暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜 作:さんめん軍曹
おはこんばんにちは、さんめん軍曹です!
普段はどうってことないのですが、今日の天気は頭痛がしますね。
梅雨明けしたはずではありませんでしたっけ?()
というか梅雨ってどこ行った?ってなったはずじゃ…
と言うわけで本編を早速!どぉーぞ!!
東京、新宿のとある場所。
一見、倉庫のように見えるが、これでも立派な住居である。住居ということは当然人が住んでいるわけだ。その住人は日頃の筋トレに励んでいたが、突如異変を察知するとテーブルの上に置いてあったS&W M29に手を伸ばした。
そして複数のセンチュリーに追われたハンヴィーが、ドリフトをしながらこちらへ向かってくる様子を伺う。
「ん?あの車は…」
どうやら彼には、見覚えのある車だったようだ。
場所は変わり、ここは横須賀鎮守府。
倉庫へ行き伊168にもバケツを使うと、獠はある疑問を明石に投げかけた。
「明石ちゃん」
「どうしましたか冴羽さん」
「あの高速修復剤、艦娘の傷を一瞬で治すんだよな?あんなに大量にあるのに、なぜ今まで使わなかったんだ?」
「それあたしも思ったわー。なんでなのさ?」
疑問符だらけの北上たちに、明石はこほんと咳払いをするとこう答えた。
「提督は私達を自分の娘のように扱ってくれてます。そんな私達は戦場に出るので、いつ瀕死の傷を負うかもわかりません。なので、そんな時にすぐ使えるようにと普段の使用はなるべく控えてるんですよ」
「なるほどな」
「吹雪ちゃんなんか自分から率先して最前線に出るもんですから、よく傷だらけになって帰ってきます」
「吹雪ちゃん…?ここにはいないようだけど」
「ええ。今は遠征に出ているので、しばらくは帰ってきませんね」
「ふうん」
彼等がそんな話をしている時、外から人の気配がした。
『残りはここだけか』
『その通りです』
『よし、さっさとネズミを見つけるぞ!』
「まずい、隠れろ!」
獠たち5人が物陰に隠れた瞬間、ドアが勢いよく開かれた。
ドカドカと入ってきた憲兵らは、そこらにあるものを片っ端から荒らしていく。
「見つかるのも時間の問題ですね…」
大井がそう呟いた途端、憲兵の1人に聞かれてしまった。
「誰だ!」
こちらへ近づいてくる足音。全員がもうダメだと思った時だ。伊168がスッと立ち上がった。
「なっ…」
「私よ。伊168よ!」
彼女は覚悟を決めていた。これ以上ここの人たちに迷惑はかけられないと。
「本当に伊168か。他の人間はどうした!」
「他の人は逃げていったわ。これ以上私に関わるのはごめんだと言ってね」
「そうか。なら付いてきてもらおうか」
連行されていく彼女を見ながら、獠たちは見ているだけで何もできない自分達を呪った。
やがて人の気配がなくなり、彼等は立ち上がる。そして怒りの形相をたたえた獠は、側にある箱に拳を叩きつけた。
「…くそッ!!俺は何もできなかったのか!!シティーハンターが聞いて呆れるぜ!!」
「落ち着きなよ冴羽っち。イムっちはあたし達の為を思って動いてくれたんだからさ。それを無下にはできないよ」
「その通りです冴羽さん。それにまだ、方法はないわけではありません」
「大井ちゃん?それってどういう…」
「ちゃん付けしないでください。1つだけ突破口があります」
そして彼女はあらぬ方向へ向くと、
「多摩姉さん、いるんでしょ?私達の前に姿を見せて!」
と叫んだ。すると何処からか、
「さすが我が妹にゃ。こっそり見ていたつもりが、多摩もまだまだ修行が足りないにゃ」
と聞こえ、天井からあの少女が降りてきた。
「見られてるとは思ったが…まさか君だったとは」
