無職転生ールーデウス来たら本気だすー   作:つーふー

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前回のあらすじ。

フィリップ「猫耳に偽物はいらないよ?」
パウロ「仕方ねぇ、俺が慰めてやるよ」
シルフィ「ルーデウスと引き離されたことに納得できないよ」

うーん、低評価を受けるとやっぱへこみますね。そして、どういった理由で低評価されてるのか分からないので、改善することも出来ないジレンマ。展開が気に入らないのか、それともキャラそのものが気に入らないのか。
と言うわけで、批判募集のタグ付けときます。「~~が駄目だから、~~だと思う」とか、具体的に指摘して下さると幸いです。また、批判募集しますので、自分の気に入らないコメントが出てくる可能性も御座います。そういったものがあっても、皆様はスルーしてくださるようお願いしますね。
ただし、「つまらんから」とか「面白くない」のような具体性のないものに関しては、参考のしようがないので私もスルーさせてもらいますが悪しからず。
やっぱり、書くからには完成度を高めたいですからね。自己満かも知れませんが、皆様も楽しめるようなものを書けるようになりたいものです。
後、最初の話にも批判募集について追記しておきますね。

さて、話が長くなりましたが、今回はシルフィエットのお話です。こんなことがあっても不思議じゃないかな、と思い書いてみましたが、実際に同じ状況に陥った時に彼女のような成長が私には出来る気がしません。

それでは本編どぞ。


11話 『シルフィエットの成長』

 

 

 

 シルフィエットが初めてルーデウスと出会ったのは、村の子供たちに虐められていた時のことだ。

 父親へとお弁当を届けに行く最中、イジメっ子たちから寄って集って泥団子をぶつけられていた時に、彼は現れた。泥団子を投げ付けてくる子供たちの中へ乱入し、皆を追い払ったのだ。

 助けてくれた後も、一緒に父親の場所まで送ってくれた。

 

 最初、シルフィエットはその事実に戸惑った。今まで緑髪であることを理由に虐められていたのに、偏見を持たずに接してくれたルーデウスに。

 ――どうして、ボクなんかに優しくしてくれるのだろう、と。

 

 勿論、何で守ってくれたのかも訊ねた。

 すると、ルーデウスはこう答えたのだ。

 

『弱い者の味方をしろと父様に言われてるんだ』

 

 家族でも何でもない赤の他人を、たったそれだけの理由で助けてくれた。ルーデウスが村の皆から仲間外れにされるかも知れないのに。

 

『その時は君が遊んでくれよ。今日から友達さ』

 

 何てことないかのようにそう言われた時は、どうすればいいのか分からなかった。生まれて此の方、友達と言うものが出来たことがないのだ。

 ルーデウスとどのように接すればいいのか分からず、シルフィエットが戸惑ってしまうのも必然だった。

 

 その後、何だかよく分からないままルーデウスに連れられ、父親の元へと弁当を届けに行った。そこで二人は難しい話をしていてつまらなかったのだが、ふとルーデウスが泥を落とす際に使っていた、不思議なお湯のことを思い出す。

 そのことが聞きたくなり、シルフィエットはルーデウスの裾を掴んだ。そして、そのまま二人で遊ぶこととなった。

 

 

――――

 

 

 凄い。

 ただこの一言に尽きた。

 

 ルーデウスはシルフィエットの知らないことを沢山知っていた。そして、知らないことを沢山教えてくれた。

 魔術、知識、遊戯。今までの彼女が触れることのなかった楽しみを覚え、辛かった日常が浄化されゆく。イジメっ子のソマルたちが現れても、追っ払ってくれる。

 シルフィエットは、気が付けば毎日ルーデウスと遊ぶことが楽しみになっていた。待ち合わせ場所である木の下へと向かい、彼が現れるのを心待にしてしまう。

 今日は何をするのか。どう過ごすのか。そんな期待で、眠れない夜も増えてしまった。

 

 リベラルのことを紹介されたのは、このくらいの時期だった。

 

 ずっと尊敬しているらしい魔術の師匠だったロキシーとは別で、努力を認めてくれたもう一人の師匠。初めて顔合わせをした時、三白眼が怖くてまともに向き合うことが出来なかった。

 ルーデウス曰く、「あの三白眼がむしろいい」とよく分からないことを言われたが、最終的に見た目のことで差別するのは良くないと諭された。

 見た目。一部分だけとはいえ、リベラルもシルフィエットと同じ緑髪をしている。更には目付きもキツいのだ。もしかしたら――自分と同じ境遇だったかも知れない。

 そう思うと、途端に親近感を抱き始めた。

 

