Fate/EXTRA~騎士王との出会い~   作:フィロ

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遅くなりましたが、新話投稿です。


第21話「侍と交代劇」

 端末が鳴り響く。もう、すっかり慣れてしまった事に内心呆れながら、私は掲示板に向かう。

 

「まだ、誰も来てないんだ」

 

 掲示板の前には誰もいなかった。まぁ、それは別にいいか。視線を掲示板に移せば、対戦者が書かれていた。

 

「宮本睦月……か、どんな人だろう?」

 

「こんな人だ」

 

 背後からの声に振り向く。そこには伸ばしっぱなしの黒髪を乱暴に結った青年が立っていた。

 

「おの、拙者の相手は嬢ちゃんか。いや、善哉善哉!!」

 

 そういって、快活に笑う青年、睦月は異様な格好だった。紺の和服に黒い陣羽織。腰には二本の刀。まるで、侍だ。

 

「ん?拙者の格好か?まぁ、珍しいのも無理はない。見た目を変えられるとはいえ、わざわざ和服にする者もいないだろうからな。しかし、拙者の正装である故、見た目に関しては眼を瞑られよ」

 

「え?あ、はい」

 

 なんだろう、物凄く調子が狂う。

 

「ではな、少女よ。アリーナで会おうぞ」

 

 楽しそうに笑いながら去っていく姿を見ながら私は唖然としていた。

 

『これまでに会ったことのないタイプだ』

 

 セイバーの意見も尤もだ。

 

 

 

 

 

 

「侍ね~。君の相手は変なのばっかだね~」

 

 もう、定番になりつつある教会で私は青子さんの言葉を聞いていた。

 

「そうなんですよ、なんていうか調子が狂う相手で」

 

「それは厄介だね。自分のペースを崩されるのは避けたい所だけど」

 

 そういって、青子さんは隣をチラリ、と見る。私も吊られて見れば。

 

「ふむ、ここにはいないか。ラニ、そっちはどうだ?」

 

「こちらでもミス橙子が提示する反応は見られません」

 

 二人のメガネが何かを探していた。何故、ラニが此処にいるのか、それは単に彼女が私に付いてきたからだ。そこで出会った橙子さんの仕事、というか目的のお手伝いをしている。

 

「あの二人、意外と息ピッタリだわ。インドア派だから?」

 

「ど、どうでしょう?」

 

 まぁ、アドバイスとかしてくれるようだし、ラニも立ち直ったみたいだから大丈夫かな。そう思った時、端末が鳴る。トリガーが生成された様だ。

 

「アリーナでは待ち伏せされているだろうから。気を付けてね」

 

「はい、行ってきます」

 

 

 

 

 

 

「うむ、まさか素直に来るとは思っていなかったぞ」

 

 アリーナに入ると同時に対戦相手の睦月とサーヴァントであろう青年が待ち構えていた。すぐさま、臨戦態勢に入るセイバー。

 

「まぁ、そう焦るな。此処は少し手狭だ。奥に開けた場所がある故、我らはそこで待つとしよう。主らは『とりがー』とやらを手に入れてから、ゆるりと来るがいい」

 

 そういうと、彼らは歩いて行ってしまう。その潔さ、というか。マイペースさに思わず脱力しかける。

 

「何とも、面白い男だ」

 

「やり辛い」

 

 これなら殺意バリバリに襲いかかって来た方がまだ楽だ。

 

「取り敢えずトリガーを先に手に入れようか」

 

「うん、そうだね」

 

 そう答えて、私達は先へと歩き出す。

 

「ねぇ、セイバー」

 

 アリーナの奥へと進み、襲いかかるエネミーを蹴散らすセイバーの背に問いを投げる。

 

「あのサーヴァント。クラスは何だと思う?」

 

 問いにセイバーは一瞬の間を置いて。

 

「背の長剣と佇まいからして僕と同じセイバークラスだろう。だとして、あの服装から察するに東洋の英霊だろうね」

 

「だよね。あの服は日本の物だし。だとすると、侍かな」

 