「多摩姉さん、貴女は私達の敵ですか?味方ですか?」
「どっちなのさ多摩姉」
2人の妹にじっと見つめられ、多摩と呼ばれた少女は観念したのか静かに答えた。
「…多摩はいつでも球磨型姉妹の味方にゃ。可愛い妹たちを敵に回すくらいなら、沈んだほうがマシにゃ」
同時刻。
「追ってきたのはこれだけか」
「ああ」
今、大淀達の目の前には爆発したであろうセンチュリーの残骸と周りに散らばる憲兵の遺体が広がっていた。
「す、すげぇ…」
「追ってきた敵を一瞬のうちに…いったい彼は何者なんでしょうか…?」
そういって視線を向けると、そこには提督と話す1人の屈強な男がいた。
「提督になったと聞いていたが、俺に何の用だ」
「海坊主、お前の力を借りたい。今、俺の鎮守府の娘たちが危険なんだ」
「フン。そんなもの、自分でなんとかしたらどうだ」
「出来るもんならとっくにやってる。俺どころか、冴羽の力を持ってしてもキツいんだ。この通りだ、頼む!」
そう言いながら提督はさっと帽子を取ると、海坊主と呼ばれた男に向かって頭を下げた。
「なにっ?!」
「提督ともあろう奴が…頭を下げただと…」
天龍や摩耶を始め驚く艦娘たち。そんな彼女らを尻目に海坊主はニヤリと笑い、
「だとよ提督さん。1番偉い人間がこの俺に向かって頭を下げるとは、情けねぇもんだ」
「…」
「へっ。冴羽の野郎に頼むくらいなら、最初からこの海坊主様に声をかけるべきだったな」
「…!」
「じゃ、じゃあ…」
「引き受けて頂けるのですね」
「最近依頼がなくてな。腕がナマッていたところだ。それに、あんな奴に負けちゃいられねえ」
「サンキューな!海坊主の旦那ぁ!!」
摩耶はそう言いながら海坊主へ飛びつく。
偶然当たった彼女のその豊満な胸に対して耐えられなかったのか、海坊主はまるでゆでダコのように真っ赤になってしまった。
「戦艦を建造?」
「そうにゃ。少なくともあの鎮守府には戦艦はいないにゃ」
「どうしてだ?たくさんいてもおかしくはないはずだが…」
「反乱を起こされると困るかららしいにゃ。全く、呆れた奴にゃ」
まだ他にも敵がいる可能性があるとして、倉庫で話し合いを続けていた一同。戦力確保の為、多摩から戦艦の建造を提案された。
「希望する艦種と人数は?」
「もちろん戦艦レシピ。ただ、誰が来るかは出たとこ勝負にゃ。1人だけでも心強いけど、できれば4人は欲しいにゃ」
「OK。早速取り掛かろう。作戦を話すぞ…」
「なあ、そろそろ飯にしないか?」
「そうだなぁ。朝からなんも食ってないから腹が減った」
周囲の見張りをしていた2人組。彼等は仲がいいのか、本当であれば2人とも食堂で朝食を取ろうとしていた。しかし非常招集がかけられてしまったので、空腹のままの出動となってしまったのだ。
片方が背嚢から包みを取り出し開くと、そこにはサンドイッチが数切れ綺麗に入っていた。
そして一切れ取ろうとした時、すぐそばで砲撃音が響く。
「なっなんだ?!」
「くそう、これじゃ飯にもありつけねえ!」
「必要ないなら俺が食おうか?」
「おお、そりゃありがたい!せっかくの食べ物を無駄にせず…え?」
彼等が振り向くと、そこにはサンドイッチを頬張っている手配中の男がいた。
「はろろーん♪とおってもデリッシュ♡」
というや否や、物凄い速度で後ろへダッシュした。
「待てー!昼飯泥棒!!」
「大井っちー」
「どうしました北上さん?」
「さっき気になったんだけどさー」
北上は飛んで来る銃弾を避けつつ果敢に戦いながらも、背中を預けていた大井に質問を投げかける。
「冴羽っちと顔合わせるの、気まずい?」
「!」
図星を突かれて驚いた大井の髪に、飛んで来た弾丸がかすめた。
ーーやっぱり北上さんには敵わないわね。
