無職転生ールーデウス来たら本気だすー   作:つーふー

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前回のあらすじ。

パウロ「ヒトガミの元から離れろよギース」
ギース「そうだったな。俺のことを認めてくれるのはお前らだったな…」
ゼニス「治して、もらった、わよ!」

前の体調不良による咽頭痛が今朝まで続いてました。かなちい。
時間関係がごちゃごちゃになってきてるので、なんか原作とどの程度時間に差異があるのか訳分からんくなってます。おかしな点があれば申し訳ないです。


3話 『アスラ王国へ向かう前に』

 

 

 

 いつものように実験と研究に精を出していた日。

 リベラルはルーデウスからとある報告を受ける。

 というのも、アスラ王国の国王が危篤であるとのことだ。

 それは即ち、アリエル王女が祖国に帰る直近の時期であることを示している。

 

 取りあえずリベラルはオルステッドへと連絡し、対応についての再確認を行う。

 

「まあ、予定通りに進める以外ありませんよね」

 

 アスラ王国関係については元々話し合っており、対応については決めていた。

 既にダリウス大臣のアキレス腱であるトリスティーナはこちらの手にあるし、フィリップの工作により王国内の味方もそれなりに作られている状況だ。

 ペルギウスはまだ説得出来てないようだが、同じ歴史を辿るならば心配は無用だろう。

 説得出来るか様子も確認するが、そもそもリベラル本人が既にペルギウスとの協力関係を築いている。

 仮に説得に失敗しても、彼女が口添えすれば断れないだろう。ラプラス関係なので。

 

 道中に関しても、リベラル1人でお釣りが出る。

 闘神などの脅威も考えられるが、向かう頃にはオルステッドも帰還する予定だ。

 本来の歴史と違いエリスやギレーヌがいないが、不安を抱く要素はないだろう。

 想定される敵戦力の限界が判明している時点で負けることはないのだ。

 闘神、剣神、北神、北帝、北王、水神……そこから更に何かの間違いで死神が現れても止められないだろう。

 そもそも死神に関しては、ビタの件を解決する際に味方として取り込んでいるのだった。

 

 そのため、ペルギウスの説得に成功した後は真っ直ぐ進軍するだけである。

 既にこちらの準備は終えた状態になるため、アスラ王国にたどり着けば勝利が確定するのだ。

 

「使徒もダリウス大臣とバーディガーディ様で確定でしょう」

 

 日記の情報からも、ある程度の推測が出来る。

 元々は闘神とビタ、そしてダリウスが使徒だったのだろう。

 しかしビタが死んだため、急増の使徒が用意されていることが窺える。

 そうなると残りは水神と北帝しかいないのだ。

 

 不安があるとすれば、ギースの枠に別の使徒がいるかも知れないことだが……正直今の時代に彼以上の適任はいないだろう。

 ヒトガミも馬鹿なことをしたな、という感想しかなかった。

 

 そして後日、リベラルはアリエルの元へと向かう。

 空中城塞の庭園にて、彼女はお茶会をしていた。

 給仕はシルヴァリルであったが、ペルギウスの姿はなかった。

 その代わり、アリエルの前に座るのはナナホシである。

 

 疲れ果てている、という様子ではなかったが、どこか行き詰まっているかのような雰囲気が見え隠れしていた。

 ナナホシに対し「聞いて? どうしたのって聞いて?」というオーラを出している。

 もちろん彼女はそのオーラを無視し、居心地悪そうにしていた。

 それでも立ち去らないのはナナホシの優しさなのだろうか。

 

「ああ、リベラル。ちょっとこっちきて座ってくれない?」

 

 リベラルの姿を発見した彼女は、どこかホッとした様子だった。

 リベラルとしてもアリエルと話すつもりだったので、素直に従い席へと座る。

 座ると同時にシルヴァリルがお茶を入れたため、ありがたく頂戴するのだった。

 

「これはリベラル様。ご無沙汰しております」

「聞きましたよアリエル様。ペルギウス様の説得に苦戦してるようですね」

「デリックのお陰で何とか交渉の席に立てている状態ですので……」

「ふむ」

 

 オルステッドの知る歴史では、デリックがペルギウスを説得するらしい。

 ここでも例に漏れずデリックが説得してるようだが、まだ説得は出来ていないようだった。

 

「私はあまり関われていませんが、どういう状況ですか?」

「力を借りたいなら私の思う王とは何か答えよ、と。デリックは気に入られたようですが、私はまだ……」

 

