『アヴァロンから人理修復!』   作:口からシャイタン

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書きました…戦闘シーン難しい……
誤字もある気がする…

見る準備は出来てるか? 俺は出来ていない……


暇人と成り玄人となる

アルトリア、ヘラクレス、ギルガメッシュ、揃いも揃って曲者が一堂に会するこの場所。

どんな英雄だろうとこの状況で表情を崩さない存在はいないだろう。

もし居るんだとしたら、それは唯のバーサーカーか、それともそれに追随する存在か…将又無知なる存在という所。

 

「すみません帰っていいですか?」

 

いえ答えを聞く必要も無い!

私は帰らせてもらおうか! こんな場所に居たくもない、すぐにでもアヴァロンに帰る!!

 

「まぁ待てよルーラー! どちらにしてもアレと死合するしかねぇ」

 

「そうですよアーサー王。 貴女という戦力が居なくなっては勝利は絶望的ですし、この異変も終わりません」

 

ぐぬぬ…た、確かにこのままでは正史通りには行かないでしょう。

これでは最初からクライマックス、と言うより何故に金ピカ!?

私、ちょっとアレとは色々あって遣り難いんですが…

 

現在も自らの財を放っている英雄王はチラリとコチラを見る。

それに続いて黒騎士王も覗き見てくる。

 

バレました…不意を打つ暇もないとは、まぁ避けられるでしょうがね。

 

「ほぉ…やっと来たかカルデアのマスターとやら! だが遅い、遅すぎるぞ! この我を待たせるとは万死に値する。 だが良い…精々興じさせてくれよ?」

 

「チッ、今更傍観に徹しますか…」

 

黄金の王は黄金の天艇に乗り込み空洞の上へ、玉座にて頬杖を立てる。

 

「まぁいい。 さてよくここまで来たなカルデアのマスターとそのサーヴァント… ほぉ、その盾といいもう1人の私といい、随分興味深い編成だ」

 

「この盾の持ち主を知っているんですか!?」

 

まぁ、円卓の騎士(ウチ)の関係者ですからね…

と言うよりその盾は円卓何ですし気付けと物申したい所です。

 

「フン、私を倒したならば答えることもあるだろう… どれ、その盾の守り、真か確かめてやろう」

 

『凄い魔力反応だ! 恐らく宝具だ藤丸ちゃん!』

 

「マシュ!」

 

マシュは返事と共に私たちの前へ立ち、ラウンドシールドを構える。

道中に使う事が無かったがあの返事からしてもう使えるでしょう。

 

「『卑王鉄鎚』極光は反転する」

 

黒の聖剣に魔力が込められヴォーディガンの炎を再現する。

聖杯によるバックアップでなかなかの威力のようだ。

 

「光を呑め! 『約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)』!!」

 

「私が皆を、先輩を守るんだ!」

 

光を呑む極光はマシュの盾と激突する。

 

「はぁぁあああああ!!!」

 

マシュはお世辞にも戦闘の出来るサーヴァントではない。

つい最近まで普通の、とはだいぶ違うが英霊ではない少女だったのだからしょうがないでしょう。

現に、勇ましく見える彼女の膝は震え、顔には恐怖の色が現れている。

 

マシュが盾を掴んでいられるのは、マスターを守りたいと言う純粋な物なのだろう。

 

「マシュ…令呪をもって命ずる、宝具を展開し」

 

マスターもまた声を、膝を、体全体に恐怖を感じ、震えながらもマシュに向かって令呪の宿った手を伸ばす。

 

「私たちを守って!」

 

「命令を承認…宝具、いきます!!」

 

マシュは令呪による魔力により宝具を形にする。

それはまるで堅牢な壁、少女の守る心に呼応した何者にも侵されない障壁である。

 

「ほぉ、混ざり者、成り損ないと思って見てみたが、成程、見事なものよな…それで誰の許可を得て我の隣に座る裁定者」

 

「いえ、見渡しがいいもので。 それより神代の酒があるんですが如何か?」

 

「…貴様、まさか」

 

訝しげに紅眼を細めるギルガメッシュ。

そして、下もどうやら収まったようだ。

 

