東方激闘魂(バトルスピリッツ×東方project)   作:ガリアムス

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第17話です、明けましておめでとうございます。そして大変

マグナ『待たせ過ぎじゃ、バッキャロ!!!てめぇそれでも小説家の端くれかアアン?!?(剛力ブンブン)』

やめて死んじゃう!脳震盪起こして死アババババババババババ(脳ミソぎゅるんぎゅるん)

龍虎「確か第16話を投稿したのが7月だったから…半年以上空いてる事になるわね」

マグナ『よし、処す。爆裂火炎弾の豪雪雨一週間の刑か、剛力サンドバッグ3日の刑か、どっちか好きな方を選べや』

どっちにしても死亡確定じゃないですかヤダー!?

マグナ『はぁ…じゃあ逃道をやるよ』

え…それって

マグナ『俺 様 の 主 役 と な る 番 外 編 を 書 け 。 終 わ る ま で 本 編 の 更 新 は 無 し だ』

ウワアアアアアアアアアアアアアア!!!ウソダドンドコドーン!!!!!!

龍虎「マグナに賛成。反省してるなら行動で示さなきゃ」

…ああ、もう、分かった。分かりましたよ…ヤッテヤロウジャネェカ!!!

という訳で番外編!書かせていただきます!詳細はあとがきでね!

※大変お待たせして申し訳ございませんでした!

※この小説にはプレイミス、ルールミス、手札枚数やコア数の間違いがあるかもしれません。またオリカの登場、カードゲームではよくあること等々も含まれており、それを一切合切全く『ゆ"る"せ"ん"!』と思う方々は速やかなるブラウザバックを推奨します。

上記を『OK!(ズドン)』と承認される方々は


ゆ っ く り 見 て い っ て ね !


東方激闘魂 第17話 修行と進化!甲殻伯vs煌龍皇!

前回までのあらすじ。

 

遂に開幕したバトスピミラージュサバイバルシップス。5つのチームに分かれ、それぞれの戦いへと赴いた主人公's。

 

龍虎&バシンチームは一路、紅魔館へと向かったが、傷付き倒れた大妖精こと大ちゃんと遭遇。チルノが暴走していると知る。そして湖の中央で浮遊するチルノの変貌に気付いた龍虎達…彼女は亥の十二神皇カラミティ・ボアによって闘争本能を剥き出しにされていたのだ。

 

チルノを扱いやすい馬鹿だと笑ったボアに怒りが爆発するバシン達。その中で龍虎は、第三の人格である蒼天 龍虎の人格を覚醒させ、チルノの解放を懸けた戦に挑む。

 

一進一退の攻防の中、召喚されたカラミティ・ボアの必殺技(突進)が彼女のスピリットを薙ぎ倒すが、龍虎もまた、蒼天伝説(青デッキ)の切札たる、鉄拳明王を召喚!

 

鉄拳明王の効果で展開したネクサスとの強襲とデッキ破壊コンボが炸裂し、ボアへの意思返しを果たして勝利。しかしバトルを終えた彼女は倒れてしまった…!

 

どうなる龍虎!?どうするバシン達!?

 

* * *

 

弾&ヨクside…

 

弾「ドラゴニック・タウラスでアタック!アタック時効果で自身に赤のシンボルを3つ追加する!!」

 

男「うわああああああ!!!」

 

バトルフィールドで、また1つバトルが終わる。弾とヨクの2人は人里を目指して歩きつつ、途中挑まれたバトルを買いながら、確実に勝利を積み重ねていた。

 

ヨク「弾さん、そっちは終わりましたか?」

 

弾「ああ。これで5人だ…だけど足りない。もっともっとバトルがしたい」

 

貪欲にくつくつと微笑する背中に、ヨクは少なからず畏怖の念を覚えてしまう。サバイバルガンスリンガーの果てに本選で当たる時、果たしてこの男を自分は倒せるのか…?ヨクは今までにない感覚を覚えつつも、その迷いを払い、彼の横を歩いてゆく…。

 

人里まで、後少し…

 

* * *

 

バシン&龍虎side…

 

バシン「おい、龍虎!?しっかりしろ!!」

 

所変わって、此方は紅魔館近辺の湖の畔…。

 

チルノに憑依し、辺り一帯の自然を破壊していた亥の十二神皇カラミティ・ボアを龍虎が討ち果たし、拡大は何とか収まった。しかしバトルによる反動か、彼女は倒れてしまう。

 

バシンの声に応じず、揺さぶってもピクリとも動かない龍虎に、不安に駆られる彼をマグナは落ち着かせる。

 

マグナ「落ち着け。俺を誰だと思ってやがる、六絶神 剛力のドラグマグナだぜ?龍虎(あいぼう)と妖精達(チビども)のこったぁ任せろ。変わりに皆を休ませられるように彼処の屋敷の主に交渉してくれや」

 

指先で紅い屋敷を指してから、ふんす!と気合を注入したマグナは両手に小さなバトルスフィアフィールドを形成。龍虎に投げつけると、彼女を包み込ませ、何と宙に浮かせたのだ。

 

バシン「すげェ!!!」

 

アイボウ「マグナ、お前ホントに何なんだよ…?」

 

「博麗神社の神様だ」と二等親で胸を張り、得意気にドヤ顔を決めるマグナ。最早彼等からすれば、バトルスフィアフィールド=万能が定着しつつあった。

 

* * *

 

怪我をした妖精全員をマグナが小型バトルスフィアフィールドで回収し、一行は屋敷の前の石橋に辿り着く。

 

中世ロンドンの町外れの小高い丘の上に建っていても、何らおかしくはない屋敷と空を貫かんとする時計塔。目を凝らすと中庭には、綺麗で色彩豊かな薔薇の花達がぷっくりと花弁を大きく膨らませ、元気な姿を見せていた。

 

バシン「でけぇな…」

 

アイボウ「屋敷っていうより、もう城だろコレ…」

 

マグナ「此処は、あー…何てったかな~?」

 

???『紅魔館(こうまかん)です!!!』

 

 

正面の門、その鉄格子の上から声が響く。視線を向けると美鈴が由緒正しきカンフーポーズで立っていた。細い足場にも関わらず、体の軸に一切のブレがない素晴らしき直立不動。芸術品かと勘違いしてしまう。

 

美鈴『トゥ!』

 

其処から何と真上に跳躍、体を空中で三回捻って着地!

 

美鈴『へぁた!?』

 

…に失敗。足首を挫いて、顔面から地面にぶつかった。

 

バシン「わ、笑うな…www」

 

マグナ「ぷー…www」

 

アイボウ「おまいら…www」

 

某大晦日特別番組の如く『デデーン!!!』の合図。そしてゾンビのように不気味にぶらついて立ち上がる美鈴さん。

 

美鈴『怒りますよ』

 

一同「サーセン」

 

* * *

 

美鈴「で、一体何ですか?此方はサバイバルガンスリンガーの為に皆さんデッキビルディングに集中していますから、入れませんよ」

 

バシン「頼むよ!龍虎達が怪我してて、休む場所が欲しいんだ!」

 

アイボウ「バシン!此処はオレがやるぜ!」

 

仁王立ちで通せんぼうする彼女。そんな彼女へフェイントを掛けるアイボウだが、その動きに彼女の視線は動き、進む先に尽く足が立ち塞がる!

 

アイボウ「うげ!?オレの動きに付いてこれんのかよ!?」

 

美鈴「鼠一匹とて通しません。『御嬢様』の命令は絶対です」

 

断固通さない美鈴に、ぐぬぬ顔のアイボウ。それを見ていたマグナは、彼女にある提案を投げ掛ける。

 

マグナ「おう、中国あんまん」

 

バシン(中国あんまん!?)

 

美鈴「誰が中国あんまんですか!?私の名前は紅 美鈴です!!」

 

マグナ「バシンとバトスピしろよ」

 

バシン「俺ぇ!?」

 

カンコーン!な音と共に、空気が一瞬で緊迫状態に突入する…!

 

美鈴「ほぅ…その提案に乗りました。私も貴方に負けたままでは、紅魔館の皆さんにおめおめ顔向け出来ませんし、良いですよ」

 

マグナ「よし、バシン!お前に任せた!」

 

バシン「おぃいいいいい!?俺、やるって決めてな」

 

マグナ『オラ行くぞ!!!バトルスフィアフィールドォオオオオオ!!!展・開・だぁああああああああああああああああああああああ!!!』

 

嫌がる彼の背中を二等親にも関わらず、凄まじき怪力で押し出し、巨大な結界を二人に対して投げ付けて、隔離・空中へ浮遊させたのである…!

