暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜   作:さんめん軍曹

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こんばんは、夜も更けた頃にお届けしますさんめん軍曹です。
今回は、前回の続きと次回につながる展開を書いたので、少し少なめになっております。

では、有無を言わさず本編に行きましょう!





新たな動き 提督(スイーパー)の仕事に休みはない

 

 

 

 

ティータイムを終えた獠たちは執務を再開。慣れてない2人とマイペースな北上は悪戦苦闘してたものの、そこに雷が加わったことによって大幅に効率が良くなった。

 

「冴羽さん!未処理のはここに置いとくから、ハンコ押したら反対側においてちょうだいね」

「ほい」

「香さんは書類を読んで、良ければ北上さんに、わからなければ私に回して!」

「は、はいっ」

「北上さんは私達の書類を冴羽さんとこに運んで、要らないのはシュレッダーにかけて欲しいわ」

「あいあいさー」

 

とまあ、こんな具合に進んでいった。

しかし、日が暮れた時点でもやっと半分を超えたばかりだ。

そこへまた新たな艦娘がやって来たので、獠たちの目はぎらりと光った。

 

「獠、夕食を持ってきたわ…よ…」

「叢雲ぉ」

「んなっ、なによ…」

「え、XYZ…」

「「「「「頼むから手伝って!!」」」」」

「あー…って、朝からやってこの量なの?!なっさけないわねぇ。アイツらも呼んでくるから待ってなさい」

「すません…」

 

「獠ちん、最初からこうすればよかったんじゃないの?」

「うるせー。大体なこんな仕事は俺に合わないっつの…」

「まだ言ってるー。冴羽っち、いい加減諦めなよ」

「こんな事2度とやるかっ!」

「俺も最初の頃はそう思ってたな。今じゃもう慣れたが」

 

次々と文句をぶーたれる彼だが、誰かしらに論破されている。次第に集中力が途切れた獠は散歩に出ることにした。

 

「んあぁ…、久々に外の空気吸ったぜ」

 

今まで室内に缶詰だった彼は、数時間ぶりに吸う外の空気に酔いしれていた。

ズボンの裾を引っ張られたのでそちらを見てみると、妖精が乗せて欲しそうな顔をしていた。

 

「おっ、悪いな…ほれ」

 

獠がしゃがんで手を差し出し、妖精がよじよじと登って行く。今までではあり得なかった光景に彼はフッと笑いを漏らす。

 

「今でも信じられないぜ。まさか長年使ってきたお前が、とうとう妖精として目の前に現れるんだからな」

 

頭に乗っているそれは、ドヤ顔をしてこちらを見ていた。

 

「実際のところ、そんなに優しく扱ってなかった気がするがどうだった?」

 

妖精はふりふりと首を振ると、親指を立ててポーズをした。

 

「そうか。そう思えてもらえるだけでもいいさ。確かに今まで触ってきた銃の中で一番俺の言うことを聞いてくれたからな」

 

月夜の空の下、さざ波の音が響いていた。

ふと彼が前を見ると、埠頭の先端に影が見える。

誰かいるのか?そう感じた獠は少し警戒をしながらも近づいていった。

 

「………」

「よう、こんな時間にそんなところにいるなんて、感心できないな」

 

人影がバッと振り向くと、正体は吹雪だった。

 

「なんだ吹雪ちゃんか。また悩み事か?」

「いえ。でもここにいると、自然と心が落ち着くんです。前回は悩んでいたんですけど、今回はまた別で」

「と言うと?」

「はい、先日の件で改2になったのはいいんだけど、まだ実感が湧かなくて…」

「ああ、そんなことか。自分が強くなったかどうかなんて、実感が湧かなくて当然さ」

「冴羽さんもですか?あんな技をこなせるのに…」

「そりゃそうさ。確かに俺は裏の世界No.1とまで言われるし、それを誇りに思っている。…だが、それとこれとは話が別だ」

「?」

「どこかの大食らいが言っているだろ?慢心してはいけないと。実はその通りで、そう言った評価がもらえるのは日頃の鍛錬があってこそなんだ」

 

「はっ、はっくしょん!!!」

「赤城さん?」

「風邪でも引いたかしら…」

 

「俺もそんな評価はされているが、訓練だけは怠っちゃいないんだ。筋トレもすれば、射撃だってする。吹雪ちゃんがあまり俺と会わなかったのも、出撃を繰り返していたからだろ?」

「そ、その通りです…」

「だからこそ、改2になれたんじゃないかなあと俺は思うね」

「冴羽さん…!」

「まあ、こんな時間にふらふらしないこった。こわーいお姉さんたちがいつ襲ってくるかわからん。叢雲や北上みたいにはなりたくないだろ?」

「…はい!では、寮に戻ります!冴羽さん、ありがとうございました!」

「いいって事よ。おやすみぃ〜」

 

吹雪が駆け足で去って行くと、獠も

 

「さて、またあそこに戻ってめんどくさい仕事片付けるか。な、相棒?」

 

と言った。妖精がうなづいたのを確認してから彼もまた提督室に向かって歩き始めるのであった。

しかし、彼はひとつ重大なことに気がつかなかった。

すぐ背後の浜辺で何かが倒れていたのである。

その何かがこの後、彼の提督兼スイーパーとしての初仕事に繋がるとは誰も考えなかった。

 

 

「あ”ーーーー終わった」

「マルヒトマルマルだね。お疲れさまー」

「北上を始めとしたみんな、こんな遅くまで付き合わせてすまなかったな」

 

既に提督室の中は、死屍累々であった。

 

「北上は疲れてないのか?」

「そりゃ疲れたよー。でもま、楽しかったかな」

「やっぱ謎だなあ、お前ってやつは」

「よく言われるよー。そろそろ帰っていーい?」

「おう、みんなもありがとな。自室へ戻ってくれ」

 

その声とともに一同は、ゾンビのような歩き方で自分の部屋に戻っていった。彼はそれを見送ると、自分もまた寝室に入っていったのである。

 

しばらくして、彼はふと目が覚めた。

獠は一度寝るとなかなか起きないので香がいつも苦労をしているのだが、ある条件を満たすと一瞬で意識が覚醒する。

その条件とは、不審者の侵入であった。

彼は枕元に置いてあるパイソンに手を伸ばすと、それを構えながら入り口に向かった。

音もなく扉の前に立ち、人の気配を確認する。

 

…やはりいるな。ドアの前か。

 

そう思うなり、彼の行動は速かった。

左手でドアを思いっきり引いたのである。

それと同時に、何かが倒れこんできた。

 

「誰だ、こんな時間に。何の用だ?」

「………て」

「あん?」

「た…す………けて…」

 

その一言で敵ではないと認識した獠は、とりあえず部屋の電気をつけた。

そうすると、彼の目に入ったのは明らかに虐待を受けていたであろう傷が生々しく付いた、鈴の髪留めをつけたサイドテールの艦娘だった。

 

 

 

 






いかがでしたか?ここではあえて名前を記しませんが、新たなツンデレ要員が実装されました…!!(ぉぃ)
しかし、やっぱり獠が書類仕事を書くのは物凄く考えられませんよねw
そうとわかってて、やらせてみたら面白いと思った確信犯です(ごめんなさい)

彼には書類仕事よりも、スイーパーとしての仕事の方が向いてますよね。と言うことは、そう言った事務作業はどうなるのでしょうか…?w

と言うわけで、次回からはまたひとつの鎮守府を救うためにみんなが奔走するお話です。ご期待ください。

また会おうぜ?(cv.どっかの大泥棒)
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