「やーいやーい不幸のベルディア、原作で蹴られてアニメでも蹴られる。ここでも蹴られる運命なのさー」
「黙れ黙れ黙れ!貴様メタいぞ!?」
「あぁー悲しきかなベルディア、この次がこの小説での最後の出番だなんて……マジでザマー!!!」
「ええい!黙れと言ってるだろ!過度なメタは作品の質を下げるぞ!」
「うるせー!作品の質?キャラと大まかな道筋しか決まってないこの駄作で今さら質なんか語っていられるか!首無し運無し出番無しの三拍子揃った左遷騎士がぁぁぁぁ!!!」
「貴様ァァァァ!!アニメでは出番増えたぞ!!!」
「川の向こうで手を振ってるだけだろうがぁぁぁぁ!!!」
メタ発言をしながらベルディアは思った。『どうしてこうなった!』っと。
こいつと……いや、『こいつら』と出会ってしまったばかりに、そこそこ順調なアンデットライフを楽しんでいたのに……
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デュラハンであるベルディアは今日も自分の根城であるダンジョンでふんぞり返っていた、目の前には自分を倒しに来た冒険者だった物が倒れていた。
さっきまでは威勢よく自分の事を罵倒しながら斬りかかって来ていたのだが、ベルディアに傷をつけるにはまだまだ、実力不足である。
「もう少し腕の立つ冒険者はいないものか……」
ベルディアが最近戦ってきた冒険者達は確かに腕は良いのだが、それでも物足りないのだった。
生前と比べ物にならないくらい強くなった事に喜びを感じると共に少し寂しさも感じながら呟く。
「フッ……強くなりすぎると言うのも考えものだな」
今思うとそれがフラグだったのかもしれない。
その発言をしてから1週間程度たった時の事だった、いつもの用に配下のアンデットナイト達を愛でていた時だった。
ベルディアの元に二人の冒険者が挑戦しにきたのだ。
一人はとんがり帽子を深く被って目元を隠している女のアークウィザード、もう一人はどっから見ても初心者冒険者のような装備の男……持ってる武器からソードマン系統だろうか?
アークウィザードの方は最近見かけないようなピリピリとした雰囲気を出している超高レベルの冒険者だとわかるが、共にいる冒険者はどう見ても初心者。いくらレベルが高くても魔王軍幹部のいる所に初心者を連れてくるような奴は相手にならない……そう思ったベルディアは言った。
「おい、どうやってここまでたどり着いたのかは知らないが、お前達では俺には勝て……ギャァァァァ!!!」
ベルディアは最後まで言わせて貰えなかった……。
気がついた時には視界一面炎で、回避すらできずに上手に焼かれてしまったのだ。
「アツ!痛!な、この炎少し神性属性も入ってるぅ!?」
「……あれ?火力の調整間違えた?」
「はぁ……だから言ったのですよ、物理的に腐っても魔王軍幹部なんですよ。武器に気を使って火力を落とすから倒しきれないのです。もっとこう……魔力をですねぇ……」
「熱い!痛い!あ、頭!頭に火がぁぁぁぁぁ!!!」
「もうちょっと魔力をこう……」
「ふむふむ、なるほど。さすが……ん師匠ありがとうございます。」
「師匠……師匠……フフフ。いい響きです……」
「アァァァァ!!……ガクリ」
「ぬ?師匠、そろそろ魔道具制作時間ですね……」
「もうそんな時間ですか?それじゃ今日のピクニックは終わりですね!帰りますよ我弟子!」
そう言うと女の冒険者はバサッ!っとマントをはためかせ、転がっているベルディアの頭を踏みながらダンジョンの出口に向かって歩いていった。
「聞こえて無いだろうけどまた来ますねー」
そう言うと男は転がっているベルディアの頭を蹴り飛ばし先に行った冒険者の後を追いかけていった。
これがベルディアとシュンの出会いである……。
その後もシュンのパーティーは定期的に来るようになった、ある時は燃やされ、ある時は魔道具の実験台にされ、変な液体や固形物を飲まされたり食べさせられたりもした。
一番の酷いときは体を水に沈められあの魔法使いの実験に使われ、頭は頭でいつの間にか増えていた彼の仲間と共に魔法使いの実験が終わるまでの暇潰しにバレーとやらのボールにされたり的にされたり炙られたりした。
もちろん、その都度に予備の剣や魔王に貰った魔剣など盗られて行った。
勿論逃げようとしたり、拠点を変えたりしたが何故かベルディアの居場所がわかるようで、安心したところにボンッ!と焼かれてしまう。
魔王軍に所属する者の言うことでは無いがベルディアはシュン達を悪魔か何かだと思っている。
もし、あの時こいつらと出会わなかったら、もしあの時負けていなかったら……とベルディアはそう思わずにはいられなかった。
そうだ、全てアイツらのせいだ!左遷されたのも、最近他の幹部共から使い走りにされるのも、リッチーのパンツを覗けなかったのも、全てアイツらのせいだ!だから……
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「ウオォォォォ!!!許さん!許さんぞ貴様ァァァァ!!!」
「うへぇ!?何か力が強くなった!?」
一触即発、油断大敵、慢心ダメ絶対。
別に油断も慢心もしていないシュンだったが、パンツを覗けなかった事にたいする怨みで覚醒したベルディアに押され始めた。
ぶっちゃけシュン達からやられた事よりパンツ覗けなかった事の方が頭にきているベルディアさん。その圧倒的下心により首無し騎士からド変態騎士と言う今もベルディアとシュンの斬りあっている間に入り、二人から斬られたいと思って見ている女騎士と同じようなものにジョブチェンジしたのだ。
「グッ!?ヤバ!こうなったら!」
ベルディアの変態的な攻撃を防ぎ、ベルディアを蹴って距離を取るシュン大剣を捨て、腰にある己の愛剣を抜こうとして……止まった。
「あ、あれ?無い?……あぁぁ!!そうだったぁぁ!!!」
哀れ藤間 俊。彼は仲間の所に愛剣を忘れて今アクセルに送ってもらっているっと言う事を忘れていたのだった。そしてそんな隙だらけの所を見逃すベルディアでは無い。
「キェェェ!!!」
「ゲバァ!?」
恨み辛みの籠った一撃を受け吹き飛ばされるシュンを見てベルディアは頭を首の上に載せガッツポーズをしながら言った。
「俺の……勝ちだ!」
騒然とする冒険者達は倒されたシュンとベルディアを見ながら思った事は皆同じだった。
『あれ?デュラハンが主人公してる?』
……勢いでベルディアの出番次までって書いたけど本当に終わるかな?