「ただいま〜」
しかし、その声を聞いてくれる者はいない。
なぜなら優助は高校生だが、訳あって1人暮らしをしているからだ。
だがこの感覚にも慣れて来たもので、もはや動じることはない。
冷蔵庫から昨日作って置いた晩ご飯を出す。
今日は不思議な日だった。
ルナのこと。
普通だったら、初対面の相手に話さないことを優助は話していた。
なぜあんなことを聞いたのだろう。
結局あの後、適当に話を済ませて帰ってきたが。
あの後の話を思い出すとルナという奴のことがわからなくなってきた。
あの後はほんとんど結局ただの世間話。
最近交通事故が増えたとか、自殺者が増えたとか。
死についての話題が多かった気がする。
でもなぜかペラペラいろいろと喋ってしまった気がする。
そういえば、もし恨んでる人が死ぬんだったらどんな死に方が良いとかも聞かれた。
そんなの苦しんで死ねばどうなってもいいと答えた。
できるならリンチでと付け足して。
夕飯を食べ終え、皿を洗い終わり、シャワーを優助は浴びる。
(ルナは何がしたかったんだろう。まさか俺が恨んでいる奴がどんな風に死んでほしいとか聞きたかったのかな。もしかして実行してくれたりしてな。)
(まぁ…そんなわけないか。)
シャワーを止め、体をばすたおるで拭き、着替えると、ベッドに横たわる。
程よい眠気が来る。
最近いろいろあって眠れなかったが、久々によく眠れそうだった。
明かりを消して間もなく、優助は深い眠りについた。
同時刻、相部町とある路地。
「ちょっとやり過ぎちゃったかな。」
そこには黒いはずの服が赤く染まり、不気味に笑うルナ・クロードの姿と、その目の前にはまるで化け物を目の当たりにした表情で動かなくなる江島勇希の姿があった。
「でも当然だよね?君はそれだけの罪を犯したんだ。君には地獄が待つだろう。」
ルナは片手に持っていたナイフを最後に江島の左胸に突き刺した。
「もう地獄かもしれないけどね。」
そう言うとルナは服についた血で地面に魔法陣と言うべきだろうか。
怪しげな紋章を書いた。
そしてそれを書き終えると周りが光出した。
やがてその光はルナを包んで行く。
こうして、世の中にまた一つ、解決することができない事件が起きた。
翌日、優助は学校で、実家の近くの高校で殺人事件が起きたのを聞いた。
何でも話題の連続殺人らしく、だいぶ噂になっていた。
被害者の名前も聞いた。
しかしこの時の優助には被害者のことは知らなかった。
聞いたことはあるかもしれないが、知ってる関係ではなかったのだ。
でも、何となく死んで良かったと思った。
この日の帰り道、優助は再び奴と会うことになった。
ルナ・クローズと。