リベラル「ヒトガミ殺す!殺してやるああぁぁぁ!!」
サレヤクト「こんな奴のお守りなどごめんだ」
技神「こわっ、近寄らんとこ」
更新が遅れて申し訳ないです。細かい話の流れを考えるのに手間取ってしまいました。
前回でも話した通り、今回からいきなり甲龍歴に突入です。ラプラス戦役?知らない子ですねぇ。
どうにも私は展開をスムーズに進めていくのが苦手みたいですので、前章のようなゆっくりと展開を進めていくことになりそうですが、暇潰しがてらに見てやってくれると幸いです。
1話 『世に蔓延る盗賊たち』
甲龍歴402年。
時代は変われど、人の本質が変わることはない。人は欲望にまみれている。故に、貧富の差は現れるのだ。上に立つ者は下々の人々から搾取し、犠牲の上に政治とは成り立つ。
安定はしていても、貧しき人は必ず存在する。そして、そうした貧しき人々は、やがて悪事に手を染め、略奪を行うようになってしまうのだ……。
――――
森の中を、一人の女が駆ける。
ショートに整えられた、緑と銀色のメッシュが特徴的な髪だ。胸は控え目だが、スラリとしたスリムな体型で、駆け抜けるその姿はまるで、豹のようにしなやかである。
しかし、彼女は後ろを気にする様子を見せながら、時おり視線を後方へと向ける。まるで、何者かから逃げているかのように。
「――――ッ!」
が、不意にその脚は止まる。彼女の目の前には、三人の男が進行を邪魔するかのように、立ちはだかっていたのだ。
鋭い眼光を見せ、彼女は男たちを睨み付ける。
「おうおう! こんな森ん中を女一人でいちゃ、危ないぜぇ?」
「へっへっへ! ジャンの言う通りだな。俺達が町まで案内してやろうか?」
「それとも、俺らのアジトにでも来るか?」
下卑た笑いを見せ、そのようなことを宣う男たちに、彼女は「ハッ!」と挑発するように鼻を鳴らす。
「残念ですが、貴方がたのような男と私では釣り合いません。退いてください――死にますよ?」
その言葉を聞いた男たちは、顔を怒りで真っ赤にした。
「んだとオラァ! 女だから下手に出てりゃ調子に乗りやがって!」
「俺達をナメてっとぶっ殺すぞオラァ!」
「犯すぞオラァ!」
威嚇するかのように怒声を上げる男たち。だが、女はそれに臆した様子も見せず、腰につけてる剣に手を掛けた。
男たちもそれに釣られて剣に手を伸ばし、鞘から刃を剥き出しにする。
「ほう、やる気ですか…? 後悔しますよ」
「後悔すんのはテメェだよこのクソアマァ!」
「やっぞオラァ!」
「いてまうぞオラァ!」
その叫び声と同時に、女は鞘を抜き去り、男たちへの懐に飛び込む。意表を突いた動きだ。彼らは反応が遅れ、対応に数瞬ほど時間を掛けてしまう。斬り捨てるには、十分過ぎるほどの隙であった。
驚愕に歪む男たちの顔。勝利を確信した女の表情。そして、剣は振り下ろされ――アッサリと避けられてしまう。
「おっと!」
からだを少し横に逸らしたことにより、剣はギリギリを通過していく。男は冷や汗をかきながらも、カウンターに女の腹部に拳をめり込ませ、
「ふぐぅ!?」
威力によって軽く宙に浮き上がりながら、押さえの効かぬ重い悲鳴を溢す。女はそのまま地面に崩れ落ちそうになるも、周りにいた二人の男によって後ろから支えられ、無理やり立たされる。
拳を叩き込んだ男は、コキリと首を鳴らしながら女の顎に手をやり、顔を上げさせた。
目立った傷痕もなく、十分に整った顔立ちだ。美人と言えるだろう。三白眼であったが、短めな髪とマッチしており、どことなくクールな雰囲気を感じさせる。だが、そんな女が痛みによって表情を僅かに歪ませていたのが、嗜虐心をそそらせた。