 

マグナ「わっはっはっはっは!!!!!!この中から出るには、どっちかがバトルに勝つしか道はない!だが安心しろ!今回は俺様直々にダメージレベルを10分の1に押さえておいた!

 

思いっきりやっちまえバシン!!!」

 

 

 

バシン「後 で 覚 え て ろ」

 

 

 

アイボウ「右 に 同 じ だ」

 

 

 

 

高らかに笑い転げながら、放ったスフィアフィールドの説明をするマグナ。そんな神に至極当然とも云える、怒りで全身を振るわせるバシンと、巻き添えを食らったアイボウ。

 

が、しかし。マグナの『真の狙い』に唯一理解に至ったのは美鈴だった。

 

美鈴「て、まさか…!?」

 

マグナ「今更気付いたか、中国あんまん!そうさ、こいつはお前を門から引き剥がす為でも有るのさ!

 

俺は忘れてねぇぞ!俺が食べようと楽しみにしてた最後の1個のプリンを、博麗神社に遊びに来たお前が摘まみ食いしやがった事をよぉ!!!」

 

美鈴「その被害者、私なんですけど!?勝手に責任転嫁しないでください!!!」

 

マグナ「うるへぇ!!!とにかく、プリンの仇と私念が絡んでるんだ!!!絶対にブッ潰せよ、バシン!!!」

 

馬鹿げた復讐に付き合わされたバシンとアイボウの怒りのボルテージがMAXに跳ね上がる。その主犯は、自身の掌で作った火炎玉で門を破壊し、『べー!!!だ!!!』と言いながら、ズカズカ紅魔館へと目覚めない龍虎達を連れて、押し入ったのである!!!!!!

 

美鈴「…ねぇ、バシン」

 

バシン「言わなくても分かる。バトルの結果に関わらず」

 

 

 

 

 

 

 

二人『ア イ ツ は 絶 対 に ぶ っ 飛 ば す ! ! !

 

ゲートオープン、界放!!!!!!』

 

怒天髪と憤怒のオーラに当てられた、バトルスフィアフィールドがスパークし、開幕を告げる銅鑼の音が響き渡る…!

 

* * *

 

バシン「俺から先行!スタートステップ、ドローステップ(手札4→5)!メインステップ!

 

マジック、ジュライドロー!デッキから2枚ドロー(リザーブ4→0・トラッシュ0→4(SC)・手札5→4→6)!」

 

赤い光がマジックから放たれ、バシンのデッキから2枚のカードが飛び、手札に加わる。

 

「ターンエンドだ!」

 

バシン ライフ5 手札6 リザーブ0 トラッシュ4(SC)

 

美鈴「参ります!スタートステップ、コアステップ(リザーブ4→5)、ドローステップ(手札4→5)、メインステップ!

 

早速来ましたね、其の力を見せて貰います!」

 

ドローしたカードから放つ、異質とも呼べるオーラ…。バシンは其れが、レイに新しく加わった切り札である、獄炎の四魔卿ブラム・ザンドに酷く類似したものを直感的に感じ取った。

 

アイボウ「な、何だぁ…?前回の時から、何か変わってる感じがするぞ…?」

 

バシン「アイボウ、このバトル…何かヤバい気がする…!俺の服か髪の中に隠れてろ!」

 

アイボウに避難指示を出して、彼は手札を握り、足を腰を踏ん張る。何が起こるか分からない以上、今の自分に出来る事をするだけだ。

 

美鈴「このカードの召喚条件は『自分のライフ2以上』あること!現在のライフは5!よって、その条件は達成されている!

 

さぁ来たれ、私のアルティメット!!!

 

召喚、ビートルゴン!レベル4(手札5→4・リザーブ5→0・トラッシュ0→3)!!」

 

バトルスフィアフィールドに電撃が迸る。フィールドに現れたのは、金色に輝く雪の結晶のようなシンボル。其れが砕けてバトラーの前で顕現したのは、ヘラクレスオオカブトの持つ角と羽根と甲殻に、ドラゴンの持つ鱗に覆われた皮膚と爪に牙。

 

最早、其の姿は龍と昆虫の融合態(キメラ)以外に現す言葉の無い異質な存在でしかなかった。

 

ビーゴ「フム…時間か」

 

バシン「な、何だよ…そりゃ…!」

 

美鈴「修行の成果…とでも言いますか。貴方に負けたあの瞬間から、私は更なる修練を積み重ね、このカード。アルティメットを使えるだけの技量を手にしました。

 

ですが、このアルティメット『達』…どうやら強力な『闇の力』を持っているらしく、私程の精神力のある妖怪にしか制御出来ないとか。

 

まぁそんな事はどうだって良いのです、貴方に私は勝ちたいんですから!ターンエンド!」

 

美鈴 ライフ5 手札4 リザーブ0 トラッシュ3

 

ビートルゴン レベル4(1+SC)6000

 

バシン「スタートステップ、コアステップ(リザーブ0→1)、ドローステップ(手札6→7)、リフレッシュステップ(リザーブ1→5・トラッシュ4→0)、メインステップ!

 

いくぜ、ロクケラトプスをレベル3で召喚(手札7→6・リザーブ5→1・トラッシュ0→1)!」

 

巨大なルビーの結晶を砕いて現れた、3本の冠のような角を持った恐竜ことロクケラトプス。

 

ロクケ「バシン!今日も暴れるぜ!」

 

バシン「おおお!ホントに喋った!」

 

アイボウ「普段スピリットの鳴き声しか聴いてないから、やっぱ新鮮味があるなコレ」

 

バシン「だな!そして、コレが初めての~!バーストセットだ(手札6→5)!」

 

バシンのフィールドの左斜め上に当たるバーストゾーンに裏向きのカードが出現、同時に鎖が其れをがんじ絡めに絡まって封をする。

 

バシン「アタックステップは無し!ターンエンド!」

 

バシン ライフ5 手札5 リザーブ1 トラッシュ1 バースト有

 

ロクケラトプス レベル3(2+SC)6000

 

美鈴「スタートステップ、コアステップ(リザーブ0→1)、ドローステップ(手札4→5)、リフレッシュステップ(リザーブ1→4・トラッシュ3→0)、メインステップ!

 

ビートルゴンの効果発揮!メインステップの間、このアルティメットに赤と緑のシンボルを1つずつ追加出来る!」

 

ビートルゴンの竜のような空に嘶く声と、甲殻虫特有の羽音が交じり、彼の周りにはルビーの結晶とエメラルドの結晶が浮かび上がり、浮遊する。

 

バシン「1体のアルティメットでシンボル3つ確保出来るのかよ!?」

 

美鈴「まだ終わりではありません。さらにアルティメットを召喚します!召喚条件は『自分のライフ2以上』!よって召喚!

 

出でよ、バーゴイル(手札5→4・リザーブ4→2・トラッシュ0→1)!!!」

 

金色に輝く雪の結晶のようなシンボルが現れ、電撃と共に砕け散る。

中から現れたのは、血の赤で染まる内膜を持つ黒い金の翼と、爪に嘴、そして胸部には黒を纏う赤の結晶が埋め込まれていた。

 

バーゴ「さぁ…狩りの時間だ」

 

バシン「またアルティメットが…!」

 

美鈴「バーゴイルの召喚時効果。相手のBP5000以下のスピリット1体を破壊、もしくはボイドからコアを1個をこのアルティメットに追加出来る。

 

私はコアブーストを選択(バーゴイル コア1→2)。さらに追加したバーゴイルのコアとリザーブのコアを使い、マジック、ネオダブルドローを使用!私のフィールドにアルティメットが居る時、デッキから3枚ドロー(手札4→3→6・リザーブ2→0・トラッシュ1→4)!」

 

緑の十八番たるコアブーストに、赤の得意なドロー強化、そして簡単には崩されないアルティメット。

バシンにとって、これまで1ターンの中で動いた相手は今までいなかった。

 

バシン「すげぇ…!やっぱすげぇよ!」

 

アイボウ「おいおい、相手に関心してどーする」

 

美鈴「最後にバーストセット(手札6→5)、そしてターンエンドです」

 

美鈴 ライフ5 手札5 リザーブ0 トラッシュ4 バースト有

 

ビートルゴン レベル4(1+SC)6000

 

バーゴイル レベル3(1)5000

 

バシン「スタートステップ、コアステップ(リザーブ1→2)、ドローステップ(手札5→6)、リフレッシュステップ(リザーブ2→3・トラッシュ1→0)、メインステップ!