 侍の英雄。と括ってみてもかなりの数が存在する。ただ、それでも有名どころで絞るなら『宮本武蔵』『柳生十兵衛』等々、その中でも身の丈程の長剣を振るう侍。更に先程見た青年はかなりの美系だった。それらを考えれば、恐らく真名は。

 

「真耶?」

 

「え?あ、なに?」

 

 気付けば、セイバーの手にはトリガーが握られている。

 

「大丈夫かい?」

 

「あ、うん。御免」

 

 どうやら周りが見えなくなるほど考えているとは。なんというか、自分がこの戦争に順応している事に少しだけ嫌悪する。

 

「大丈夫かい?」

 

「うん、少し考え事してただけ」

 

 そういって、笑うとセイバーは少し呆れたように微笑む。

 

「敵のマスターとサーヴァントはこの先だ。気を抜かないで」

 

「うん」

 

 頷き、歩き出す。

 

 

 

 

 

 

「うむ、来たか」

 

 広い場所には睦月とサーヴァントが並んでいた。そして睦月は腰の刀に手を掛ける。

 

「ふむ、中々良い顔付きだ。女と思って掛かるのは失礼かの」

 

 その言葉と共に構えを取る。私は一度深呼吸してから全身を強化して、右手に魔力弾を三つストックする。

 

「いざ、参る!!!」

 

 叫びと共に睦月が駆ける。五メートルはあった筈の間合いが一気に詰まる。

 

「ッ!?」

 

 その速さに驚きながらも魔力弾を放つ。

 

「ヌンッ!!!」

 

 気合いと共に横一文字の一撃が魔力弾を切り裂く。

 

「っと」

 

 その光景を後ろに跳びながら眺めつつ。着地と同時にもう一度放つ。

 

「甘い!!!」

 

 返す刃で魔力弾は切り裂かれ、睦月が一歩踏み込む。それだけで一旦開けた間合いが詰まり、私の間合いが睦月の間合いへと変わる。

 

「やりにくい……!?」

 

「セイ!!!」

 

 マスターとの戦闘経験は多くはないものの、その総ては遠距離からの魔術戦が主だった。故にこうやって接近戦を仕掛けて来る敵は初めてだ。けれど、所詮は線の攻撃。刀の長さと速度をちゃんと見れば対処は可能。

 睦月の切り上げを数本の髪と引き換えに最低限の動きで避け、ガラ空きの脇腹に向けて、掌に乗せた魔力弾を押し込む。

 

「ぬっ!?」

 

「退いて!!!」

 

 叫びと共に魔力弾を零距離で放つ。放たれた魔力弾に押されるように睦月は数歩後ずさる。

 

「ふむ、試しに貰ってみたが。そこまでの威力はないか」

 

 そういって、睦月はパンパンと汚れを落とす様に服を掃う。

 

「対魔術用の防護服……?」

 

「応とも。魔術の相手ならこれぐらいせんとな」

 

 ニッと笑う睦月にため息を吐く。相性が悪すぎる。

 

 

 

 

 

 

「フッ!!!」

 

「おっと」

 

 胴を薙ぐ一撃はスラリと伸びた長刀によって受け流され、流れる様に曲線を描いた刀が首を刎ねんと迫る。

 

「っと。存外に東洋の剣士は戦い難いな」

 

「フッ、まぁ仕方なかろう。西洋の剣は力で。日の本の刀は技で斬る故。打ち合えば折れるは必定。こればかりは許せ」

 

「なに、気にするな。こちらも未だ貴公の剣を見切れぬ苛立ちからの戯言だ」

 

 僕の言葉に正面の男は涼やかに笑うと間合いを詰める。同時に風を切る音と視界の外から銀の光が首に迫る。

 

「くっ!?」

 

 もう何度も受けている一撃の筈なのに。まるで初見の一撃の様に動きが鈍い。何かカラクリがあるのだろうが、悠長に考えている暇はない。

 

「ハァッ!!!!」

 

