東方激闘魂(バトルスピリッツ×東方project)   作:ガリアムス

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長らく御待たせしました!

今回は龍虎の謎が増える&バシンがパチュリーとの会合を果たす回です!よってバトルはごさいません!!!(ヴェッ!?)

それでは本編レッツゴー!


東方激闘魂 第18話 起源覚醒の刻 其の龍の名はイシュ・バラム

マグナ「前回のあらすじだ。

 

亥坊主をブッ飛ばして倒れた龍虎をバシンと共に、紅魔館に運んでいた俺達だったんだが、門番の中国あんまんに邪魔された。まぁバシンの勇気ある決断で、単身突撃した俺様だったわけだがな。

 

バシンのバトルだが、あんまんのヤローめアルティメットを従えて滅茶苦茶強くなりやがって…しかもアイツはダブルドロー(リバイバル)の隙を突いた、甲殻伯メタリフェルでジークフリードを破壊しやがった!

さらには追い討ちと言わんばかりの四魔卿アルティメットの1体、ヴァン・ディールまでもが登場、その強大な力・ソウルドライブがバシンに牙を向く。

 

だが…アイツは諦めなかった。一瞬のチャンスを逃さず、バーストのバルムンク・エボルトでジークフリードを煌龍皇まで進化させたんだよ!凄すぎだぜ!さらに赤魔神とのブレイブで煌龍皇を強化して、四魔卿共々アルティメットを爆殺!スカッとするじゃねぇか!!!

 

バトルが終わった後、どうやらバシンのジークフリードが6枚のカードに分裂したらしい。奴等の言う事には、龍虎が覚醒を促したとか言ってるんだが、どうゆう意味なんだろうな?

 

ま、そんな事は捨て置いて、此処からは俺様のハチャメチャターンだ!期待しとけよ!」

 

* * *

 

マグナ「………………………………」

 

俺様の名前はドラグマグナ。グラン・ロロが産まれる前から世界を見守っている6体の神の内の1人だ。つまり、滅茶苦茶偉いってわけだ。

 

で、そんな世界を見守っている偉い神様の俺が暇を…ゴホン。尊い仕事をしている俺様が、何故こんなちんけな世界、幻想郷に居るかって、疑問に思う奴等も多いだろうなぁ?

 

暇つ…ゲフン、八雲のババアが言うには、幻想郷に迫る危機がグラン・ロロどころかバトルスピリッツそのものの消滅の危機に在るとか聴かされた訳よ。

まぁ、そんな大危機に動かねぇ馬鹿な神は居ねぇし、面倒だが引き受けてやることにした。

 

だが実際行ってみたら、博麗霊夢の神社の奉り神にされるわ、一日中座布団の上にカードのまま放置されるわ、退屈しかねぇ!

 

だが、あのババア…とんずらしようとした俺をタコ殴りにするほどにブチギレてやがった。辛くも逃げ延びた俺様だったが、コアの殆どを逃げる事に使っちまい、危うく死にそうな状況に陥って…。

 

そんな俺を龍虎が救って、八雲のババアから守ってくれた。そん時に決心した、俺はコイツの相棒になる…ってな。

 

マグナ「…さっきも通ったよな?」

 

マグナは紅魔館へ突入してから長い廊下を行ったり来たりと、進み続けていたのだが、彼はこの屋敷の中で完全に迷ってしまっていたのだ。

 

長く続く廊下と、同じ扉に同じ窓。羅列する同じ景色は少なからずマグナの感覚を狂わせていた。まさに入れば最後、脱出不可能な迷宮の中。マグナは負傷したチルノ達と、目覚めない龍虎を保護しながら、出口なき屋敷の中をひたすら彷徨い続けなければならな

 

マグナ『チェストぉ!!!』

 

爆裂、破砕、激震。砕け散る窓ガラス達に、折られた複数枚のドア…。

 

犯人はマグナ。彼は事も有ろうに、人様の屋敷の壁をぶん殴ったのである!!!