 

ロクケラトプスのソウルコアをリザーブに戻して、レベル2にダウン(リザーブ3→4)。そしてゴラドンを新たに召喚だ(手札6→5・リザーブ4→3)!」

 

ルビーの結晶を砕き、頭に2本の曲がった角と太い体格を持つ二足歩行の獣が雄びを上げる。

 

ゴラド「バシン!オレが出たら、何するか決まってるだろうな!?」

 

バシン「おうよ!いくぜ、リザーブのソウルコアをコストにマジック!ダブルドロー(リバイバル)だ!

 

デッキから2枚ドローし、ソウルコアをコストにしたから、手札からコイツを出すぜ(手札5→4→6・トラッシュ0→2(1+SC)・リザーブ3→1)!」

 

放たれたマジックから炎が巻き上がり、バシンのデッキから2枚のカードを飛ばす。さらに其の炎が彼の手札にある、1枚のカードへと注がれ、紅蓮に光輝かせた!

 

美鈴「ソウルコアを使った!来る…!」

 

バシン「いけ!俺のキースピリット!龍皇ジークフリード召喚(手札6→5・リザーブ1→0)!!!」

 

ルビーの結晶が砕けたと同時に、バシンのフィールドに灼熱の竜巻が発生。軈て其の中から姿を顕す、赤い始原の龍にして、皇の力を持つ、バシンのキースピリット。

 

龍皇ジークフリードが召喚された…!

 

ジーク「バシン。共に戦える事、私は嬉しいぞ」

 

バシン「おおおおおおおお!すっげぇ!なぁアイボウ!ホントにジークフリードが喋ったぞ!!!」

 

アイボウ「お、おう…(つーか、すげぇ威厳ある声で喋ったぞコイツ…)ん?」

 

バトル中にも関わらず、ハチャメチャに騒ぎまくるバシン。が、アイボウは美鈴の表情…特に口角が三日月並みに吊り上がったのを見て、生き物としての直感が『ヤバい』と警告(アラート)を出した…!

 

アイボウ「おい、バシン!今すぐにジークフリードから離れろ!」

 

バシン「いや、何言ってんだよアイボウ!ジークフリードと喋れたのがそんなに羨ましいのか~?」

 

アイボウ「そうじゃねぇ!早く離」

 

美鈴「私の『バーストの発動条件』…それは『相手の手札が効果によって増えた時』…!」

 

バシン「えっ」

 

美鈴の場にセットされたバーストカードを封じる鎖が、音を立て、次々に瓦解し、カードが表になってゆく…!

 

美鈴「このバーストカードの効果は、『相手のスピリット及びアルティメットを合計BP20000分まで好きなだけ破壊』出来る…!!!

 

よって…BP2000のゴラドン、BP3000のロクケラトプス。そして!!!BP4000の『龍皇ジークフリード』を…破壊する!!!!!!」

 

刹那。まさに、刹那だった。

 

表になったカードから飛び出た火焔の槍が、バシンのスピリット3体の体に突き刺さる!!!

 

バシン「え…あ!ゴラドン!!」

 

ゴラド「ぐああああ!!」

 

バシン「ロクケラトプス!!」

 

ロクケ「ちく…しょ…!」

 

バシン「ジーク、フリード…!!!」

 

ジーク「す、まな…い…バシ…」

 

手を伸ばすバシン、ジークフリードは小さく、唯小さく頷き、炎に包まれ、骨も残らず消えてしまった…。

 

バシン『あ、ああ…

 

ジークフリードォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!

 

(リザーブ0→3)』

 

自身のキースピリットを目の前で失い、バシンの叫びがバトルスフィアフィールドで虚しく木霊すのみ…。

 

美鈴『龍皇ジークフリード…ソウルコアが乗ってしまえば最後、赤や緑属性の効果で倒すのは骨が折れる…。

 

ならば『ソウルコアが乗る前…ダブルドロー(リバイバル)の効果で出した瞬間』を仕留めれば良い…フフフ…』

 

フハハハハハ…!

 

アイボウ「なぁバシン…あのカンフーねーちゃんちょっとおかしくねぇか…?」

 

バシン「ジークフリード…」

 

アイボウ「落ち込むな!前を見ろバカ!カンフーのねーちゃんがおかしいんだってんだよ!?」

 

バシン「ひでぶ!?」

 

意気消沈のバシンにドロップキックをぶちかましたアイボウ。首を振り、バシンが美鈴の方を見ると、彼女の全身を『黒と緑の靄らしきオーラ』が包み込んでいる…!

 

???『召喚条件の『自分のライフ2以上』も達成済…!フハハハハハ…さぁ我が下僕よ!金色の二刀を振り兆し、邪魔する全てを切り裂き倒せ!出でよ、甲殻伯メタリフェル!!!

 

ビートルゴンのソウルコアをメタリフェルに置いて召喚する!!!』

 

バトルスフィアフィールドに衝撃が迸る。此れまで召喚されたアルティメットとは比べ物にならない、圧倒的な力が現れる予兆。

 

金に輝く雪の結晶型のシンボル…アルティメットシンボルが出現し、四方八方から稲妻がシンボルを貫き、破壊する!

 

稲妻による衝撃で産まれた、真紅の爆炎と黒緑の竜巻が吸い込まれるように融合を始め、巨人を…否、金と赤の禍々しくも絢爛な殻人を形作ってゆく。引き締まった肉体は全身にギザギザの棘を纏い、胸部にはアルティメット特有とも呼ぶべき菱形の深緑に染まった結晶体が淡い光を放つ…!

 

そして地面から競り出した、ギラファノコギリクワガタの鋏を彷彿とさせる二本の刀を両手に持ち、重ね合わせ、闘気を纏って振るったのだ!!!

 

バシン「バースト効果で…アルティメットが、出やがった…!!!」

 

メタリ『ジークフリードは葬った。これで勝利にまた一歩、近付いた訳だ…!

 

我が名は甲殻伯メタリフェル!馬神トッパよ、貴様を討ち果たし、其の命を我等が頭復活の為の礎にしてくれよう!!!』

 

刀を煌めかせ、メタリフェルは鋒をバシンに向ける。放つ殺気はバトルスフィアフィールドによって現実となり、彼の精神を蝕んでゆく。だがしかし、メタリフェルが召喚されても、彼女を包む異質な力は収まるどころか、更に強大になってゆく。

 

バシン「くっ…。俺は、ターンエンド…」

 

バシン ライフ5 手札6 リザーブ4 トラッシュ2 バースト有

 

美鈴「スタートステップ。コアステップ(リザーブ0→1)、ドローステップ(手札5→6)…『ほう意外に早く来たな』

 

バシン、そしてアイボウは美鈴の口調が完全に変わった事を、この瞬間に自覚した。バトルする前とは言って変わった低く、重い…そんな声。

 

???『リフレッシュステップ(リザーブ1→5・トラッシュ4→0)、メインステップ。

 

先ずはビートルゴンを再度レベル4にアップ(リザーブ5→4)。ビートルゴンの効果で赤と緑のシンボルを追加、よってホムライタチを最大軽減を確保し召喚(手札6→5・リザーブ4→3)』

 

亀甲形のルビーの結晶が砕け、緑の眼が光り炎の尻尾を振るう鼬のようなスピリットが現れた。

 

ホムイタ「やるぜ!」

 

???『さて、此所でマジックを使わせて貰おう。マジック、ネオ・ライフチャージ。このマジックのコストは本来6だが、私のフィールドにアルティメットが居る時、コストが2少なくなる。

 

そしてネオ・ライフチャージは自分のフィールドのスピリット/アルティメット1体を破壊し、ボイドからコアを2個、自分のリザーブに追加出来る。この時、破壊したカードの種類により、追加効果が発揮される』

 

バシン「追加効果…?」

 

???『そう。破壊したカードが緑を持つなら、追加出来るコアが1つ増える。赤なら、デッキから1枚ドロー。そしてアルティメットならば次に召喚するアルティメット1体のコストが3少ないものとして扱われるのだ…!

 

ネオ・ライフチャージの軽減は緑と究極シンボルが2つずつ!ホムライタチの効果で緑のシンボルが追加され、完全軽減が出来ている!

 

バーゴイルを破壊し、ボイドから3コアブースト!デッキから1枚ドロー!そして次に召喚するアルティメットのコストを3減らす(手札5→4→5・リザーブ4→5→8)!バーゴイルゥ!』

 

「行意…!」とバーゴイルは低い声で頷き、自らの爪で其の体を貫いたのだ…!

