無職転生ールーデウス来たら本気だすー   作:つーふー

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前回のあらすじ。

オルステッド「心折れるまで、何度でも挑むといい」
アリエル「ダリウスもグラーヴェル兄上も完封ですわ!」
ペルギウス「パーティに招待されて来たのに、水神と戦わされることになった」

後2話…10話でこの章は終わる予定です。アスラ王国の話が大半ですけど、ナナホシの話も進めなくては。
本当は一章増やしてナナホシと戯れ続ける章を作ろうかと思いましたが、上手く書く自信がなく断念したのはここだけの話です。


8話 『アスラの王』

 

 

 

 悠然と歩み寄るペルギウス。

 それを観衆は固唾を呑み見守る。

 ペルギウスの存在は、アスラ王国では国王と同等に見られていると言っても過言ではない。

 ラプラス戦役で活躍した、伝説の英雄だ。

 実際にその姿を見たことがあるものは、アスラ貴族の中にはいなかった。

 だからこそ、伝説をその目に見れることを歓喜していたのだ。

 

「さて、我の相手は貴様か。水神レイダ・リィアよ」

「……そうさね。このババアが相手さ。不満かい?」

「そんなことはない。だが、ここまで愚かだとは思わなかったぞ」

 

 ペルギウスが一歩歩み寄った瞬間、背後に控えていた『波動』のトロフィモスが手を前に出していた。

 その手から不可視の波動が放たれる。

 それに反応したレイダは、剣を傾けるだけで逸らすのだった。

 そのまま『流』によるカウンターを放っていたが、ペルギウスが腕を一振りすることで弾ける。

 

「話は聞いていたぞ。かつての情に絆され、判断を誤ったようだな」

「恩は恩だからねぇ。あんたも借りっぱなしにはしないだろう?」

「ふむ、確かにそれもそうだな」

 

 ククク、と愉快そうに笑う彼に対し、水神は冷静に状況を見ていた。

 リベラルの計らいで態々一対一の状況を作られたのは幸いだが、敵に取り囲まれていることには変わりない。

 ダリウスはその場から動くことは出来ていないし、その傍にはいつの間にかギレーヌがいる。

 逃げ出そうとした瞬間に斬られてもおかしくないだろう。

 貴族たちも周りにいるが、こちらの成り行きを見守っている状態だ。

 

 アリエル王女、そしてその仲間、リベラル、パウロ、エリス、ルーデウス。

 彼らの位置取りを確認しつつ、光速移動によって背後に移動してきたアルマンフィに斬撃を放つ。

 

「!!」

「無駄だ。貴様にペルギウス様の結界を破ることは出来ん」

 

 が、斬撃はアルマンフィに纏わりついていた障壁によって弾かれる。

 レイダの剣撃が弱いわけではない。

 それ以上にペルギウスの結界魔術が強力だったのだ。

 彼女は咄嗟に最小限の動きで、アルマンフィの流れを変えて投げ飛ばした。

 

「英雄の力は伊達じゃないようだね。そこの小娘の言葉通り、鈍っていたら幸いだったんだけどねぇ」

「フン、当然だ」

「やれやれ、老骨には厳しい状況さね」

 

 などと言ってる間に、アルマンフィが再び移動し――結界ごとその身体を斬り裂かれるのだった。

 死体は残らず、光の粒子となって霧散した。

 いくら衰えているとは言え、腐っても水神である。

 結界による防護をされた程度で、完封など出来る訳がないだろう。

 分かっていれば、防護を破る程度の斬撃は放てるのだ。

 

 ペルギウスはその出来事に対して、特に動揺した様子は見られない。

 先ほどと変わらぬ位置で、水神を眺めているだけだった。

 そんな彼の代わりを果たすかのように、『轟雷』のクリアナイトが前に出て指向性を持った超音波を放つ。

 横からトロフィモスも波動を放っていた。

 が、目にも止まらぬカウンターの斬撃が飛び交い、その2人は真っ二つになって消え去るのだった。

 

「おや、あたしもまだ捨てたもんじゃないようだね」

 

 一瞬にして3体の精霊が葬られた。

 周りにいた貴族たちもその事実に呆気にとられるのだった。

 戦役の頃と今では違うのではないかという動揺も走る。

 

 ペルギウスは手を掲げた。

 その手にはバトンのような棒が握られている。

 

「“戻れ”」

 

 ただ一言。

 たったそれだけで、先ほど消滅した筈の3体の精霊がペルギウスの目の前に召喚されるのだった。

 

