夫!?」

「大丈夫だよ!先に行って!」

 

ことりは先に追いかけていき、穂乃果も体制を整えすぐに追いかける。が、

 

「穂乃果ちゃーん」

「え...?...希ちゃん」

「穂乃果ちゃんには昨日会われへんかったなからなぁ」

「まさか...希ちゃんがみんなを...」

「違うよ、うちが穂乃果ちゃんと2人で話がしたいっていう強い気持ちが起こした奇跡かな...」

 

穂乃果は本当なのか嘘を言っているのか分からなかった。

 

「久しぶりにお話しない?」

「うん、いいよ...」

 

2人はステージを離れ、誰もいない倉庫のような場所に移動する。そして3脚ほどあったパイプイスに隣同士で腰をかける。

 

「こうやって落ち着いてならちゃんと話出来るやろ?」

「うん」

「なんだか元気ないなぁ」

「当たり前だよ...絵里ちゃんだけじゃなくて希ちゃんまでユグドラシルに協力してたなんて...」

 

悲しそうな穂乃果の頭を希は優しく撫でる。

 

「ごめんなぁ...」

「でも絵里ちゃんや希ちゃんの事だから何か事情があるでしょ?私は信じてるよ。ことりちゃんたちも」

「それにこっちにも言われたなぁ...ありがとう、うちらのこと信じてくれて。やっぱりうちはみんなのこと大好きや...」

「だったらどうしてこんなこと...」

「エリチも昨日海未ちゃんたちに言ってたけど、大好きだからうちらが罪を背負うの」

 

穂乃果は意味が分からなかった。何故好きと言ってくれているのに絵里と希は犯罪を軽々しく犯すユグドラシルに協力し自分たちを攻撃するのか。

 

「希ちゃん...意味が分からないよ...」

「穂乃果ちゃんたちは分からなくていいの、うちらが守ってあげるから。安心して」

 

希は穂乃果を抱き寄せ少し強めに抱きしめる。穂乃果はそのまま眠りにつきそうなほど心地よかった。このままでいたかったが少し恥ずかしくなってしまう。

 

「希ちゃんきついよ」

「はは、ごめんな」

「希ちゃんどうしても?」

「うん」

「今、希ちゃんに抱きしめられて凄く暖かかった」

「うん」

「だからね、こんなにも優しい希ちゃんに酷いことするユグドラシルが許せない」

「うん...」

「戻ってきてよ、希ちゃん」

 

希は俯き体を震わせる。戻りたいのはやまやまだった。絵里と2人で抜け出し、また急に人で毎日楽しく過ごしたかった。だが自分が犠牲になることでみんなが笑顔で居られるのなら希は自分の犠牲にしても良かった。

そしてゆっくりと立ち上がり穂乃果を見下ろす。

 

「やっぱりダメやね」

 

そして穂乃果も立ち上がる。

 

「なんで...?」

「言ったやろ、大好きだから」

「......希ちゃんが何をしようとしてるか私は分からないよ、でもこれ以上希ちゃんを悲しませられない!」

「!!.........でもなこれはうちらが選んだ宿命なの」

 

希は胸の前にロックシードを出す。そのロックシードには桃が描かれている。

 

「希ちゃん...!」

 

穂乃果もオレンジロックシードを胸の当たりに出す。

 

「こんなことを可愛い後輩に任せられない、これは上級生の役目なんや!」

『ピーチエナジー』

『ロックオン』

『ソーダ』

『ピーチエナジーアームズ』

 

変身音と共に希は『仮面ライダーマリカ』へと姿を変えた。穂乃果も鎧武、オレンジアームズ変身し、ゆっくりとフェイスプレートを外しレモンエナジーを装着させジンバーレモンになる。

2人は至近距離で見つめ合う。そして2人がソニックアローを強く握った瞬間、戦いが始まる。ソニックアローでぶつかり火花が散り、その音が2人しかいない倉庫に響き渡る。距離を置き、弓矢を飛ばし2人ともギリギリで交わす。すぐにマリカはもう1度弓を引き、鎧武の肩に直撃させる。やはりシグルド同様、1歩実力が及ばない。

 

「その様子じゃエリチには勝てんよ」

「前から思ってたけど...希ちゃんってダンスやってたわけじゃないのにすぐにライブ出来て凄いなぁって思ってたよ」

「こう見えても運動神経はいいんよ」

「やっぱり凄いね...希ちゃん...やあっ!」

 

鎧武は走り、ジャンプしマリカに斬りかかるが横に避けられ逆に斬りつけられる。尻餅をつきながら弓矢を撃ちマリカに当てる。だが少し怯んだだけでまた斬りつけられ転がりながらふっ飛ばされる。

 

「ぐぅ...」

「ユグドラシルはやり方が汚いよ、穂乃果ちゃんたちには弱いベルトを渡し私たちは強いベルトを使って抵抗できなくさせてるの」

「だったら戻ってきてよ!」

「汚いやり方でもしないと......まともじゃないものにまともなやり方で向かっても勝てるはずないやん!」

 