 

バシン「…ッ!?」

 

アイボウ「やりやがった…!」

 

「勝利の為ならスピリットやアルティメットは喜んで自ら犠牲になる」と幸村に言われた言葉をバシンは思い出した。勝利の為、強力無比の力を保持するアルティメットだろうが、等しく己の命をバトラーに託す。

 

???『まだ、終わらぬ。

 

手札からバーゴイルを、ネオ・ライフチャージの効果により3コスト少ないものとして扱い、新たに召喚(手札5→4・リザーブ8→7)、召喚時効果で自身にコアブースト(バーゴ1→2)!そして手札からマジック、ネオ・ライフチャージを使用する(手札4→3)!』

 

バシン「2枚目だと!?」

 

???『そうだ。効果は既に説明した、破壊するのはバーゴイル!ネオ・ライフチャージにより3コアブーストとデッキから1枚ドロー、次に召喚するアルティメットのコストが3少ないものとして扱われる!

 

フハハハハハハハハハ…(手札3→4・リザーブ7→9→12)!』

 

新たに現れたバーゴイルは自身を幾重にも切り裂いて爆散し、コアと手札を増やす。赤と緑の混色らしいドロー加速とコアブースト。だが、これだけのアクションを行っても、まるで満たされない…そんな気配をバシンは感じていた。

 

バシン「…楽しいのか?」

 

???『楽しい…?…ああ、此所の空間の影響かは知らぬが、随分体は軽い…』

 

バシン「そうじゃなくて」

 

???『…貴様は何が言いたいのだ』

 

美鈴に取り憑く存在に向け、バシンはこう言った。

 

バシン「…『独りぼっち』で、バトスピやってて。そんなに楽しいのかって聞いてるんだ。

 

お前のバトスピは確かに凄い。けど、感じるのは『寂しい』し『つまらない』バトルだ。そんなバトル、俺は嫌いだ。龍虎やハジメ、弾にツルギにレイ、駿太やヨク、そして幸村達は皆、『熱く』て『楽しいバトル』をしている。

 

だから…『全力』で。『このターン』で俺を『倒す』つもりで来い!」

 

バシンの目に闘志と灼熱の炎が宿る。同時に彼の胸に掛かる紅蓮の輝石が今までに無い程の輝きを放ちながら、バトルスフィアフィールドを真っ赤に染めてゆくのだ…!

 

アイボウ「輝石が…!」

 

バシン「…え、うぉ!?何じゃこりゃ!?」

 

突然の出来事に慌てるバシン。だが…

 

???『成程…余程死にたいようだ、貴様は』

 

バシン「!?」

 

殺気が先程の比ではない。純粋で真っ直ぐな、洗練された刃の如き、鋭利な視線が突き刺さる。

 

???『良かろう。貴様には、私の全身全霊の一撃を持って、命を取る。覚悟しろ』

 

バシン「…来いッ!!!」

 

???『…私はネクサス、邪神域をレベル2で顕現させる(手札4→3・リザーブ12→10・トラッシュ0→1)…!』

 

美鈴の手より放たれた1枚のカードがフィールドに突き刺さった。刹那、カードから薄黒い霧が発生して地面を瞬く間に満たしたと思えば、何処からともかく茨のような岩肌が其処ら中に出現。今までと変わった景色は戦う者の心に不安を植え付ける。

 

???『ネクサス、邪神域は通常赤だが自身の効果で色とシンボルを緑として扱う事が出来る。

 

そしてレベル2の時、このネクサスを疲労させる事により…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私のアルティメットは『召喚条件を無視』して『召喚』する事が可能になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイボウ「は…!?」

 

バシン「何じゃそりゃぁあ!?」

 

本来アルティメットは、一部のカードを除いて、あらゆる効果を受け付けず、スピリットを超越した強大なBPを以て、数多の敵を屠り、倒してきた。『召喚されれば』。

 

アルティメットはスピリットの柵を超えた者達の総称。其の存在を呼び出し戦うには、アルティメットが持つ『召喚条件』を満たさなければならない。

 

条件は様々であり、特定色のスピリットの存在や、自身の命の数、はたまたアルティメットの数等々、十人十色。故に召喚するには、使うアルティメットに合わせてデッキを調整する必要がある。

 

だが、邪神域はアルティメットが持つ『召喚条件』を抹消し、通常よりも早くフィールドに出現させると言う、恐るべき力を内蔵したカードなのだ。

 

バシン「奴にはネオ・ライフチャージの追加効果でアルティメットのコストが3少ない状態で召喚出来るようになってる…つまり!」

 

???『邪神域のレベル2の効果で、このネクサスを疲労し、アルティメットの『召喚条件』を無くす。では…行くぞ』

 

美鈴が手札に残された2枚のカードの内、右のカードを右手で掴む。その時だ、彼女を包み続けていた黒緑のオーラと、バトルスフィアフィールド内に展開された邪神域の霧がカードに収束されてゆく…!

 

???『吹き荒べ!深き闇を纏いし、地獄の風!!

 

全ての命を狩り取る死神となりて、大地に降り立つが良い!!私は此処に、私自身を召喚!

 

降臨!獄風(ごくふう)の四魔卿(よんまきょう)ヴァンディール!!!レベル5(手札2→1・リザーブ10→6)!!!!!!』

 

空へと投げられたカードから闇を纏い、緑の輝きが赤に染まるフィールドを侵食し、汚してゆく。

 

バトルスフィアフィールドに出現した、アルティメットシンボルが超高速で回転を始めると、空を黒雲が満たし、黒緑の稲妻が邪神域に降り注ぐ。地を削るようにして迸る光りは刻印のように地面を抉り、軈て其処から緑と金と黒の光が溢れ出す。

 

光りの中から現れる…飛蝗のような細く、バネのある4本の脚、カミキリムシの如き顎と体に、淡く発光する4つの複眼。クワガタの鋏の角を有し、黒と金に覆われた甲殻がギラギラと光という光を食らい、深緑の羽が風の中で靡く。

 

其の手に抱かれた、ありとあらゆる生命を根本から絶ち、狩り取る巨大な大鎌を振るい、爆風と共に光の幕を斬り下ろして、絶大なる咆哮を轟かせたのである!!!!!!

 

アイボウ「うぉおおおおおおおお!?」

 

バシン「2体目の…四魔卿アルティメット…!すげぇ風だ!!吹き飛ばされちまう…!!!」

 

取っ手に捕まり、風に呷られ今にも塵散りになりそうな手札とアイボウを、バシンは必死に守る。

 

ヴァン『私はヴァンディール。四魔卿の一柱にして、風を司るアルティメット。バシン、貴様は確かにこう言ったな。

 

このターンで仕留めて見ろ、と…。

 

故に見せよう。私の力を』

 

低い声で大鎌を構え、鋒でバシンの首を刺したヴァンディールは、背の羽を唸らせながら言う。バシンは身構え、四魔卿の一撃に全神経を集中させた…!

 

* * *

 

同時刻、ツルギ&レイside…

 

レイ「!」

 

ツルギ「…レイ?どうし…って、アルティメットシンボルが出てるんだ!?」

 

命蓮寺を最短距離で目指し、林の中を歩いていたレイとツルギに、浮遊して付いてゆくムゲンだったが、突如として、レイの胸アーマーが何の前触れも無く、キラキラと輝き、アルティメットシンボルが顕現したのである。

 

ブラム(この気配…奴か)

 

レイ(奴?知ってるのか、ブラム・ザンド)

 

ブラム(ああ。馴染みがあるし、何よりも幾度と無く仕合をした。奴の名はヴァンディール、我と同じ四魔卿であり『邪神軍遊撃部隊総大将』の地位に立つ者だ。

 

奴はとにかく早い。攻撃にせよ、防御にせよ。そして…

 

 

『次元を超えて同種(アルティメット)を見境無く呼び起こせる』力が有るのだからな)

 

* * *

 

バシンside…

 

バシン「来いッ!」

 

ヴァン『我自身の召喚により、手札にあるこのブレイブカードはノーコストで召喚が可能になる!現れよ、大地の守護せし神の剣!地球神剣ガイアノホコ、招来!

 

私自身に直接合体(ダイレクトブレイブ)せよ(手札1→0)!』

 

緑の輝きと共に、空に描かれるのは人が生きる星、地球。邪神域に淡い神聖の光を纏い、降りた其の剣をヴァンディールは左手で深く握り締め、振るい構える。

 

バシン「アルティメットに合体出来るブレイブ…!?」

 

ヴァン『我のコアとメタリフェルのソウルコアを入れ替え、リザーブのコア2つをメタリフェルに追加し、レベル4に(リザーブ6→4)。

 

さぁ、アタックステップだ。

 

私自身、獄風の四魔卿ヴァンディールでアタック!』

 

大鎌とガイアノホコを構え、飛蝗の強靭な脚から繰り出す跳躍で空へと跳ねたヴァンディール。

同時に美鈴の体が動き、彼女の右手にはヴァンディールに乗せられていたソウルコアが握られていた。

 

バシン「…まさか!」

 

ヴァン『魂の鎖(カテナ)を砕き、深淵に封ぜる究極の禁忌!我が魂を贄に捧げ、獄の御業(みわざ)を以て、敵を討ち果たさん!