 

マグナ「はっはっはぁ!!!そうだ、最初からこの方法で行きゃ良かった!壁が有るなら殴って壊す!正にシンプル・イズ・ベスト!!!」

 

ゲスい顔で高らかに笑い、二等親の体で次々に壁をブッ壊しながら、マグナは嬉々として進み続けて行く。

まるで彼のやっている事は、破壊神以外の何者でも無い。

 

邪魔する物は自らの拳で破壊し、道を切り開く。

例え其れが分厚い地盤(プレート)だろうと、広大に広がる深い海だろうと、宇宙の中の巨大な星だろうが、彼には関係無い。

 

彼は唯、己の力と拳で突き進む。其れが六絶神 剛力のドラグマグナなのだから。…とは言ったが、器物損壊による因果応報はそう遠くない未来に必ず訪れるだろう。

 

マグナ「ドラララララララララララララララララララララララララララ!!!ドラララララララララララララララララララララララララララ!!!」

 

暴走列車の勢いで、壁を壊し続けるマグナ。この御馬鹿神を止める奴は現れるのか!?

 

* * *

 

???「騒がしいわね」

 

紅魔館の、とある一室。どの部屋よりも広く、赤に染め上げられたカーペットと床。そしてルビー色の大きな玉座に座る、一つの影。

 

???「咲夜、此処に忍び込んだ蠅の掃除をお願い」

 

暗闇の中で「御意」と一声。

 

???「レミィ。どうやら『其奴』は宝物庫の方角に向かっているようだ。確か彼処には…」

 

???「………あぁ、『起源の紫水晶』が在ったな。何、奴には其の中身を奴に開けられない。心配するな『ウロ』よ」

 

暗闇で少女と思しき声と深い重い男性の声が響き合う。

 

* * *

 

マグナ「ドララララララララララララララララララララララァアアアアアアアアアア…!!!!!!

 

ドラァッ!!!!!!!!」

 

扉を壁を壊して、壊して、壊しながら、マグナは一際開けた薄暗い場所に辿り着いた。其処は箱や棚ばかりが並び、部屋全体が埃臭く、息をするのもキツい。埃にアレルギーを持つ者は、間違いなく即倒どころか即死への一方通行待ったなしの状態である。

 

マグナ「ゲォッフ!ゲホ、ゲホ!?何じゃこの部屋ぁ!?埃だらけでカビくせェ!まともな掃除も出来ねぇのか、此処の屋敷のメイドはよぉ!!

 

おぅえっふ!!ゲォエフ!…あ?」

 

咳き込み続けていたマグナだったが、彼は部屋の中央に鎮座している『あるもの』を見つけた。

 

其れは…『龍の彫刻』。其れも総重量3トンは下らない『紫水晶(アメジスト)の塊』で出来ていたのだから。埃まみれの部屋だが、この水晶彫刻だけは念入りに清掃が施されており、マグナが破壊した壁から漏れる、一筋の日の光に照らされて、淡い紫の輝きを放っている。

 

マグナ「何じゃこりゃ…」

 

宙に浮き、フワフワと近付くマグナは、何故か水晶から『懐かしい』雰囲気を感じ取っていた。

「う…あ…」と細く弱々しい蚊取り線香並みの声がしたのは、ほぼ同時であった。

 

マグナ「龍虎!?目覚めたか!」

 

龍虎「マグナ…?誰、だ…ろう…『声』が…」

 

マグナ「声?俺達以外居ねーぞ、どうしたよ?」

 

龍虎「ううん…『聴こえる』、私を…『呼んでる』…」

 

マグナは疑問を抱きつつも、作り上げた結界を解除。解放された龍虎はフラフラと、まるで光に蛾が吸い寄せられる様に、紫水晶の彫刻へと近付いてゆく。

 

龍虎「間違い、ない…此処から、聞こえてくる…」

 

震える腕を、手を伸ばし、彼女は彫刻へと静かに触れた。次の瞬間、紫水晶は今までとは桁外れの光を内側から放ち、全体に無数の皹が迸り、粉々に砕け散り、紫色の粒子に還ったのだ!!

 

マグナ「な、何が起きてやがる…!?」

 

* * *

 

???「!?…ありえない、こんな事が…!」

 

???「レミィ、どうし」

 

???「…『起源の紫水晶』を、たかが人間が『開放』した…!」

 

???「…!それは、君の『運命』とやらに映らなかった、未来か?」

 

???「…ああ、そうだ」

 

顔を覆い、真っ暗な天井を仰ぐ。彼女にとって『想定外の出来事』に、口調や呼吸に大きな動揺が見られた。

 

???「逆に考えるのはどうだ?起源の紫水晶が開放された事により、『中身を回収する手間が省けた』と。

 

解き方が分からなかったのだ、その段取りを一つ飛ばせた…そう考えれば状況は変わるであろう?」

 