マリカは鎧武の腕を撃ち痛みでソニックアローを落としてしまう。

 

「ぐぅ...希ちゃん...」

 

-----

ことりは龍玄に変身し2体のインベスと戦っていた。カミキリの触覚攻撃のせいでこちらの遠距離攻撃を活かせずにダメージを与えられてしまう。それでもなんとかカミキリに一撃を足に当て、転ばせている最中にシカと戦い、ブドウ龍砲を胸当たりに密着させながら『ブドウスカッシュ』で撃ち、爆散させた。

 

「ぐぅ!」

「だったらこれで!」

『キウイ』

『キウイアームズ!撃輪セイヤッハッ!』

 

キウイ撃輪で触覚を切り落としながら突き進み、両方の刃を当てダメージを与える。

 

「これで!」

『キウイオーレ!』

 

キウイ撃輪の1つをカミキリに投げつけ、1回斬りつけ飛んでいったかと思うとまた返ってきて斬りつける。それを4回ほど繰り返し爆散させる。

 

「穂乃果ちゃんどうして来ないのかな...なんだかとっても心配だよ...!」

 

-----

「穂乃果ちゃん、うちには勝てないよ」

「まだだよ!」

『ロックオン』

『レモンエナジー』

「しょうがない子やね」

『ロックオン』

『ピーチエナジー』

 

マリカの放った矢は鎧武の矢を破壊し、鎧武に直撃した。だが破壊したせいで威力が弱まったのか鎧武はよろけながらもまた立ち上がる。

 

「もうこれ以上立たんといてよ...」

「希ちゃんが帰るって言うまで...諦めないもん!」

「ほんとに聞き分けのない子やね...」

 

マリカは仕方ないとまた必殺技で気絶させるしかないとドライバーに手を伸ばす。だがそこに銃弾が飛んできて、止められる。

 

「穂乃果ちゃん!」

「ことりちゃん...」

「ことりちゃん...よく来てくれたね...もう少しでひどい怪我させるとこだったかもしれない...」

「希ちゃん......どうしてこんなことするの!?」

「ほんとに優しいな...」

 

マリカは変身を解いた。そのお陰で2人も警戒を解く。

 

「特別にいいこと教えてあげる、きっと...ううん、必ず悪いことがあなたたちスクールアイドルに起こる。だから表面上は敵でもうちらも信じてるから...どんな事があっても負けちゃダメだよ...ほなまたな...」

 

希はそう言い残しその場から去っていった。穂乃果は追いかけようとするが痛みで追いかけられず、ことりは穂乃果を放っておくわけにはいかず追いかけなかった。

 

「希ちゃん...悔しいよう...」

「希ちゃん...ちゃんと考えがあるんだよね...」

 

ことりは穂乃果に肩を貸しゆっくりと倉庫から出て歩いていく。

 

(こんなにボロボロになるまで...やっぱり人のために戦うんだね穂乃果ちゃん...凄いなぁ...)

 

翌日、穂乃果たちは屋上に集まり希がライダーに変身したことを伝える。

 

「やはり希もドライバーを...」

「これで強いドライバーを持ってる人が3人になっちゃいました...」

「どうするにゃ...」

「こうなるとあの戦極とかいう人もドライバーを持ってそうね...」

 

そして希が言い残した言葉もみんなに伝える。

 

「悪いことですか...」

「穂乃果ね...やっぱり絵里ちゃんも希ちゃんも何か目的があるみたい...」

「うん...希ちゃん...なんだか悲しそうだった」

 

これからスクールアイドルに降りかかる悪いこと。それは穂乃果たちの予想を遥かに上回るユグドラシルの悪意。圧倒的な力の前に立ち向かうことが出来るのか。

 

 

「希...」

「うん、穂乃果ちゃんに会ってきたよ...それで?」

「ええ、接触したことはバレてないわよ」

「おおきに...それにしてもやっぱりしんどいな...穂乃果ちゃんたちあんなに私たちのこと信じてくれてるのに...」

「仕方ないわ...私も大好きなあの子たちに生き残ってほしい...ずっと一緒にいたい...」

「これがうちらの宿命か...」

「でも私たちが悪いことをして...人類が救われるのなら...」

「そうやね......穂乃果ちゃんたち...絶対に諦めないでね......穂乃果ちゃんたちが何かしてくれることに期待してるんかな...

 

最低やな...うち」




希の言葉はいったい何なのか。そしてユグドラシルは何をしようとしているのか。
今回は希と誰を戦わせるか少し迷ったのですが、穂乃果以外だと戦力差があり過ぎて戦闘中やそのあとに話すらまともに出来ないと思ったので穂乃果にしました。
次回はスクールアイドルに何が。
では第19話で。
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