 

『ソウルドライブ』…発揮(ヴァン(4→3))!!!!!』

 

美鈴の手の中で握られたソウルコアが、バキバキバキ!と圧倒的なまでの圧力を与えられ、粉々に砕け散った。

 

そして彼女の右手から溢れ出す力が、ヴァンディールの大鎌に吸い寄せられてゆく…!

 

ヴァン「私のソウルドライブの効果により、3体のアルティメットが出るまでデッキを上からオープンし、其のアルティメット達が持つ、全ての『召喚条件』を無視して、『ノーコスト』で召喚出来る!!!』

 

刹那、ヴァンディールが振るった大鎌がバトルスフィアフィールドを切り裂き、時空間に風穴を空ける!その衝撃にフィールドが悲鳴を上げるが如く、グラグラと地響きを鳴らし始めた!

 

バシン「アルティメット3体をノーコスト召喚!?インチキ過ぎるだろ、その効果!」

 

ヴァン『何とでも言うがよい、私が持つ…元来の力だ!!!覇ァ!!!!』

 

美鈴のデッキが上から次々に、突風に煽られ飛ばされる。そして捲れていく中に、金色の輝きを持つ3枚のカードがバトルスフィアフィールドに突き刺さり、金色のアルティメットシンボル3つが現れ、内側から砕けてゆく!

 

ヴァン『今回はお前達が来たか…

 

『邪神官クリケッツ』、『ビートルゴン』、『龍魔皇イビルフリード』よ(リザーブ4→3→2→1)』

 

ヴァンディールの前に片膝を着き、降臨したアルティメット達。

 

黒の甲殻に身を包み、蟋蟀(こおろぎ)の頭と人間の男性の体が融合したかのような姿をするクリケッツと呼ばれる者。

そしてビートルゴンの隣に立つ漆黒のドラゴン…その姿形は見間違う事無く、一番星のレイが使うアルティメットの1体である、アルティメット・ジークフリードそのものである。

 

イビル『うぉ…?ヴァンディール…『ソウルドライブ』使って、呼ぶなら呼ぶで、事前に言ってくれや。…寝てたんだが…』

 

クリケッツ『イビルフリード。ヴァンディール様の御前だ、分を弁えろ!』

 

メタリ『おい!ダスクの馬鹿は何処に行った!?答えろイビルフリード!』

 

ビーゴ・1『あ、ビートルゴン~』

 

ビーゴ・2『寄るな、触るな、近付くな』

 

何と言う事でしょう。ヴァンディールが自らの魂を賭けてまで呼び出したアルティメット。緊張感の欠片もないだらけ具合に加えて自由奔放では有りませんか。

 

バシン「…何これ」

 

アイボウ「カオス…」

 

唖然とするバシンとアイボウ。だがしかし。

 

ヴァン『お前達』

 

一喝。空気を切り裂き、フィールド内が凍り付く。

 

ヴァン『イビルフリード。お前は『U(アルティメット)トリガー』を使い、その後、私に続け。

 

クリケッツ、私が進撃中ビートルゴン達とホムライタチに指示を出せ。

 

メタリフェル、防御時にはお前の活躍に期待するぞ』

 

話し声が一瞬で止まり、『はっ!!!』と片膝を着き、頭を下げるアルティメット達。恐るべしヴァンディール。

 

イビル『いくぞ…オレの召喚時効果で、U(アルティメット)トリガー、ロックオン』

 

イビルフリードの一声で、バシンのデッキからカードが1枚宙を舞い、彼等の前に提示される。

 

イビル『オレのコストは(5)。落ちたカードのコストを聞こう』

 

そのカードは…

 

バシン「えっと…コスト(7)のマジック、セブンスクリムゾン(リバイバル)だけど」

 

同時にガキン!と鉄に刃が弾かれる音が響く。

 

イビル『ち…(ガード)されたか。ヴァンディール、すまん』

 

U(アルティメット)トリガーはヒットすれば、強力無比な力を発揮する。だが、強い力は必ず対策される。

 

U(アルティメット)トリガーも例外ではなく、効果発揮を防ぐ方法に『トリガーを発揮したアルティメットよりコストの大きなカードが捲れる』か、『アルティメットがアタック出来ない状態にする』、そして『トリガーカウンターを持つカードを手札に持っている』の3つが存在している。

 

ヴァン『イビル、気に病むな。

 

私に合体している地球神剣ガイアノホコの効果は、アルティメットの召喚に呼応したノーコスト召喚以外に、合体(ブレイブ)アルティメットの攻撃時、相手のバーストを封じる力がある。

 

これで貴様のバーストは発動出来ない。そして受けろ、ダブルシンボルの一撃を!!!』

 

バシン「くっ…!!!ライフで受ける(ライフ5→3・リザーブ3→5)!!!」

 

空中で更に跳躍し、ヴァンディールは全体重を真下に向けて、空気を地面の如く蹴り砕く。一瞬で地上に降りる事、まさにロケットダイブ。

 

バトルスフィアフィールドに広がる邪神域に着地し、砂埃を巻き上げる!

 

バシン「うわ…!?!」

 

『覚悟』と一声。刹那にバリアが展開するも、二太刀の斬撃がバシンの体を裂き、耐え難い激痛を脳と神経と身体に刻み衝けた!!!!!!

 

バシン『が…!?!?

 

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?!?』

 

アイボウ「ば、バシン!!!おい、しっかりしろ!!!」

 

苦悶の表情で体を丸め、苦しむバシン。トラックに跳ねられた等の比ではない。中学生のバシンが、バトスピを通じて経験した事が無かった『痛み』。マグナの良心によって『10分の1』に押さえられたバトルスフィアフィールド。それでいて、これだけの激痛。

 

アルティメット自身の戦闘能力に、ブレイブの打点強化までもが加わり、極めつけにバシン自身が『バトルアーマーを装着していなかった』事も、ダメージの殆どを彼に伝えた原因となっていたのである。

 

バシン「うぅう…」

 

アイボウ「バシン!しっかりしろ!バトルは終わってねぇんだぞ!」

 

ヴァン『ネズミの言う通りだ。アルティメットのアタックで、相手のライフを破壊した時、我のレベル4の効果が発揮される。

 

その効果で、相手のライフのコア1つをボイドに吹き飛ばす!』

 

大鎌が振るわれ、よろよろと立ち上がりかけたバシンの体を直撃!再び、彼の体を絶大な痛みが無慈悲に襲った!

 

バシン「あああああ…(ライフ3→2)!」

 

アイボウ「バシン!立て!立てってんだ!オイ!」

 

倒れた彼の頬を叩き、何とか立たせようと頑張るアイボウだが、激痛で体が動かないバシン。最早勝負あったか。

 

ヴァン『イビルフリード。奴に止めを刺してやれ』

 

イビル『ああ…分かった』

 

邪神域を一歩、また一歩、イビルフリードが歩き、迫って来る。

 

アイボウ「バシン!早く立てよ!おめぇこのままじゃ本当に負けるぞ!!?」

 

一刻と迫る敗北のタイムリミット。

 

バシン(力…入らねぇ…

 

バースト…あの、…バーストが、開ければ…戦える…

 

なのに…この様じゃ…、カードすら…掴めねぇ…)

 

???(バシン…バシン…)

 

倒れ、ぼんやりとした意識の中で、彼の耳に聞こえた声。その視界には、メタリフェルの効果で破壊され、トラッシュに行った自身キースピリット、龍皇ジークフリードの姿が朧気に映る。

 

バシン(ジーク…フリー、ド…?)

 

ジーク(バシン…あのバースト、博麗の巫女に代々伝わるカードの1枚だろう。少しだが、今の私なら…お前を支えてやれる)

 

バシン(ジーク…)

 

ジーク(お前と出逢い、幾つものバトルを越えた仲だ。私を…信じろ)

 

ジークフリードの言葉に、バシンは小さく、残りの力を出して首を立てに振った。同時にジークフリードが自分の身体に吸い込まれるような光景を見る。

 

すると、先程まで激痛で動く事すら儘ならなかった体は、まるで熟睡し完全回復したかのように軽くなっていた。

 

アイボウ「バシン!大丈夫か!?」

 

バシン「あ、…おう!大丈夫だ。で、イビルフリードが来てるんだよな?」

 

体を起こして立ち上がる。心配するアイボウを左手で乗せ、肩に移動し、がっちりと拳を握り締め前を向く。

 

アイボウ「そうなんだよ!イビルフリードのアタックを凌いでも、ライフは2個しかないんだ!アルティメットのどれか1体のアタックが通ったら、ヴァンディールの効果でオレ達負けるぞ!」

 

徐々に大きくなる地響き、ゆっくりと迫るイビルフリード。だがバシンは落ち着き、アイボウに言う。

 

バシン「大丈夫。それに、このバーストは『相手スピリット/アルティメットのアタック後』が発動条件だからな」

 

その時、バシンのバーストを縛り付ける鎖がバキン!と外れ砕ける音が響きながら、カードが表に捲れ上がる!同時にイビルフリードの目の前に、2本の炎柱が競り上がった!

