暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜   作:さんめん軍曹

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ご無沙汰しております、さんめん軍曹です。
新卒で入社し、早くも社会に揉まれてます。
そんな中、少し時間ができたので久々に執筆をさせていただきました。
ご愛読してくださっている皆様、初見の皆様も、長らくお待たせ致しました。

それでは本編どうぞ!!





ついに現れた!全ての黒幕と始まりの一歩

 

 

 

 

 

「なるほど、そういうことだったのか」

「ああ、不知火ちゃんも協力してくれるそうだ」

「不知火は自分の役目を果たすだけです」

 

執務室では、提督から呼び出された獠たちを含め7人で話のすり合わせをしていた。

 

「クールだねぇ」

「まぁ、ぬいぬいはこんな子だから」

「ぬっ、ぬいっ?!」

 

その時、机上にある黒電話のベルがけたたましく鳴った。

 

「はい、こちらは横須賀鎮守府…あ?」

「なんだ、どうした?」

 

提督は黒電話本体の端にあるボタンを押した。

 

『だから、さらった艦娘たちを返してもらおうと話してるじゃないか。それとも、3人もさらっておいてタダで済むと思っとるのかね?』

「こちらはさらったと言う覚えはありませんが?何かの間違いでしょう」

『惚けるな。うちの天龍、摩耶、そしてイムヤだ』

 

電話の向こうの声は明らかにこちらを恫喝していた。提督と獠はお互いに目を合わせると、

 

「ご冗談を。伊168に関しては遭難しているところを救助した。そして残りの2人に関してはうちの鎮守府に礼を言いに来ただけですがね?感謝されど、イチャモンをつけられる筋合いは無いってもんですよ」

と言い放つ。その時天龍と摩耶は、お互いを見てこう思った。

 

(こいつが自分らの提督だったらな)

 

そんな彼女らを見た獠は、ただフッと薄笑いを浮かべる。

 

『…なんだと?貴様私が誰だと思って発言してるんだ!』

「国の為に少女の姿として蘇り、国民の為に戦う艦娘を良いように使う御山の大将でござんしょ?」

『なっ…』

「お前らは何もわかっちゃいない。寧ろ俺らは彼女達に敬意を払うべきだ。しかし椅子に踏ん反り返って金の為、己の肉欲の為にそれを蔑ろにする奴らは見てて反吐が出るね」

『貴様…俺を怒らせたな。どうなっても知らんぞ』

「おう、上等だ。階級がなんだろうがテメェらに使う敬語なんざねえよ。そうやってキャンキャン吠えてる時点で負け組だってことを理解しな。いつでも来い」

 

その後も向こうは盛大に喚いていたが、提督が「あっ手が滑っちまった」とスイッチを押したので、それも聞こえなくなった。その後、

 

「久々に腹が立った。どうだお前ら、酒でも飲まないか」

 

と言いながら提督は、机の引き出しからワイルドターキー8年を出したのだった。

 

 

翌日。

 

「なあ摩耶」

「おう、どうした天龍」

「あの電話のやりとりで思ったことがあるんだ…」

「?」

「なんで黒電話にスピーカーが付いてるんだ?」

 

摩耶は盛大にズッコケた。

 

「そこかよ!!!!違うだろ!!!!!」

「そうか?気になるだろ普通」

「気にならねえよ!!!!」

 

そんなやり取りをしている間に、2人は執務室へたどり着いた。ノックをして入ると、そこはまるで地獄だった。

 

「おえぇ…気持ち悪っ」

「飲み過ぎたな…」

「うーむ…」

「頭いったいしぃ…」

「…」

 

あの後執務室では飲み会があったのだが、不知火は仕事があるからと退散し、天龍達もそれに続いたのでその後5人がどうなったか知りもしなかった。

 

「うっげマジかよ…酒くせえ…」

「あれ?人数増えてないか」

 

よく見るとそこには、昨日までいなかった艦娘が焼酎の一升瓶を抱いて寝ていたのだ。

 

 

しばらくして、2人が獠たちを起こした後、見知らぬ艦娘がいたので聞いて見ることにした。

 

「えっ、えーっと…商船改装空母、隼鷹でーっす…ひゃっはぁー…」

「…昨日までうちにいなかった…よな?」

「そうね…アタシも何が何だか…」

「あー、提督達、記憶飛ばしたパターンね…」

「どういうこった?」

「まず資源を確認してみな」

 

PCを立ち上げ資源の残高を照会して見ると、昨日までの数値より若干減っていた。

 

「へ?」

「減ってるだろ?要はあんたらが酔った勢いであたしを建造したんだよ」

「oh…」

「建造されたはいいものの、ドックから出てきた瞬間酒を飲まされたのさ。まっ、あたしゃ酒には目がないからねぇ。面白い歓迎のされ方だったよ」

 

そう言ってからからと笑う彼女を見て、ホッと胸をなで下ろす一同。

しかしその刹那、血相を変えた大淀が駆け込んできた。

 

