ということでひっそり投稿。
ARCⅤのジャックを見て私のリビドーがバーニングソウルして活力をいただきました。
いやぁ、まさかジャックがちゃんとキングしてるとは()
近頃の私のウィンちゃんデッキでは音響戦士を取り込んだりそのギータスと共に召喚師ライズベルトを取り込んだりしてペンデュラムにも対応、尚且つレベル操作でランク4やレベル8を出しやすくなっているのでスカーライトも出せそうです。
最近はスターダストクロニクルを出して大満足しております←
いやぁいろいろ弄っているといろいろできることが増えて楽しいですねぇ。
スゥ、と深呼吸して空気を吸い込む。
精霊世界特有の、魔力を含んだ大気。やはりこちらのほうが私の体に馴染む。
私――ウィン――は
私を追っている人たちは今頃あの街から私が離れたことを悟っている頃だろう。――追ってきた人たちがあの街から離れるように、意図的にそれがわかるようにしたのだから。
なぜそんなことをしたのかといえば、彼から言われた一言が理由であることは確かだった。
“たまにうちに来なよ。旅の途中で思い出したときにでもいい、俺でよければ歓迎するからさ”
風に愛された彼から言われたその言葉が、頭から離れない。
流浪の旅を続けている私にそう言ってくれた人は初めてだった。人間界で実体化していない私を見ることのできる人とであったのも初めてのことだったけれど。
こちらの世界では部族を抜け出た私を受け入れてくれるところはほとんどない。あるとしてもいくつかの種が集まった街で、数も少ないことから見つかる可能性が高いせいで長居はできない。路銀を少しばかり稼いで、旅に必要なものを手に入れて、できるだけ早く離れる。そんなことの繰り返しだ。
だから、私が頼れる……頼ってもいい場所ができたのは少なからず嬉しいことだった。彼からは私を騙したりしているような空気は感じられなかったこともある。
それに昨夜の会話。彼にとっては何気ないことだっただろう、私に貸してくれた部屋を出る間際にかけられたおやすみなさいという一言。そんなことを言われたのは久しぶりで、動揺してしまって、なにか無性に嬉しくなって、同じ言葉を返すだけなのに時間がかかってしまった。……思い出すと心が少し暖かくなる。
彼は少しおかしな人だったけど、優しい人だった。見ず知らずの私に良くしてくれて、本当に感謝している。でもそんな彼だから、あまり迷惑をかけられないと思った。
追っ手を撒くという意味でも、しばらくは行かないほうがいいだろう。あの街をマークされたら行けなくなってしまう。
「……《プチリュウ》?」
どこからともなく小さな黄色の体をした子供の竜が現れて、私の周りをくるくると回りだす。
私の
こっちの世界に残ってもらっていたこの子は、私が帰ってきたのがわかってここに来たんだろう。
「そろそろ行かないと」
転移のための術を起動する。
こちらの世界なら、人間界ほど術の発動に神経質にならなくていいのはいいことだ。そういったものは溢れているのだから。
ただ、行き先を追跡されないようにする細工だけは必須になる。前回はそれをどこか間違えて追われてしまった。
次に行く場所はこっちの世界の街だ。プチリュウに手を伸ばして術の中に入れる。
――瞬間、私の意識と肉体は別の場所に飛ばされた。
◇
あれから時間は流れて……。
――ウィンと出会ったあの日から、もう半年が過ぎる。
あの日からひと月ほど経った頃に一度、彼女はまたウチに現れた。
必ず会おうとかそういう約束をしたわけじゃなかったからまた来てくれるかわからなくてそのひと月なにかとそわそわしていた俺は、そのときは自分でも想像してなかったほど嬉しかったのを覚えてる。
そのあともウィンは定期的に、少なくともひと月に1回はウチに来てくれた。