 

イビルフリード『何…!』

 

バシン「バーストカードはマジック、バルムンク・エボルト!相手のスピリット/アルティメットのアタックに対して発動出来て、その効果で手札とトラッシュから系統:「古竜」を持つスピリットカード1枚ずつを、コストを支払わずに召喚出来る!」

 

ヴァン『成程…奴を復活させる算段は有ったと言うわけか』

 

バシン「その通り!さぁこい!龍がくれたカード!手札から焔竜魔王(えんりゅうまおう)マ・グー!

 

そしてトラッシュから蘇れ!龍皇ジークフリード(手札6→5・リザーブ5→4→3)!」

 

炎柱に2つの影が映る。左の柱から飛び出す黒鉄の大鎌が炎を切り払い、姿を見せる赤黒い巨大な竜人。翼は黒と黄色が混じった色をし、4本の腕が巨大な大鎌を支え、頭の角と眼は全身と真逆の白に燃えて、怪しく光る。

 

そして右側…柱が瓦解し、その中から赤い龍麟を纏う巨体と翼を広げ、メタリフェルに破壊された龍皇ジークフリードが、バシンの前に再臨した。

 

メタリ『ちぃ…また甦ったか!ジークフリード!』

 

ジーク「生憎、私はおめおめと引き下がるのが嫌いでな。簡単に倒した等と勝手に判断しない方が良い」

 

マ・グ「おぅ、ジークの旦那ァ!オレァ何時でも行けるぜ!バシン!コアの回収はオレ様に任せな!」

 

バシン「頼りにしてるぜ!ジークフリード!マ・グー!」

 

2体の古竜が構える。イビルフリードが全身の熱を昂らせ、突進の態勢を取った!

 

イビル『今さら2体のスピリットが並んだ所で何か変わるってか!?無理だな、ジークフリードにはソウルコアも乗っていない!仮に乗って居たとしても、ビートルゴンのアタックでゴリ押せる!諦めろ!』

 

ジーク「それはどうかな?バシン!」

 

バシン「バルムンク・エボルトの更なる効果発揮!俺のライフが2以下の時、手札にある(煌臨)を持つスピリットカード1枚を、カードに記された煌臨条件を満たすスピリット1体の上に、ソウルコアをトラッシュに置いた物として、重ねる事が出来る!

 

更にコストを支払って、フラッシュ効果を発揮!俺のフィールドに(煌臨)を持つスピリットが居るとき、相手のアタックステップを終わらせられるんだ(リザーブ3→0・トラッシュ2→5)!」

 

イビル『なん、だと…!』

 

「いくぞ!ジークフリード!」と、バシンの手札からカードが1枚、空に掲げ、投げる。

 

ジークフリードが飛翔し、カードと重なり合う。彼の全身を真紅の炎が包み、赤と白と黒の装甲が体と翼に合体。そして右手に炎と熱を収束させて、螺旋状の槍を創製し、現れた煌美やかにして昂然たる勇姿。

 

煌龍皇シン・ジークフリードが顕現を果たす。

 

シン「メタリフェル…。ヴァンディール…。先程やられた分は返させて貰う!だが…先ずはお前からだ、イビルフリード!」

 

イビル『おおおおおおおおおお!!!』

 

バシン「煌龍皇シン・ジークフリードでイビルフリードをブロック!バルムンク・エボルトのフラッシュ効果で、俺のフィールドに(煌臨)を持つスピリットが居るから、そのままアタックステップを終了だ!」

 

バルムンク・エボルトのカードから湧き出し、バシンの周りを様々な色の光が満ち、まるでミストカーテンのようなオーロラの壁を形成する。

 

イビルフリードの黒炎を纏う突撃と、シン・ジークフリードの煌輝(こうき)に煌めく螺旋の牙突が、真正面から激突し、製鉄加工機が鉄板から部品(パーツ)を繰り抜く時のように火花が激しく散り合い、最後には黒炎を光が貫く!

 

イビル『ぐおおおおおおおおおお!?』

 

シン「龍魔皇イビルフリード…撃破!」

 

シン・ジークフリードの後ろで、螺旋の一撃に左半分を抉り取られたイビルフリードが態勢を崩し、その身が大きく爆ぜる。

 

シン「バルムンク・エボルトの効果で、ヴァンディール。お前達はもう、これ以上の攻撃は不可能だ」

 

鋒に付いた煙を一振りで払い、ジークはアルティメット達を睨み付ける。「たった1枚のカードで戦局は大きく覆る」…ヴァンディールがかつて、自身の頭から言われた言葉だ。

 

まさに今。バシンがバーストのバルムンク・エボルトで2体のスピリットを並べ、煌龍皇シン・ジークフリードを煌臨させながら、絶体絶命の危機を乗り越えたように。

 

ヴァン『フッ…!ハハハハハハハ!』

 

シン「何がおかしい!」

 

ヴァン『そうだ!この感覚だ!

 

たった一撃の交錯!判断ミスが致命となる状況!一秒で転換する戦場!これだから戦いは面白い!止められん!!!

 

ターンエンド!さぁ、こい!馬神 トッパ!シン・ジークフリード!』

 

美鈴改めヴァン

 

ライフ5 手札0 リザーブ1 トラッシュ0

 

ホムライタチ レベル1(1)1000

 

邪神官クリケッツ レベル3(1)6000

 

ビートルゴン レベル4(2)6000

 

ビートルゴン レベル3(1)4000

 

甲殻伯メタリフェル レベル4(3)20000

 

獄風の四魔卿ヴァンディール+地球神剣ガイアノホコ

レベル4(3)28000

 

シン「バシン、分かっているな?」

 

バシン「このターンでアイツを倒せなかったら、俺達に勝ち目は無い!やるぞ!

 

スタートステップ、コアステップ(リザーブ0→1)、…正面突破ドローステップ(手札5→6)!リフレッシュステップ(リザーブ1→6(5+SC)・トラッシュ5(4+SC)→0)!メインステップ!!

 

ゴラドンを新たに召喚(手札6→5・リザーブ6→5)!」

 

亀甲形の小さなルビーが砕けて、メタリフェルにやられた方とは違うゴラドンが現れた。

 

ゴラド「しゃあ!いくぞ!」

 

バシン「そして今こそ、龍のくれたカードを使う!

 

灼熱を纏い、召喚!異魔神ブレイブ、赤魔神(あかまじん)!でえええええい(手札5→4・リザーブ5→3・トラッシュ0→2)!!」

 

バシンの前に現れる真っ赤で巨大な魔方陣。火炎に焼かれながら境界を越えて顕現する巨人は、鎧に炎の紋章が刻まれ、背中には灼熱地獄を彷彿とさせる金色の輪が付いていた。

 

赤魔神「バシンよ、さぁ我が力を使うが良い!」

 

バシン「よし!赤魔神、煌龍皇シン・ジークフリードを左に!焔竜魔王マ・グーを右に合体(ブレイブ)だ!」

 

赤魔神の両手に炎が満ち、2体の古竜へと注がれる。同時にシン・ジークフリードの持つ螺旋の槍と、マ・グーの持つ大鎌の刀身が深紅に染まり、炎を纏い、輝き始める!

 

シン・ジークフリード レベル1(1)11000+6000=17000

赤魔神

マ・グー レベル1(1)5000+6000=11000

 

ヴァン『異魔神ブレイブ…まだ奥の手を残していたか!』

 

バシン「赤魔神は『奥の手』じゃないぜ。本当の『奥の手』は、このマジックだ!手札からマジック!ドラゴンズラッシュ(リバイバル)を、リザーブのソウルコアとゴラドンのコアを使って発動(手札5→4・リザーブ3→2・トラッシュ2→4(SC))!」

 

バトルボードに叩き付けた1枚のカード。ゴラドンの消滅と同時に、其処から溢れる赤い炎の龍達が猛り、吠え、シン・ジークフリードに吸収されてゆく!