 ルーデウスの言葉に、シルフィエットは少しづつリベラルと接してみることにした。

 

 

――――

 

 

 ルーデウスのことを男として意識し始めたのは、彼に男と間違われてお風呂で脱がされた時くらいからだろう。父親のアソコを見たことはあるが、ルーデウスのは小さいのに大きかった。矛盾しているが、そう言う他なかったのだ。

 彼はその後に現れたパウロによって叱られて連れ去られたが、間違いなくその一件から徐々に男女の意識が芽生え始めた。けれど、今まで男と勘違いされていたのは不服だった。

 

 その後のルーデウスはおかしな態度となり、怖くて近寄れなかったが、彼の弱りきった態度を見て改めた。

 その時の後ろ姿は、儚く消えてしまいそうなほど小さく見えた。今までのルーデウスからは想像も出来ない姿だ。

 消えてしまいそうなその姿を見て、思わず彼の手を握り締めてしまった。そのままルーデウスの悩みを聞き、そして解決した時、彼はとても嬉しそうな表情を見せた。

 

 それから、また日常が戻った。

 朝からルーデウスの家へ向かって鍛練を眺め、終われば一緒に魔術の練習をしたり、勉強をする。お昼ご飯も一緒に食べて、日が暮れるまで一緒に遊ぶ。

 そんな毎日だ。ずっと一緒で「将来も一緒なのかな?」なんて思ったり。けれど「そうなれば嬉しいな」と頬を緩めて。

 幸せだ。シルフィエットはルーデウスと共に過ごして、幸せだった。

 

 だから、ルーデウスがどこかへと連れ去られ、無理やり引き離されたことが悔しかった。脈絡もなく日常を崩され、悲しかった。

 皆は言う。シルフィエットも強くなりなさい。ルーデウスに守られてばかりではなく、彼を支えられるようになりなさい、と。

 勝手に壊しておきながら、そのように宣う大人たちが腹立たしかった。けれど、どうしてそんなことを言うのかも理解している。今までの日常で自分の弱さが、それが事実だということは学んでいたのだ。

 だから、どうすることも出来ない憤りだけが渦巻く。けれど、やっぱりルーデウスと一緒にいたい気持ちが湧き出る。

 

 グチャグチャだ。

 分かっているけど、分かりたくなくて。

 強くなりたいけど、弱いままでいたくて。

 

 強くなってしまえば、ルーデウスに甘えられなくなってしまう。今までのようにイジメっ子たちが現れても、ルーデウスが必要なくなる。理由がなくなってしまう。

 以前のように弱々しくなった時、支えて上げたい。困ったことがあれば、一緒に解決したい。頼って欲しい。

 両立出来ない願望からか、何が正解なのか分からなかった。

 

 シルフィエットはまだまだ子供だ。

 まだ七歳の少女なのだ。

 

 未熟な精神を切り離すことも出来ず、我が儘な子供になってしまう。彼女は子供のままでいたかった。

 

 

――――

 

 

「はぁ……」

 

 ルーデウスがブエナ村からいなくなりしばらく経過したが、シルフィエットはいつもの習慣で丘の上にある木の下にいた。ここは、彼とよく魔術の特訓をしたり勉強をしたりする場所だ。

 一人になってもここへと訪れては、魔術の特訓や勉強をする。しかし、以前のようにルーデウスがいないので、あまり成長してる実感は湧かなかった。と言うより、何をすればいいのか分からなかった。

 段々とヤル気が削がれていき、やがて溜め息と共に腰を下ろしてしまう。何と言うか、一人でやるのが虚しかったのだ。今まではルーデウスと頑張っていたから楽しかったが、一人だとつまらなかった。

 

「…………」

 

 リベラルに魔術を教わることも可能だ。けれど、以前に酷いことを言ってしまったので、顔を合わせ辛かった。

 

「ボク、ルディと出会う前は何してたっけ……」

 

 ボンヤリと空を眺めながら、ふとそんな疑問を溢す。

 ルーデウスという友達が出来てからの数年間は、ずっと彼と共に過ごしていた。毎日ずっと一緒だ。ルーデウスと会わない日なんて、ほとんどなかった。

 だからこそ、ルーデウスと出会う前に、自分がどのように毎日を過ごしていたのか思い出せない。友達もいなかった自分が、一人で何をしていたのか。何をして一日を乗り切っていたか。