 どうやらアリエルはそこでお眼鏡に叶わなかったようだ。

 そしてリベラルの知る歴史の流れを踏襲しているため、そこまで力添えする必要もなさそうである。

 

「そんなの適当に言えばいいんですよ。あの引きこもりおじさんはガウニス様が大好きですからね。ガウニス様の言いそうなことを言っとけば認めてくれますから」

「そんな、適当なんて……」

「まあ、アスラ王国に伝わってるガウニス様と本来のガウニス様は違いますけどね」

 

 ハハハ、と笑いながら告げるリベラルに、アリエルは苦笑するしかなかった。

 ナナホシも呆れた表情である。

 

 

「貴様と戦友であることをこれほど恨めしく思ったことはないぞ」

 

 

 と、そこで部屋に誰かが入ってきた。

 白をベースにした豪華な衣装に身を包んだ、銀髪の男、ペルギウスだ。

 彼は不機嫌そうな様子だった。

 引きこもりおじさんなどと言われれば当然の反応だろう。

 

 アリエルやデリック、ルークはその姿を見て固まっていた。

 ナナホシは気まずそうである。

 そんな彼らを気にせず、ペルギウスはリベラルの隣に座るのだった。

 

「引きこもりおじさん!」

「黙れ、その喧しい口を閉じろ」

「でも空中城塞から一切出てませんよね?」

「ラプラスの復活に備えるためだ」

「それならもっと世間と関わりましょうよ」

 

 結局、2人はやいやいと言い合う。

 その姿を見れば、ペルギウスはそこまで本気で怒ってないことが窺えた。

 2人が戦友であり、本当に仲が良いのだと再確認させられる。

 取りあえずアリエルたちはその光景にホッとするのだった。

 

「はい、お土産です」

「ほう、これは何だ?」

「これお寿司よね」

 

 ペルギウスが来ることは予想済みだったリベラルは、ちゃんと食事も持ち込んでいた。

 ナナホシが口にしたように、今回は握り寿司を用意した。

 日本の伝統料理なので、リベラルも気合を入れて作ってきた。

 アリエルたちも初めて見る料理に興味津々な様子だ。

 

「これは……生魚か?」

「新鮮な魚は美味しいんですよ」

「ふむ……」

 

 この世界ではコンロがなくても、魔術により火を扱うことが出来る。

 食料を生で食べるようなことは滅多にないのだ。

 流石のペルギウスも生魚は食べたことがないらしい。

 僅かに困惑が見て取れたが、隣にいたナナホシがヒョイとお寿司を手に取り食べるのだった。

 そして故郷の味と新鮮な味に彼女は破顔する。

 

 その様子を見ていたペルギウスも、続いて食べるのだった。

 

「魚本来の甘い風味とタレの塩っぱさ、そしてこれは酢か……調和を取れている見事な料理だな」

「でしょ?」

 

 彼の感想に答えたのはナナホシだった。

 お寿司がよほどお気に入りのようだ。

 アリエルたちもお寿司を食べ始め、その珍しい料理に舌鼓を打っていた。

 どうやら生ものが苦手な者はいないようで、自然と手を伸ばして次々に食べていく。

 

「さて、アリエル様」

「なんでしょうか」

「先ほどの話の続きをしましょう」

 

 リベラルが来れば、ペルギウスはご飯に釣られて来ることは分かっていた。

 せっかく同じ食卓に並んで食べているのだ。

 これで少しは話しやすい環境となっただろう。

 

「あ、その、それを話し合う前に一つ……」

 

 アリエルは話の腰を折り、ちらりとそのペルギウスへと視線を向ける。

 

「ペルギウス様の目の前で宜しいのでしょうか……?」

「ペルギウス様はアリエル様がいかにして答えを出しても、その答えが正であれば力を貸してくれますよ」

「無論だ。1人で考える必要などないだろう。存分に話し合うが良い」

 

 今まで1人で考えていた彼女は、如何に自身の視野が狭かったかを思い知る。

 やがてアリエルは本来の歴史のように切り替え、付き人のルークやデリックと話し合うことにするのだった。

 

「まあ、私から言えることはそんな大層なものでもありません」

 

 お膳立てはしたのでもう大丈夫だろう考えたリベラルは、立ち上がり退席の準備をする。

 

「アリエル様、貴方が王になろうとした理由を今一度振り返るといいですよ」

「王になろうとした理由ですか」

「切っ掛けはどうあれ、貴方は自らの意思で王になることを目指した筈です。初心を思い返せばいいと思いますよ」

 