 気合いの声と共に剣を振るも、長刀で受け流される。どうにもこういう手合いは経験が無い為、戦い辛い。

 

「フッ!!」

 

 カウンターの様に銀の弧が首目掛けて襲いかかるが。上半身を後ろに引く事で避ける。

 

「一撃必殺とは言うが、来るべき場所が分かれば避けるのも容易い、というところか」

 

「なに、実際に行うにはそれなりに大変だぞ?」

 

 僕の答えに笑みを浮かべる剣士は長刀を両手で持ち直す。

 

「では、避けきれぬほどの連撃ではどうか?」

 

 問いかけと共に十は超えるだろう連撃が襲いかかる。

 

「チィッ!!」

 

 舌打ちと共に致命傷であろう斬撃を弾きながら後ろに跳んで避ける。

 

「おっと、逃がさんよ」

 

 そんな言葉と共に跳んで離した距離を数歩で詰められる。しかも、まだこちらは着地すらしていない。

 

(くっ!?)

 

 そして振るわれた一撃が首と胴を切断せんと迫る。

 

「むっ!?」

 

 瞬間、セラフからの強制介入によってお互いが離れる。

 

「水入りとは興ざめもいい所だ。だが、考えようによってはまた良しか。初日で決着なぞ、流石に勿体ない相手だからな」

 

 そういって、ニヤリと笑みを浮かべるサーヴァントに寒気がする。

 

(拙いな。なんとか、凌げたが今のは本当に危なかった)

 

 セラフの介入が無い。地上の聖杯戦争なら今の攻防で終わっていた。

 

「ふむ、それにしても見事な腕前よな。セイバーのサーヴァントと見て相違ないか?」

 

「あぁ、貴公もセイバーのサーヴァントだろう。中々の剣技だ」

 

 僕の言葉に彼はフッと笑みを作る。それは自嘲の笑みだ。

 

「いや、済まぬ。期待を持たせてしまっているが。生憎私のクラスはセイバーではない」

 

 セイバーではない。では、なんのクラスなのだろうか。そう思っていると、彼は横にやってきた自身のマスターを見る。マスターは一度頷き、笑みを作った。

 

「アサシンのサーヴァント。佐々木小次郎」

 

 そう突然の言葉を作った。

 

 

 

 

 

 

「ほほう、佐々木小次郎か~。君も面白い相手と出会うね~」

 

 アリーナでの戦いから一日が経ち、今私達は教会で青子さん達にアドバイスを貰っていた。といっても、当の青子さんはニヤニヤと面白そうに笑っている。

 

「というか、佐々木小次郎にアサシンの適正があったなんてね。意外だわ」

 

「適正は関係ないだろうな」

 

 青子さんの言葉を即時に否定したのは表示枠を睨んでいた橙子さんだ。電子タバコを咥えながらでも険しい顔つきの橙子さんはかなり不機嫌という事になる。

 

「どういう事ですか?」

 

「月の聖杯戦争は過去の聖杯戦争を基にして作られているのは知っているな?」

 

 表示枠を消し、私達に向き直る橙子さん。

 

「この学園に存在するNPCも過去の戦争に関わった人間を再現している。という事は過去の戦争を模範にしている以上。その当時のクラスを選択する可能性も考えられる」

 

「という事は過去の聖杯戦争でアサシンのクラスだったから今回もって事ですか?」

 

「確証はないがな。だが、そのサーヴァント本人に適正があったと考えるよりかは理解しやすいだろう?」

 

「けど、それだったら何で過去にアサシンのクラスで現界したのか、って疑問が残るわよね?」

 

 青子さんの問いも尤もだ。その問いは橙子さんも分からないのか、肩を竦めるだけだ。

 

「これは推測ですが」

 

 そう声を上げたのは表示枠を操作しているラニだ。彼女は新しく出した表示枠を私達に見える位置に移動させる。

 

「そのアサシンは元となった聖杯戦争でイレギュラーだったのでは?」

 

「イレギュラー?」

 

 私の言葉にラニは作業を一旦止める。

 