 

「……ボクって、本当にルディがいないと駄目なんだな」

 

 皆に言われた通りだ。シルフィエットはルーデウスに甘えすぎていた。彼がいなければ、自分は何も出来ないのだと思い知らされる。それがルーデウスと引き離された原因のひとつなのだ。

 けれど、分かっていてもルーデウスがいないと努力が億劫に感じてしまう。頑張る気になれないのだ。

 

「もういいや」

 

 お尻についた土を払いながら立ち上り、木の下から離れていく。何もしていない以上、ここにいても時間の無駄なのだ。家に帰り、父親と過ごす方が有意義だろう。

 

「……まだ正午前なのかな」

 

 空を見上げれば、照り付ける太陽はまだ昇りきっていなかった。

 いつも以上に時間の経過が遅く感じられ、一日の終わりはまだまだ先なのだと思い知らされる。これでは、家に帰っても誰もいないかも知れない。

 仕方がないので、シルフィエットは遠回りをしながら帰宅することにした。

 

 今まではルーデウスにばかり目を向けていたせいか、見慣れた筈のブエナ村がやけに新鮮に感じられた。不思議なことに、「こんなに綺麗な場所だったっけ?」なんて感想まで思い浮かべてしまう。

 何となく心が落ち着いていっているような気がし、からだを伸ばして吐息を溢す。

 

「ルディ、今頃何してるんだろ……」

 

 それでも、ルーデウスのことばかり考えてしまう。やはり、シルフィエットの心は、大半がルーデウスで占められているのだ。

 

 しかし、そんな思考は次の瞬間に掻き消される。

 

「あ、おい! あっち見てみろよ!」

「魔族がいるぞー!」

「ほんとだ! 緑髪じゃねーか!」

「今なら騎士んとこの奴はいねーぞ!」

 

 不意に、シルフィエットと同世代たちの声が響き渡ったのだ。そして彼女は、その声が誰のものなのか知っていた。

 

 イジメっ子たちの声だ。

 緑髪であることを理由に、いつも虐めてきていた。

 

「あ、ぅ……」

 

 昔のことを思い出し、シルフィエットのからだは竦み上がる。どれだけ時間が経とうとも、当時の光景が脳裏へと鮮明に思い浮かんでしまうのだ。トラウマだった。

 今なら逃げるだけの力はあるだろう。けれど、何故か分からないが、からだが思うように動かないのだ。怖い夢を見たときに、上手く逃げられなくなってしまう感覚。

 動かなければならないのに、動けない。

 

「ル、ルディ……」

 

 助けを求めてルーデウスの名を呼ぶけれど、彼はここにいない。近付いてくるイジメっ子たちに対し、シルフィエットは逃げることも出来ずに震えたまま佇んでしまう。

 

「こっち見てんじゃねー!」

「やっつけちまえ!」

「あぅ!」

 

 泥団子を投げ付けられ、顔に命中した。ジャリジャリとした苦い味が口内に広がり、泥が口の中に入ったことを理解させれる。彼らは大した理由もなく、シルフィエットに悪意をぶつけた。

 

 子供とは無邪気であり、しかし残酷な存在だ。彼らは悪意を悪意として自覚していないのだから。昆虫の羽をむしりとって喜ぶかのように、暴力に対して無頓着なのだ。

 あるのは、幼稚な願望。幼稚な欲求。

 目の前にいる異物(シルフィエット)を痛め付けることによって、無意識の内に優越に浸っていた。

 けれど、それは仕方のないことだ。差別とは必ず起きるものである。どこの世界でも存在するものだ。そして、彼女はその内の一人に過ぎない。差別される側に立ってしまっただけのこと。

 

 泥団子を投げ付けられ、地面にへたりこむシルフィエットへと、子供たちは容赦せず手を緩めない。

 

「止めろよお前ら!」

 

 だが、そこへ一つの泥団子がイジメっ子たちへと投擲され、一人の顔に命中する。

 

「えっ……?」

 

 それは昔にもあった光景だ。シルフィエットが集団から泥団子を投げ付けられ、ルーデウスがそれらを追い払う。正に当時の再現だった。

 まさか、という気持ちを抱き、彼女は声のした方へと顔を向ける。

 

「何すんだよソマル! 痛ぇじゃねぇか!」

「そうだぞソマル! 魔族の味方すんのかよー!」

 