「手を抜いたつもりは無かったのだがな。 しかし、その盾はどうやら本物、つまりはそういう事だろう」

 

「クッ…まさか、ここまでの威力とは、すみません先輩。 ある程度ダメージが通ってしまいました」

 

「いんや十分だぜ嬢ちゃん! 後は任せな…おいルーラー降りてこい!!」

 

やはりバレていましたか…アサシンクラスでも取りましょうか…

しかしその場合セイバーへの憎しみが……

 

「どうやらお酒を飲む暇は無いらしい。 またの機会に」

 

私は地面に着地し、クーフーリンの元に飛ぶ。

 

「勝算は?」

 

「ねぇな」

 

簡潔な答えであったが、この男の顔には焦りも無ければ恐怖も無い。

あるのは獣のような目に笑顔。

 

「だが、分の悪い賭けは嫌いじゃねぇ」

 

「私はそうでもない」

 

「守りは消えた。 お前達の命脈も果てる頃合だ…行けヘラクレス!!」

 

「■■■■■ーーーッ!!!」

 

大人しかったヘラクレスはどうやら黒王の支配下のようだ…

 

ヘラクレスは地を割り、一足で私たちの目の前に来る。

これはもう出し惜しみをしている場合じゃないですね。

 

私は紙をとりだし呪文(スペル)を呟く。

紙は朱槍へと姿を変える。

 

「クーフーリン、これを貸し出しますから黒王をお願いします。 絶対に壊さないで下さい!!」

 

「何で最初から出さなかったの、とか、何で持っている、とか、まぁ色々聞きてぇ所だが。 有り難く借りるぜ!!」

 

クーフーリンは槍を構え、衣装を青タイツに替え、ヘラクレスの横を突っ切る。

当然ヘラクレスはクーフーリンを補足し、無茶な体勢から無理矢理180度向きを変える。

斧剣を振り上げ、自らの膂力をもって振り下ろす。

 

「させません!」

 

私はクーフーリンとヘラクレスの間に入り斧剣を受け止める。

私の足場には大きな罅が入り、腕には重みが伸し掛る。

魔力放出により筋力を底上げできる私は出力を上げ、ヘラクレスの巨体を押し上げる。

ヘラクレスの身体は数cm程浮き上がり、隙ができた。

 

「叩き斬るッ!!」

 

聖剣に魔力を通し横に薙ぐ。

 

だがどうやら唯では斬らせてもらえないようだ。

ヘラクレスは罅割れた地面に斧剣を突き立て叩き割る。

地は割け、安定した足場を失った私は聖剣を下段に構え直し後退。

ヘラクレスは勿論追ってくる。

 

「■■■ーーッ!! ■■■ッ!!?」

 

私は聖剣に通された魔力を放出し牽制とした。

 

ですがこれではジリ貧…もう一手速めるしかないか?

 

聖剣を右手に持ち、左手には黄金の剣を召喚。

これは正史で折られ永遠に失われた選定の剣『カリバーン』。

私の場合は折れずにオリジナルが手元にある。

それもこれも、折れるとわかる前にマーリンをパシらせ、湖の乙女にアポを取り、加護のついでに聖剣を注文したのだ。

 

「魔力放出、全・開ッ!!」

 

今回は事が事ですから、出血大サービスで魔力は私負担で限界解放。

二刀流も暇だった…いえ鍛錬の末に身に付けていますから大丈夫なはず、手数が多くてダメージが激減なんていう事ないでしょう。

 

ヘラクレスは光弾の嵐を打ち払い避け、私の前へと躍り出る。

そのまま右から左へとに斧剣を薙ぐ、

 

「やはり狂戦士となっても尚、その剣技は荒々しく鋭い… だが、私の領域では狂戦士である貴公の刃は届かないと知れ!!」

 

だが、ヘラクレスの斧剣は叩き落とされた、そして私の追撃が始まる。

魔力放出による高速移動、音を忘れた剣戟はヘラクレスの刃を通さず、弾き、斬り、止め、後退しても皮膚を削ぎ落とす。

 

