「ここがアルティス兄さんが言っていた『砦』か...」
とある砦の前に1体の影が立っている。
「ここも前のように無差別に襲ってくる機神も居るかもしれない...」
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「機神双獣撃!!」
両の腕から放たれた蒼白の『龍』が敵の機神を喰い荒らす。その『龍』が通った後には機神だったものの残骸が散らばり、砦への『道』が開かれていく。
「キサマらは何の為に戦う!覇気も無く、無差別に襲い掛かり、目的も分からない!!」
白い髪を靡かせ1機の赤い機神が敵陣を蹂躙し進んでいく。敵達の名は『イエッツト』。
「キサマらはこの世の敵に成りうる!!」
次々と襲いかかるイエッツトを赤い機神が蹴散らしていく。その拳で、肘で、膝で、足で、業で、機神は敵の攻撃をまるで意に介していない。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
機神...ロボットの名はヤルダバオト。轟級の『修羅神』である。
「我が覇気でキサマらひとつ残らず打ち砕く!!」
イエッツト達はヤルダバオトに群がる。
「...砕く!我が機神拳の前に敵はいない!!」
ヤルダバオトは自身を青白い炎を纏いイエッツト達の中に突っ込み、
「せいっ!はあっ!ぬおおぉ!でぇい!!」
左右の拳を敵が集まっている場所に叩き込み、数体の敵を蹴り上げる。そして、
「はぁぁぁぁ!!機神!猛撃拳!!」
その数体を砦の近くに居たイエッツト達に必殺の一撃で叩き込む!
「この程度で俺を止められると思うな!!」
赤い機神は白い髪を靡かせ戦場を舞う。
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赤い獣が砦の敵を蹂躙している所を空中で腕を組み眺めている者がいる。彼の者を表すなら蒼。
「・・・」
その者の目的は謎。
「...俺が出るまでもないか...」
彼の者はそう呟く。このまま戦闘が進めば自身が援護せずともあの赤い獣は1機のみで『砦』を制圧出来ると確信した。何故分かるのかと問われれば、彼の者も蒼い機神で数多の戦場を駆り、無敵の名を持っているからと言うしかない。
「さて、もうここを去るか・・・」
彼の者はそう呟きここを去ろうとした。
「ムッ!この気配は!!」
「やはり、こいつらには覇気が感じられん。こんなものでは我が覇気は高まらん。...次の砦の方が幾分かマシならいいが...」
ヤルダバオトの操縦者、フォルカは落胆していた。自身が戦っている敵に。以前にも戦った事があるが、やはり覇気は高まらず自身が欲するモノではなかった。
「・・・また、あの時の剛敵(とも)とやり合いたいものだ。」
フォルカは以前敵対し、最後は共闘の後別れた青き機神を思い浮かべた。そして、そこに一瞬隙が出来てしまった。
『ガァァァァァァァァァァァァァァァ』
フォルカがヤルダバオトで蹴散らし足場にしていた機神の骸が突如動き出した。
「何ッ!!」
必然的にヤルダバオトは足場を失くし地面へ投げ出される。
「クッ、あの時の様な悪鬼羅刹か!?」
フォルカは突如地面から出てきた敵を見て、以前剛敵(とも)と共闘し倒した機神を思い出していた。
『カ・・・ミ・・・・ク・・・ダ・・・ケ・・・』
辛うじて聞こえる呻き声を発し、ヤルダバオトの倍はある巨体の背中から数本の顎(アギト)が出現しヤルダバオトを目掛け襲いかかってくる。
「前のようにはやらせん!!行くぞ...ッ足が!!」
敵は地面から現れた時、ヤルダバオトが地面に着地した所を狙い自身の顎(アギト)の一部を放ちヤルダバオトの動きを封じていた。
「クソッ!!」
『グギャァァァァァ!!』
複数の顎(アギト)がヤルダバオトを襲う。
『・・・爆斧無双断・・・』
が、ヤルダバオトが攻撃される事は無く男の声と共に蒼い機神がその攻撃に割り込み顎(アギト)を一掃する。
「お前はあの時の...いや、覇気が異なっている。・・・誰だ?」
フォルカが見間違えるのも無理はない。突然現れた蒼い機神は、以前フォルカと共に戦ったアクセル・アルマーの専用機、髭男(マスタッシュマン)...『ソウルゲイン』に似ていたからだ。髭に見える部分はソウルゲインの白とは異なり蒼。ソウルゲインの代名詞とも言える肘に装備していたブレードの聳弧角(しょうこかく)は無く、この機神には肘に少し尖った蒼いブレードがあるだけ。
「・・・旅の者だ。ここを訪れたのは偶然だが、この敵(・)は何か嫌な感じがする。共闘させてくれないか?」
「...欲した戦いを成すのみだ。」
「ん?合意と見ていいのか?・・・まぁ、各々で好きにすればいいけど...な!!」
謎の男が操縦している蒼い機神は襲いかかってきていた敵の腕を回し蹴りで破壊し、目に見えない様な蹴りを放った。
