聖痕のクェイサー×真剣で私に恋しなさい!   作:みおん/あるあじふ

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26話「含鉄泉の夜S~真剣で吸ったら驚いた~ 2」

ビッグ・マムと遭遇してしまった大和達は、岳人の青春という名の勘違いによって地獄の訓練へと招かれる羽目になった(岳人はその後、百代達によってボコボコにされた)。

 

現在、ちちがしら温泉付近の海岸へと連れて来れられている。そこには驚いた事に、サーシャ達の姿があった。

 

「……で、何であんた達がここにいるわけ?」

 

最初に不機嫌な口調で声を発したのはカーチャである。だが誰がどう見ても、不運にもビッグ・マムに出会って巻き込まれた……という感じにしか見えない。

 

するとビッグ・マムがうむと頷き、早速説明を始める。

 

「今日はこの子達と合同訓練をする。まずは、走り込みから始めるよ」

 

いきなり訓練を始めようとするビッグ・マム。しかし、納得のいかない大和が反論を始める。

 

「ちょっと待ってください、ビッグ・マム講師。何で俺達まで訓練を―――」

 

「ほう。アタシに意見するとはいい度胸だ………直江大和」

 

右手をわきわきと鳴らしながら、ビッグ・マムは大和に威圧をかける。大和は負けじと反論を続けようとするが、この人には何かもう論理そのものが通用しなさそうなのでやめた。

 

「……じゃあせめて、理由を教えてください」

 

とにかく、訓練をする理由が知りたい。その問いに対しビッグ・マムは高らかに宣言する。

 

「決まってるだろう。アタシがルールだからだよ!」

 

もう、聞くだけ無駄であった。

 

こうして大和達は明確な理由も明かされないまま、サーシャ達と共にビッグ・マムの地獄の訓練の開始を迎えたのである。

 

 

 

 

合同訓練その1、走り込み。

 

「川神〜、ファイッア゛アアァァァーーーイ!!」

 

ビッグ・マムを先頭に、大和達とサーシャ達は続いて掛け声を発しながら砂浜をランニングする。しかも長い距離を走る為、普段から運動をしていない人にとってはまさに地獄であった。

 

「はぁ、はぁ……僕、もう、ダメ……」

 

走り込み。卓也、ダウン。

 

 

 

合同訓練その2。腹筋&スクワットetc……。

 

2人組で腹筋を行い、さらに連続でのスクワット。

 

「198、199、200!ふっ、普段から鍛えてる俺様にはこれくらい朝飯前だぜ!」

 

常に鍛え上げている岳人にとっては、まだまだ余裕が見える。しかも燈の事をまだ諦めていないのか、必死に自分はできる!とアピールしていた。

 

その様子を見ていたビッグ・マムはニヤリと笑い、岳人に近づいてくる。

 

「そうか。それなら島津岳人、お前は特別に追加20000回だ」

 

「に、20000回!?」

 

何という無茶ぶり。岳人は必死にスクワットを20000回まで継続を試みたが、とうとう途中で力尽きてしまった。

 

腹筋&スクワットetc……。岳人、沈黙。

 

 

 

合同訓練その3、長距離走。

 

「ぎゃーーー!何か後ろから来るーーー!!」

 

+アナスタシアの洗礼。

 

キャップは迫り来るアナスタシアから必死に逃げ回っている。大和や百代達も、伸びる銅線を避けながら走り続けた。

 

「あっ!あはっ……も、もっと!もっと叩いてください!カーチャ様ああぁ!!」

 

そして華はお尻を叩かれながら悦んでいた。もはや趣旨が違っている。

 

「いつまで逃げ切れるかしら――――ママ!!」

 

アナスタシアにライドしたカーチャが叫び、攻めが激しさを増し、痛烈な攻撃を浴びせていく。そしてとうとう大和、キャップがアナスタシアに捕縛され、

 

「「ぎゃあああああああああああ!!」」

 

いい感じにお仕置きされて力尽きてしまった。

 