男はニタリとした笑みを浮かべる。
「ほう…中々上玉じゃねぇか。緑髪が混じってるのと、おっぱいが小せぇのが気になるが、金にゃなりそうだな…」
マジマジと彼女を観察した男は胸を揉みながらそう呟くと、捕まえてる二人の男に顎でしゃくる。すると、彼らは抵抗する女を縄で拘束し、完全に捕らえてしまった。これでもう、彼女は身動きを取ることを出来ない。
「へっへっへ。たっぷり楽しんだ後に、奴隷として変態貴族たちに売っぱらってやるぜ」
「……くっ! 殺せっ!」
「ハッ、殺す訳ねぇだろ? そんなことしたところで、一銭の得にもなりゃしねぇんだからよ」
屈辱や恥辱を受けるくらいならば、死んだ方がマシだと彼女は懇願する。だが、男たちはそれに取り合うこともなく、イヤらしい目付きでからだを見つめていた。
「よし、アジトに運ぶか」
「そこでお楽しみといこうぜ」
「ひゃっはー!」
猿轡として彼女の口に、布を巻き付ける。そして、男たちは女を担ぎ上げ、何処かへと運んで行ってしまう。
「んんぅー! うぅふー!」
助けを求めるかのように叫び声を上げるも、くぐもった声しか出すことが出来なかった。最早、彼女になすすべなどないのだ。
馴れているのか、手早く準備を済ませた男たちの姿は、あっという間に森の奥へと消えていく。
結局、連れ去られてしまった女――リベラルは、呆気なく盗賊たちに敗北した結果、住処へとお持ち帰りされてしまうのであった。
――――
拘束されたリベラルが運ばれたのは、森の中にひっそりとあった洞窟だ。見張りなのか、武装した者が二人立っていた。男たちは彼らへと親しげに手を上げ、軽い世間話をする。
「よお、どうしたんだその女?」
「そりゃ、当然獲物さ。マヌケだったぜ? キリッとした顔で『後悔しますよ』なんて言いやがった癖に、呆気なくこの様よ!」
その時のことを嘲笑しながら、男たちは洞窟の奥へと進んで行く。リベラルは侮辱するなと言いたげに睨み付けていたが、当然ながら誰も怯えたりせず、むしろ活きのいい獲物だと笑って流されてしまう。
男たちの二人は道の途中で別れ、リベラルを担いだ男だけが更に奥へと進み行く。やがて、牢獄のような鉄格子のある場所に辿り着くと、彼は無造作にリベラルをそこへと投げ捨てた。
どうやら、他にも捕らわれていた者がいるようで、彼女の視界に裸で横たわる女性が映る。
「…………」
慰みものにでもされて、心を閉じてしまったのか、その女性はリベラルに反応を示さず、微動だにしなかった。
「へっへっへ! 安心しな! そこにいる女は玩具にし過ぎたせいか、商品としての価値が下がっちまってな。同じヘマをしねぇよう、おめぇさんは優しく扱ってやるぜぇ?」
「…………」
何が面白いのか、楽しそうに彼は語り始める。だが、リベラルは男の話を無視し、倒れ伏せる女性へと顔をずっと向けていた。
確認していたのだ、この女性が“話に聞いていた”人物であるのかを。
「そいつの心配でもしてんのか? まだ死んじゃいねぇよ」
目線を合わせなかったことが気に入らないのか、男はペッと地面に唾を吐き捨てる。それから、上着を脱ぎ始めた。
「まあいい。その女よりは優しく扱ってやるからよ。いい鳴き声を上げてくれよぉ?」
「……全く、どうしてこうも外道が多いのでしょうね。この方が生きていたのは良かったですが…無事とは言えませんよ」
「あぁん?」
いきなり何言ってんだテメェ?