「話を聞く限り、そのアサシンは本来、セイバーの適正しかなかったのでしょう。可能性の話ですが。彼が参加した戦争では既にセイバーのクラスには何らかの英霊が召喚されており、通常では有り得ない方法で召喚された結果。彼にアサシンというクラスが当て嵌められた、という事になるのでは?」

 

「ふむ、だとすると。召喚した者もイレギュラーとして考えれば幾らか納得できるな」

 

「例えば、キャスターのサーヴァントが召喚したとか?」

 

 青子さんの言葉に思わず苦笑する。流石にそれはない。けれど、ラニは顎に手を当てながら。

 

「ミス青子の推測は可能性として高いでしょう。ソレが可能な英霊はかなり絞られますが、少なくとも神代の魔術師ならば恐らくは……」

 

「だとしても、そんなルール違反で呼ばれたサーヴァントがまともに機能できるとは思えんな」

 

「確かにね~。何らかのペナルティがある筈でしょ」

 

 そういって、三人が色々と考える。

 

「何時の間にか議題が変わっているね」

 

 苦笑するセイバーに私も苦笑を浮かべるしかない。ふと、視線をセイバーへと向ける。

 

「ねぇ、セイバー。戦ってみてどんな感じだった?」

 

「うん?そうだね」

 

 私の問いにセイバーは顎に手を当て真剣な表情を浮かべると。

 

「透明な……そこにいるのにいないような。そんな感じだった」

 

「随分と抽象的ね。珍しいじゃない、君のサーヴァントが言葉を濁すなんて」

 

 青子さんの言葉にセイバーが何処か疲れた様に息を吐く。

 

「僕としても彼の剣が分からないんだ。大抵の敵は剣を交えればどんな人間なのか分かるんだが。彼はそう、風の様な人間なんだ。厄介、という点ではアーチャーと同等だろう。彼は得体がしれない」

 

 その言葉に私は項垂れる。セイバーに此処まで言わせるとは。伊達に五回戦まで勝ち上がっていないか。

 

「まぁ、対処についてはこれから考えるしかないね~」

 

 青子さんの言葉に頷く。

 

「項垂れるのは勝手だが。相手の事が分からないのは何時もの事だろう。あまり深く考えるな」

 

 思わず顔を上げる。橙子さんの顔をまじまじと見つめる。

 

「お前は……人が折角珍しい事を言ったのに。その態度はないだろう」

 

 あ、自覚あったんだ。

 

「痛い!?何するんですか!!!」

 

「何となくだ」

 

 唐突に額を叩かれた。彼女はそういうと新しい電子タバコを咥えて。

 

「まぁ、このタバコが更に不味くならんようにな」

 

 

 

 

 

 

 静かな湖面。その場所を表現するにはコレでは少々物足りないだろうか。そんな感想を抱いている青年は棺の様な石の上に座っている。その視線の先、淡い緑のフリルが可愛らしいドレスを着た少女が湖面を素足で踊る様に歩いている。

 

「やぁ、今回は随分と早いね」

 

 そんな少女に青年が柔らかな声を掛ける。まるで妹に接する兄の様に。

 

「えぇ、だって今回は彼が来たんですもの」

 

 嬉しくてたまらない。そんな感情が溢れんばかりの返答に青年は小さく笑みを浮かべる。

 

「そうか。今回は私ではなく君の願いが叶った様だね」

 

「えぇ、ふふ。あぁ、早く会いたいわ。今いる参加者を全員消去して今すぐにでも!!」

 

 感極まったかのように告げられた言葉に青年は苦笑する。

 

「おいおい、無茶はしないでくれよ。幾ら君でもセラフ相手では分が悪いだろう?」

 

「えぇ、その通り。悔しいけど、セラフは優秀だわ。憎らしいほどにね」

 

 青年の言葉に少女は腕を組み、頬を膨らまして文句を言う。それはまるで大事にしていた約束をすっぽかされて拗ねた少女の様でとても可愛らしい姿だった。

 

