戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回でデジモンバトルグランプリ編は完結です。次回は学祭の話を挟んで、その次からまた新しいシリーズになります。
今後の予定としては新シリーズやった後に和装乱舞、翳り咲く閃光をやっていきます。イベントの順序逆じゃねとか今やってる奴を何故先にやらないかと言うと、一応作品中では今は9月の終わりをイメージしています。その上で3つのシリーズで"ある日"に近づけたいなと考えています。



暴食黒渦編
第176話 まさか!?いきなりの決勝戦!!


 会場はまさかの引き分けに終わった試合でざわついていた。

 

「おい!どうするんだ!?」「しっかりしてよ!」

 

 観客たちがざわつく中でマリアが現れた。

 

「待たせたわねオーディエンスの諸君!今運営と話した結果あることが決定したわ!」

 

 マリアは会場の観客たちの不満に対しても屈さずに凛とした表情でモニターに何かを表示した。

 

「なんだあれは?」

 

「運営の決定はただ一つ。準決勝の中止よ!そして決勝戦は5人のバトルロワイヤルとなるわ!」

 

「バ、バトルロワイヤル!?」

 

「そう、残った5人のテイマーが一斉に戦うわ!制限時間は30分、最後の一人になるまで戦い続けるの。」

 

 モニターに表示されてるのは現時点で準決勝進出が確定している5名のテイマーだった。

 

「ごめんね響。約束守れなかった…」

 

 引き分けになってしまった未来が申し訳ない表情を浮かべていた。

 

「大丈夫だよ、私が優勝して二人で家に帰ろうよ!」

 

「そうだね、響が待ってるのは私が笑顔で待っている家だもんね。」

 

「それじゃあ行ってくるね。」

 

「クリス先輩、頑張ってください!」

 

 クリスの見送りには調と切歌がいた。

 

「ったく、あんまプレッシャーかけんなよな。」

 

「でも響さんや拓実さんに爽谷もいるデス!」

 

「ああ、でもタダでやられたしねえよ。そこで応援でもしてな。」

 

 そして爽谷と拓実はそれぞれアケミと翼が見送りにいた。

 

「お姉ちゃん、応援してるからね。」

 

「うん…」

 

「水琴、お前はデジモン同士であれば私を超えた。しかしこれからお前は顔を見知った者たちと熾烈な戦いを繰り広げるのだ。気をつけてな。」

 

「はい、助言感謝します。」

 

「うむ、行ってこい!」

 

____________________

 

 歓声とともにテイマーたちは入場した。

 

「道楽喜代人、冷泉爽谷、雪音クリス、水琴拓実、立花響の5人でバトルロワイヤルよ!最後の戦いを皆楽しんでほしい!」

 

「ふふ、面白くなってきたね。君ら一人一人とのフェスティバル…この状況、運営に感謝したいものだねえ…」

 

「ヘッ、どいつもこいつもぶっ飛ばしてやるよ!」

 

「まあでも泣いても笑ってもこれでラストさ。」

 

「顔見知りばっかが相手になっちまったが優勝は譲らねえぞ。」

 

「私を忘れないでね!」

 

 各々が睨み合う中デジヴァイスを構えた。そして試合開始の合図が鳴った。

 

「行くぞ!」

 

 各々は最初から完全体に一気に進化させて戦いに臨んだ。

 

「クハハハハハハッ、喜劇の始まりさ!」

 

 マタドゥルモンは全員にレイピア攻撃を仕掛けその身軽な動きでスコピオモン以外のデジモンを翻弄した。

 

「ユーの相手はミーだ!」

 

「いいだろう…まずはお前からだ。」

 

 一方残りの3体は乱戦を繰り広げていた。

 

「アルティメットスライサー!!」

 

 メガドラモンの腕がメタルグレイモンを狙った。しかしトライデントアームがそれを弾いてしまった。

 

「メイルシュトローム!」

 

 メガシードラモンが隙だらけのメタルグレイモンに横から回転攻撃を放った。

 

