暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜   作:さんめん軍曹

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こんばんは、さんめん軍曹です。
寒い日が続いてて、ベランダで一服するのも文字通り命懸けですね…()

この小説を書き進めるにあたって、仕事中もプライベートでもずっと頭の中で各キャラ達がTAKE.xxと撮影を繰り返しておりますw
お陰で時間もあっという間に過ぎ去り、結構楽しく過ごすことが出来ているので、とても充実しています。

それでは本編どうぞ!


大規模作戦の表と裏!ブラック提督のシナリオをぶち壊せ【その3】

 

 

 

同じ頃、大本営の拘置所内。

獠はその中にある、ひとつの房に収監されていた。

特にやることもなく暇を持て余していた為に、彼にしては珍しく早めに就寝していた。

 

「んん〜…むっちゃん、もっこりしようよぉ…」

 

夢の中でもなお美人の艦娘ともっこりをしようとする獠。しかし、その直後に彼はうなされ始めた。

 

「う〜ん……100トン…ぎゃあっ!」

 

叫びながらがばりと起き上がる。辺りを見回して状況を確認すると、どうやら夢の中での出来事だったようだ。

 

「くっそ〜、香のやつ…夢の中でくらいもっこりさせろよなぁ…」

 

言いながら、頭をボリボリ掻いて小用を足そうと便器の前に立つ。

 

「あぁ〜…。むっちゃん、今頃何してるかなぁ〜…」

 

膀胱を空にしたのでボタンを押して水を流す。すると、水洗音に混じって足音が聞こえてきた。

現時点でここに収監されているのは自分だけなので、その足音がどこに向いているのかもすぐに分かった。

 

「誰だ?こんな時間に。人がせっかくいい夢見てたって言うのに」

「その割には、随分とうなされていたように聞こえたがね」

 

格子戸の向こうに人影が立つ。足音の正体は、なんと佐伯元帥だった。

 

「佐伯のじいさんか。元気そうで何よりだ」

「それは皮肉かね?つい数ヶ月前に会ったばかりだと思うんだがのう」

「何の用だ?この通り俺は諸々の容疑で囚われの身なんだぜ」

「こんなチャチな鍵、君ならいとも容易く抜けられるはずだ。それをしないのはなぜかね?理由があるんじゃろ?」

「さすが元帥。なんでもお見通しだ」

「怒っているのならそう言いたまえ。君がこんな目に遭うのを止められなかったわしにも責任はある」

「それには及ばんさ。あんたも元帥ならいろいろ立場があるんだろ」

「本当に申し訳ない限りだ。わしが下手に動けばそれだけでブラック提督の奴らを刺激しかねない」

 

元帥は被っていた制帽を取って、獠に頭を下げた。

 

「気にしてないって。それよりあんたも、何か話があってここに来たんだろ?」

「そうじゃ。北方棲姫を取り戻す為に集まった深海棲艦は特別艦隊の砲撃により壊滅した」

「知ってるよ。俺も目の前で見てたしな」

「じゃが、そのあと現地に調査隊を派遣したものの1体だけは残骸が確認できなかったのだ」

「港湾棲姫か?」

「推察の通りじゃ。ここからが本題だが…、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

元帥は言い終わると、もう一度被った帽子の奥からギラついた眼を覗かせた。

 

「今回は篠原や海坊主に任せてきた。話し合っている時間も無かったしな。ただ…」

「ただ…?」

 

獠は元帥に背を向けて、窓の外を眺めた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()

「港湾棲姫の部隊は壊滅した。他の深海棲艦が報復に出るのも時間の問題じゃろうな。…その混乱に乗じて行動を起こそうと言うのかね?」

 

ここで獠はもう一度元帥に向き直る。

 

「さすが佐伯のじいさん。あんた本当になんでもお見通しだ」

「ほっほっほ。伊達に歳は喰っとらんわ」

 

 

 

ーーーーその頃、横須賀鎮守府から東へ百数海里の場所。

 

「…ソノ報告ニ間違イハナイナ?」

「ハイ。港湾棲姫ノ部隊ハ敵艦隊ノ攻撃ニヨリ壊滅。マタ、港湾棲姫ナラビニ北方棲姫ハイズレモヨコスカニテ消息ヲ絶ッテオリマス」

「奴ラメ…。直グニ各地ノ兵ヲヨコスカへ向カワセヨ!我ガ同胞ノ仇ヲ討ツノダ!!」

 

その場に集まった各深海棲艦から歓声が上がる。どうやら彼女らの士気は最高潮のようだ。中枢棲姫は目立たぬように拳を強く握った。

 

 

場所は変わって横須賀鎮守府。

時折やってくる黒澤の部下であろう見回りの兵士からなんとか隠れながらも、1人の駆逐艦があちらこちらを走り回っていた。彼女が角を曲がると、対向からやってきた陸奥とぶつかってしまった。

 

「あっ!」

「あらっ」

 

尻餅をついた駆逐艦へ、陸奥は手を差し出した。

 

「廊下は走っちゃダメよ?」

「いたた…ごめんなさい」

 

駆逐艦は陸奥の手を取って立ち上がるが、また走り出そうとして足がもつれてしまった。

今度は転ばぬように陸奥が支える。

 

「そんなに慌ててどうしたの?潮ちゃん」

「陸奥さん…。いないんです」

「誰がいないの?」

 

彼女が潮の顔を見ると、今にも泣きそうな表情でこちらを見ていた。

 

「いないんです!ほっぽちゃんが…」

 

潮は大きな声で叫びかけたため、周りに聞かれたらまずいと慌てて彼女の口を塞ぐ。

ゆっくりと周りを見て誰もいないことを確認すると、彼女へ目線を合わせるためにしゃがみ込んだ。

 