「なら、信じて待つ事だ。なに、今回の彼はマスターにも恵まれている。もう少しで会えるだろう」

 

「そうね。私には負けるけど。彼女は優秀なマスターよ。でも……」

 

 そう言葉を区切り、少女は青年へ顔を向ける。

 

「あの子……嫌い」

 

 その瞬間、湖面どころか空間がギシリと歪む。少女の瞳はゾッとするほど冷たく無機質だった。

 

「ソレを私に言われても困るな。だがしかし、彼女は私の願いを叶えてくれそうにないな」

 

 そういって嘆息する青年はしかし。残念そうには見えない。何処か慣れたような落胆だった。

 

「そう?じゃぁ、今回は私が此処に居ていいの?」

 

「あぁ、構わないよ。けれど、ちゃんとルールは守ってくれ」

 

 少女の問いに頷き、青年が釘を刺すと。少女はまたも頬を膨らませる。

 

「それくらいは分かっているわ。ルールや規律を遵守する。それは彼の好きな事だから。彼が好きな私はソレを守るわ。例え、どれだけ煩わしくてもね」

 

 そういって、笑みを浮かべる少女の青年は頷く。すると、見る見るうちに青年の姿が粒子となって消え始める。

 

「では、今回の戦争は君に権限を譲渡しよう。勝敗に限らず、次回の戦争がはじまると同時に権利は自動的に私に戻る。構わないね?」

 

「えぇ、それでいいわ。え?ルールの確認?もう、そんなに私って信頼ないのかしら」

 

 そう口を尖らせて呟いた少女は青年の言葉に何度も頷く。そうしている内に青年の身体は消え、残るは顔だけになる。

 

「では、私はこれにて。君の純粋な願いが叶えられるといいね」

 

 そんな言葉と共に青年が消える。ソレを見届けた少女は青年がいる場所の更に奥。巨大な正方形の物体を見上げる。

 

「さて、小煩い人も消えたし。この無個性な場所も模様替えしなくちゃ♪」

 

 上機嫌に告げ、右の素足をトン、と湖面へ落とす。靴の履き心地を確認するその仕草は湖面に波紋をもたらすと同時。少女がいた世界を壊す。

 

「ふふ、感動の再会にはソレに相応しい舞台にしなくちゃね」

 

 白い空は暗く深い黒に変わり、美しい湖面は屍が転がる地面へ。正方形の物体へ続く階段は不気味なモノへと。

 此処に青年が拵えた祭壇は消え、かつてあった地獄が蘇る。その中心で少女は空を見上げ、頬を染める。その表情は恋する少女と同じ。だが、その瞳には狂気しかない。

 

「あぁ、早く会いたい。会って抱きしめて欲しい!!!昔みたいに髪を撫でて貰いたい!!!初めて会った時と同じように微笑んで欲しい!!」

 

 狂々(くるくる)と少女は謳い、廻る。その地獄は少女が拵えた舞台。主演は少女と想い人である一人の剣士。かつて少女が従え、少女を殺した一人の青年。

 

「私のセイバー!!!私の、私だけの王子様!!!!」

 

 そう声を上げれば少女の背後から見るもおぞましい獣が現れた。それを見た少女は聖母の様な微笑みを浮かべ。

 

「漸く来たのね。もう、レディを待たせるなんていけない子」

 

 恭しく頭を垂れた七つの頭其々を撫でながら告げる少女はしかし、何の不満もない。

 

「さぁ、一緒に待ちましょう。私と貴方で、セイバーを迎えましょう」

 

 七つの頭に十の角を持った獣は表現できぬ声を上げると少女に寄り添うように屍へと腰を下ろす。

 

「~~♪―――♪」

 

 上機嫌に歌を口ずさむ少女は来るべき客人が来るのを待つ。

 




五回戦の相手はSNアサシンでした。更にラスボス交代。プロトセイバーを出すならラスボスはこの子でしょう。まぁ、そのお陰で勝率がグンと落ちたけど。では、次回の更新をお楽しみに
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