「重要な筋肉部位を全力で絶ったはずだが。 見た所ストックは英雄王に削がれたか、黒騎士王戦で失い聖杯によるバックアップを十分に得られなかったという所… 最早、戦闘続行スキルだけで動いているな?」

 

ヘラクレスは膝を付き、斧剣を杖にして体を支えている。

だが、立ち上がり、既に動けるはずの無い身体を本能だけで稼働させているのだろう、その足取りは獣の如くである。

いや、狂戦士に一番合った戦闘法と言えるか…

 

だが、突如ヘラクレスの気配は消え失せた。

その代わりに私の真後ろに狂戦士の咆哮が起こり、耳を劈く。

 

「これは令呪ッ!!?」

 

「令呪全てをもって命ず、ルーラーを宝具をもって葬り去れ!!」

 

声は私のもの、いや、黒王のものだった。

彼女は、クーフーリンの相手をしながらこちらの対局を覗き見ていた、槍を与えたとしてもキャスタークラスでは厳しかったという事か。

 

「余所見してると痛い目合うぞオラァ!」

 

「ルーン魔術の併用か…見事だが足りん!!」

 

厳しいな、こちらは早々に切り上げなければ…

 

ヘラクレスは斧剣を振るう、その剣技は九つの斬撃が重なる絶技。

 

「■■■■■ーーーッ!!!!!」

 

射殺す百頭(ナインライブス)』が私に放たれる。

だが私の直感は予想を超えた一手を弾き出す。

 

囲うように放たれる九つの剣は同じ速度で私へと迫る。

 

 

──私はそこに敢えて飛び込んだ!

 

 

「真名解放、『勝利すべき黄金の剣(カリバーン)』ッ!!」

 

左手に持つ『カリバーン』を大英雄の霊基目掛けて滑り込ませると同時に真名解放を行う。

 

「まだまだァ!!」

 

右手に持つ『エクスカリバー』の魔力を推進力として解放し、更に『カリバーン』を押し込み『射殺す百頭(ナインライブス)』を針に糸を通す様な繊細な動きにてすり抜ける。

 

「まさか、単純な力押しで下される事になろうとは…」

 

ヘラクレスの霊基は破損し狂化は解除される。

その重厚な声は印象強く残る。

 

「誉ある騎士よ。 お前ならば人類史の救済も可能だろう…だがここで驕ってくれるな。 これは始まりである…」

 

大英雄ヘラクレスは黄金の粒子となり霧散した。

 

「言いたいことだけ言って消えたか…」

 

『アーサー王、ヘラクレス戦と言う大役を終えたばかりで非常に言い難いんだけど。 クーフーリンの所に速く行ってもらえないだろうか? このままじゃ直ぐにでも限界が来てしまう!』

 

ロマニは私に黒王への対応を求める。

正直こっちがラスボスだった気でいました……

 

私は無言で黒王の元へ全力疾走、その際に『カリバーン』は仕舞い込み、『エクスカリバー』を両手で握る。

 

「よぉ、遅かったじゃねぇかルーラー」

 

「だったら次があったら貴方がやりますか?」

 

「ハッ、次があんならな!」

 

戦場の中でこのようなやり取りは必要である。

時にリラックスさせ、戦う意力を生むからだ。

だが、私たちには本来不要な物、戦う準備なら遠に出来ている。

だったら何故やるのかと問われれば、それがこの場での醍醐味だからと答えるだろう。

 

「さて、テンプレートな如く死地で掛け合いもしましたし…そろそろ自分退治と洒落込みましょう」

 

「言わぬが花って言うもんだぜテンプレとかよ。 まぁ、決着って点では賛成だ、オーダーを言いなマスター!!」

 

「うん、勝つよみんな!」

 

「先輩、私もせめて、マスターだけでも…守ります!!」

 

それぞれの士気は十分。

黒王に疲労の色は見えないが、勝てるだろうと確信はある。

 

と言うより、私が何度自分と戦ってきたのかを考えると楽勝とまで言える。

 

……言ってみて悲しくなりました、シロウのご飯が恋しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回もあるといいね…期待しないで、本当に……
期待してもコーヒーに入れる砂糖くらいに、お願い致します……

あとがきに、何かコーナーでも入れようかなぁ……

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