そんな言葉に、はっと我に返り、「そ、そうだな!」と納得する。彼女は次なる手に移るため、行動を開始した…。

 

???《ククク…全くもって御し易い。五百年生きているとは言っていたが、我からすれば『日よっ子』の部類だ。さて…どう遊んでやろうか》

 

嘲り嗤う、黒い悪意に気付く事すらなく…。

 

* * *

 

龍虎は浮遊していた。薄い紫色の靄で満たされた空間の中で。

 

龍虎「此処…どこ、かな…?」

 

???『フム…人間(ひと)の子が、私の空間に入るのは一体何時振りか』

 

重さを纏う男性の声が響き、紫の光の粒が一ヶ所に集まり、形を成してゆく。

四肢と翼に纏う洗練された紫水晶の刃、龍の髑髏のように痩せ細い顔、体。そして蛇のような長い舌と尾。

 

龍虎「貴方は…」

 

???『…忘れてしまったか?私の名を』

 

えっ?と首を傾げる彼女を見た紫の龍は、彼女の周りを回りながら、成程納得といった具合に頷いている。

 

イシュ『まぁいい。では…初めましてだな、虹色

龍虎。私の名は『イシュ・バラム』。君達が普段から楽しんでいるバトルスピリッツ…その世界のグラン・ロロの『夜』を創造し、紫の世界の根本を作った。

 

皆は私を『紫の起源龍』…そう呼んでいる』

 

とんでもないドラゴンだった。紫の世界と夜そのものを創造を成した存在。それが今、彼女の目の前に居る。

 

龍虎「…どうして、私の名前を?」

 

イシュ『君の事を『私達は』ずっと見ていたからさ。

 

…君が『様々な世界を旅した時』も。『グラン・ロロを創る大いなる決断をした瞬間』も…ね』

 

龍虎「…はい?どうゆう、こと…?」

 

意味が分からないといった具合の龍虎を他所に、イシュは彼女の目の前で紫の刃を振るう。すると空間内に円上の大きな穴が忽然と開き、バチバチとスパークが迸る。

 

イシュ『マグナ。居るのだろう、入ってこないか?』

 

マグナ『やっぱりてめぇか!イシュ!!』

 

穴から二頭身状態のマグナが現れるが、空間に入ったとたんに其の姿はバトルフィールドに居る時と同じ、筋骨粒々の六つの翼を持つ巨大な龍の姿に戻ってしまう。

 

イシュ『久し振り、マグナ。相変わらず元気にしているようだね』

 

マグナ『はん!陰湿星眺めの老い耄れドラゴンに比べりゃあ、此方は元気が有り余ってんだよ!!』

 

ブンブンと腕を回し、シュッシュッと巨体に似合わぬ高速ジャブを放つ。

 

龍虎「あの~…二人ってどうゆう関係、なの?」

 

イシュ『マグナよりも大先輩のドラゴン』

 

マグナ『あ?てめぇの方がグラン・ロロ創造時に部下になったに決まってるだろうが?』

 

イシュ『経歴は私が上だがね』

 

マグナ『立場は俺が上だ!』

 

イシュ『私だ』

 

マグナ『俺だ!!』

 

口論開幕。ワーワーギャーギャー騒ぎ立て、両者の言葉がドッジボールで投げられる玉のように行ったり来たりを繰り返し続ける。が…

 

マグナ『俺に決まっとろうがい!』

 

バキッと嫌な音が一つ。マグナの拳がイシュの顔面を直撃、頬から紫色の血が一筋流れた。

 

イシュ『……………やってくれましたね』

 

御返しとばかりにマグナの強硬な胸を、紫の鋭い一閃が切り裂き、皮膚からプツプツと気泡が現れた刹那、赤い血がスプリンクラーめいて弾ける。

 

イシュ『久々にキレましたよ。其の分厚い筋肉を小間切れに解体し、食べて差し上げましょう』

 

マグナ『上等だゴラァ!やれんもんならやってみやがれやぁ!!』

 

売り言葉に買い言葉。待った無しに空間内で始まった神と龍の戦い。斬打が飛び交い、血が噴出し、数多の叫びと共に技が放たれた。

 

マグナ『剛力火炎砲弾!!』

 

イシュ『次元死界断!!』

 

龍虎は唖然と立ち尽くし、二体の戦いを止めることも出来ない。叶わない。

 

ゴツン!

