どうもメイス・ハイマツです。
更新が遅くなり申し訳ない…しかも短い…
三月は割と時間がありそうなのでもう少し頑張ります
国立魔法大学付属第一高校。 通称一高。
魔法科高校の中でもトップクラスの成績を収めている有名校で十師族の直系や百家の者たちも多く進学する。
「何回見てもデカイなぁ」
慧実は校舎を見上げながら今日から通う学び舎に想いを馳せる。姉の真由美も通っている学校で慧実も以前から目標としていた高校だ。
「あっ慧実〜。こっちよ」
「お待たせ。余裕を持って出てきたつもりだったんだけど遅かったか?」
と言いながらも慧実の首筋に一滴の汗が流れ落ちる。真由美との約束は入学式の準備が終わる頃に校舎前での待ち合わせ。余裕な顔をしているが慧実の内心はかなり肝を冷やしていたようだ。
(やっベ〜もう少し遅かったら死ぬところだったぜ。危なかったぁ)
慧実がここまで焦っていた理由は今朝まで遡る…
「お…い!…にい!お兄ってば!!」
「グホォッ⁉︎」
何度呼んでも起きない慧実に痺れを切らした香澄は勢いよく腹の上に飛び乗った。
「目冴えた?」
「いや…なんで朝から妹にヒップドロップ喰らわないと行けないのかな?」
慧実は香澄を下から見上げる体勢で実に辛そうな顔をしている。
「お兄様。おはようございます」
「ああ。おはよう泉美」
ひょいっと香澄を身体の上から退けると少し伸びをしてベッドから飛び降りた。
「でもなんでわざわざ部屋まで来たんだ?お兄ちゃんに会いたくなったか?」
「いいえ。お兄様。そろそろ家を出ないとお姉様との約束に間に合わないのでは?と思いまして」
「……マジ?」
「お兄ってば外から声かけても起きないし仕方なくね」
やれやれと言わんばかりの香澄の言葉は慧実の耳に入っていなかった。
約束をすっぽかした時真由美がどのようになるのかを思い出し恐怖を感じていたのだ。
「いや…まだいける。全力で走れば…そう!魔法使って!泉美!ロードマップ出してくれ!」
「道路交通法違反ですよお兄様。また叱られますよ?」
「親父に文句言われるよりも姉さんに……思い出すだけでも…と、とにかくだ!頼んだ。俺は支度してくる!」
ダッと急いで仕度を始める慧実を呆れて目で見ながらも泉美は端末を使い一高までの道を用意していた。
「ねぇお兄のあれ。見れるのかな?」
「ええ。この道を通るとなると一度の魔法式に全てを詰め込むのは不可能です。お兄様のあれが見られると思いますよ」
「泉美…わざとそういう道選んだでしょ?」
「あら?そんなことありませんよ」
二人揃って悪い笑みを浮かべながら玄関で慧実の到着を待つ。
「へい!マップ!」
「こちらです」
「うげぇ。これ一回の魔法じゃ無理じゃん。でもそれだと間に合わないし…仕方ねぇか」
香澄、泉美の二人は慧実が息を整えてあれを使うときのように精神統一に入ったのを見て作戦成功と軽く囁き合った。
「うし。魔法式は三つくらいだな。これなら余裕だな」
慧実がそう言い手元のCADに指を走らせると一つ目の起動式が展開される。
「次…」
しかしその効果がすぐ発動されることはなく更に展開された起動式が重なるように最初の起動式と一つになった。
「今回は《
「うん…ボクや泉美…お姉ちゃんよりも凄いよ。お兄の魔法制御と演算処理能力には勝てる気がしない」
二人が感心してる間にももう一つの起動式が展開された三重の、三つの効果が混じり合った魔法が定義された起動式が出来上がった。
「いってらっしゃいませお兄様」
「いってらっしゃいお兄」
「ああ。泉美。わざと俺にこれを使わせるような道をひいたことについては帰ってきてからゆっくり話そうな」
「なっ!」
「行ってきます!」
泉美の言葉を聞く前に慧実は魔法を発動しその場から姿を消した。香澄は手を振っているが泉美は少し凹んでいるようだ。
「はぁ…」
「まぁまぁドンマイだよ泉美。お兄にはボクも一緒に謝ってあげるから」
「……悔しいですね」
「…うん。お兄は気づいた上でボク達に嵌められたフリをしてた。ホント敵わないなぁ」
「ええ。あの人は想像を軽く越えてきますからね」
香澄と泉美は兄が立てた粉塵を見ながら悔しそうにしかし少し自慢気な雰囲気で笑顔を見せた。
(ったく。可愛い妹たちだな。とっこのままだと俺の生命にも支障が出る。急がねば)
×××
この様にして慧実は真由美との待ち合わせ時間ギリギリにここに到着したのだ。
「それでここが武道場。ひょっとしたら慧実はここに来ることが多くなるかしれないわね。やるんでしょ?格闘技」
「ああ。これでも中学異種格闘技戦優勝者なんだ。マーシャル・アーツとかやってみたいと思うな」
「あっそうそう。今度摩利が是非手合わせしたいって言ってたわよ」
「機会があったらと伝えといてくれ」
そんなたわいもない会話をしながら姉弟はたくさんの視線に晒されながら歩く。十師族の姉弟が二人揃っているのが珍しいのか人だかりは収まるところを知らない。
「だいぶ人が集まっちゃたわね。そろそろ時間だし私は仕事に戻るわ。会場はあっちよ慧実」
「ありがと姉さん。祝辞頑張れ」
「ええ。もちろんよ」
慧実は真由美と別れると祝辞を良い席で観るべく早めに会場入りした。
「ふむ…いい場所だな」
慧実が陣取ったのは舞台真正面の最前列。
周りの者も七草家である慧実に遠慮してか完全に特等席の様な形になっていた。
(…別に孤立する気は無いんだが…これは時間に頼るしか無さそうだな)
と少し残念に思いながら慧実は入学式を過ごした。彼が真由美の祝辞に一番大きな拍手を送っていたのはご愛嬌である。
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