暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜 作:さんめん軍曹
就活やばいですねぇ…
八社受けて半分以上が落選です
あかんです…
やっとクライマックスの部分が完成しました。
早速本編、どうぞです!
突然の事で動けないでいる鈴谷だったが、いきなり海坊主に腰を掴まれ抱え上げられた。
「うおっ、ちょっ?!」
「逃げるぞ、しっかり捕まれ」
「この格好じゃ捕まるも何もないじゃん?!」
と同時に走り出すが、戦車はなにも1輌だけではない。次々と現れてくるそいつに、2人はどうすることもできず追い詰められて行った。
「チッ、物量作戦ときたか」
「それどころじゃないよ!いったいどうすんのさ?!」
「武器がない以上、どうすることもできん」
「あ〜ん、海ちゃんのバカぁ〜〜!!」
『2人とも!伏せて!!』
「また?!もう飽きた!」
ひたすら文句を垂れる鈴谷だが、2人とも確かに砲弾の飛んでくる気配がしたので地に這った。
すぐに砲弾は命中したが、1発だけにしては威力がかなり大きかった。周囲のものを巻き添えにするほどのそれを扱えるのは、艦娘といえどただ1人しかいない。
「皆さん、ご無事でしたか?!」
「大和か、俺らは大丈夫だ」
「ススだらけだけどね〜」
「遅くなってごめんなさい、ファルコンに鈴谷さん」
「間に合ってよかったわ。だけど、あちらは話す暇もくれないようね」
絶妙なタイミングの救助も束の間、残った残党がやって来た。応戦しようとする大和だったが、そこにまた無線が鳴る。
『面白そうな喧嘩じゃねえか!!俺たちも混ぜろ!!!!』
『Oh、ショータイムの始まりネー!皆サーン、Fireデース!!』
その刹那、次々と戦車が爆発し煙の中から4人の影が現れた。
「んだぁ?張り合いのない奴らだな。この摩耶様を差し置いてチャンバラやってるからって来てみれば、雑魚ばっかじゃねえか」
「おいこら摩耶!そりゃ俺のセリフだ!」
「皆、遅くなってすまなかった。この長門、助太刀に参上したぞ」
「デース!ファルコンにミッキー、お久しぶりネー!」
やって来た面々は、摩耶に天龍、そして長門や金剛といった、この鎮守府の中でも戦いには非常にアクティブで頼りになる艦娘達だ。
「摩耶っち?!どうしたのさ、逃げてって言ったのに…」
「おいおい、アタシらはダチが一生懸命闘ってんのを黙ってみてられるほど、落ちぶれちゃないんだぜ?」
「他の艦娘たちもそれぞれで敵を殲滅している。…全く、自分1人で抱え込むんじゃない。それぞれが力を合わせてこそ、乗り越えられる事だってあるんだ」
「うぐっ…な、長門さん…」
「泣いてる暇は無いぞ。さ、早いとこ敵を…」
「皆サーン!緊急事態デース!!無線を聞いて、今すぐ!!」
その場にいる艦娘全員が無線に耳を傾ける。
『お願いですから提督、戻ってきてくださいまし!』
『思い出せ、お前の名を!今銃を向けているのはお前の娘なんだぞ!』
『あんまりだわ!せっかく生きてるのに、これじゃまるで意味がないじゃない!』
全員の動きが止まる。提督が生きているのだ。しかし獠達が叫んでいる内容からして、ただ事ではないだろう。
「…行け、鈴谷」
「えっ?」
「ここは俺たちが引き受ける。お前は獠達の元へ行け」
「でも…」
「でももへったくれもねえ、そこのオッサンの言う通りだぜ!俺たちに任せろ!」
「鈴谷、ワタシはテートクをとても慕っていました。今、生きていることを知って、とてもhappyな気持ちデース。今すぐにhugしに行きたいところですが、テートクとGoal inしたyouこそ、その資格があると思いマース。なので、今すぐに行ってあげてくだサーイ」
「…うん、わかった!鈴谷、ちょっち獠ちん達の応援しにいくね!」
「おう、行ってきな!アタシらも後から行くよ!」
鈴谷は走り出す。その後ろ姿を見送った一同は、敵兵が集まり始めているのもそっちのけで話し始めた。
「さあみんな、頑張りましょ。終わったらとびきりの紅茶をご馳走したげる!」
「ミッキーの淹れるteaはいつ飲んでもberry goodデース!」
「ふふっ、それは楽しみですね」
「貴様ら!大人しく投降しろ!」
隊長と思われる人物が、痺れを切らして彼女らに向かって叫ぶが、いち早く反応したのはやはりこの2人だった。
「あ”?んだテメェら」
「この天龍様に向かってそんな口叩くなんざ、いい度胸してるじゃねえかコルァ」
海坊主たちが静かに殺気を放つ中、その凄まじさに動揺した敵はかすかに動いた。
「1、2、3…」
「4、5人…」
「6、7」
「eight、nine、そして…」
「10人…ですね」
「今よ!!」
美樹が叫ぶや否や、双方から銃声がとめどなく続く。
「ここから先へは行かせぬ!どうしてもというのならば、我々を倒してみろ!」
「皆サーン!ここをカバーしてなんとしてもテートク達を守るのデース!」
「「「「「「「応!!」」」」」」」
獠達は必死に叫び続けていた。彼の帰って来いという呼び掛け、熊野の悲痛な叫び、そして香が必死になって訴えていると、提督に変化が現れた。
銃を持つ手が震え、彼の目から涙が溢れてきたのだ。
(あと一歩…!)
