リベラル「私は未来日記により未来を知ることが出来る!そして神になるのだ!」
エリス&ルイジェルド「手合わせしてボコられた」
ルーデウス「手合わせしてボコられた挙げ句、今までにパンツ盗んでいたお仕置きでめっちゃくすぐられた。ご褒美でした」
しんどいが布団から動けず暇すぎるためなんとか作成。
本当に小説書いてる暇ないんだが一体何をしてるんだろうか…。
今回はちょっとダイジェスト風味でお届けします。
「では、第百回『デッドエンド作戦会議』を始めます。拍手」
ルーデウスの言葉と共に、全員が拍手を返す。
ここにいるのは、エリス、ルイジェルド、リベラル、ゼニス(拍手はしてない)の5人である。
旅立つ前の最終確認がまだだったので、手合わせの後改めて時間を設けたのだ。
「作戦会議を百回もやってたんですね」
「いえ、途中から回数は数えてないんで適当に言っただけですよ」
議題が出る度に行われた会議だが、第一回から既に一年半以上経過している。
そんなにやったようなやってないようなあやふやな状態だった。
しかしせっかくリベラルという一時的な仲間が増えたので、記念回数ということにしておいたのだ。
「既にルートと行動方針は決めてますので、確認の意味合いが多いですけど何か質問はありますか?」
「はい」
「どうぞリベラルさん」
「ギース様が旅に同行していると聞きましたが、ここにいないと言うことは同行しないということでしょうか?」
リベラルはギースと酒場以外でも何度か会っていたが、特に怪しい行動はなかった。
ヒトカミの使徒がリベラルにも割かれているため、もしかしたらギースは使徒から外れている可能性も僅かにあるだろう。
ボロが一切なかったので取りあえず様子見の為に放置している状態だった。
「ギースさんは父様の活動を手助けすると言っていたので、同行はしません」
「なるほど、分かりました」
どのみち、使徒として活動すればボロは出るだろう。少なくとも、本来の歴史では行動に明らかな矛盾があったりした。
しかし、使徒とならなければギースは基本的に善性である。捜索団の手助けをするのも彼の善意なのだろう。
「はい!」
「どうぞエリス」
「リベラルは何担当にするのかしら!」
「確かに途中までの同行ですが、何かしらの役割分担は必要ですもんね」
ここに来るまではルイジェルドが食材確保、ルーデウスが火と水、エリスが洗濯物、ギースが食事担当であった。
メチャクチャ美味しいご飯を作れるギースがいなくなったのは大きいが、リベラルがご飯を作れるのかを彼は知らない。
ブエナ村では狩ってきた食材をよくお裾分けしてくれたが、調理済みのものをお裾分けされたことがない。
「リベラルさん」
「はい」
「貴方は食事を作れますか?」
ゴクリと、生唾を飲み込み問いかける。
この答えで、旅での満足度は大きく変わるのだ。
「得意ですよ。というか結構味にはうるさい方かも知れません」
リベラルは転生者である。
かなりの歳月があるので流石に日本での食事の味は忘れてしまっているが、それでも昔からご飯の味を改善したかったのだ。
そのため、なんだかんだで故郷のような美味しい味を追求していたこともあった。
「本当ですか!」
「本当ですよ」
ルーデウスとしてそれは嬉しい話である。
すぐに食事担当はすぐにリベラルにしようと考え、
「食事の時間にはまだ早いですけど、ちょっと何か作ってもらうことできますか?」
一応メシマズの可能性も考慮してそう提案した。
それに対して、リベラルも嫌な顔をせずに頷く。
「構いませんよ。小腹を満たせそうなものでも作って来ますのでしばらくお待ち下さい」
そんな言葉と共に、彼女はデッドエンドが元々保管していた食料を手に取る。
目の前で調理を始めたリベラルだっだが、すぐに「あ、これめっちゃ美味いやつや」となった。
大した器具もないのに迷いなく下処理し、匂いもお腹を刺激するようなものだ。
少なくとも調理過程で明らかに異常と思えるような行動はなかった。
明らかに技術の無駄使いだろ、と思えるような場面はあったが、そのお陰か30分ほどで完成となる。
「ジビエ料理、兎肉の野菜包〜エストラゴン香るソース〜の完成です」
「わぁ! 美味しそうじゃない!」
「いや、色々とツッコミどころしかないんですけど」
ギースとは全く別種というか、料理に対する技術が未来を先行きすぎていた。
まるで料理マンガに出てくるような見た目に匂いだ。