「提督!緊急事態です!!」

 

先ほどのゆるい空気は何処へやら、その場にいる全員の目つきが一気に変わる。

 

「何事だ?」

「鎮守府の周りを憲兵隊が囲んでいます!」

「とうとう本性を現したか、敵さん」

「このままでは敵の手に落ちてしまいます!」

「そうはさせるか。考えがある」

 

そう言って提督は、黒電話のダイヤルを回した。すると、壁にある本棚が開いたのだ。

 

「なんと古典的な…」

 

獠がそう言って全員が歩き出した時、天龍がある事を呟いた。

 

「黒電話ってすげぇ」

 

 

 

一方、外では艦娘誘拐の容疑がかけられている提督へ聴取する為、大勢の憲兵が取り囲んでいた。

その中の1人は裏の塀付近を見回っていたが、彼はある疑問を抱いていた。

それは何か。伊168ならまだしも、艦娘の中でも我が強く力量もかなりあるとされる天龍、摩耶の2人が果たしてそう簡単に誘拐されるだろうか。もしかしたら何か裏があるのかもしれない。

そう考えていた故、背後の壁から轟音を立ててハンヴィーが飛び出してきても、ただ見つめることしかできなかったのだ。

 

「簡単だったな」

「あぁ、だが流石は憲兵と言ったところか。もう追ってきてる」

「モタモタしている暇はない。一刻も早くあいつのところへ向かう」

 

槇村と提督の会話を聞いて艦娘達が振り返れば、憲兵達が乗ってるであろうトヨタ・センチュリーが数台追ってきていた。

 

 

「冴羽っちはなんで行かなかったのさ」

「定員オーバーらしいぜ?獠ちゃんハブられちゃった…」

「って言うけど冴羽さん、ホントは動けないあたし達を置いてけないだけなんじゃないの〜?」

 

今の状況を北上達に知らせ、彼女らを守る為に残った獠。本当は内緒にするつもりだったので、伊168にからかわれた彼はギクリとした。

 

「い、いやー憲兵の中にもっこり美人ちゃんがいるかもしれないからなーあはははは」

「冴羽っちは照れ屋だねぇ」

「…ばか、それじゃ格好がつかないじゃないか」

 

状況を読まず軽快な会話をする彼等だが、ただ1人、神妙な顔をしている艦娘がいた。

 

「…どしたの大井っち」

「いえ…なんでもありません…」

「…」

 

北上に呼びかけられても俯いている大井を、ただ心配そうに見つめている獠。だが次の瞬間、銃を持った憲兵達が病室に押し入ってきた。

 

「動くな!両手を後ろに上げて膝をつけ」

「あらぁん?もう来ちゃったの憲兵すぁん」

 

急にオネエになった獠の言葉を聞いた一同は、そのおぞましさに寒さを覚えた。そして大井は憲兵達の背後、足元に目を逸らしたが、その先には緑色のバケツが置いてあった。

 

(あれは…)

 

彼等が気づいた様子はない。それもそうだ、ドアの脇に隠れるようにソレが置いてあるのだから。その物体に気づかなかった憲兵達は、その後重大なミスを招くことになる。

男どもは獠の拳銃を取り上げ艦娘に艤装がないことを確認すると、全員を立たせた。

 

「連れて行け」

 

そして歩き出した大井の真横にバケツが来た時、彼女はわざと転んだのだ。

 

「きゃあっ!」

「何をしている!早く立って歩け!」

 

そして体勢を立て直すフリをしておもむろにバケツを掴むと、

 

「お願い!入ってて!」

 

と叫びながら北上に向けて投げた。飛んで来たソレを避けようと北上は咄嗟に伏せたが、中にある液体が彼女を濡らしてしまう。そのまま勢いよく飛んだバケツは、北上の後ろで銃を突きつけていた1人に当たった。気絶したのか、その場にどうと倒れこむ憲兵。

 

「おい!大丈夫か!」

「貴様ァ!」

 

大井に銃を向けるが、なぜか彼女は勝ち誇った顔をしていた。そして引き金を引こうとして、銃に違和感を感じた兵士は、あまりの変わりように驚愕した。

 

「なっ…曲がってる?!」

「必殺。酸素魚雷ぱーんち」

 

刹那、その場にいた敵全員が派手に殴り飛ばされていた。

 

「んーやっぱこんなもんかー」

「おまっ…なんで?!」

「高速修復剤よ。傷ついた艦娘を一瞬のうちに治す効果があるの」

「偶然にもあそこに置いてあるのを見つけたので、一か八かの勝負に出てみました。賭けは私の勝ちよ」

「さーて、形勢逆転したし、ギッタギタにやっちゃいましょーかね」

 

そう言って先陣を切る北上。艦娘は強いと、改めて思い知る獠であった。

 

 

 

 

 

 

 

 







いかがでしたか?
時間が作れる限り続編は書き続けますので、どうか皆様の温かい支援をお願い致します。

感想、待っております!


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