 ペルギウスの精霊は、空中城塞で何度でも復活することが出来る。

 そして復活後、彼の持っていたバトンを媒介にすることで、いつでも呼び戻すことが出来るのだ。

 アルマンフィがいるため、全員を呼び戻すことは容易だった。

 

「……酷いね。あたしの頑張りは全部台無しかい?」

「我がいる限り、その努力が実ることはないだろう」

「そうかい。じゃあ、あんたを狙うしか方法はないって訳だね」

「それを出来るのであれば、だがな」

 

 ペルギウスは最初の位置から一歩動いただけで、後はその場に留まっているだけだ。

 大した時間は経過していないとはいえ、レイダはまだ彼に向けて一撃も放つことすら出来ていない。

 そのため、漸くペルギウスを狙い斬撃を放ったのだが――、

 

「……参っちまうね。あたしの一撃が精霊に止められるとはねぇ」

 

 横から『大震』のガロが腕を振るうと、まるで空間にひび割れたかのような亀裂が走り、斬撃が弾かれるのだった。

 それを遠くから見ていたルーデウスは、まるで某海賊マンガの白ひげじゃねえか、なんて場違いな感想を抱く。

 

「!! 目眩ましかい?」

 

 と、斬撃が弾かれるのと同時に、レイダの周りが暗闇に覆われる。

 『暗黒』のパルテムトによる能力だ。

 視界が暗闇に覆われ、一寸先すら見えない状態となってしまう。

 しかし、レイダは水神流の頂点に立つ剣士なのだ。

 例え視界が封じられようと、気配やその身に感じる流れから、相手の動きを読むことなど容易である。

 むしろ視界がなくなった分、精霊側の方が不利になったとさえ言える状態だ。

 

「…………」

 

 複数の気配を察知した彼女は、一気に仕留めるため静かに相手の動きを待つ。

 一度に多くを仕留め、召喚する間もなくペルギウスへと詰め寄りたかったのだ。

 

「そこだね!」

 

 撹乱するかのようにアルマンフィが周りを動き回っていたが、その程度に惑わされる水神ではない。

 アルマンフィを含めた複数の気配へと斬撃を放ち――手応えなく波動によって吹き飛ばされるのだった。

 

「?!」

 

 気配に向けて確かに放った。

 しかし、まるですり抜けたかのように当たらなかったのである。

 視界がないため、何が起きたのかレイダには理解出来なかった。

 

「苦しそうだな水神よ。我はまだ動いてないぞ?」

「……やれやれ、歳は取りたくないもんだねぇ」

 

 吹き飛ばされていたレイダは、受け身を取ることでダメージを最小限にすることは出来ていた。

 だが、暗闇はまだ辺りを覆っているままだ。

 彼女へと向けて、再びいくつもの気配が迫る。

 

 気配を読み、斬撃を放つ。

 けれど、結果は同じだった。

 レイダの剣は空振り、そして背後に回り込んでいたアルマンフィを辛うじて撃退する。

 

 いくら何でもこれはおかしいと彼女は気付く。

 流れを読む達人の己が、何度も騙されるということはカラクリがある筈なのだ。

 そしてその予想は当たっていた。

 『狂気』のフェリアスファイルによって、レイダは幻覚を見ていたのだ。

 通常時では通用しないが、五感のひとつを遮ることでその効果を発揮していた。

 フェリアスファイルの能力により、レイダは惑わされていたのである。

 

「困ったね。気配が読めないんじゃどうしようもないさね」

 

 水神は右手に持った剣を振りかぶるように持ち、そのまま半身となる。

 それを好機と見たアルマンフィが突っ込み、真っ二つとなって消滅するのだった。

 更に暗闇の中を動き回る気配だが、それら全て斬撃が襲い掛かり、いくつかの精霊が消滅する。

 

 

 ――それは『剥奪剣界』だった。

 

 

 水神流には五つの奥義がある。

 初代水神が編み出した、最強の奥義だ。

 レイダは五つの奥義の内、最も困難と言われる二つの奥義を組み合わせ、幻とも言える六つ目の奥義を扱えるのだった。

 

 彼女は、ある体勢から前後左右上下。

 四方八方どこにいる相手でも、斬る事ができる。

 一歩でも動いたら、その動作に反応して、全てを切り捨てる事が出来るのだ。

 全てに反応し、幻覚ごと精霊たちを屠るのであった。

 

「ふぅ、ようやく明るくなったね」

 

