この素晴らしい世界にヒーローを!   作:不死身の決闘者モル

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ヒント:この辺りから原作崩壊が入ってきます。注意しましょう!
追記ヒント:今後の展開に関わってきそうなのでモンスター名を変更しました!
『オーク→タウロス』 展開は変わりません、混乱させて申し訳ない!


君、ヒーローの素質あるかもよ?

「来ないですねぇ。リーダーさん」

 

めぐみんは俺の注文した果物ジュースを勝手に飲みながら呟いた。

俺とめぐみんが握手を交わしてから1時間ほど経過したがカズマとアクアは現れない。

恐らくまだ寝ているのだろう。もう少し待ってみよう。

それより、だ。

 

「おい、それは俺のジュースだぞ」

 

俺はめぐみんの持っているカップを奪おうと手を伸ばす。

するとめぐみんはヒョイと素早くカップを持ち、俺の手の届かない位置まで移動させる。

 

「む、一口ぐらい良いじゃないですか。まさかヒーローともあろうヒデオはそんなケチ臭いこと言わないですよね?」

 

ムスッと頬を膨らませ意地でも渡さない意思を見せるめぐみん。

 

「明らかに一口じゃないから言っているんだがな…まぁいいか」

 

それを聞くとめぐみんはニコニコしながらジュースを飲み続けた。

 

確かにめぐみんは今無一文。俺だけ頼んだのも気が利いてなかったかもな。

やれやれ、もう1杯頼むか。

 

「すまない、果実のミックスジュースをもう1杯…」

 

と、俺がウェイトレスに注文をしようとした時であった。

 

『緊急!緊急!アクセル付近の森にタウロスの群れが出現しました!!クエストを受けている方でも危険ですので近づかないようにして下さい!!』

 

ギルド内に大音量で放送が流れた。いや、これは街中にも流れているのか。

 

「タウロスですか。確かに、新規冒険者の集まるこの辺りでは危険なモンスターですね」

 

「知っているのか、めぐみん?」

 

「えぇ、タウロスは全身毛むくじゃらで牙の生えた獣人です。知能はそこまで高くありませんが性格は凶暴で野蛮。そして強靭な肉体から繰り出される攻撃は初心冒険者にとっては脅威とされています。それが群れであれば尚更です」

 

ただの中二病をこじらせた魔法少女だと思っていたが、どういうことだ?この子めちゃくちゃ物知りじゃないか。考えを改めなくてはと俺は少し感心した。

 

「ヒデオ、今失礼なことを考えましたね?何を考えた?聞こうじゃないか」

 

めぐみんは席から立ち上がり俺の方へ身を乗り出してむっとしたまま顔を近づけてくる。

 

「何も考えていない、やめろ!顔を近づけるな!」

 

ぐいぐいと近づいてくるめぐみんを押し戻そうと抵抗する。

 

そんな時だった。

 

「えぇっ!?クエストを受けた冒険者がまだ森に!?」

 

別の受付と話していたであろう金髪ウェーブの受付が大声を上げた。

ギルド内の視線を集めていることに気付いたのか、すぐにやってしまったといった風に口を押える。そしてギルド内がざわつき始めた。

 

現在ギルド内には俺とめぐみんを覗いて4~5人の冒険者がいる。皆、「やばいんじゃねぇの?」だの「可哀そうになぁ」などと口にしている。

 

「むぅ、こればかりは運が悪かったとしか…あれ、ヒデオ?」

 

俺はその情報を聞いた時、すでに席を立ち受付の方へ向かっていた。

そして受付の前まで行きすぐに尋ねる。

 

「森の場所を教えろ」

 

「え…?」

 

ギルド内が静まり返った。

受付2人は何を言っているのかわからないといった風な表情でこちらを見ている。

 

「その冒険者を俺が救出する。早く場所を教えろ。手遅れになるぞ」

 

手遅れという言葉に少し焦ったのか受付2人はすぐに地図を用意してきた。

 

「こ、この街を出て西に向かってすぐの森です…でも…」

 

「分かった。情報感謝する」

 

「ちょちょっとヒデオ!?何を言ってるんですか?一人で救出なんて無謀もいいところです!」

 

めぐみんが慌てて俺を止めようとコートを掴んできた。

 

「さっきも言ったでしょう?タウロスは凶暴で野蛮です!人間の会話は通じません!!ミンチにされてハンバーグにされます!!」

 

必死に俺をとどまらせようとするめぐみんに対し、俺はポンとその肩に手を置く。

 

「めぐみん。悪いが俺はヒーローだ。ヒーローとして救える者は全力で助けに行く。例えそれがどんなに困難な状況であっても、な」

 

それだけ言うと、俺は体を煙状にするレイスフォームを使いめぐみんの手から逃れ、そのままギルドを出た。

 

説明がまだだったが、このレイスフォームは体を煙上にして一定時間無敵になるスキルだ。この間は攻撃ができなくなるが、敵から逃げる時や敵の弾幕を搔い潜り裏を取りに行く時など様々な場面で使用できる便利なスキルでもある。

 

「ひ、ヒデオー!!」

 

と、めぐみんが追いかけてくる。追い付かれるとまた止められる可能性があるのでレイスフォームが切れるとすぐに装備をルシオの物へ変更する。

 

この装備の着脱はどういうわけか吸い付くように一瞬で行える為、こういう急ぎの時には大変便利だ。

 

そしてスピードブーストをかけるとそのボリュームを上げる。

 

「アンプ・イット・アンプ!!」

 

その掛け声と共に俺の移動速度が急激に上昇し一気にめぐみんを突き放した。

 

アンプ・イット・アンプはルシオの曲の効果を一定時間上昇させるスキルだ。スピードブーストであれば移動速度が。ヒールブーストであれば回復量が大幅に上昇する。

 

このままのスピードでいけばすぐに到着できるだろう。この世界に来て初めてのヒーローらしい仕事ができそうだ。待ってろよ!ヒーローとして必ず助け出して見せる!!

 

そんなことを思いながら俺は猛スピードで街を駆け抜けていった。

 

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