そう言葉を発しようとした男であったが、強烈な違和感に口をつぐむ。そして、すぐに異常に気付いた。
そう、おかしいのだ。リベラルは猿轡をされていた筈なのに、平然と喋っていたのだ。口元を見れば、当然のように猿轡はなかった。
もしかして、移動中に布が弛んで落ちたのかと男は考えたが、
「『光の太刀』」
スルリと、リベラルの拘束が解け、縄が地面に落ちる。
「――あ?」
その事実に、男は間抜けな表情を晒したまま固まってしまう。何が起きたのか、理解を出来てないのだ。
たかだか拘束を解かれたくらいで大袈裟な、なんて思うかも知れないが、他の者がその光景を目の当たりにしても、彼と同じ様な反応を見せたことだろう。
リベラルはいつの間にか持っていた剣の刃を鞘に戻し、鯉口を切るように「チンッ」と音を鳴らせていた。
「お前はもう死んでる……ってやつですよ。これ一度言ってみたかったんですよね」
瞬間、男の上半身が下半身と分断され、地面に落ちる。
彼は何が起きたのか分からぬ呆然とした表情のまま、痛みを感じる間もなく死んだ。
今し方のリベラルの動きは、洞窟の外であったマヌケ扱いされるようなものではない。視認することすら出来ぬほど、極限まで洗練された一閃であった。
拘束を解き、男の剣を奪い、斬る。
それが、今の一瞬で起きた一連の出来事だ。ただ、あまりにも速く、斬られたことにすら気付けなかったのは、男にとって唯一の幸いだろう。
男の死を確認したリベラルは、倒れている女性の元へと歩み、怪我の有無を調べる。
「本当に玩具にされていたのですね…助けに来たので安心してください」
女性に怪我自体はほとんどなかったのだが、男たちの体液でからだはベタついていた。リベラルはそのことに顔を顰めながら、魔術でお湯を発生させて、からだを洗い流していく。細かい擦り傷もヒーリングで癒し、全身を綺麗にする。
それでも女性は虚ろな瞳を見せて反応を示さなかったが、心の問題はリベラルにどうすることも出来ない。出来ることと言えば、精々励ましの言葉を掛けて上げるぐらいだ。
汚れを洗い流せたリベラルは、着ていた上着を脱ぎ、女性に掛けて上げる。それから外の様子を伺った。
「やはり、人助けはするものではありませんね…このような姿を見せられるのは胸糞悪いものです」
周囲に誰もいないことを確認したリベラルは、再び女性へと近付き、懐からひとつの巻物を取り出す。中には魔法陣が書かれていた。
「召喚魔法陣です。貴方の村に帰るまでの間ですが、立派な守護魔獣が守ってくれますよ」
広げた巻物をサッと地面に広げ、リベラルは手早く魔力を注いでいく。守護魔獣を召喚するのに大切なのは、イメージである。
高貴で、忠義心が高くて、強い奴。そして、顔を隠す仮面。清潔感が欲しいので、制服に似た白い衣装を。主を守護するための、大振りのダガー。
そんな具体的なイメージを抱き、リベラルは更に魔力を込めていく。
「龍の盟約に従い出でよ! アル……守護魔獣!」
まばゆい光が、魔法陣から放たれる。だが、召喚を拒否するかのように、光は点滅していた。しかし、リベラルはそれでも構わず魔力を注ぎ込み、強引に呼び寄せていく。
そして、召喚される。
そいつは片膝を付き、両手で己の肩を抱くようなポーズで、魔法陣の上に鎮座していた。
ペルギウス第一の下僕、光輝のアルマンフィ。
それが、召喚された者の名だ。
「よく来ましたアルマンフィ様。早速ですが、この女性を守って下さいね」
「き、貴様……リベラルか…!」
「はい、貴方のご主人様のリベラルです。なので、ちゃんと従って下さいね」
「貴様が俺の主だと…? ふざけるな! このアルマンフィはペルギウス様の誇り高き下僕だ! 決して貴様の下僕などではない!」
激昂してリベラルへと殴り掛かろうとするアルマンフィであったが、召喚された際の誓約により、主に危害を加えることを禁じられていた。
故に、途中で動きが止まり、悔しげにプルプルと拳を震わせるのであった。
「まあまあ、終わったらちゃんとペルギウス様の元に返しますから。そこでドットバース様に契約を破壊してもらえばいいでしょう」
「当たり前だ! 貴様の下僕など願い下げだ!」