 

龍虎「いたっ!?」

 

空間の破片…たかが一片、それも小さな欠片が龍虎の額を直撃したのである。まさに其の瞬間だった。彼女の中に在った堪忍袋の尾が、ブチンと音を立てて切れたのは。

 

マグナ『倒れやがれや!』

 

イシュ『暑苦しさにも飽きましたよ』

 

龍虎『いい加減にしなさい!!!!!!!!!』

 

至近距離で雷が落ちたような大音で、紫色の空間が轟き揺れた。二体が振り向くと、其処に立っていたのは…龍虎。されど其の姿、怒髪が天を衝くよう…長く美しい虹色の髪が業火の如く逆立つ。表情は正しく鬼神そのもの。

 

刹那、二体はまるで『白亜元帥レイザウラー二体の効果でアタックを封じられ、エクストラターンを残したまま、裁きの神剣リ・ジェネシスと合体した断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニスに調理されるのを待つのみ』のような感覚に支配され、全身から滝のような汗を噴き出し始めたのである。

 

龍虎「喧嘩は駄目よ。良いわね?」

 

二体『アッハイ』

 

普段は温厚で、バトスピになれば人一倍真剣に向き合い戦う龍虎。そんな彼女を怒らせたらどうなるか…。マグナはチルノに憑依し暴れた、亥の十二神皇カラミティボアとの戦いで、蒼天 龍虎の人格になった状態の彼女を一度見てこそいたものの、改めて思い知らされた。イシュに至っては紫の龍皮がブルーベリーみたいな真っ青に変貌し、顔色もすぐれていない。おそらく彼女がこんな表情を見せるとは、思ってなかったのだろう。

 

* * *

 

イシュ『コホン…。では、話を戻す。

 

虹色 龍虎。君は紫からバトスピその物が消滅の危機に瀕していると言うのは、聞かされているか?』

 

数分後。ほとぼりが冷めた頃、イシュ・バラムが龍虎に対して問い掛けた。うん、と彼女は首を縦に振ったのを見て、そうか…と呟いた彼を、龍虎は何か合ったのかと気になった。と…

 

イシュ『龍虎。君はバトスピの為に命を掛ける覚悟は在るか?』

 

マグナ『…!』

 

龍虎「命を…掛ける…」

 

イシュの問いにマグナは少し驚いた顔をし、龍虎は自分の胸に手を当て、鼓動を感じ取る。

 

イシュ『そう、君自身の命。一つの命を以て、バトスピを消し去らんとする、強大な悪意を打ち倒す覚悟。君』

 

龍虎「出来るよ」

 

出来る。その一言が烈神速の速さで飛んできた。イシュは唐突な返事に、『……………は?』と答える事しか叶わない。

 

龍虎「バトスピを守るんでしょ?出来るよ、命を懸けるくらい」

 

イシュ『いや、龍虎…?君は自分が何を言っているのか…』

 

疑問が解せないイシュ。そんな彼をマグナは肩を叩いて言う。

 

マグナ『話すとなげーんだが、龍虎は昔にまぁ色々と辛い経験をしたんだ。そんときにバトスピに出逢って自分の人生を救われた。

 

龍虎にとっちゃ、バトスピは『自分自身の人生』そのもの…其れが無くなったら龍虎は龍虎じゃ無くなっちまう。命張れるつーのは、そーゆー理由があんのさ』

 

フフンとドヤ顔で胸を張ったマグナに、いや何で得意気に話してるの?と言った感じの龍虎。

 

イシュ『ハハハハハハ…!』

 

そんな一人と一匹を見ていたイシュは高らかに笑い出す。

 

龍虎「な、何…?」

 

イシュ『いや、済まないな。いきなり笑って。成程成程…マグナが君を認めた理由が理解出来てね。

 

どうやら龍虎、君は生粋のバトスピ馬鹿だな。それも最高の意味で』

 

龍虎「そうよ。私にはバトスピしかないもの、それが無いと生きていけないわ。何よりも何処ぞの誰かに、バトスピを消されるって緊急事態に黙っているバトラーは、一人だっていないわよ!」

 

という訳で!と龍虎はイシュに向けて手を翳して宣言する。

 

龍虎「イシュ・バラム!貴方の力、私に貸して頂戴!」

 

にっこりと真っ直ぐな笑顔。イシュはコクリと首を縦に振って、紫の粒子へと変化してゆく。

 

イシュ『良いだろう。このイシュ・バラム、虹色 龍虎とバトスピの未来を護るために力を尽くそう』

 