 本来の歴史でアリエルが告げたように、彼女の理想とペルギウスの理想がかけ離れているのであれば協力などしない方がいいのだ。

 原点に立ち直り、答えを出せば結果はどうあれペルギウスはそれを尊重するだろう。

 仮にペルギウスの協力がなくとも、既に王位継承権の王手は掛けている。

 そこまで不安になる必要などないのだ。

 

 出口へと向かったリベラルは、話し合いに一切参加出来ずに置物と化しているナナホシへと視線を向ける。

 既にお寿司は満足出来るほど食べたのか手が止まっていたため、彼女の名前を呼ぶ。

 

「静香、ちょっと来てください」

「あ、分かったわ。それじゃあ皆さん失礼します」

 

 ナナホシは元からお茶会の席に嫌気が差していたため、退席するまでの動きが早かった。

 ごちそうさまと手を合わせ、ササッとリベラルの後ろへと移動するのだった。

 

「ありがとう、助かったわ。それとお寿司も美味しかったわ」

「いえいえ、話があるのは本当ですので構いませんよ。ご飯も喜んで頂けたのなら幸いです」

 

 移動しつつ感謝を告げる彼女に対し、リベラルは用件があることを伝える。

 そのことに対して、ナナホシはキョトンとした表情を浮かべた。

 

「貴方が帰還に失敗した理由について判明しました」

「!!」

 

 その言葉に、ナナホシは驚愕しながらリベラルへと顔を向ける。

 期待と不安が入れ混じった表情だった。

 理由次第では日本に帰ることが出来ないので、それも仕方ないだろう。

 リベラルは彼女に対し、残酷な事実を伝えなければならないのだ。

 

 ナナホシの部屋へと到着し、席に座って向かい合う。

 そしてリベラルは口を開いた。

 

「ひとつひとつお話しますね」

「分かったわ」

「まず、私は静香が転移に失敗したのは装置に不備があったからだと思いましたが……それは違いました――」

 

 リベラルは自身の考察について話していく。

 彼女は知り得ないことだが、それは本来の歴史で転移に失敗したナナホシが、ルーデウスに語った内容とほぼ同じだった。

 

 ここは過去と未来の干渉を受けている世界であること。

 未来にナナホシが存在しているであろうこと。

 未来に存在するため、ここで帰還するとタイムパラドックスが起きるから帰れないこと。

 

 それが本当に理由なのかどうか分からないが、少なくともリベラルはそうだと考えた。

 未来から届けられた日記に、恐らくそうであろう内容と考察が書かれていたのだ。

 それにリベラルとして転生する前にも、ナナホシを元の世界に返すのに失敗したのである。

 転移装置の基盤は同じなので、ナナホシ以外の転移に成功する理由もそうでなければ説明がつかない。

 

 ナナホシは強い因果で縛られている。

 例えタイムパラドックスでなかったとしても、それだけは絶対な事実なのだ。

 

 そうして自身の考察を語り終えたリベラル。

 聞いていたナナホシは、どこか納得したかのような腑に落ちた様子だった。

 

「……ってことは、私はアキと帰る運命ってことなのね」

「その可能性が高いでしょう」

「だから現時点では帰ることが出来ない、と」

 

 その未来までの期間は、約80年だ。

 ナナホシは歳を取らないとは言え、ドライン病のこともある。

 彼女自身はドライン病のことを知らないが、それでも長い時間待ち続けるのは大変だろう。

 命の軽いこの世界では、ペルギウスの元にいたとしても絶対に安全という訳でもない。

 

「…………」

「静香、これを」

 

 どうすべきか悩む様子を見せるナナホシに、リベラルは一冊の本を渡す。

 それを何気なく受け取ったナナホシだったが、本の中身を理解すると衝撃を受ける。

 

「これ……転移に関する本じゃない!」

「それを読めば例え素人であろうと、異世界転移装置を作ることが出来るでしょう」

 

 その本は、リベラルが前世から受け継いだ知識だ。

 言葉通り、見ながら作れば誰でも転移装置を作り上げることが出来る。

 それほどまでに理論から作り方まで記載されている本だった。

 

 受け取ったナナホシは、疑問に満ちた表情を見せる。

 リベラルは言ったのだ。

 本来の歴史を踏襲し、自身の力で転移装置を作り上げて欲しいと。

 理由は失敗する原因を知るためだった。

 だとすれば、原因が分かったから一旦作り上げようということなのかと考える。

 

「……どうしてこれを?」

「私やルディたちはアスラ王国に向かうことになります。その間に作って欲しいんです」

「だから、どうして今更こんなのを渡すのよ?」

「想像してる通りですよ。原因が分かった以上、静香たちだけで作る必要がなくなったからです」

 