 そこには、かつてシルフィエットを虐めていたソマルがいたのだった。彼は泥団子を集め、イジメっ子たちの叫びを無視して投げ付けた。

 ルーデウスのように華麗とは言えなかったけれど、むきになって投げ続けたお陰か、イジメっ子たちは悪態を吐きながら去っていった。それなりの時間が経過した筈なのに、あっという間の出来事に感じられた。

 何が起きたのかよく分からないままのシルフィエットに、ソマルはソッポ向いたまま近付いてくる。

 

「……別に、お前のためじゃねぇからな! 母ちゃんに女の子は守ってやれって言われたからだよ!」

「あ……うん」

「勘違いすんなよ! 俺は母ちゃんに言われただけだからな!」

「えっと……ありがとう」

「うっせーよ!」

 

 彼はそれだけを告げると、恥ずかしそうにしながら何処かへと走り去っていく。その後ろ姿を、シルフィエットは呆然としながら見送るのだった。

 特に自宅まで送ろうとせず去ったソマルは、決してルーデウスとは似ていなかった。けれど、この感覚はルーデウスに助けられた時と似ていた。

 

(ソマル……もしかしてボクのことを守ってくれたのかな……?)

 

 理由はどうあれ、今回助けられたことは事実だ。

 

(今度からも、守ってくれるかな……)

 

 ルーデウスがいなければ、シルフィエットは何も出来ない。けれど、彼以外に自分を支えてくれるものがいるのであれば、話は別である。

 無意識の内に頼れる存在を求めていたシルフィエットは、ソマルに対して気を緩めていき、

 

 

 ――本当に、それでいいのかな?

 

 

 すぐに、ルーデウスのことを思い出す。

 父親も、母親も、周りの人たちも、皆が言っていた。

 ルーデウスを支えられるくらい強くなりなさいと。

 

 ソマルは確かに助けてくれた。それは本当に感謝している。だけど、その姿をルーデウスと重ねるのは違うだろう。思い出を自分の手で汚してしまっている。

 ここでまたルーデウスの時のように、ソマルに頼りきって過ごすのは駄目だ。それでは、また同じことを繰り返すだけだ。ソマルがいなくなれば依存先がなくなり、そしてそもそもソマルが依存させてくれる訳でもない。

 

(ボク、本当に嫌な奴だな……)

 

 自分の考えていることに気付き、嫌悪感に陥ってしまう。シルフィエットは今の自分がどれほど醜いのか理解したのだ。

 相手に甘えるだけ甘え、それ以外のことをしない。頼れる存在がいなければ、何も出来ない。まるで、寄生虫のようだ。

 一人で何も成せないという事実を、今更ながら思い知らされる。

 

 シルフィエットという存在に、価値がないのだ。

 

(ソマル……変わったんだね……)

 

 昔は自分を虐めていた存在が、今やどういう訳か自分を守る側になってくれた。切っ掛けは知らないが、彼は昔と変わったのだ。

 

(ルディも、変わるのかな……?)

 

 村からいなくなってしまったルーデウスのことを考え、シルフィエットの気持ちは暗くなっていく。恐らく、彼は変わるだろう。どのように変化するのか分からないが、自分の知ってるルーデウスでなくなるかも知れない。

 もしかしたら、自分を必要としないなんてこともあり得る。

 

 

 ――嫌だ。ルディに嫌われたくない。

 

 

 心の奥底から、そんな気持ちが沸き上がる。幼い彼女にはまだその気持ちの正体が分からないが、それでもルーデウスとずっと離れ離れになることを拒絶した。

 根底にある想いだ。シルフィエットはルーデウスを尊敬し、好意を抱き、共にいたいと願っている。

 

 知らない内に、ソマルは変わっていた。ルーデウスもきっと変わるだろう。そして、周りの人たちは強くなりなさいと告げた。

 恐らく、ここが子供としての変わり目なのだろう。シルフィエットは変わらなくてはならない。ほんのちょっとでいい。成長する時なのだ。

 

(ボクも……変わらなくちゃ……)

 

 ルーデウスならば、きっとシルフィエットが甘えることを許してくれるだろう。けれど、甘えるだけでは駄目なのだ。

 以前のことを思い返す。ルーデウスは強いけれど、無敵ではない。パウロに叩きのめされ、彼は村から強制的に引き離されたのだ。

 それに、シルフィエットが女の子であると気付いた時の、弱々しい背が鮮明に思い浮かぶ。ルーデウスだって、悩んで苦しむ時はあるのだ。

 

 皆の言う通りだ。

 強くならなければならない。

 ルーデウスを支えられるくらいに。

 

(ルディが頼れるくらい強くなってみせるよ……!)