確かに美味しそうだが、これを食べてしまうとこの世界の食事に満足出来ない身体にされてしまいそうである。
「一体どこでこんなの覚えてきたんですか」
「独学ですが、龍神流の技術を惜しみなく出し切った逸品ですよ」
「技術の無駄使いが過ぎません?」
流石にリベラルの料理だと舌が肥えてしまうので、もう少しランクを落とした食事を用意してもらうことで話はついた。
なお、それを食べてしまったエリスとルイジェルドの服が(あまりの美味さでリアクションによって)弾け飛び、大惨事となったのは余談だろう。
「リベラルさん、因みに醤油ってものを知ってますか?」
「知ってますよ。ビヘイリル王国で鬼族の飲み物として存在しますね」
「マジですか!?」
近い将来、ビヘイリル王国とやらには必ず行こうとルーデウスは誓ったが、これも余談だろう。
しばらくご飯を巡っての騒動があったものの、いい加減に話を終えて旅支度を再開するのであった。
――――
パウロたちとは既に別れの挨拶も済ませており、今後の予定については全員で共有をしている。
そのため、やるべきことが終わればみんなラノア王国に向かうことになるだろう。
そこでゼニスの治療が行われるのだから。
「では、出発しますか」
デッドエンドにリベラルとゼニス。
ゼニスはまともに動けないため、介護が必要な状態だった。といっても、日常生活における基本的な動作は行える。
勝手にフラフラと歩いたり、意思疎通が困難であることが問題なくらいだった。
リベラルが魔眼を使うことで意思疎通が出来るようだが、彼女は魔眼の使い過ぎで体調が悪くなってきたらしい。
そのため、「魔眼は治療の際ぐらいにしか使わないようにしておきます」とちょっと元気のない様子で告げていた。
そういう状況だったので、最初にルートを決めた際は不安もあった。
しかし、リベラルと手合わせをしてからは既に不安などなくなっている。
魔大陸でも問題なく魔物への対処が出来ていたため、更に魔物が弱い中央大陸ではほとんど戦うことがなくなっていた。
というか、リベラルという存在のせいで過剰戦力になっていたのだ。
そのため、出発してからの道中は何も問題なく進んでいった。
「ねぇリベラル! 私に料理を教えなさいよ!」
「それくらい構いませんよ」
「本当!? やったぁ!」
以前に聖剣街道では料理をギースから教えてもらえなかったが、リベラルは特にジンクスなどないのでアッサリと了承していた。
旅の道中では、エリスが楽しそうにリベラルとご飯を作ってる場面が見られた。
元々手合わせ以降は警戒心を抱いていたのだが、仲良くなったので良いことだろう。
ルーデウスもホッコリしてたし、ルイジェルドも温かい目で見守っていた。
「ル、ルーデウス! 今日のご飯は私が作ったわよ!」
しばらくふたりで作っていたが、今回はエリス一人で作ったらしい。
どこか緊張した様子の彼女からご飯を受け取ったルーデウスは、躊躇うことなく食べる。
「ど、どうかしら?」
「とても美味しいですよエリス」
「本当っ!?」
その一言で非常にニマニマした笑顔を浮かべる彼女は、とても分かりやすいだろう。
ルーデウスも不覚にもキュンとしてしまった。
流石に毎日エリスが作る訳ではないが、彼女だけでご飯を作る日も存在するようになった。
旅は順調に進む。
「ここに転移する場所があるのですか?」
「あまり言いふらさないで下さいね。取り壊されてしまうので」
「分かりました」
石碑に手を付けたリベラルは詠唱を行う。
「その龍はただ信念にのみ生きる。
広壮たる
二番目に死んだ龍。最も儚き瞳を持つ、緑銀鱗の龍将。
聖龍帝シラードの名を借り、その結界を今うち破らん」
同時に石碑の目の前にある空間が歪んでいく。
グニャリと歪んだ先。
木が生い茂り、壁のようになっていた所に、石造りの建物が出現した。
「おお、すご」
「さて、馬車を一度分解して運びましょうか」
そして作業中、ルーデウスはふと気になったことを訊ねる。
「五龍将って一体なんですか?」
「ヒトガミの策略に踊らされた被害者ですよ。彼らは……ちっぽけな誇りと共に自由に生き、くだらない仇のために死ぬ。そんなどうしようもない、私の同胞ですよ」
「えっ、あの、なんか聞いちゃ不味かったですかね」
「ふふ、気にしなくて構いませんよ。私達龍族とヒトガミにまつわるどうしようもない話ですから」
「そうですか……」