「嫌われたものですね。では、すぐに終わらせてきますよ」
アルマンフィの怒声などどこ吹く風といった様子で受け流し、リベラルは鉄格子を魔術で破壊する。そして、そのまま外へと出ようとしたのだが、
「待て。そう言えば、貴様は何故このような場所にいるのだ?」
後方から聞こえた疑問の言葉に、リベラルは足を止めた。
アルマンフィとしては、不思議だったのだろう。彼は、彼女が強いことを知っているのだ。リベラルは“ラプラス戦役を生き抜いた”人物である。
かつて、ラプラス戦役で七英雄の一人、ペルギウスを幾度となく助けた上に、“赤竜王を討伐した”猛者だ。更には、龍神ウルペンと共に龍神流を開発している。
そんな人物が、何をどうすればこのような薄汚い牢獄に捕らえられ、隣で倒れている女のように、賊の慰みものになりそうになっていたのか。
事の途中で召喚されたアルマンフィに、この状況は意味不明すぎた。
「そうですね。強いて言えば、武者修行の一環です」
「武者修行? 貴様がか?」
「ええ、通り掛かった村で盗賊の話を聞きましてね。始末していい手頃な相手なので、鍛練がてらに。ついでに、その村で拐われたお姫様の救出でもしようと思っただけですよ」
なるほど、とアルマンフィは納得する。どうやら、リベラルはわざと捕らえられることによって、救出対象の近くに潜り込んだらしい。
リベラルはどういう訳か、歳を取っていない。ペルギウスと同じ400年を生きてる筈なのに、小皺のひとつもないのだ。中身はババアなのに、見た目は若い。おまけに特徴が人族と大差ない。
確かに、容姿だけを見れば、騙される者が大半だろう。だからこそ、リベラルが森の中を一人で歩いていれば、賊は勘違いするのだ。カモがネギを背負って来た、と。
最も、その戦闘能力は恐ろしいものだが。
「では、今度こそ行ってきますよ」
そして、リベラルは牢獄の中から出ていった。
――――
アルマンフィに言った通り、リベラルは強くなるために、態々盗賊退治などに精を出していた。普段は自己鍛練によって精進しているのだが、やはり実戦経験も必要と考えてのことだ。
魔物を相手に経験を積むことが大半だったが、対人経験も必要である。故に、時おり戦争に参加したり、今回のように賊退治を行ったりするのだ。
リベラルは強くなった。
父親に胸を張って告げれる程に。
「ぎゃああ!」
斬り伏せた男を飛び越え、次の相手を探して駆け抜ける。
人を殺めることに抵抗はなくなってしまったが、長い時間を生きたことを考えれば、仕方ないことかも知れない。慣れとは恐ろしいものなのだ。
だが、今更その程度の些事で、リベラルの意思が揺らぐことはなかった。
二度と後悔しないよう。
強く、ただ強く。
戦え、戦うのだ。
しかし、有象無象を幾ら薙ぎ倒したところで、ろくな経験になりやしないだろう。リベラルがここに来たのには、もうひとつ理由があった。
村で聞いた話では、この盗賊たちに“出来る奴”がいると聞いていたのだ。それも、三大流派の全てを上級まで扱えるのだとか。まさかパウロではないのかと思い、詳しく話を聞けば、知らない人物であったので安心した。
何故、態々盗賊退治などをしてるのか。いくら三大流派を上級まで扱えたところで、リベラルの敵ではないのに。それも、簡単な理由であった。
魔龍王の目的のひとつ、技術の回収と伝授だ。
最も、リベラルは伝授などせず、回収だけしかしていないのだが。
「チッ…騒がしいと思ったらさっきの女じゃねぇか」
すると、騒ぎを聞き付けたのか、一人の男が顔を赤くしながら現れる。洞窟の外で、リベラルへと腹パンをした男だ。そして、手に持っているのは酒瓶である。
舌打ちして不機嫌そうであったのは、どうやら酒盛りの邪魔をされたかららしい。だが、酔っているように見えて、意外と隙の少ない立ち姿に、リベラルはもしやと思う。
「まさか、貴方が話に聞いていた、三大流派を操る剣士ですか?」
「へっ! だから何だってんだよ。もしかしてビビってんのか?」
「いえいえ、ただの確認ですよ。酔っ払いなど相手になりません」