長距離走+アナスタシア。大和、キャップ、リタイア。

 

華、快楽により勝手に絶頂してダウン。

 

 

 

こうして、ビッグ・マムの地獄の訓練メニューは続き、耐え抜き生き残ったのはサーシャ、まふゆ、カーチャ。そして百代、一子、クリス、京、由紀江だけである。

 

一方、リタイヤしたメンバーは海岸の隅の休憩所で燈に看病されている。

 

「学園の男どもは全滅……全く情けないねぇ。これぐらいで根を上げるようじゃまだまだだ」

 

腕を組み、溜め息をつきながら、男子のヘタレ具合を嘆くビッグ・マム。そもそも普段鍛えている人間でさえ耐えられない訓練メニューを、最後までやるというのが無理な話である。

 

百代達もついてきてはいるものの、今までとは比べ物にならない無茶苦茶な訓練をしているだけあって、少しばかり疲れが見えていた。

 

そんな百代達を余所に、ビッグ・マムは次の訓練を始めようとする。

 

「さて、じゃあ次のステップだ」

 

一体次は何をするのやら……すると、ビッグ・マムは一子に視線を向けた。

 

「川神一子」

 

「は、はい!」

 

一子は息を切らしながら返事をするも、目はやる気そのものだった。

 

今の自分の身体では、満足に戦えない。戦えるようになる為には鍛えなければならない。それも、ビッグ・マムが指導してくれるのだ……ここで根を上げてしまったら、武道の道は永遠に閉ざされてしまうだろう。

 

修行どころか日課のトレーニングですら難しいと言われていた一子。だが少しずつ、一子はトレーニングができるようになるまで日々努力を重ねていた。

 

絶対に諦めない……そう一子は決めたのだから。

 

「少し休憩したら、お前には模擬戦をやってもらう」

 

それは突然の提案だった。今の一子に模擬戦は危険すぎる……それを承知の上で言っているのだろうか。心配した百代が声を出す。

 

「ちょっと待ってください、ビッグ・マム!今のワン子の身体は――――」

 

「お姉さま、いいの。アタシ、やる!」

 

一子の目に迷いはなかった。これ以上の心配は無用。後は一子の戦いだ……百代はこれ以上は何も言わず、無理はするなよと一子にエールを送るのだった。

 

一子は力強く頷くと、ビッグ・マムと向き合う。

 

「ビッグ・マム講師、よろしくお願いします!」

 

「うむ、いい返事だ。休憩が終わったらすぐに始めるよ。他は観戦してよく見ておくんだね」

 

そう言って、ビッグ・マムの地獄の訓練は一時休憩となった。

 

 

 

 

休憩が終わり、一子は気合を入れて、薙刀(サーシャが錬成したもの)を持って模擬戦に挑む。周囲には、サーシャ達と大和達がいる。

 

ビッグ・マムは準備が整った事を確認すると、一子の側に立ち、対戦相手の選抜を始めた。

 

「それじゃあ、始めるとしようか。対戦相手は――――」

 

空気が緊迫する。一体誰なのだろう……一子と周囲の誰もが息を呑んだ。そしてビッグ・マムが選んだ、一子と戦う対戦相手は、

 

「エカテリーナ、お前だ」

 

何とカーチャであった。呼ばれたカーチャは一子の前へと出る。

 

カーチャは“赤銅の人形遣い”と呼ばれる程のクェイサー。百代に勝負を挑んでくるような挑戦者達とはレベルも能力も訳が違う。

 

一子は本能的に身構えていた。それに対し、カーチャは余裕の笑みすら浮かべている。

 

「安心しなさい。手加減ぐらいはしてあげるわ」

 

言って挑発するカーチャだが、実際のところ全力を出されては勝ち目はないと一子は思った。

 

だが、

 

「いいや、その必要はない」

 

ビッグ・マムの予想だにしない言葉に、ここにいる誰もが驚愕するのだった。

 

「エカテリーナ。川神一子を――――全力で追い詰めろ」

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