 先ほどの斬撃により、6体の精霊が消滅する。

 その中にはフェリアスファイルも含まれていた。

 暗闇は晴れ、彼女はパーティ会場にいる全ての人間を視界に収めるのだった。

 

「誰も動くんじゃないよ」

 

 そして『剥奪剣界』はまだ続いている。

 このパーティ会場は、今や全てが彼女の間合いとなったのだ。

 そのことを認識し、誰もその場から動けなくなるのだった。

 何かしらの動きを見せれば、精霊たちを即死させた剣が飛んでくることを理解する。

 

「……動く奴ぁいないようだね。賢明だよ」

 

 絶対的なカウンター技に、ペルギウスと精霊は動けない。

 動きそのものだけでなく、意識の始まりにすら合わせられるのだ。

 如何にペルギウスだろうと、初見でこの技を切り抜けることは出来ないだろう。

 

 そう、思っていた。

 

「……つまらん技だ」

 

 ポツリと、ペルギウスは言葉を溢す。

 その言葉に、レイダは眉を顰めるのだった。

 

「何がつまらないんだい?」

「見たところ、貴様も動けんようだな」

 

 そう、それが『剥奪剣界』の欠点。

 剣撃を放つために、今の姿勢を保持している必要がある。

 更に相手の意識の始まりに反応することでカウンターを決める性質上、先に攻撃することは出来ないのだ。

 完全に空間を支配したにも関わらず、レイダが動かないのはそれが理由だった。

 

 その膠着を嫌ったのか、一部の精霊が動く。

 

「――!!」

 

 レイダの体がブレた。

 剣が定まらない。

 黄金の剣閃が、『時間』のスケアコートの身体を斬り裂いた。

 そこからもうひとつ剣閃が煌めき、『贖罪』のユルズを真っ二つにした。

 一瞬の出来事だ。

 外野である貴族たちも、あまりの絶技にもはや何が起きたのか理解出来なかった。

 

 けれど、ペルギウスはその剣を観察していた。

 そして、口を開く。

 

「――もう十分だ。レイダよ、種は分かったぞ」

 

 レイダの剣が再び放たれる。

 『生命』のハーケンメイルの身体が消滅した。

 そしてペルギウスにも剣閃が放たれていたのだが、彼は腕を一振りすることで弾いていた。

 

「いくつか欠点があるな。距離のある状況から複数人同時に動けば、タイムラグが発生しているぞ」

 

 そう、それは当然の話だった。

 どれだけ速かろうが、順番に放つ以上ラグが発生するのは当たり前だろう。

 

「順番に動けば、次に狙われる者も分かるな」

 

 それも技の性質上、どうしても発生することだった。

 相手の意識の意表を突く以上、後手で動かなくてはならない。

 別のタイミングでも意表は突けるだろうが、人数がいればいるほどそれは困難となる。

 この会場にはペルギウスたち以外にも、多くの人がいるのだ。

 貴族たちは無視するにしてもリベラルたちを無視することは出来ない。

 

 また、ペルギウスは剣閃を弾いた。

 一歩前に進む。

 

「ククク、剣を振るうタイミングがまる分かりだぞ」

 

 意識の始まりを起点にカウンターを放つため、狙われるタイミングが読まれてしまうのだ。

 もちろんそこらの雑兵には出来ないことだが、それでも分かっていれば反応くらいは出来るのだった。

 

 ペルギウスは更に前に進む。

 黄金の剣閃は、幾つも弾かれていた。

 

 種が割れれば、後は読み合いの勝負となる。

 どのタイミングで剣閃を放つか意識し、その意識の隙間を如何に防ぐかが攻略の鍵となるだろう。

 だが――ラプラス戦役を乗り越えたペルギウスにとって、その程度の読み合いなど児戯に等しかった。

 

 そもそも彼は水神以上の剣士や戦士たちと幾度も戦い、それを制してきたのだ。

 数え切れないほど膨大な経験を積み重ね、その度に成長してきた。

 更には己の傍には頼もしい戦友たちがいたのだ。

 中には嫌がらせのようにしばき回ってくる奴(リベラル)もいたが、その経験も無駄にはなっていない。

 

「そして――格上には通用せん剣術だ」

 

 そもそも意識の隙間を突こうと、飛んでくるのは速くて真っ直ぐなだけの剣閃だ。

 読み合いを乗り越えれば、そこから先はそれだけである。

 その程度の剣撃を、ペルギウスが防げない訳ないだろう。

 