粒子の奔流は彼女の周りを徘徊し、軈て彼女の腰のベルトに付く『紫色のデッキケース』へ集束する。それと同時に龍虎達の意識は揺らぎ、目の前が真っ暗になった…。

 

* * *

 

龍虎「んぁ…」

 

マグナ『気ぃ付いたか、龍虎!』

 

龍虎「此所…って…」

 

彼女が目を開けると、先程まで居た空間は無く、薄汚れた埃だらけの部屋が広がる。その時、ハッとなり自身のデッキケースの中身を調べ始め、紫のケースに今まで入っていなかったカードを発見した。

 

龍虎「…これ、あの時の」

 

マグナ『ああ、間違いねぇ。イシュ・バラムの気配を感じる。あの時、確かに俺達はコイツと逢って話をしてたみてぇだ』

 

???『見つけたわ』

 

ギョッとなる。背筋が凍り付き、恐る恐る振り向く。

 

マグナ『…ひゅぅ~。想定してた中で一番やっべーやつが来やがった』

 

十六夜 咲夜。廊下の光を背に立つ彼女の瞳は、赤に染まっている。

 

咲夜「さぁ…その手にあるカードを渡しなさい。そして今すぐ館から出ていく事よ。命が惜しければ…」

 

マグナ『断る。誰がてめぇの言う事聞くか』

 

龍虎「ま、マグナ!此所は穏便に…」

 

マグナ『だが、俺様も鬼じゃねぇ。今からバトスピで勝負して、お前が勝ったら『何だって言う事を聞いてやる』。

 

が…俺達が勝った場合、此方の言う事を聞いて貰う。どうだ?』

 

悪魔の如き笑みを浮かべ、マグナが囁く。あわわ…と成り行きを見守るしかない龍虎、視線を向けたまま思考する咲夜。

 

咲夜「…良いでしょう。貴方、それだけ大口を叩いたのだから、負けた場合のリスク。覚悟は出来ているのでしょうね?」

 

マグナ『阿田保うよ。俺も龍虎も既に出来てるかんな』

 

龍虎「話を勝手に進めないでぇえええええ!?」

 

龍虎が叫ぶも虚しく、バトルによる約束は結ばれた。地面に膝付き落ち込む彼女に、マグナは言った。

 

マグナ『勝ちゃあいんだよ、勝ちゃあ♪』

 

龍虎「他人事みたいに言わないでよ…もう…。

 

まぁ…やるからには、勝つしかないのも分かってるのが悲しい…

 

あああもぅ!やってやるわよ!コンチクショー!!」

 

ヤケクソ気味に彼女は腰にある『赤のデッキケース』に触れた。其の瞬間、彼女の瞳孔は黒から金に、髪も真紅に一瞬で染まる。

 

紅蓮「やるぜ!やるぜ!やるぜぇえええええ!!この俺ッ!紅蓮 龍虎の爆熱バトルが始まるぜえええええ!!マグナぁ!!」

 

マグナ『おう!バトルスフィアフィールド、展開!!ダアッ!!!』

 

地面に叩きつけると同時に、金色の半球体が二人を包み、覆い尽くす。そしてマグナの二頭身の体が光に包まれ、カードへ変わると、彼女はそれを掴むとデッキに収納し叫ぶ。

 

紅蓮「今日のバトルは深紅の炎が全てを焼き尽くす、赤く熱いバトルになるッ!!!!」

 

咲夜「遠慮はしない…!此所で貴方に勝つ!」

 

二人『ゲートオープン!界放!!!』

 

イシュ・バラムを巡る、二人の戦いが静かに始まりを告げたのだった。

 

* * *

 

一方のバシン・美鈴組は…

 

美鈴「此方から音が!右側へ!」

 

バシン「おう!」

 

紅魔館内に響く破砕音と残骸と化した壁を辿り、二人と一匹はマグナを追い掛け走っていた。マグナによって足止めを食らった挙句、器物損壊までされた美鈴にとって、門番失格とも言える事態。

何としても奴を捕らえ、汚名を削がねばならない…そうでなければ、皆に顔向け出来ないのである。

 

だが…

 

『むきゅうううううううううう!?!?!?!?』

 

そんな彼等の耳に届く、悲鳴に似た声。

 

美鈴「パチュリー様!?今の悲鳴は何か有った!?」

 

バシン「パチュリー?誰だ?」

 

美鈴「バシンさん!すいませんが、今から図書館に向かいますよ!」

 