「メガシードラモン、乱入して二体を倒すんだ!」

 

「そう来ましたか!メタルグレイモン、まずはメガシードラモンを狙って!」

 

 拓実と響が支持を送る中クリスはメガドラモンをほかのデジモンから離れた位置に送った。

 

「あたしをスルーだろうがこれで終わりだ!」

 

 会場の隅にはムゲンドラモンが悠然と陣取っていた。

 

「こういうごちゃついた戦いでは僕は有利に立てる!一気に片付けてやるよ!!」

 

 ムゲンドラモンが砲塔を構え全員に照準を合わせていた。

 

「!?まずい、スコピオモン地面に潜るんだ!!」

 

「もう遅い!ムゲンドラモン、ムゲンキャノンで吹き飛ばしてやれ!」

 

「ムゲンキャノオオオオオオオオン!!!」

 

 全エネルギーを込めたムゲンドラモンのムゲンキャノンが残り4体のデジモンを狙った。

 

____________________

 

「いきなり全エネルギーを放出したムゲンドラモン!果たして試合開始10分で優勝してしまうのか!?」

 

 砂煙が晴れるとそこには防御体制を取っていたメタルシードラモンとウォーグレイモンがボロボロになりながらも立ち尽くしていた。

 

「あっ!メタルシードラモンだ!!」

 

「ウォーグレイモンもいるわ!!」

 

 その中でスコピオモンも立っていたがなんとマタドゥルモンもダメージを受けていた。

 

「なっ…!」

 

「くっ、道連れか…」

 

 スコピオモンとマタドゥルモンがいち早く退化してしまった。

 

「スコピオモン!!」

 

「マタドゥルモン…」

 

「開始十分で早くも二人が脱落してしまったわ!しかしムゲンドラモンももうスタミナは残ってない!」

 

「トドメだ!アルティメットストリーム!!」

 

 メタルシードラモンがスタミナ切れのムゲンドラモンに容赦なく必殺のアルティメットストリームを浴びせた。これによりムゲンドラモンも退化してしまった。

 

「ここで雪音クリスもダウン!残るは水琴拓実と立花響のみ!」

 

「どうやら残るべくして残ったみたいだな。」

 

「そうですね、けれどここからです!」

 

「ああ!本当の戦いはこれからだ!!」

 

 

 メタルシードラモンがウォーグレイモンにすかさず噛み付いた。

 

「ぐうううううう…!」

 

「ウォーグレイモン!これで終わりだ!!」

 

 メタルシードラモンは地面にウォーグレイモンを引きずり回し始めた。

 

「どちらももう体力が残り少ないと思われる中、水琴拓実はスタミナを削る作戦に!」

 

「拓実さんが響さんを追い込んでる?」

 

「でも、そんなことしたってメタルシードラモン自身の体力も尽きちゃうデス!」

 

(そんなことは百も承知だ!だがそんなことで俺のメタルシードラモンは負けない!俺よりも強敵たちと戦ってきたこいつを信じてるからだ!!)

 

「振り払うんだウォーグレイモン!」

 

「ああ!」

 

 武器のドラモンキラーでメタルシードラモンを振り払った。

 

「ガイアフォース!」

 

「アルティメットストリーム!」

 

 両者の技が激突し、ウォーグレイモンが攻撃を仕掛けようとした。

 

「甘い!」

 

 メタルシードラモンはすでに反撃しようとしており、ウォーグレイモンは尻尾で叩き落とされた。

 

「あの技を使うぞ!」

 

 拓実の合図でメタルシードラモンは空中を旋回し始めた。

 

「ポセイドンディバイド!!」

 

 ウォーグレイモンは受け止められずにメタルシードラモンの噛み付き攻撃を受け、投げ飛ばされた。

 

「ウォーグレイモン!!」

 

 ウォーグレイモンはダメージにより成長期に退化した。

 

「決まった!デジモングランプリ優勝は水琴拓実とベタモンよ!!」

 