始めの頃は、ただ話をした。ウィンのことをもっと知りたいと思っていた俺にとってはいい時間だった。ウィンは旅の間にあったことを、俺はこっちの世界でのことを。話に夢中になってしまって、真夜中まで語り合っていたこともあった。
そうして会って別れてを繰り返して、それは確か3回目以降のこと。俺はウィンを連れて街に繰り出した。話す内容が少なくなってきたのもあったけれど、それよりも旅を続けるウィンに楽しんでもらいたいと思ったからだ。
街のショッピングモールを中心にして、いろんなものを見て回りながらのウィンドウショッピング。行く店を決めて回っても良かったけれど、俺たちには気ままに見て回った方が性にあっている気がしてブラブラと歩き回った。普段ならあの能力のせいで人ごみにいると感じてしまう疲れも忘れて。
目に付いた映画を見に行ったり、アクセサリをウィンにプレゼントしたり、ゲーセンで盛り上がったり。
ウィンがやってくる度に話をして、街を歩き回って――そういう、楽しい時間をウィンと何度も過ごした。
やらかしたというかミスったことといえば、俺の母親にウィンのことがバレたということくらいか。
こちらの世界に実体化しているウィンなら俺のような特性のない人にも見えるのは当たり前のことで、あるときリビングで2人ともうたた寝してしまい、しかも肩を寄せ合わせるような感じでいたのを母親に目撃されてしまったのだ。
寝ていたので気づかず、しかも余計な気を回したのかその日母親は家に戻って来ずに、後日根掘り葉掘り聞かれたのは精神的に辛い出来事だった。
――会う度に俺のウィンへの想いは強くなって、別れるのが辛くなっていく。仕方のないことだと分かっていても、辛い。
女々しいことは重々承知。でもどうしようもないんだ。こんな強い感情を抱くのは初めてだから。
不定期に訪れる彼女だが、前回来た時から空いた時を考えるににそろそろ来る頃なんじゃないか。そう思ってしまうとついそわそわしてしまう。
自室のベッドの上で悶え続ける男子の図なんて誰得でもないが。
「あー、会いたいなぁ」
――結局彼女が我が家を訪れたのは、それから更に1週間が経ってからだった。
「お邪魔します」
「おう、おかえり」
“おかえり”
俺はウィンが来たときはそう言うようにしている。
少しでも拠り所と思って欲しいという想いでそうしている。
俺のいる時間を見計らって来ているようで、来るのはほぼ確実に俺がいる週末の朝。それは今回も変わらず、土曜の朝に彼女はやってきた。
「まぁ、とりあえず上がってくれ」
「はい、お邪魔します」
それからはとてもゆったりとして落ち着ける時間が流れていく。
他愛もない会話を交わして、デュエルで盛り上がる。
そんな風に時間を忘れて過ごしているといつの間にか昼時になり、街へと繰り出す流れになった。
「ウィンはさ、なにか食べたいものある?」
「そうですね……クレープを食べたいです」
「ん、了解。飯食べたあとでな」
外食といっても、中学生の俺らが利用するような場所といえばファストフードやファミレス程度だ。
やはりこの頃は量がないと満足できなくなってきている。女の子なウィンと比べて確実に多い量を同じくらいの時間で腹の中に収めて、まだ余裕がある。
「――まだ満足できねぇぜ……」
「何か言いましたか?」
なんでもない、と誤魔化しつつ何故か受信した電波を頭の中から消去。
満足民はまだ当分来てはいけない時代だ。
特に問題なく
眼前では小学生低学年位のちびっ子たちが走り回っていたり、その横の方ではデュエルディスクを使ったデュエルをしているグループもいたりと、子供も大人も休日を満喫している。
自分の分のクレープに口をつけながら視線を横目でウィンのほうに向けてみる。
彼女もクレープに口をつけだしていて、啄むように食べていた。予想以上に可愛らしい動作でドキっとする。
つい視線を向けたままにしてしまい、こちらを見たウィンと目が合ってしまった。
「どうかしましたか?」
「あ、いや――」
なにか、なにか言わないと……!