 タイムパラドックスが原因であれば、誰が作ったところで意味などない。

 結局、ナナホシが帰れないことに変わりはないのだから。

 そんな諦観にも似た気持ちを抱くのだったが、リベラルは変わらぬ様子で言葉を続ける。

 

「安心して下さい――静香を帰す方法は思いついてますから」

 

 あっけらかんと告げられた言葉に、ナナホシは目を見開く。

 正直、タイムパラドックスと言われてからはもう帰ることは出来ないのかと思っていたのだ。

 何ならペルギウスに頼み、時間のスケアコートの力を使い未来に送り込んで貰おうとすらしていた。

 だからこそ、その言葉は衝撃だったのだ。

 

「元々、タイムパラドックスに関しては想定していたんですよ。静香だけが帰れない原因が回路の不備だとは思えませんでしたし」

「…………」

「だからもしそうだとしたらどうしようって、ずっと長い間考えてました」

 

 それこそ、この世界に生まれ落ちてからずっと考えていたのだ。

 世界そのものが敵だとしたら、約束を果たすことが出来るのだろうか、と。

 

「ここからは未知の領域。私の答えは間違ってるかも知れない。それでも私を信じてくれますか?」

 

 生憎、ナナホシと同じような者は存在しない。

 実験や考察を重ねることが出来ないのだ。

 故に、リベラルの考える方法は一発勝負となる。

 そのためリスクがあった。

 彼女の方法を取らなくても、きっと日本に帰ることは出来るだろう。

 約80年という時間を要するが、恐らくそちらの方が確実である。

 だが、ずっと先の未来で帰るという選択をするということは、即ち――。

 

「――――」

 

 リベラルは前世を捨て、この世界に転生してきた。

 約五千年もの歳月を過ごし、ナナホシと交わした約束を果たすために生きてきた。

 たったひとつの約束が、リベラルをずっと縛り付けてしまったのだ。

 もちろん今のナナホシには関係のない話だし、未だに実感の湧かないことである。

 

 けれど、それでもだ。

 リベラルが約束のために生きてきたことに変わりはない。

 ナナホシがその提案を断り、未来で帰れる日を待つということは――リベラルの生きてきた全てを否定することに他ならない。

 彼女のやって来たことは無駄だと言ってるようなものなのだ。

 

 そんな残酷なことを――ナナホシが選択出来る訳がなかった。

 

 

「――もちろんリベラルを信じるわよ」

 

 

 けれど、迷いはなかった。

 同情心などではない。

 ナナホシは知っているのだ。

 リベラルがずっと自身のためにしてきたことを。

 だからこそ、彼女の提案に迷いなく返事することが出来た。

 

 その言葉を聞いたリベラルは、静かに目を閉じる。

 そして一言だけ呟いた。

 

「……ありがとう静香」

 

 結果がどうなろうと、ナナホシはリベラルを恨む気はなかった。

 それに、こんなにも長い時間自分のことを思ってくれてるリベラルが、失敗をする訳がないという信頼もあった。

 

 こうして、空中城塞で2つの答えが生まれた。

 ひとつはアリエルとペルギウス。

 彼らはあの後、無事に盟約を交わすこととなった。

 デリックがいる以上、どのみちリベラルがいなくても説得に成功するため、元より不安はなかったのだ。

 ここまで準備をしたので、アスラ王国にたどり着けばアリエルの王位継承権は確定的となるだろう。

 

 そしてもうひとつは、ナナホシだ。

 彼女はリベラルを信用し、彼女の方法で帰還を目指すこととなった。

 そのためには転移装置が必要なため、リベラルから受け取った本を元に作られる。

 制作の目安時間として、アスラ王国から帰ってくるくらいだろう。

 それくらいのタイミングで完成出来るように、ナナホシも張り切って作ることにするのだった。

 

 

――――

 

 

 アスラ王国に行くことが決定したため、メンバーについてどうするか決める必要もあった。

 まずは当然だがアリエルとその従者のルーク、デリック、エルモア、クリーネ。そしてトリスティーナ。

 同行するのはリベラル、ルーデウス、パウロ、ギース、そしてゼニスだった。

 ゼニスに関しては「折角だからギレーヌにも会いたい」という軽い理由である。

 パウロは反対したが、結局口では勝てずに渋々受け入れるのだった。

 

