暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜   作:さんめん軍曹

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こんにちは、さんめん軍曹です。
今回のお話、実は番外編として書いていたものを急遽本編に格上げしました()

前回がシリアスな分、今回は楽しめるお話ですので読んでいだけたら嬉しいです!!

では、本編どぉぞどぉぞ!!





新たな仲間編
今日もドタバタしてます!艦娘荒ぶるラッキーデー


 

 

 

 

この物語の主人公、冴羽獠は自他共に認めるトラブルメーカーである。

彼が行く先々では、女性が襲われたり銀行強盗が起きたりとするわけで、常に事件が起きてしまう。

獠はその度に首を突っ込みに行くのであるが、そんな事が起こり過ぎて何回も作者に物申すと言うメタ発言もしでかす程だ。

しかし、結果的には自身への依頼となり、人助けにも繋がっているのでもちろん全てに嫌気がさしているわけでもない。

今日も鎮守府近辺の散歩に出ているわけだが、彼の目の前で少女が紺色のベンツに攫われているのが目に入ってしまった。

 

「…」

 

その車はこちらに向かって来ており、どうやら目撃した事を知っているようで自分を轢き殺そうとしているようにも見えた。

売られた喧嘩は必ず買う。それが彼のモットーでもあるので、すかさずジャケットの中に手を伸ばす。

こいつと付き合って何年だろうか。そんな相棒を構え、タイヤに狙いを定め引き金を引いた。

 

弾丸はそのまま吸い込まれるようにタイヤに当たり、バーストをさせながら電柱にぶつかる。

 

銃をしまって中を見てみると、そこにはヤクザと思しき人間共とショートカットの少女が気絶していた。

 

 

「で、ここに連れて来た、と」

「むぅ、しゃーねえだろうよ。ほっとくわけにもいかんし」

 

ここは執務室。提督となった獠はここで艦隊の指揮を執り、嫌々ながらも香の命令で書類の処理もしていた。

その光景を見た艦娘たちは、 提督に命令するとは世の中わからないものだと口を揃えて言う。

とりあえず鎮守府に少女を連れて帰って来たは良いものの、どうしたもんかと悩んだ挙句憲兵こと元提督を呼んだのである。

 

「元とはなんだ元とは。最近影が薄くなって困ってるのは事実だがな」

「誰に向かって喋ってるんだお前は」

「あちゃー。なんちゃってご主人様が妙な電波を拾ってしまいましたなー」

「なんちゃっても余計だぞ漣。なんでここにいる?」

「漣は秘書艦じゃないけどー、ご主人様の仕事に興味があって来ちゃった☆」

 

そこでペロッと舌を出してぶりっ娘ポーズを決める漣。

男性陣は引きつった笑みを浮かべる。

 

「ほーぉ、そうかそうか。そんならお前にいい仕事があるぞ?」

「えっ?漣にお仕事ですか??やたーっ!」

「おっ、おまっ、もしかして…」

「だまれ獠。漣には工廠の手伝いをしてもらおうか」

 

直前までの笑顔が凍りつく漣。工廠の手伝いとは、これ即ち明石の手伝いでもある。

彼女と夕張が作った怪しげな装備のテストを行なわされるのだ。時には故障も起こし、入渠が必要となる。特に陸奥の場合は装備を装着した瞬間に大爆発を起こし、その場にいた3人とも即風呂場に放り込まれるという事故まで起きてしまったのだ。彼女いわく、

 

「あら、あらあら…なんで私はどの場所でも爆発ネタが使われるのかしら…」

 

と地面に円を描きながら呟いたのである。

とにかく、2人の実験には犠牲がつきものなのだ。

漣もまた、目の前で朧が自身のカニと一緒に泡を吹いているのを見てしまっており、それをわかってか嫌がる彼女を問答無用でもt…元々の提督が連れ去っていった。

 

「離せええええええ!唯でさえ台詞と出番が少ないんだあああああ!!オイシイとこくらい持ってかせろおおおおお!!!」

「だからってメタ発言していいもんじゃないぞ!」

「元々のご主人様だってそうでしょうよ!!お、俺は犯人じゃないいいい!線路に逃げさせろおおおぉぉぉ……」

 

扉がバタンと閉められる。

嵐が去ったと安堵した獠の前にコトリとコーヒーが置かれる。

 

「ふふっ。冴羽さんも大変ですね」

「んお、ありがと妙高ちゃん」

 