 

シン「バシン!」

 

バシン「ドラゴンズラッシュ(リバイバル)の効果!このカードを使用したターン、系統:「星竜」/「竜人」/「古竜」を持つ俺のスピリット全ては、BPを比べて相手のスピリット/アルティメットを破壊した時、バトル終了時に回復出来る!」

 

メタリ『だが、貴様達が幾らBPを上げようともアルティメットの敵ではない!』

 

そう、シン・ジークフリードもマ・グーも、メタリフェルの。アルティメットの高いBPには届いていない。そんな事をバシンが分かっていない訳がない。

 

バシン「確かに、普通だったらこの壁は越えられないかもな。だけど、俺にはマ・グーが居る!シン・ジークフリードが居る!

 

ドラゴンズラッシュ(リバイバル)の更なる効果!このターンの間、(煌臨)を持つスピリットが居る時、其のスピリットが煌臨元を破棄して効果を使用する場合、自分のスピリットの上にあるコア1個を使う事で発揮出来るようになるッ!!」

 

ヴァン『何…?』

 

バシン「残ったリザーブのコア2個をシン・ジークフリードに乗せて、レベル2に((ジーク:1→3)BP17000→22000)!アタックステップ!

 

その開始時に、マ・グーの効果が発動!ソウルコアを除いたトラッシュのコア3個をマ・グーの上に置いてレベル2にアップ((マ.グー:1→4・トラッシュ4→1)BP12000→15000)!さらにマ・グーのレベル2からの効果で、俺のアタックステップ中、系統:「古竜」を持つスピリット全てのBPを+3000(ジーク:BP22000→25000・マ.グー:BP15000→18000)!

 

そして!マ・グーがレベル2で居続ける限り、系統:「古竜」を持つスピリット全てに赤のシンボルを1つ追加出来る!」

 

ヴァン『BPのパンプとシンボルの追加効果だと!?』

 

マ・グーが産み出し、精製したルビーの結晶がシン・ジークフリードとマ・グーに吸収される。赤魔神の持つ2つのシンボル、スピリットが持つシンボルが重なり、クアドラプルシンボルとなった。まともに受ければ、スピリット以上の力を有するアルティメットであろうとも、無事では済まされない。

 

バシン「いけ!煌龍皇シン・ジークフリード!赤魔神の合体(ブレイブ)アタック時効果!デッキから1枚ドロー(手札4→5)!ドラゴンズラッシュ(リバイバル)の効果で、マ・グーに乗せたコア1個をトラッシュに置いて効果発揮!BPを+10000し、邪神官クリケッツに指定アタックだ(マ.グー:4→3・トラッシュ0→1)!」

 

ジークフリードが刹那に吠える。翼を大きくはためかせ、クリケッツに狙いを定めて飛んで行く。

 

煌龍皇シン・ジークフリードにはソウルコアを回収し、相手を焼き払う『煌覚醒』以外に、『煌臨元のカード』1枚を使い、自身にBPを+10000して相手スピリット/アルティメットを狙い撃ちにする能力がある。

しかし『煌覚醒』を使用する為には、自身が『煌臨中』でなければならず、支払う対価として見合った物とは言い難い。

 

だからこそ、バシンはシン・ジークフリードの力を120%生かしきる為、このカードを使用したのである。

 

ヴァン『そうか…!貴様の本当の狙いは!!!』

 

バシン「気付いたみたいだな!フラッシュタイミング、シン・ジークフリードの特殊能力『煌覚醒』発揮!

 

トラッシュのソウルコアをシン・ジークフリードに置く事で、BP20000以下の相手スピリット/アルティメット1体を破壊して、ジークフリードは回復出来る!これでレベル3にアップ!

 

そしてアタックする度に、ジークフリードのソウルコアをドラゴンズラッシュ(リバイバル)の効果で指定アタック効果の為にトラッシュへ送り、煌覚醒の効果でトラッシュからソウルコアを回収する!

 

これが、俺の!『魂のドラゴンコンボ』だ!煌覚醒の効果でホムライタチを破壊!」

 

シン「オオオオオオオ(ジーク:レベル2→3(3→4)BP→25000→40000)!」

 

クリケ『ぬァあああああああああ!!!』

 

ジークフリードが放つ火炎放射がクリケッツを直撃。其の熱の余波にホムライタチは悲鳴を挙げる間も無く、全身が融け落ち破壊され、クリケッツも数秒とせずその後を追う事になった(リザーブ0→1→2)。

 

バシン「ジークフリードでもう一度アタック!再び赤魔神の効果で1枚ドロー(手札5→6)と、ドラゴンズラッシュ(リバイバル)の効果で、ジークフリードのソウルコアをトラッシュに送り、BPを+10000してメタリフェルに指定アタック!そしてフラッシュタイミングで煌覚醒を発揮(ジーク:BP40000→50000)!

 

トラッシュのソウルコアを回収し、ビートルゴンを破壊!」

 

シン・ジークフリードがメタリフェルを捕らえ、急降下からの突撃を咬ましに掛かり、螺旋の槍と二刀の刃がぶつかり、バチバチと火花が弾ける。目にも止まらぬ斬撃の応酬と撃ち合い、その中でシン・ジークフリードの体が煌覚醒によるソウルコアの回収を受けて、更に熱く、真紅に燃えてゆく!

 

シン「ジークフリードの仇!そしてロクケラトプスとゴラドンの仇だぁあああああああああ!!!」

 

撃ち合い、撃ち合い、撃ち合い続け。

その果てにメタリフェルの持つ二刀の刃が、螺旋の槍に叩き砕かれる!

 

シン「覇ッ!!!!」

 

メタリ『ゴ…!?』

 

胸部の結晶に槍が深々と突き刺さる。刹那、メタリフェルの巨体が真っ赤に爆ぜて、ビートルゴン1体を巻き込みながら、バトルスフィアフィールドを震撼させた(リザーブ2→3→6)!

 

ヴァン『此れ程迄、強く成るか…シン・ジークフリード』

 

シン「バシンのお陰だ。彼が居てくれたからこそ、私はお前達との戦いに打ち勝つ事が出来る!」

 

バシン「いくぞヴァンディール!!!シン・ジークフリード、ドラゴンズラッシュ(リバイバル)の効果でソウルコアをトラッシュに送り、ソードブレイブアルティメットへ指定アタック!同時に赤魔神の効果発揮で1枚ドロー(手札7→6)!

 

フラッシュタイミング!煌覚醒でソウルコアを自身に乗せ、もう1体のビートルゴンを破壊!そして回復だ(ジーク:BP50000→60000)!!!」

 

ジークフリードの雄叫びが爆風に変わり、ビートルゴンを吹き飛ばしバトルスフィアフィールドを形成する壁へと圧し飛ばして打ち倒す(リザーブ6→7)!

 

シン「ヴァンディールぅうううううううううううう!!!!!!」

 

ヴァン『シン・ジークフリードぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』

 

火炎と風がぶつかり合う。赤い弾丸と緑の斬撃が空で捻り、弾け、邪神域の岩肌に2体の獣が同時に叩き付けられる!

 

ヴァン『まだだぁ!!!もっと…もっと!!!愉しもうぞ!!!シン・ジークフリード!!!』

 

シン「おあああああああ!!!」

 

岩石が砕け散り、2本の閃光が邪神域を飛び回り、その度に邪神域が、バトルスフィアフィールドが、未曾有の力に震え、悲鳴を挙げ、スパークが迸り、瓦解するかのように…!

 

シン「ヴァンディール!決着を着ける!」

 

ジークフリードの瞳が煌覚醒で追加されたソウルコアと同じ真紅に染まり、纏う装甲から赤の炎が吹き上がる!刹那、シン・ジークフリードのスピードが先程よりも数倍…否、数十倍に跳ね上がり、ヴァンディールに迫った!ジークフリードの現在のBPは60000へ到達、ヴァンディールの2倍である其の攻撃力が襲い掛かる!

 

ヴァン『シン・ジークフリード!!!やはりお前程のドラゴンとの戦は格別だ!血が満たされ、心が震え、命を実感出来る!今回は私の敗北だ!

 

だが私は此処で終わるつもりは毛頭有りはしない!』

 

シン「ならば何度でも倒す!それだけだ!」

 

真紅に染まるジークフリードが光となり、ヴァンディールの体を幾重にも、幾度にも渡り、螺旋の槍で突き切り裂く。ヴァンディールも自身の体を大きく回転し黒緑の竜巻を起こして防ぐも、一点に集中した一撃が風のバリアを貫き、ヴァンディールを直撃。

 

ヴァンディールは『フハハハハハハハハハハ!!!』と高らかに笑いながら爆発四散。彼の持っていたガイアノホコは持ち主を失い、獣の戦乱で荒れた邪神域の大地に忽然と刺さるのみである(リザーブ7→10→9)。

 

バシン「マ・グー!シン・ジークフリード!!!いっけぇえええええええええええええええええ!!!!!!」

 

マ・グーの斬撃とジークフリードの牙突が重なり、十字架となりて、美鈴を守るライヴのコア5つを同時に破壊し、彼女はバトルスフィアフィールドから弾き飛ばされた!