と無意味に焦りだした俺が口に出した話題は、このクレープを買った移動販売のお店での一幕だった。
「――買えなくて残念だったな、って思ってさ。クラスの連中が話してたから、あの店のミックスベリーのこと」
おすすめはミックスベリー。そう聞いていたんだが買えなかった。
店を間違えてはいないと思う。実際メニューにも書いてあったし。ただし、売り切れマークと共に。
なので大人しく諦めて俺は1番人気だというブルーベリーを、ウィンはストロベリーをチョイスしていた。
「ユートさん、私にそちらを一口いただけませんか?」
ウィンがそう言ってくる。
断る理由もないので包みごと手渡そうと差し出すと、彼女は俺の差し出したクレープにそのまま口をつけた。
こ、これは俗に言うあーんとかそういうやつなのではついでに間接キスですかねそうですよね……?
心拍数の跳ね上がりを抑えられない俺を他所に、その元凶である彼女は自分のクレープに口をつけていた。
「――ブルーベリーとストロベリーで、ミックスベリー。そういうことなんじゃないでしょうか」
気恥ずかしさだとかテンパりだとかを置いておいて、ハッと気付かされる。
そういうことだったのか……あの店主、やってくれる。つい視線を公園の隅にあるクレープ屋の車の方に向けてしまった。
デュエルだとしたら、止める手段はあったのに既に発動されているカードとのシナジーに気づかないまま続くカードの効果を軽く見て発動を許したところでコンボを通されてしまったといったところか。
これは上手く踊らされてしまった。悔しがるどころか賞賛してしまいそうになる。
なるほどなるほどと納得していたところ、俺の目の前にクレープが差し出された。
「ユートさんもどうぞ」
「お、おう。ありがとう……でもいいのか、口つけちゃって」
俺がそう問いかけるとウィンは一瞬何を言ってるのというような顔をして、そのあとにハッと何かに気づいたような表情になって、自分の手元に視線を向けながら僅かに頬を染めていた――――めっちゃ可愛い。
「私はいただいてしまいましたし……あなたなら、私は構いません。これで、その、おあいこというか」
クレープを差し出したまま、呟くようにそう言うウィン。
「そ、そうか。じゃあ……」
溢れそうになるリビドーを押さえつけるのに精一杯な俺が返せたのはそれだけで、とにかく差し出されたクレープを一口いただく。そのまま自分の分も一口。
二種類のクレープを一緒に味わうものの――この状況で味なんて正直わかんないんだよなぁ……。
その後妙に声を掛け辛くお互い無言でクレープを食べ進めていたのだが、心の中の俺がこのいい空気で日和ってどうするんだよと主張してくる。突然どうしたんだもうひとりのオレ!
いやまぁ確かにこうアタックするには悪くない状況だと思うけどそんな簡単に言われてもどうすればいいか……とにかく行動? ま、まぁさっきのウィンの態度からして、その、悪くは思われてないようだからチャンスではある……と思いたい。とはいえどう行動すればいいのか思い浮かばないんだが。女性経験ゼロなめんな。
え、勢いでいけ? こういう時には勢いが大事? 嫌われてなければ大丈夫ってそんな。てかもうひとりのオレ一体何人いるんだ。囲むなこっちくんな。
でもまぁ確かに、今の俺が考え続けても碌な答えなんて出ずに時間が過ぎるのは確実。自分の気持ちに素直になって動くのも悪くないのかもしれない。それになんというかこういうのは俺の方からいきたいし。女の子から来るのを待ってるのはちょっとカッコ悪い。
さあ、覚悟を決めようか。大丈夫何の問題もない。心の
「なぁ、ウィン」
変に上擦った声にならないように、自然に声を掛ける。
「な、なんでしょう」
「もう一口、もらえないかな」
「わ、わかりました」
こちらを振り向いた彼女のエメラルドのような瞳と目が合って一瞬たじろいでしまったが、気を持ち直してしっかり相対する。
「えっと、もう一度、ですか?」
「そうしてくれると、嬉しいかな」
おずおずと差し出されたクレープを先ほどと同じように一口もらう。そして自分の分も一口。これから考えてる事のために量は少なめで。――どちらにせよ相変わらず味はわからない。