「ハッキリ言えばそうなります。冴羽さんが特に気にしていないのはわかるんですけど…」
「どーして謝らないのさ?」
「私って人に頭を下げるのがどうしても苦手で…いつもずるずる引きずっちゃうんです」
「素直になれない大井っちも可愛いよ」
「んなっ?!」
突然の言葉に呆気にとられる彼女。完全に油断していたので、羽交い締めにされてしまった。
「捕らえたぞ!この兵器め!」
「大井っち!」
「………」
「聞こえねえぞ!ハッキリ喋れ!」
「………な……」
「…このっ!」
大井を銃で殴ろうとする兵士だったが、そこが彼の命取りであった。大井は隙ありと下へすり抜け、
「私と、」
鳩尾へ肘鉄。
「北上さんの!」
アッパー。
「時間を!!」
飛んで、
「邪魔するなあああぁぁぁ!!!!」
回し蹴り。
綺麗に3コンボが決まるのを眺めていた北上は、ヒュウと口笛を吹いた。
「うっわー、いたそー…」
「おイタをする子はお仕置きよ」
そして残りの敵を探す為、2人はまた駆け出して行った。
一方、ここは建造ドック。
「ここにゃ」
持ち前のステルス能力を活かし、見事誰にもバレずに侵入した多摩。彼女は壁にあるパネルを弄ると、1から4の数字が出る。それぞれ空の表示を確認した多摩は全ての欄に数字を入力し、決定ボタンを押した。
「全て4時間…あの姉妹が来るにゃ」
勝った。彼女は密かに笑うと、高速建造のボタンを押そうとした。
「そうはさせるか」
その声と共に、脇の木箱に銃弾が撃ち込まれる。それは爆発を起こし、バーナーの数が残り3つに減ってしまった。
「おおっと動くな。手を上げてもらおう」
ーーしまった。油断した。
多摩が振り返れば、そこにはこめかみに銃を突きつけられた明石の姿が。
「やられたわ。ごめんね多摩ちゃん」
明石は悔しそうな顔をする。
「4時間もあれば、お前ら全員始末できる。残念だったな」
「多摩達はそう簡単にやられないにゃ」
そういうと彼女は左手をモニターに押し付けた。銃口がこちらに向けられるが、明石が手を噛んだので明後日の方向に向かって弾丸が飛んで行く。
「私だって!やる時はやります!」
明石はそのまま敵を一本背負いで投げ飛ばした。
「これでも一応、艦娘ですから」
「もう弾がないよ!どうしたらいいのさ!」
「万事休す…こんなに悔しいことってないわ」
「諦めるのはまだ早いぞ!」
弾丸が尽き、周りを敵たちに囲まれていた北上と大井。もうこれまでかという思いはシティーハンターの相棒の声によって打ち砕かれた。
「おう!いくぜ!抜錨だァッ!!」
その啖呵と共に、ハンヴィーの銃座から摩耶が飛び立つ。後ろのランドクルーザーからは天龍が飛び出した。
彼女らはあっという間に敵を掃除して行った。
「遅くなったな。すまない」
「大丈夫です、それよりも…」
「みんな危ないよ!伏せて!!」
鈴谷が叫ぶ。全員が彼女の見ている方向に注目すると、そこには銃を構えていた兵士が大勢いた。
「目標正面!撃てぇっ!!」
その声と共に目を瞑る一同。
轟音が鳴り響くが、痛覚がないので不思議に思い目を開けると、目の前にいたはずの敵が消え失せていた。
「…何が起きたんだ」
海坊主がつぶやく間に煙が晴れて行く。
本来なら敵が立っているはずの位置には、巫女のような服をまとった艦娘が3人立っていた。
「お待たせいたしました。私は榛名と申します。隣にいる比叡、霧島と共にあなたたちを支援します」
「ひえぇ…危機一髪でしたね。お怪我はありませんか?」
「私達は金剛型高速戦艦です。きっとあなたたちの役に立ちます」
「それは心強い。是非、お願いしたい」
提督と榛名はお互いに固い握手を交わすのだった。
やっぱり書いていると楽しいですね。
今回の主軸はいったい誰か、わかりましたか??
ご感想があればぜひお願いします!!