 

バシン『究極撃破で天下トォオオオオオオオオオタル!!!!』

 

* * *

 

美鈴「う…ん?あれ、私…」

 

バシン「美鈴、大丈夫か?」

 

バトルスフィアフィールドから解放されたバシンは、戦いに敗れ、倒れた彼女を揺すり起こす。だが彼女の口から己の耳を疑うような言葉が飛んできた。

 

美鈴「あれ、バシン…さん?(昨日)はバトル、ありがとうございました…?」

 

バシン「(昨日)?何言ってんだ、あのバトルから(1週間)経ってるんだぞ?」

 

美鈴「うええ!?ど、どうゆう事なの!?」

 

話が食い違っている。互いに状況を説明し合うが、全く噛み合わず空振るばかり。が、その時。

 

アイボウ「あれ?おい、バシン!ねーちゃんのデッキを見てみろ!」

 

アイボウに呼ばれ、視線を移すと倒れた時に飛散したであろう彼女のデッキが目に映る。そして彼はデッキの(違和感)に気付いた。

 

バシン「…(アルティメット)がない!」

 

そう、先程まで彼女…正確には(ヴァンディール)が操っていた彼女のデッキにはアルティメットが居た。何よりも、彼女の掌に残る擦り傷らしき痕…(ソウルドライブ)を使った際にソウルコアを握り潰して出来たであろう傷が、紛れもない証拠だ。

 

だがしかし、今の彼女のデッキには夢であったようにアルティメット達の姿は忽然と消えていた。

 

美鈴「アルティメットを使っていたんですか、私…?」

 

バシン「うん。すごい怖い口調だったし、何かどわぁー!って感じで」

 

アイボウ「上手く伝わってねぇーよ」

 

中学生らしい、まだまだ未熟さの残る話し方で説明するバシンに、ツッコミを入れたアイボウ。その時…

 

ジーク(む!?これは…!!!)

 

突如、バシンのデッキケースから彼のキースピリットである、龍皇ジークフリードのカードが飛び出すと、様々な色を纏いながら輝き始めたのだ!

 

バシン「ジークフリード!?」

 

ジーク(感じる…私の中で、新たな『力』が目覚めるのを…!!!)

 

ジークフリードから溢れる光…温かくも力強い、新たな「生命(いのち)」が生まれるかのような光だ。軈て其の光は「6色」の輝きとなって、バシン達の周りを回り出し、「6体」の龍へと姿を変えた。

 

(緑)の光は、白と緑の鎧を纏う鳥の羽毛を瓦屋根のように綺麗に並べた翼を持つ、騎士のように気高い落ち着いた姿へなり、全身に風を包んでいる。

 

(紫)は悪魔の羽根とアメジストパープルの龍皮を纏い、手には龍の顔が貼られた分厚い本と、金色の杖を握り締め、その周りには灰色の仮面達が不気味に漂い、此方を見る。

 

(白)の光は、鋼と機械の体で、膝には巨大な刃が合体し、全身を巡り走る血管のようなチューブが金色の光を怪しく点す。更に各部のランプが緑から赤に変わったり戻ったりと、忙しなく稼動し続けていた。

 

(黄)の光は、黄色いシルクハットを被り、城のタイルをイメージした服を着、翼幕にも同じような模様と、服にはトランプのダイヤ・ハート・スペード・クローバーのマークが刺繍されている。手には普段よく見るトランプと、ピンクの傘が握られ、立ち姿は正にジェントルマンの其れであった。

 

(青)の光は、青の龍皮の上から純白の軍服に袖を通し、ドラゴンの頭蓋骨を彷彿とさせる帽子を被り、水竜の翼で、自身で束ねた水色の髪を揺らす海賊の姿に。

 

そして(金)はアルティメット・ジークフリードの姿に似た、巨大な四足歩行のドラゴンである。

 

???「…アビス?それにハッターも居るとは」

 

???「我輩の儀式の邪魔をしたのは、貴様か…輩(わっぱ)?」

 

???「否、彼の龍皇ジークフリードから発せられた光が、私達六龍(ろくりゅう)を此の未知の世界に導き、降臨させたと推測します」

 

???「ミーのティーは何処デースカー!?」

 

???「その口に海水ぶっこんでやろうか、ハッター!アア!?」

 

???『全く…世話しないジークフリード達だ…』

 

バシン・美鈴・アイボウ(何このカオス…)

 

ピィーピィーギャーギャーと騒ぎまくる存在達に2人と1匹は完全に置いてけぼりにされてしまっていた。この後、シン・ジークフリードが憤慨し、金色のジークフリードを除いた5体が正座で説教をされる風景が出来上がり、益々カオスな空気になったという…。

 

* * *

 

シン「…済まないなバシン。彼等が五月蝿く騒いでしまって」

 

バシン「アハハ…」

 

アイボウ「五月蝿いっつぅかー…」

 

美鈴「楽しそうに見えました…」

 

苦笑し、頭をもたげるシン。彼は溜息一つ付いてからバシン達に話を切り出し始める。

 

シン「改めて自己紹介をする。私は煌龍皇(こうりゅおう)シン・ジークフリード。赤の龍皇の中でも最上位に位置する存在だ」

 

ヴェール「翼龍皇(よくりゅうおう)ジークフリード・ヴェール。風と天を統べる皇…そう言っておく。長ければヴェールでもヴェルでも構わない」

 

ネクロ「我輩は魔界幻龍(まかいげんりゅう)ジークフリード・ネクロ。皇の称号は無い、儀式の邪魔にしかならん。だが、紫の世界では一・二を争う権力者なのだ」

 

ニュー「初。秩序龍機(ノーブルドラグーン)ν(ニュー)ジークフリード。秩序軍(ノーブルオーダー)の最高決定権を持つ、白の龍です。宣、バシン」

 

ハッター「ヘイ!初めましてバシン!ミーは不思議王(ワンダーキング)ジークフリード・マッドハッター!楽しい事とお茶会が大好きデスヨー!ヨロシクゥー!」

 

アビス「…と裏切り者のハッターが言ってるが、全部聞かなかった事にしとけ。オレは海賊龍皇(かいぞくりゅうおう)ジークフリード・アビス。海賊共からは神とか何たら言われちゃいるが、正直そーゆーのは全く分からん。まぁ…よろしくな?」

 

ネオ『俺はアルティメット・ジークフリード・ネオ。イビルフリードやアルティメット・ジークフリードの力を受けて、目覚めた存在だと思えば良い』

 

ハッター「アビスゥ!酷いデース!」

 

ヴェール「静かにしろハッター。バシン…忘れている事が有るのではないか?」

 

バシン「忘れてる事…あ」

 

思い出す、一番忘れてはいけない事を。

自分が足止めを食らった要因を作った、ある存在を。

 

バシン「マグナだ!あのヤロー、絶対許さん!!」

 

美鈴「行きましょうバシン!私が館の中を案内します!」

 

マグナがぶっ壊した門を潜り抜け、館に突入したバシン達。その後を追うように、各色のジークフリード達が光の球体に変わり、彼の後へ付いて行く。

 

果たして彼等は、マグナにキツい御灸を添える事が出来るのか!?

 

次回に続く!!




17話如何でしたでしょうか?

はい、という訳で皆さん…


お待たせし過ぎて申し訳御座いませんでしたああああああああああああああ!!!!!!苛烈な社畜生活と他の小説に没頭し過ぎて書かなかった私が悪いですぅうううううううううううううううう!!

…と、このくらいにしておき冒頭でも御伝えした通り、番外編を書くことで一つのけじめを着ける所存になりました。

その題名は…

『番外編1:マグナ、六絶神になる』です。

大まかなあらすじとしては、マグナが六絶神になる数日前の出来事になります。マグナ以外の他の六絶神や6体の起源龍達も本編に先駆け登場します。

また、今回登場したオリカは番外編で紹介しますのでご了承下さい。

では次回予告をして〆とさせて頂きます。今年もバトスピに栄えあれ!!

未だ目覚めぬ龍虎を抱えながら紅魔館を爆走し、暴れ回るマグナ。でもそんな事を黙って見過ごす館主は1人もいない。

差し向けられた影。そんな中、辿り着いた場所でマグナが目にしたものとは!?

そして…龍虎が新たなる覚醒を果たす!

次回、東方激闘魂 第18話

起源覚醒の刻 其の龍の名はイシュ・バラム

イシュ『君は、世界の為に命を捧げる覚悟は在るか?』
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