週が変わり、叢雲とバトンタッチしたのは妙高型重巡洋艦の1番艦、妙高である。

香は当初、その姿が獠の好みの可能性があるとして大反対をしたが、秘書艦向きであるということと重巡の艦娘がまだ選ばれていないということで獠が無理矢理納得させたのであった。

そして、妙高には妹が3人いる。そのうちの那智と足柄は既にこの鎮守府にいるが、末っ子の艦娘だけはまだ来ていないのだ。

 

「そう言えば妙高ちゃんって、妹が3人いるんだっけ?」

「はい。ですがまだ最後の子だけは…」

「う〜ん…どっかにいないかなあ…」

「そう簡単に現れないですよ。だってあの子、恥ずかしがり屋だもの」

 

くすくすと笑う妙高。それもそうだなと獠は思ったが、彼女の服を見てふと既視感を覚えた。

 

「そういえば妙高ちゃんのその服、なーんかどっかで見たことあんだよなあ…」

「えっ?足柄達じゃないんですか?」

「う〜ん…ここで見たわけじゃないのよ…」

 

はて?と思う2人であったが、ここで扉がノックされる。

 

「ほいよー」

「冴羽様。先程お連れになった方が目覚めましたわ」

「おっ、そうかそうか。では話でも聞きに行きますか」

「はい、お伴します」

 

熊野を先頭に、医務室に向かう3人。

問題の扉の前に立つと、熊野がノックをした。

 

「失礼致しますわ。ここの提督と秘書艦を連れて参りましてよ」

「ど…どうぞ」

 

中から声が聴こえるとともに、妙高の目が見開かれる。

 

「ちょ、ちょっと熊野さん。先に通していただいても?」

「?別に構いませんわよ?」

 

そのまま少し足を縺れさせながら妙高は入っていった。

 

続いて後の2人も入ると、そこには口をあんぐりと開けた妙高と同じく口を手で隠した少女がいた。

その様子を疑問に思う獠だったが、すぐに謎が解ける。

 

「は…羽黒!?」

「妙高…姉さん?!」

 

つまり、獠が覚えた既視感というものは羽黒と呼ばれた少女が着ていた服によるものであったのだ。

まさか偶然街で助けた少女がよもや艦娘だと、そして妙高型の1番下の妹であるとは夢にも思わなかったのである。

妙高はそのまま勢いよく羽黒の胸に飛び込んでいった。

 

「きゃ〜〜!ようやく来てくれたのね羽黒ぉ!!」

「ちょ、ちょっと姉さん…恥ずかしいから…」

「3人で待った甲斐があったわ〜〜〜!きゃ〜〜嬉しい〜〜〜〜!!」

 

そのまま5分間、獠達の目を憚らずにたっぷりと頬擦りをした妙高であった。

 

「す、すいません…我を見失ってしまいました…」

「なんつーか妙高ちゃんって…シスコン?」

 

あまりのキャラ崩壊っぷりに思わず質問をしてしまう獠。後ろでは熊野が笑いを堪えるのに必死になっていた。

 

「いえ…そんなはずは…」

「まあ、認めたくない事実だってあるよな。俺は提督としてそれを受け入れなきゃならん!」

「だから、違いますって!」

 

グサグサと傷口を抉られた妙高は、恥ずかしくなったのか足を上げた。

ベッドで寝ている羽黒の隣に座っており、獠は彼女より少し通路側に椅子を置いて座っているのだ。

 

これが何を意味するか。

 

そう、読者の諸君ならとっくにお分かりだろう。シティーハンターという物語において無くてはならない展開なのである。

 

若干先の尖ったブーツのようなものを履いていた彼女の足は、そのまま獠の急所にめり込んだ。

そのまま後ろにひっくり返る獠。

泡を吹いた彼を見た熊野は、とうとう耐えきれずに笑い出した。

 

「あっはははは!これは傑作ですわ!冴羽様の秘所に…ずぶりと!うふっふふふふふふっ」

 

なぜか熊野もブッ飛んでしまう。

元々そのような気がある艦娘なので獠は特に気にしなかったが、仕返しをしたくなったので一言物申した。

 

「今日は…ピンクか」

「んなっ…!」

 

スカートの中を見られた彼女は、そのまま獠の顔面を思いっきり踏みつける。

 

「人のスカートの中を覗く不届き者はどこの誰かしらねぇ…?一捻りで黙らせてやりましょうか?えっ?」

 

一捻りどころか、何回も足を捻る彼女。

 

「いへへへへへへへへっ!ぎうッ!ぎうッ!」

 

やっとのことで気が済んだ熊野は足をどけるが、そこには真ん中が陥没して全体的に平べったく延ばされた獠の顔があった。

 