「勝ったのか?」

 

「ああ!」

 

 拓実たちが仮想空間から戻ると、全員を讃えるように歓声と拍手が鳴り響いた。

 

「いい勝負だったぞ〜!」「かっこよかったわよ!」

 

 次々と来る歓声と共にマリアがトロフィーを持って拓実の前に現れた。

 

「優勝おめでとう!健闘の成果は今この瞬間にある。君は多くのテイマーと心を通わせ新たな絆を築けるだろう!!」

 

 マリアがトロフィーと優勝商品を送り、大会は無事閉会した。

 

 その後風鳴 翼の緊急ライブを迎え、この一件でテイマーはさらに増加するであろうと運営は報道陣に告げた。人々に残ったのは人とデジモンのコミュニケーションと共に生きるきっかけであった。

 

____________________

 

「かんぱーい!」

 

 大会後、テイマーの何名かが打ち上げを行なっていた。

 

「いや〜まさか拓実さんが優勝か〜!」

 

「おめでとうございます。」

 

「ありがとう、けど大会時のみんなも強くて頭がフリーズするとこをなんとか抑えてたから危なかったよ。」

 

「おいおい、あんま遠慮すんなって。」

 

 この場には、響たちに応援団たちもいた。

 

「ガニニ、それじゃ優勝した人に乾杯してもらいましょうか!」

 

 和美がコップを持つと拓実が立ち上がった。

 

「えー、皆さん。まずはお疲れ様です!僕らはこの大会の中で出会いまして、こうして友達になれました。これからもよろしくお願いします!乾杯!」

 

「かんぱーい(デース)!」

 

 全員ジュースや酒などを飲んで談話を交わしていた。

 

「でさ、クリスちゃーん!」

 

 響とフウがクリスに絡んでいた。

 

「だあああ!いい加減にしろ!」

 

「クリスったら照れちゃって可愛いね〜!」

 

「フウちゃんもそう思う!?やっぱりそうだよね〜!」

 

「もう、響ったら…」

 

 それを見た未来が拗ねた表情を浮かべる中、爽谷は参加していた宮間と近藤とバイトの話をしていた。

 

「もしかして寂しいの?」

 

 未来の横でアケミが声をかけてきた。

 

「いえ、大丈夫ですよ。響の楽しそうな顔が見られるだけでも嬉しいんです。」

 

「またまた〜!混じりたいんなら混じりなさいな。時にはアタックも大事よ。というわけで…爽谷〜!」

 

 アケミも爽谷たちの方に向かった。未来もふふと笑って響の方に向かっていった。

 

「どこもかしこもアニメしてるね〜」

 

「いや、どういう意味よ。」

 

「言葉の意味はよくわかりませんがとにかくナイスです。」

 

 板場たちも辺りを見回していた。そんな中拓実と喜代人は同じ椅子に座って雑談を交わしていた。

 

「それで、近況はどうなんだ?」

 

「ああ、大学のサークルでマジックと演劇の二つを兼部しててね。将来は俳優でも目指そうかと思ってるよ。」

 

「それはいいな!応援してるぜ!」

 

 皆、新たな絆を育みそれぞれの日常へと戻ろうとしていた。

 

 

 大会の様子はすぐさま報道されていた。

 

「ハッ、ご大層にお友達ごっこか。良いものだな。」

 

 モニターにその様子が表示されている中、小さな人影がそれを見つめていた。

 

「見ていろ、SONG…俺はお前たちを倒してサンジェルマンの夢を叶えてやる…!」




大会はこれにて閉幕です。最後に出てきたキャラが今後のシリーズに関わってきます。次のシリーズでは久し振りにあのデジモンを登場させます。GXの時から放置気味だった彼も最初AXZで出そうかと思いましたが放映中に「あれ?こいつらベルフェモン出したらあうんじゃね?」と個人的に感じ当初第三勢力要素をすでに作ってたので急遽別のキャラを作った感じです。

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