 剣閃は、当然ながらペルギウスに全て防がれていた。

 

 爪術。

 己の手にある鋭い爪に龍気をまとわせ、相手を切り裂くものだ。

 ペルギウスは結界や召喚術の他に、それを得意としていた。

 彼の前進は止まらず、やがてレイダの目の前に到達する。

 

「舞台から降りてもらおう水神よ」

 

 そして、その腕が振り下ろされ――

 

「お願い! 待って! おばあちゃん!」

 

 横合いから飛び込んできた鎧姿の騎士――イゾルテを目の前にし、腕を止めるのだった。

 唐突に現れた乱入者に、ペルギウスは不機嫌な様子となる。

 

「なんだ、貴様は」

「水王のイゾルテです。ペルギウス様、お師匠様には必ず今回の件に関してお詫びと償いをしてもらいますので、どうか手を引いてくださりませんか……!」

「聞く相手を間違えているなイゾルテよ。我は戯れに付き合っただけで、裁量を持っている訳ではないぞ?」

 

 すんなり引き下がった彼に意外な表情を浮かべるイゾルテだったが、特におかしな話でもなかった。

 

 ここまで戦ったが、ペルギウスは元々リベラルに焚きつけられただけなのだ。

 別に戦う理由など無かったし、何が何でも殺したいと思っている訳でもなかった。

 そもそもペルギウスは客人の立場なのだ。

 アリエルが殺せと言ったのならともかく、彼に水神を処罰する権限などなかった。

 つまらなさそうにアリエルへと視線を向けると、彼女は頷くのだった。

 

「水神レイダ・リィア。私や兄上、そして多くの貴族を危険に晒したその狼藉は見逃すことは出来ません」

「…………」

「水神の座を引きなさい。そして二度と剣を振るうことを許しません」

「……そうかい」

 

 敗北したレイダは、観念したかのように力無くそう呟くのだった。

 

 本来であれば、アリエルが決めることでもなかった。

 けれど、もはやこの流れの中でそのことを指摘出来るものなどいない。

 レイダへの罰も、言葉では軽く見えるが実際にはそうでもない。

 二度と剣を振るわないというのは、即ちその腕を切り落とされ、封印されるということだ。

 生きているだけマシと思うかどうかは、人それぞれだろう。

 けれど、傍にいたイゾルテはホッとした様子だった。

 本来であれば、この場で処刑されるところを許してもらえたのだから。

 少なくとも、剣を教えることを禁じてない以上、誰かに指導は出来るということだ。

 

「そして貴族の子女を誘拐し、監禁し、辱めたダリウス上級大臣。あなたは王国の法により、裁かれることでしょう。沙汰は追って報告します」

 

 流れるようにダリウスのことも追及し、彼は観念するかのようにうずくまる。

 

 今の自身に発言力など無いも同然だし、護衛も全て失った。

 今回の件により、味方だった貴族も確実に離れていくだろう。

 最早まな板の鯉となったのだ。

 法により裁かれるとは言ったが、力をなくした以上どんな裁きがあっても不思議ではない。

 それどころか、裁きの前に暗殺されることだろう。

 自身の命運を悟り、ダリウスは静かに涙を溢すのだった。

 

 情勢は決した。

 アリエルの近くにいたグラーヴェルは、何も言葉にすることが出来なかった。

 今回の件でダリウスを引きずり降ろされ、ペルギウスの登場によって主導権を握られ。

 今の自分には何もすることが出来ない。

 ただ成り行きを見守ることしか出来なくなったのだ。

 そしてそのことを、この場にいた貴族たちは全員理解した。

 

 次代の王は、アリエルに決まったのだと。

 

「そして、最後にもうひとつ」

 

 けれど、彼女は言葉を止めずある方向に目を向けていた。

 その視線の先にいた人物を、真っ直ぐ見据える。

 

「今回、私のために尽力して下さった人物がいます。私はその方に褒美を授けたい」

 

 その人物とは、今更言うまでもないだろう。

 

「フィリップ・ボレアス・グレイラット。転移事件の責任は既にサウロスが取りました。ですので――その後任にあなたを任命します」

「――はっ!」

 

 フィリップは敬々しく敬礼し、静かに目を瞑った。

 

「……し、しかしそれは!」

 

 と、そこで空気を読まずに声を上げたのはジェイムズだった。

 彼はダリウスに頼み込み、サウロスを処刑に追いやった諸悪の根源とも言える。

 ボレアスの財産を守るための行動だったとは言え、当時の己は最善を選んだのだ。

 いきなり現れたフィリップに、当主の座を奪われるのは何としても避けたかったのである。

 