「ひ〜ら〜ひらひらぺったんこ〜」

「自業自得ですわね。ふんっ!」

 

熊野はおかんむりなのか、そっぽを向いてしまった。

その様子を見ていた羽黒がおもむろに疑問を口に出す。

 

「あれ?さっき彼がここの提督さんだって…」

「そう、これでも立派な提督なのよ。一応、ね」

 

もう何が何だかわからず、ショートを起こしてしまう羽黒だった。

 

しばらくして、復活した獠は話を本題に戻す。

 

「羽黒ちゃんはなんであんなとこで誘拐されたの?」

「はい…実は、気がついたら海に浮かんでて…。それで、近くの港に打ち上げられたんですけど、漁師さん達が騒ぎ始めたので怖くなって逃げてきたんです」

「ふむ」

「それで、何日か経った時にあそこを歩いてたら…」

「待ってくれ。何日も飲まず食わずで歩いてたのか?」

「はい…。一応、艤装は仕舞っていたので怪しまれることはなかったんですけど、ずっと公園の水道水を飲んでやり過ごしていたら、あの路地で見知らぬ人に声をかけられて…」

「断ったら無理矢理連れていかれそうになったと」

「はい…」

 

そこで、うーむと考え込む一同。

 

「羽黒ちゃん、お腹空いてない?」

「はい?え、えぇ…実はもう…ぺこぺこで…」

「なら、ちょうどいいところがある」

 

 

「なんだ、冷やかしに来たのなら断る」

 

喫茶キャッツアイ。本来なら新宿に店を構えているのだが、提督からの頼みで2号店を鎮守府の中に開店した。

まだ店を開いてから数日と経っておらず、店の中は艦娘達で大盛況だ。

 

「いいや、この子が腹ペコだっていうからな。ティーセットかなんか頼むわ」

「本来なら断るところだが、客なら仕方がないな。そこに座れ」

 

ちょうど空いていたカウンター席に案内され、4人は座った。

 

「あんなにガタイのいい人が…マスターさん?」

「変だろ?ゴリマッチョに蝶ネクタイなんて」

「るせぇ!大きなお世話だ!」

「なんだとこのタコ坊主!」

 

また2人同士の言い合いが発生する。

海坊主と獠の言い合いは執務室や食堂でも起きており、もはやこの鎮守府の恒例であった。

それ故か、気にする艦娘はどこにもいなかった。

 

「うるさいわよクソスイーパー」

「うみぼーずも黙るにゃ」

 

多摩と曙からキツい一言をもらった2人は、言い合いはしなくなったものの2人の睨み合いは続く。

と、そこへ後ろから額に青筋を立てたニコニコ顔の鳳翔が近づいて来る。

そのまま2人の後頭部を掴みお互いのおでこをぶつけて、パッカーンと景気の良い音を鳴らした。

 

「2人ともいい加減になさい」

 

相当痛かったのか、頭を抑える2人。裏の世界で1、2の腕を争う腕の彼らでも1人の艦娘には逆らえなかった。

 

「全く。2人ともいい歳してるんですからもっとちゃんとしてください。特に冴羽さん、あなたは海坊主さんの仕事を邪魔し過ぎです」

「はぁ〜い」

「海坊主さんも。売り言葉に買い言葉では仕事が勤まらないでしょうに」

「す、すまん」

「分かればいいんです。では、私は裏に戻りますね」

 

喧嘩をしていた2人を一気に止めた鳳翔。彼女を怒らすほど、この鎮守府にとって恐ろしいものはないのだ。

さすがは元祖お艦である。

 

「……」

「……」

 

「「フンッ!!」」

 

横でクスクスと笑う羽黒。

あぁ、いつになったら始まるのかしらと熊野と妙高は頭を抱えていたのだった。

 

 

 

 





いかがでしたか??
そうです、今回の艦娘達が超絶荒ぶるギャグ作品となっておりますw
キャラ崩壊もなんのそのです(ぉぃ)

漣は相変わらずオイシイ所を持っていくのがうまいですね。
提督も放置気味だったので、あえて絡ませてみました。
書いてるうちに作者も悪ノリしています()
妙高さんはしっかり者のイメージもあるけど、気が緩むと普通の女の子ですね。
そして海ちゃん念願(?)のキャッツアイ2号店が開店しました!
応援で鳳翔さん間宮さん伊良湖ちゃんが来てくれています。

羽黒さん以外はメタ発言のオンパレードですね。

そして最後に。

お艦は強い!!(確信)


ではまた次回!!


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