多分顔とか真っ赤になっているだろうが、ここまで来たらもう勢いだ。いまさら止めることはできない。止まっちゃいけない気がする。
二種類のクレープを頬張ったままそっとウィンの肩に手を掛けてこっちを向かせる。そして心の中でごめんと思いながら――
――その小さな唇に自分のそれを重ねた。
ウィンの目が驚きで見開かれているのが、ごく至近距離で見える。とっさだったのか、空いている方の手が俺の胸に当てられて押し返すように力が掛けられる。
俺はその力に負けないよう肩に置いた手を彼女の背中に回して、想いを伝えるようにキスを続けた。
次第にウィンの腕から力が抜けていき、もう俺の胸に手を置いているだけになっている。
対する俺はというと緊張が一周して吹っ切れてしまったのか、口の中にあるクレープの味を感じることができていた。甘酸っぱく、そして彼女の唇の感触という特別なトッピング付きのミックスベリー。
舌をつかってウィンのほうにもおすそ分けを渡す。
それは拒否せず受け取ってくれて、結局、口の中のミックスベリーが無くなるまで俺はウィンを離さなかった。
キスをして同じ味を感じている――そう考えるだけでなんていう官能感なのか。
ミックスベリーが無くなってお互いの舌先が僅かに触れ合って、それを合図に名残惜しくも背中に回していた手を解放した。
これ以上は本当に歯止めが効かなくなりそうで……こんなにとは思っていなかった。
目の前には惚けた表情のウィン。俺も今のキスの感触を思い返して、少しボーっとしてしまう。
「ゆ、ゆゆ、ユート突然な、何を――」
先に再起動したのはウィンの方だった。
頬どころか耳まで真っ赤に染めて、とても驚いたという感情を表情で訴えてきている。
普段の落ち着いて冷静な雰囲気とはまるで違う彼女の表情に見蕩れてしまう。
が、俺も何も言わないわけにはいかない。
「ウィン――好きだ。君と、ずっと一緒に居たい」
だから、ただ真っ直ぐに、最短で、一直線な言葉で想いを言葉にした。
細かいことはどうでもいい。余計な言葉もいらない。どんなに言葉を重ねても、言いたいことはこれだけだからシンプルに。
「突然なのは悪いと思ってるけど、この気持ちは本物だから。」
ウィンの答えを聞かせて欲しい。俺がそう口にしようとした瞬間――
――轟! と、音を立てて空気が変わった。
「なん、だ?」
咄嗟にに周囲を見渡す。周りの風景は変わっていない。だが、
「人がいない? いや、いなくなった?」
勢いでキスとかしてしまっていたが、ここは休日の公園。それなりに人はいた。それにさっきクレープを買った店の車も消えている。
偶然とかそういう話ではないことはもう確定的だ。
「ウィン、大丈夫か」
「はい、大丈夫です。これは結界ですね、それもこの公園を覆っています」
さっきまでの空気は文字通り吹き飛んでいて、ウィンも真剣な表情で周囲を見渡している。
「私たちだけをこの空間に引き込んだ、といった感じでしょう。下手人には心当たりがあります。たぶん――」
その言葉の先をかき消すように、再び轟と風が唸った。
吹き付けてきた風に反射で目を瞑って腕で顔を庇う。
「……っ」
それが吹き止むのをまって目を開ける。目の前には俺と同じように腕を顔の前で交差したウィンの姿。
再び目を開いた彼女と目が合って、それから状況把握のためにベンチから立ち上がり視線を周囲に向ける。
すると、さっきまでは居なかったはずの人影が視線の先に立っていた。
白でミニスカート丈のワンピースに、太腿の半ばまでを覆う黒いショートパンツ。そしてウィンの身につけているものと似た茶色のローブ。
なにより目を引かれたのは、ポニーテールにまとめられたウィンと同じ色をした髪とこれまた同じエメラルド色の瞳。
――下手をすればウィンと見間違ってしまいそうな容姿をした少女が、そこにはいた。
「久しぶりね、ウィン」
ガスタの回し方知らないどうするか←
どこかの世界線↓
ユート「ウィン、ウィンなのか? どうしてここに、自力で脱出を!?」
ウィンダ「えっ……」
プチリュウ「彼女はウィンではない(無言の腹パン)」
なんか変なの思い付いてしまった←