「ジェイムズ、報酬は必要なものです。彼はそれに見合った働きをした。それに比べ、あなたは何をしていましたか?」

「う、く……」

 

 フィットア領の再建は、まだまだ進んでいない。

 どうしようもないだろうと叫びたかったが、そんな姿を晒したところで何の意味もないのだ。

 悔しそうに顔を歪め、彼は発言することなく下がるのだった。

 

「フィリップ。改めて、あなたをボレアスの当主として任命します」

「ありがとう、ございます」

 

 フィリップはその言葉を噛みしめる。

 ここまで長かったのだ。

 転移事件が発生し、全てを失い、責任まで追及されて。

 それでもかつての目標を目指し、泥水を啜りながら生きてきた。

 何度も暗殺者に襲われ、死にかけたこともある。

 けれど、それでも前に進み続け――ボレアスの当主という座を手にしたのだ。

 

 数々の苦労も、1人では乗り越えられなかっただろう。

 護衛をしてくれたシャンドルやドーガ。

 忠義を果たしたギレーヌ。

 自分を選んでくれた娘であるエリス。

 そして、立ち直る手管を揃えてくれたリベラル。

 彼ら、彼女たちに、フィリップは深く感謝するのだった。

 

 

――――

 

 

 そうして、アスラ王国での戦いは終結した。

 アリエル側の被害はゼロである。

 更には戦力すら吸収し、完璧に勝利した。

 

 オーベール、ウィ・ター、ナックルガードの3人(4人)は宣告通り、ルーデウスの仲間になるのだった。

 ようやく出来上がったルード傭兵団に所属し、裏からルーデウスたちをサポートすることになった。

 北帝が所属しているため、戦力としては大幅に向上しただろう。

 

 北神カールマンは、もうオルステッドの傍にずっと控えるようになっていた。

 本来の歴史通り片腕を封印されている訳ではないが、王竜剣は没収されてしまった。

 それでも彼は本当の英雄というものを目指すために、日々研鑽を積み重ねるようになった。

 オルステッドやリベラルはともかく、魔術師の身で剣神を破ったルーデウスに今は興味津々となっている。

 

 ドーガとシャンドルは、契約を果たしたということでアリエルの立ち上げる騎士団に所属することとなった。

 これに関しては本来の歴史通りであり、シャンドルがアリエルに感銘を受けたためだった。

 アリエルはオルステッドやリベラルに協力するため、いつでも派遣出来るようにしてくれていたのだ。

 

 フィリップは、フィットア領の再建を目標にしていた。

 再興中であるかつてのロアへと戻り、フィットア領を立て直すために尽力することになった。

 そしてその傍らには、ギレーヌがついて行くことになったのである。

 フィリップがいる以上、アリエルに仕えないのは当然の話だった。

 その後の2人がどうなるかは……語る必要もないだろう。

 

 それが今回の顛末だ。

 そして戦いは終わり、リベラルたちは数日間の観光の後、ラノア王国へと帰還することになった。




安心安全の推敲なし。
いつも誤字報告ありがとうございます。
評価や感想もありがとうございます。やっぱり人間なので嬉しいです。

Q.『剥奪剣界』。
A.詳細については独自設定。しかしリベラルも既に扱える上に、ペルギウスの告げた欠点も修正しつつある。いずれイゾルテ辺りに伝道しようかな、なんて考えてたりする。

Q.水神レイダ。
A.ペルギウスには勝てなかった。両腕はなくなったが、弟子たちの育成に励んでいる。ダリウスに関しては、敗北した自分が悪いということで諦めた。

Q.ダリウス。
A.彼は二度と表舞台に顔を見せることはなくなった。

Q.ペルギウスつおい。
A.リベラル介入が原因で、原作よりも強く設定してます。自分なりにこんな戦い方かな、と妄想して書きました。もっと結界や召喚をバンバンに使わせたかったけど、初代甲龍王の爪術も外せないと思いこうなりました。一度の戦闘で全部出せる訳ないだろ!

Q.フィリップとギレーヌどゆこと?。
A.過去に妾にならないかと誘ったこともあるように、今回も誘って結ばれた……かも。

Q.エリス。
A.フィリップにはついていかず、勿論ルーデウスの元に行った。フィリップ生存のため、原作と同等以上にアスラ王国との結びつきは強くなってる。
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