「ファルコン!アレを見てくだサーイ!」
金剛が叫んでいるのを聞いて、指を指す方を向く。と、そこには飛んでいくヘリがあった。
「あれは…脱出用のヘリ!海坊主殿、あれを逃してはならぬ!極悪提督が乗っているんだ!」
「なんですって?!海坊主さん、これを使って!」
冴子が海坊主へワルサーPPKを投げ渡す。
空を飛ぶヘリ相手に向かって、しかもそこそこの距離だ。ハンドガンでは当たらないだろうが、獠と海坊主ならその常識を容易く破ってしまう。特に、海坊主はある確証を得ていた。
「…奴は戻って来る」
「なんだと?」
「ただで逃げていくはずがない。お駄賃がわりに俺らを始末してから逃げるつもりだ」
その言葉に反応したのか、言い切ると同時にこちらへ機首が向いた。
「来るぞ、避けろ!」
海坊主以外が横へ飛ぶと同時にこちらへ撃ってきた。
機銃の弾は海坊主の服をズタズタに引き裂くが、それ物ともせずに構える。
「じゃあな、クソ野郎」
そう呟くと同時に、ワルサーが火を噴いた。
オートマチックの利点を活かし、2発、3発と叩き込んでいく。
それはヘリの床下にある燃料タンクに全て命中し、引火して派手に爆発を起こした。
ヘリの残骸は敵の真上へ落ち、散らばっていく。
慌てて出てきたそれを、ここぞとばかりに仕留めていく彼らであった。
タイミングが悪かった。
獠が先ほどのセリフを思った瞬間、後ろのドアが勢いよく開く。そこから全ての時間、動きがスローになった。
物音に反応した提督は、銃口をそちらに向け、引き金を絞る。
獠が振り向くと、驚愕に満ちた表情を貼り付けた鈴谷が腹を抑えながら倒れるところだった。
それを見た彼はすぐに我に返り、パイソンで相手の銃を弾く。
同時に駆け出して相手を殴り飛ばし気絶させたあと、鈴谷へ駆け寄る。
「おいっ、しっかりしろ!」
「あ…あぁっ…り、獠…ちん…」
「喋るんじゃない!死ぬぞ!」
「いや……いやああああああ!!鈴谷、鈴谷ああぁぁ!!!!」
パニックを起こし近づこうとする熊野を香が羽交い締めにしてなんとか押さえる。
「落ち着いて熊野ちゃん!落ち着くの!……!!獠、爆弾が!」
「あと2分か。…よし」
彼はシリンダーを引き出し、ロッドを押して全ての弾丸を抜いた。
「赤か、白か。果たして…」
獠は弾丸を一発込め、撃鉄を上げる。そして目標へ向かって構えると、反対側に手が添えられた。
「鈴谷…?」
「全て…終わらそ?」
「ああ…。全て、な。聴けよ、皆が…この鎮守府の艦娘達の思いが一つになってるぜ」
『冴羽さん!鈴谷ちゃん!頑張って!!』
『白!白なのです!!』
『冴羽っちー、やったれー!』
『北上さんを、皆を死なせたら…ただじゃおきませんよ?』
『ヒャッハー!冴羽のアニキよ、終わったら鳳翔さんとこで飲むぞ!』
『榛名は大丈夫です!白だと思います!』
『獠ちゃん、もっこり一発なの!イクも応援しちゃうのね!』
『外したら許さないでち!』
『白だクマー!』『ニャー!!』
その他にも頑張れ!や、いけ、やったれなどの声が響く。特に多かったのが、白を撃ち抜けという言葉だ。とうとう鈴谷の目から涙が滝のように出て来た。
「みんな…みん、な…っ!」
「すげぇじゃねえか。こいつらの絆ってものは…」
「うん…うん!」
「じゃ、みんなのご希望に添えるとしますか…」
狙いを定め、2人で引き金を引く。
熊野と香は互いに手を取り、無線を介して聴いていた艦娘達はそれぞれ涙を流す者、膝先づいて祈る者、固唾を飲んで見守っていた。
最後の敵を倒した長門達も、建物の方を向いて真剣な面持ちで眺めている。
(頼むぞ、冴羽殿。貴方が頼りだ)
飛び出した弾丸は、コードに向かって進んでいく。そこにかつての相棒、槇村秀幸の影が見えた気がした。
(あの時と同じか…)
そして、.357マグナムの弾頭は白のコードを引き裂く。果たして、獠達の運命は…?
いかがでしたか?
わかる方にはわかるネタを散りばめまくりました。
シティーハンター以外の作品も盛り込んでおりますw
それから、鈴谷は改2がとうとう出ましたね。
あぁ…ますます欲しすぎる…!
さて、鈴谷の安否はどうなるのでしょうか…?
提督は無事に復活出来るのでしょうかね…?
次回にご期待ください!