聖痕のクェイサー×真剣で私に恋しなさい! 作:みおん/あるあじふ
3時限目の休み時間の事。
まふゆはすぐクラスに馴染み、生徒達と打ち解けていた。教科書を机の中にしまっていると、クリスに声をかけられる。
「聞きたいんだが、まふゆは剣道をやっているのか?」
クリスはまふゆの荷物にあった竹刀袋が、ずっと気になっていたようだ。
「うん。昔剣道部に入ってたんだけど……色々あって、今は辞めちゃったの。でも稽古はちゃんと自分で続けてる」
「そうか……もし差し支えなければ、自分と手合わせ願いたい」
是非まふゆと一戦交えてみたい、とクリス。
「それって……まさか、決闘?」
「いや、単なる腕試しだ。自分は、まふゆの強さが知りたい」
決闘ではなく、純粋な勝負の申し出だった。サーシャに続いて決闘を起こせば、もう任務どころではなくなるだろう。
それなら……と、まふゆは承諾した。
「いいけど……私、あんまり強くないよ?」
「そうか?自分は、まふゆにただならぬ“何か”を感じるんだが」
まふゆに興味を抱くクリス。確かに、まふゆは剣の
「なになに?何の話?」
すると、一子が話の輪に入ってくる。
「今度、まふゆと手合わせをすることになった」
「え、そうなの!?それならアタシとも勝負してほしいわ!」
目を輝かせながら、まふゆに懇願する一子。先程の心といい、この学園は好戦的な生徒達が多いなとまふゆは思った。
「何か、2人とも強そうだよね」
思わず感想を漏らすまふゆ。
「まあね。ま、クリはアタシの次ってところかしら」
強いと言われ、すっかり機嫌を良くした一子はえっへんと胸を張る。
「む、それは聞き捨てならないな。どちらかというと2番目はお前だろう、犬」
「違うわよ、2番目はあんたでしょ!?」
「いいや、お前だ!」
互いに火花を散らすワン子とクリス。まあまあ二人とも……と2人を宥めようと声をかけるまふゆ。しかし、今の2人の耳には届かない。
「クリよ!」
「お前だ!」
「ちょ、ちょっと……」
暴走する2人を前に、どうしていいかあたふたするまふゆ。
「何よ、じゃあ勝負する!?」
「望むところだ!」
「だから……」
このままだと、決闘になりかねない。まふゆは言う事を聞かない2人に痺れを切らし、
「だから……やめなさいって言ってるでしょうがぁ!!」
竹刀袋から竹刀を取り出し、聞く耳持たない一子とクリスの頭に面を食らわせた。
「あうわっ!?」
「ぐっ!?」
まふゆの一撃をもらい、一子とクリスはようやく落ち着きを取り戻した。
「………」
「………」
キョトンとした表情でまふゆを見る一子とクリス。クラス中の視線がまふゆに集まった。
やばっ……と、まふゆは我に返る。
「ごご、ごめん!つい……」
サーシャと接する時の感覚で、つい手が出てしまったとまふゆは謝罪した。
「……見切れなかったわ」
「自分もだ」
しかし、2人とも怒っている様子はなかった。むしろ逆に感心しているようである。
「驚いたわ、まふゆも結構やるじゃない!」
早く戦ってみたいわ、と一子はさらに闘争心を燃やす。
「只者ではないと思っていたが……自分はますます興味が湧いたぞ、まふゆ!」
手合わせをするのが楽しみだ、とクリスは笑う。
何はともあれ、喧嘩に発展しなくてよかったとまふゆは安堵した。
「口より先に手が出るのは相変わらずだな」
一部始終を見ていたサーシャに、痛いコメントを貰うまふゆ。
「う、うっさいわねこのツンドラ坊主!」
図星を突かれ、まふゆは顔を赤くしながらサーシャに食ってかかる。
本当に仲がいいなぁ、とFクラスの生徒達はサーシャとまふゆを暖かく見守るのだった。