「それは本当なの?」

 

潮も察したのか、今度は小声で囁いた。

 

「はい。執務室の前で偶然、黒澤大佐がほっぽちゃんを差し出せって言うのを聞いてしまって…。それで、連れていかれる前にあの子を逃がそうと思って探したんですけど、どこにもいなくって…」

「そうなの…」

 

陸奥は少しだけ考え込むと、もう一度潮の目をじっと見た。

 

「分かったわ。私も一緒に探してあげる。もちろん、誰にも見つからないようにね」

 

こうして陸奥と潮は、スキーニングを開始した。

 

 

「…」

 

その頃北方棲姫はというと、隠れていた部屋から抜け出して医療棟の伊勢がいる病室に入り込んでいた。

椅子の上にちょこんと座り、彼女の容態を観察する。

 

「…私ハコレ以上ココニハイラレナイ。ココニイタラ、アナタノ仲間達二迷惑ヲカケテシマウ」

 

そう言って椅子から立つと、伊勢の手をそっと握った。

 

「アナタガ回復スル事ヲ願ッテイル。今度ハ海ノ上デ会オウ」

 

彼女に背を向け、扉を開けて潜り抜けようとしたその時。

 

「やっと見つけたぞ」

 

北方棲姫の目の前には、黒澤の部下が4人ほど立っていた。

 

「私ヲドウスル気ダ…!」

「艦娘の今後の戦術に役立ってもらう」

「はやい話が、貴様は人体実験の材料になってもらうのだ」

「ソウハサセルモノカ…カエレ!!」

 

北方棲姫の眼が赤く光る。黒いオーラと共に彼女の髪が浮かび、大和型にも引けを取らない大きな艤装が現れた。

 

「ほう…いいのか?ここで貴様が発砲すれば後ろの艦娘も巻き添えになるぞ?」

「それどころか建物は半壊、被害も大きいだろうな」

「クッ…オ前ラ…」

「さあ、大人しくしてもらおうか…」

 

敵は一歩、また一歩とじりじり近づいていった。

北方棲姫はそれに合わせて後ずさって行く。しかし、彼女の小さな尻が伊勢の寝ているベッドにぶつかってしまった。

 

「…」

 

もはやこれまでだと思われたその時、4人組の背後にぼうっと人影が現れた。その影は1番後ろにいた男の首を締め上げる。

 

「?!…カッ、ハッ…」

 

男のあげたわずかな声に気づいた他の2人が銃を取り出そうと懐に手を入れる。そのわずかな隙を突いて、片割れの顔面にパンプスが直撃した。流石に効いたのか、地面で呻き声を上げながらもんどりを打っている。

もう片方がやっとのことで取り出した銃を向ける前に相手の銃口が男の口に押し込まれていた。

 

「動かないで。少しでも動いたらこの銃をブッ放すわよ」

 

呆気に取られた北方棲姫が目の前を見ると、影の正体は確か喫茶店のカウンターの中にいた女性だった。

 

「怪我は無いかしら?」

「ダイジョウブ」

「そう、よかった。ここで貴女に居なくなられたら、私達のお店の修繕費を請求できなくなっちゃうもの」

 

美樹の意識が北方棲姫に向けられたその時、銃を突きつけられていた男は激しく抵抗した。

美樹も負けじとカウンターを喰らわして気絶させるが、その弾みで銃はどこかへ飛んでいってしまった。

 

「動くな!今度はこちらの番だ」

 

しまった!彼女が声のした方へ向くと、男は伊勢に真っ直ぐと銃口を向けていた。

 

「なかなか勇気のあるお嬢さんだ。だが、それもここまでだな」

 

男はゆっくりと指を絞る。その動作と共に銃の撃鉄がゆっくりと起き上がった。

 

「ヤ、ヤメテッ…!」

 

北方棲姫が射線上に立つ。艤装を身に纏っていないので、弾は彼女に当たるだろう。それでも伊勢に当たるよりはマシだと、咄嗟に動いたのだ。

 

「出来れば生け捕りにしたかったが、お前も道連れだ」

「そうはさせないわ!」

 

どこからか女性の声がした。

 

「だ、誰だ!!」

「それ以上おイタをすると…こうよ!」

 

声が終わらないうちに天井の通気口の蓋が派手に外れた。男は上を向くとシルク生地のパンツが見えたが、それが彼の最後に見た光景だった。

ぽっかり開いた穴から陸奥が落ちてきて、その勢いのまま顔面にニードロップを喰らわせる。男は倒れ、その後に続いて落ちてきた潮がクッションがわりに着地したことでトドメとなった。

 

「あらあら。意外とあっけないのねえ…。美樹さん、大丈夫かしら?」

「え?ええ…ありがとう陸奥さん」

「やっと見つけたよ、ほっぽちゃん!」

「ウシオ…」

 

その時、ドタドタと廊下から複数の足音がする。

 

「時間がない。逃げるわよ!」

「私もついて行くわ!」

 

陸奥と美樹が同時に走り出す。

潮も北方棲姫の手を取って走り出そうとしたが、彼女はもう一度伊勢を見ていた。

 

「ほっぽちゃん!」

「…必ズ戻ッテクル。ソレマデ頑張ッテネ…イセ」

 

こうして彼女らも、先に行った2人を追いかけるのだった。





いかがでしたか?
陸奥のニードロップ、ある意味ご褒美では…(危)

さて、事態は動き出しました。ここからどう収束に向かうか…私も目が離せません!!

いつもありがとうございます。皆様からの評価・感想が励みになります。よければコメントをお願いいたします!

それではまた次回、お会いしましょうb
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