「魔槍連脚!!」
その余波とも言えるエネルギーの刃が3つ形成され、触れた敵の装甲を裂いていく。
「貴様はここで倒す!!はぁぁぁぁぁぁ!!」
ヤルダバオト全体から目に見えるまで高めた覇気が炎の様に溢れ出す。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ヤルダバオトは一瞬で敵イエッツトに肉薄し、目にも止まらぬ拳の連打を浴びせる。
「その業に割り込ませてもらうぜ!竜王双撃ぃー!!!」
蒼い機神の肘に今まで無かった赤いビームブレードが備わり、ヤルダバオトの反対側から敵を切り裂く。
「(こうもあっさり俺の業に合わせるとは!!名のある者には違いない!)でぇいっ!!」
ヤルダバオトの拳から出た重い一撃で敵は空へ打ち上げられ、
「いでよ、覇龍!!」
その拳から白龍が出現した。
「轟覇機神拳ー!!」
この一撃と共に敵イエッツトは跡形もなく破壊された。
◇◆
「ムッ、あの蒼き機神は何処に?・・・あれほどの手練だ。またどこかで相まみえるだろう。」
あの修羅であるフォルカに気付かれず姿を晦ました機神の縦者はその機神の胸から今居る世界を見渡している。
「・・・次の戦場を目指し、この世界の事情を知り...早く俺の世界に戻る手段を見つけなければ・・・」
彼はこのフラスコに偶然入ってきたイレギュラー。彼の名はヴィロー・スンダ。武機覇拳流の開祖にして、後のブラッド・スカイウィンド、カーツ・フォルネウスの師になる男である。
『修羅神』
修羅軍が用いる機動兵器。修羅神の搭乗者は「繰者」と呼ばれ、修羅神は繰者の動きをトレースして動く。4つのランクに分けられており、烈、轟、超、天と右に行くほど格が高くなる。修羅神は繰者の生命エネルギーである「覇気(はき)」を吸収して稼動するため、修羅神の繰者となることは同時に生贄になることと同義である。ただし、戦闘で命を落とす可能性が高い修羅達にとっては寿命が減ることは些細な問題なため、修羅神に乗ることを躊躇うものはいない。
轟級修羅神は神化(しんか)することで超級修羅神になる。ただし神化には大量の覇気を必要とするため、過去には神化に失敗して覇気を吸い尽くされ、死亡した修羅もいる。神化後の姿は繰者の戦歴や心のあり方に応じて変化するなど、そのメカニズムには謎が多い。烈級以外の修羅神は自己修復能力を持っており、人手による保守整備が困難な点をある程度それで補っている。駆動系などは人工筋肉に近いものが用いられている。修羅神は失われた古代の超科学で作られたため、修羅側も修羅神の全てを理解しているわけではない。そのため轟級修羅神の量産は現時点では不可能に近く、最も古いパーツでも300年以上前のものが使用されている。ただし、轟級をベースに動物をモチーフにし、全体的に簡略化した烈級を新たに作り出す程度の技術を修羅軍は持っている。
烈級修羅神の場合、ある程度の覇気と戦闘技能さえあれば誰でも搭乗可能だが、轟級以上は誰もが動かせるという代物ではなく、相応の実力を持ち、儀式を経て修羅神自身に選ばれる必要がある。また、修羅将軍になるためには轟級修羅神に認められた上で神化を成功させることが必要となる。轟級以上の修羅神は一種の自意識をもっているのではないかと考えられており、一度操者として認められたが最後、操者が死亡しない限り別の人物が搭乗することは不可能。強引に別の人物が搭乗を試みた場合、その人物は覇気を吸い尽くされて死亡する。
『ソウルゲイン』
地球連邦軍特殊任務実行部隊『シャドウミラー』が運用する、特機サイズの人型機動兵器。高いHPと固い装甲、HP回復機能を持ち、武装は軒並み接近戦型と絵に描いたようなスーパーロボット。アクセル・アルマーの専用機。
パイロットの動きをそのまま機体にトレースさせる『ダイレクト・アクション・リンク・システム』とパイロットの思考を機体の動きに反映する『ダイレクト・フィードバック・システム』という特殊なマン・マシーン・インターフェイスを採用している。これらのシステムにより、パイロットの動きをそのまま機体にリンクさせる事ができ、より人間の動きに近い滑らかで追従性の高い、格闘戦に特化した機体として完成されていると言える。全ての攻撃を拳と肘のみで行うという特殊なスタイルを持ち、武装はこちらに集中して取り付けられている。ただし作中の描写からも解るとおり膝蹴りを使うこともあるなど、脚を攻撃には使えないということではない。
『ペルゼイン・リヒカイト』
アインスト・アルフィミィの搭乗機体であり半身。 『鬼面』を模した禍々しい外見を持ち、日本刀のような刀『鬼蓮華』を帯刀している。肩には『鬼菩薩』と呼ばれる浮遊ユニットが存在し、アルフィミィの意思で『傀儡』と呼ばれる巨大戦闘ユニットに姿を変える。