 

 シルフィエットは心の殻を破り、一つの成長を遂げることとなった。

 

 

――――

 

 

「お~よちよち可愛いでちゅね~ノルンたん」

 

 赤子であるノルンを抱き抱え、破顔していたリベラル。その様子を、ゼニスも微笑ましく見守っていた。

 

「リベラルちゃんは赤ちゃんが好きなのね」

「うーん、別に嫌いではないですけど、好きでもないって思ってたのですけど……これが母性本能というやつですかね」

 

 胸を曝け出し、乳を上げようとしていた彼女は、今まで子供との接点が少なかったことを思い返す。ずっと旅人や傭兵として血生臭い生活を送っていたのだ。子供と縁がなくて当然だった。

 だからこそ、こうしてゼニスの子であるノルンを抱き上げ、自分が子供嫌いでなかったことを自覚した。新たな命とは尊いものだ。

 

「あの、リベラル様……何故普通に授乳しようとしてるのですか?」

 

 そこへ、リーリャからの当然の突っ込みが入る。しかし、リベラルはデレデレとした表情を浮かべ、

 

「え? えへへ……おっぱいを吸わせる行為に興味があったんですよ」

 

 胸に吸い付くノルンから目を離さずに答えるのだった。だが、胸が小さいことへの不満か、はたまたおっぱいが出ないことへの不満からか、ノルンはすぐに泣き出してしまい、泣く泣く手放すのであった。

 ゼニスによって授乳されるノルンは、とても満足げな様子だ。

 

「言い方をもう少し改めて欲しいのですが……」

「これは失礼。どうやら私は赤ちゃんを抱き上げることに憧れてたみたいですね……ちょっとはっちゃけてしまいました」

「はぁ……」

 

 テヘ、と言い出しそうな仕草を見せるリベラルであったが、呆れからかリーリャもそれ以上は何も言わず、別の方向へと顔を向ける。

 そしてその視線の先には、礼儀作法を身に付けようと練習するシルフィエットの姿があった。

 

 シルフィエットが今回のような努力を始めたのは、最近のことだ。何が切っ掛けだったのかは誰も知らないが、彼女は今の自分を変えようと頑張っている。だからこそ、グレイラット家は変わろうとしているシルフィエットに力を貸した。

 以前のような子供らしい我儘な姿はなくなり、あるのは強くなろうとする意思だ。それは、悪いことではない。とても良いことだ。

 

(私があれこれする必要もありませんでしたね)

 

 今回の件に関して、リベラルは一切関与していない。以前に泣かせてしまった上に逃げ出されて以来、何かをすることも出来なかった。

 けれど、それでもシルフィエットは変わろうと努力を始めた。彼女にリベラルなんて必要なかったのだ。

 

(それは、立派な強さです)

 

 ラプラスを失った時のリベラルは、前に進み出すのに長い年月を要したが、シルフィエットはずっと早くに殻を破ってみせた。それだけでも、凄いことだ。彼女はリベラルに出来なかったことをしてみせたのだから。

 シルフィエットはもう大丈夫だな、とリベラルは思い、パウロたちから預かった手紙のことを思い出す。

 

「では、私もそろそろルディ様へ手紙を渡しにいきましょう。シルフィエット様の手紙も預かりますよ」

「あ、ボクの手紙お願いしますリベラルさん」

 

 拠点はブエナ村のままであるが、やはりルーデウスの様子も気になるもの。

 リベラルは用事のことも含め、サクッと城塞都市ロアへと向かうことにするのだった。




Q.えっ……ソマル、まさかシルフィが寝取ら(ry
A.ソマル君の母親は原作通りパウロにアタックし続けてましたが、パウロから「そのような教育をする人はお断りだ」と言われ、息子に弱い者の味方をするようにと仕付けた。という設定です。彼は常に母親に振り回されてますね。
因みに、ルーデウスがロアでエリスとイチャイチャしてる間に、ブエナ村でパウロかソマルがシルフィをアへ顔ダブルピースにするところを想像した私は末期。死んだ方がいい。

他にも書こうとしてましたが、何を書こうとしてたのか忘れました。それってあるあるですよね……?
尚、次回は閑話になります。その頃のルーデウスは…みたいな感じです。原作での「自作自演」の部分ですね。結構無茶苦茶になる予定です。主に、ルーデウスtueeee!方面で。強化しすぎた感満載です。
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