「チッ…テメェこそその様子だと、捕まったのはわざとのようだが…一人でどうにか出来るとでも思ってるのか? それともあれか? 昔に聞いたことあるんだが、犯されたいがためにわざと俺らのような奴等に捕まる変態がいるって話があったんだが…お前もその口か?」
「私をそのような変態と同じにしないで下さい。ヤっちゃいますよ?」
「俺がヤられんのかよ。やっぱおめぇ変態じゃねぇか」
軽口を叩き合い、互いに挑発し合っていた両者であったが、ピタリと男の動きが止まる。
見れば、彼の頬に石が掠り、壁に突き刺さっていたのだ。放ったのは勿論、リベラルである。
「お喋りは程々にしましょう。さっさと掛かってくるといいですよ」
「上等だこのアマ…ぶっ殺してやるぜ!」
それを開戦の合図とし、男は抜刀して斬り掛かってきた。リベラルはそれを受け止める体勢を見せる。
男は真っ直ぐ駆け、間合いに入った瞬間に、剣を振り下ろした。その斬撃は風切り音すら残さず、男の練度の高さを窺わせる。
リベラルは半歩後ろに下がるだけでかわすが、二の太刀に鞘が振り下ろされていた。からだを側面に逸らすことによって避け、そのまま後ろへとバックステップする。
「今のは『無音の太刀』ですか」
「よく避けたな」
今の攻防で、男がどれほどの研鑽をしてきたのか理解出来るほどに、教科書通りのお手本と言える綺麗な太刀筋であった。
リベラルは男の技に対し、素直に素晴らしいと評価した。だが、それだけだ。残念ながら、彼女が求めてるのはそのようなものではない。
(アレンジもなければ癖もない…基本を大切にするのは立派ですが、新たな技術の切っ掛けにはなりませんね)
彼女が求めていたのは、人によって違うであろう技術の齟齬。癖があれば、技の形は僅かに変化する。十人十色というものだ。何故リベラルがこのような男と戦っているのかも、それを見るためであった。
尤も、彼は特徴らしい特徴もなく、純粋に綺麗な技を見せてくれたので、何の参考にもならなかったのだが。これでは、新たな派生技を思い付くことすら出来やしない。
リベラルが呑気にそのような考え事をしている間に、男は四つん這いとなり、地を駆けていた。北神流の『四足の型』だ。
だが、それも先程と同様に、参考にならなかった。良く言えば、綺麗。悪く言えば、変哲もない。という感じである。
「おらあぁぁ!」
身体をひねりながら跳躍し、腰の剣で斬りつけると同時に、口に銜えた剣を左手に持ち、逆手で斬りつける。
それが、『四足の型』から繰り出される攻撃である。しかし、リベラルからすれば、種の割れてる技だ。
「素直過ぎますね」
男が身体をひねりながら跳躍したタイミングで、前蹴りを放つ。飛び上がった瞬間に、リベラルの靴底が顔面に命中し、男の首の骨がポッキリと折れた。
「闘気を纏う必要すらないとは…鍛練にもなりませんよ」
呆気なく戦闘終了だ。特に何の成果も得られず、リベラルは勝利した。
「アルマンフィ様も待っていることですし、手早く片付けますか」
宣言通り、リベラルは洞窟内にいた賊たちを皆殺しにする。誰もが皆、逃げ出す暇もなく倒れていく。洞窟内の掃除が終わると、リベラルはアルマンフィの元へと戻り、捕まっていた女性を保護して外へと向かう。
道中で特にトラブルが発生することもなく、無事に村へと辿り着いた。リベラルは女性を預け、そして、アルマンフィは恨み言を溢しながら光となって、ペルギウスの元へと帰って行った。
これが、この時代に至るまでにあった、リベラルの一幕である。
誓いの日を決して忘れることなく、研鑽を積み重ねてここまで歩んできた。
ルーデウスが誕生し、ナナホシが転移してくるまで、後もう少しである。
Q.何かリベラル性格変わってね?
A.この時代に至るまで、何千年も経過しております。そして、その間は強くなるため、基本的に戦いに明け暮れてました。ちょっとくらいキツくなってるのも仕方ないでしょう。
Q.リベラルってラプラス戦役に参加したのかよ。散々改変がどうこうといってロステリーナ放置したのに。
A.参加した理由は次回に説明してもらうのですが、ロステリーナに関してはルーデウスの誕生に大きく関わるので、触れないことにしてます。ラプラス戦役は大丈夫だと根拠でもあったのか、そう判断したのでしょう。