バシン「え、ちょ!?マグナはどうするんだ!!!」

 

美鈴「咲夜さんなら、あの暴れ神くらい何とか出来ます!パチュリー様は昔から御体が宜しくないのです!」

 

早くッ!と叫んで美鈴は加速してゆく。バシンとアイボウはそんな彼女の背中を必死に追い掛け続け、軈て巨大な扉が見えてくる。

 

美鈴「パチュリー様!ご無事ですか!?」

 

扉を開き、美鈴が其の名を呼ぶ。後に続いたバシンとアイボウは目の前に飛び込む景色に唖然となった。

 

縦八段以上、横数百メートルはあろう棚一杯に、これでもかと詰め込まれた数多の本。遠目で分からないが、見た目や大きさ、幅がどれも異なっていて、中には年季の入った物もある。

が、問題なのは両端の壁。大きな穴が空いて周りには其の残骸が飛散していたのだ。真ん中には、仰向け大の字で泡を噴いて倒れているパジャマ姿の紫色の髪をした少女が一人。美鈴が抱き起こし叫んでいる。

 

美鈴「パチュリー様!しっかりしてください!」

 

パチェ「むきゅ~…」

 

バシンとアイボウは美鈴が彼女を起こすのを待ちつつ、空いた壁を見る。形状からして普通ならばトレーラー等がぶつかって壊れたと判断するのだが、バシンの首に掛ける赤の輝石が僅かに輝く。

 

バシン「輝石が反応してる…となると、アイツだけだよな…」

 

アイボウ「だな」

 

最早マグナ以外に思い当たる節がないのだ。

 

パチュリー「…ううん…?」

 

美鈴「パチュリー様!…良かった、お目覚めになられて」

 

パチェ「…美鈴。ああ、私…気絶してたのね。

 

で、其処に居るのは…?」

 

美鈴「バシンさんと、白鼠のアイボウです。後もう一人いるのですが、現在別行動中につき居ません。

 

それよりもパチュリー様。私達はこの館に潜入し、破壊活動を行った不届き者を捕らえる為に動いています。

 

赤い二頭身のトカゲです…御存知でしょうか?」

 

美鈴の問いに、少し待っててと返す。するとパチュリーは目を綴じ指を徐に振るうと、部屋の奥からふわふわと水晶玉がやって来て、彼女の掌に吸い込まれるように乗っかったのである。

 

アイボウ「オメェ、超能力者か!?」

 

パチェ「超能力者じゃないわ、私は『魔女』よ。それに女の子に対して『オメェ』だなんて、随分失礼な口の聞き方するのね。小さなネズミさん。…コホ」

 

バシン「風邪でも引いてんのか?」

 

パチェ「昔からの病気。…毎日怠くて、正直あんまり動けない」

 

が、何を思ったのかパチュリーが一瞬、黒い笑みを浮かべたのを美鈴は見た。同時に直感する…何かとんでもない事を彼女が企んだのを。

 

そして、こう切り出した。

 

 

 

 

 

 

パチェ「…ねぇ、バシン君。今から私とバトスピで勝負しない?」

 

 




そんなこんなで投稿が遅れてしまい、本当にすいませんでした。

マグナ『そいや最近なんかヤバかったんだって?』

まぁ…ね。会社に新入りさんが入ったんだけど、その人『カードゲームに金注ぎ込む連中の心理が分かんない』って言ったんよ。しかも手際悪いし、サボる、しかも一ヶ月で辞めるの三重苦…そしてその尻拭いで私は11連勤…アハハハハハハハハハ(乾笑)

いくら温厚な私も流石にぶちギレましたよ…(青筋ビキビキ)

マグナ『うわぁ…作者が怒るとか滅多にねぇってのに』

…てな事があり、立ち直り+執筆活動再開に時間が掛かりましたといった具合ですね。

それでは次回予告を。

紅魔館のメイド、十六夜 咲夜。彼女には龍虎との戦いで絶対に負けられない理由が有った。彼女が自らの誇りと力の全てを賭けた全力全開の『タイムストップバトル』。対するは、新たな仲間を加え、更なる進化と成長を遂げた『俺ドラ・新』を駆り操る龍虎。

紫の起源龍イシュ・バラムを賭けた両者の戦いが始まる。

次回、東方激闘魂・第19話。

咲夜vs龍虎!攻略せよ、タイムストップバトル!

絶対、見てくれよな!

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