 ゼニスは徐々に言葉を発せるようになっており、まだ所々詰まることはあるが、それでも気にならないレベルまで回復した。

 戦闘力については低いものの、彼女は回復担当になるため足を引っ張ることはないだろう。

 ギースは索敵と情報担当なので、こちらも戦闘には直接関わることはない。

 本来ならば元アトーフェ親衛隊も連れていきたいところなのだが、ラノアの守りが必要なため数人だけ連れて行くことになった。

 残りの者は揃って留守番である。

 シルフィエットとロキシー、エリナリーゼは先日出産していた。

 子どものこともあるため流石に同行は出来ないし、彼女たちを守る戦力も必要なのだ。

 

 王都アルスに到着すれば、フィリップたちと合流することになる。

 彼らの元にはカールマンとドーガ、エリスとギレーヌがいるのだ。

 流石にその戦力と合流すれば敵襲はないだろう。

 

 因みにだが、オルステッドは呪いの関係もあり直接同行することはない。

 ギースのように索敵を行い、潰せる兵力を先に潰してくれるということになった。

 闘神などの強敵が現れれば、加勢してくれる手筈だ。

 当然ながらアリエルとは既に顔合わせをしている。

 

 アスラ王国へ転移魔法陣を使おうとしたが、こちらに関しては転移先が潰されたのか使用出来なくなっていた。

 そのため、本来の歴史通り国境付近からアスラ王国を目指すことになるのだった。

 

「ここまでで質問はありますか?」

 

 それらのことを目の前にいるルーデウスに告げたリベラル。

 彼は少し悩む素振りを見せた後、挙手をする。

 

「ヒトガミの使徒に関してはどうでしょう」

「転移陣が壊されたことで、ダリウス大臣が使徒であることは確定。そして闘神もまだ使徒でしょう。後は北帝か水神……もしくは戦闘力の高い者になると思います」

 

 剣神や北神三世が使徒であることも考えられるが、その可能性は低いと見ていた

 未来の日記を見る限り、剣神や北神はギースやビタに従っていたように見えるのだ。

 ヒトガミの使徒を態々固めて行動させる意味もないので、使徒と連携を取っていただけと考える方が自然だろう。

 

「その考えで行くと、ダリウスと近しい者も違いそうですね」

「絶対ではないですけど、そうなります」

 

 とは言え、ダリウスが使徒である以上兵力は多い。

 アリエル側は約20人という人数のため、奇襲を受ければ死傷者が出てもおかしくないだろう。

 

「まあ、オルステッド様もいますし戦力は気にしなくて大丈夫ですよ」

 

 それにオルステッドを抜きにしても、ルーデウスが居れば数の利などないも同然だ。

 ルーデウスの魔術は並大抵の術師では防げないため、一方的に攻撃を通すことが出来るだろう。

 そう思っていたのだが、彼はどこか不安そうな表情を浮かべていた。

 

「……俺に出来るでしょうか」

 

 ルーデウスの不安は、未だにこの世界で誰も殺したことのないものに起因していた。

 土壇場になって魔術の使用を躊躇ってしまう可能性もあるのだ。

 それが原因で死傷者が出れば目も当てられないだろう。

 

 そんな彼に対し、リベラルはまあまあと言いながら背中を軽く叩く。

 

「無理なら私がやるだけですよ。それに動けなくするだけでも十分ですし」

「頑張るだけ頑張ってみます」

「やるときはやる男だって知ってますから、私はそこまで不安ではないですけどね」

 

 本来の歴史でも、ルーデウスは戦場で多くの命を刈り取った。

 それは大切な者を守るためだったからだ。

 今回も同行者を考えれば、土壇場に躊躇することはないだろう。

 

「じゃあ、準備しましょうか。空中城塞でまた会いましょう」

 

 こうして、アスラ王国へと向かうことになった。




Q.ペルギウス。
A.リベラルが来たらいつもご飯を強請りにくる引きこもりのおじさんです。原作通り説得されました。

Q.ゼニス。
A.1人だけミーハー。回復要員なので戦闘には参加しませんが、ゼニスがいることでパウロとルーデウスに大きなバフが掛かる。

Q.ヒトガミの使徒。
A.今回ルークは使徒にならなかった。全然出番ないけどごめんね。

Q.ナナホシの信頼。
A.あそこでリベラルを信じず、未来で帰ることを選ぶとBADENDに行きつく。自身の半生を否定されたリベラルがヤケ酒をし、そのまま変な男に引っ掛かりヒトガミ陣営につくため(嘘)
実際のところでは、メンタル崩壊してしまい勝てる戦いに勝てなくなるためです。
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