「私もまた同じですよ。誓いと約束に縛られた存在ですから。しがらみに囚われてしまうのは、私たち龍族に掛けられた呪いなのかも知れませんね、ふふ」
なんだか深い事情がありそうだったので、彼もそれ以上追求せずに話を止めた。
旅は順調に進む。
「悪いがここを通す訳にいかねぇ」
舗装された道の途中、賊に襲われる。
なんだかんだで旅の途中で賊に襲われたのは初めての経験であるルーデウスは、ソワソワした様子となる。
「……潜んでいる数が多いな」
「どれほどいますか?」
「10人ほどだ」
「なら、問題ありませんね」
一人馬車を降りたリベラルは、賊の前へと進み声を上げた。
「ヒトガミ、という言葉を聞いたことがありますか?」
「なぜそれを」
「ああ、やはりですか」
結果として、虐殺に近い状態になるのは必然だった。
エリスとルイジェルドも共に援護していたが、人殺しに対しての忌避感のあるルーデウスだけは参戦せずゼニスの護衛に務める。
「彼らはヒトガミと関係があるんですか?」
「先ほどの賊はヒトガミの使徒です。奴の甘言に騙されて私たちの始末に来たのでしょう」
「マジですか。ヒトガミそんなことしてくるんですね」
ヒトガミという恐ろしさを垣間見た瞬間でもあった。
手の届かない位置から一方的に攻撃してくる。
とんでもない奴と敵対してしまったのかも知れないという後悔が僅かに抱く。
「因みにルディ様の夢にヒトガミが現れ続けていた場合、ヒトガミの使徒と勘違いした龍神が貴方を殺しに掛かる可能性が高かったですよ」
「……その龍神ってどれくらい強いんですか?」
「私より強いですよ」
とは言え、どのみちヒトガミに害されていた可能性が高いのだから、リベラルと協力出来る状況なのは良かっただろう。
龍神とやらに襲われていればなす術もなく殺されると思うので、ヒトガミと手を切っていたのは正解の筈だ。
旅は順調に続く。
転移魔法陣によってイーストポートを経由し、王竜王国にたどり着く。
そして、ルーデウスは米が売られていることを発見する。
衝動買いしてしまった。
「リベラルさん! お米の炊き方分かりますか!?」
だが、日本の懐かしい味を求めていた彼に後悔はなかった。
すぐさまリベラルの元へと戻り、炊飯方法をレクチャーしてもらう。
「米の質が悪いですね。あまり美味しいものは出来ないと思いますよ?」
「構いませんよ! お米が食べられるなら多少不味くてもいいです!」
そして出来上がるお米。
一口食べれば思い出補正込みで45点程度のものだったが、それでも懐かしい味にルーデウスは満足する。
更に卵かけご飯にしてエリスと共に食べていた。
醤油は現在手元にないものの、所在が分かっている以上、必ず日本での卵かけご飯を再現出来るのだ。
そのことにルーデウスは感動する。
冒険者ギルドにも顔を出し、デッドエンドの名を広めることも忘れずに行う。
リベラルとゼニスも付いてきていたが、些細な問題だろう。
エリスも成長したのか、冒険者を相手に喧嘩を起こすこともなく過ごしていた。
問題と言える問題も、胸の小ささをバカにされたリベラルが冒険者をボコってしまったことくらいだろう。
リベラルは半殺しにした冒険者を治癒魔術で復活をさせた後、貧乳の素晴らしさを熱く語っていた。
ルーデウスも同じように貧乳の素晴らしさを語った。
エリスにシバかれてしまった。
「ル、ルーデウスは小さい方が好きなの?」
なんて可愛いことをエリスが聞いてきたので、胸を触りながら「おっぱいに貴賤はないですよ。エリスのおっぱいも大好きです」と告げたら本気で殴られた。
解せぬ。
旅は順調に進む。
当然ながら、旅の道中でも鍛錬は行われた。
今のルーデウスは本来貰う筈だった魔眼を手にしていないが、それでも魔眼を手にした歴史よりも強かった。
リベラルから教わった『明鏡止水』によって、攻撃に対する予測能力が格段に上昇しているためだ。
身体能力は明らかにルーデウスの方が低かったが、それでもエリスと渡り合うことが出来ている。
「ルイジェルド様の指導方法はシンプルですが分かりやすいですね」
「……だが、ルーデウスにはあまり理解出来ないらしい」
「それはまあ、受け手側にも得意不得意はありますからね。仕方ありませんよ」
ルイジェルドがルーデウスを相手にした時、いつも「分かったか?」と聞いても「分かりません!」と言われてしまうらしい。
エリスは大丈夫だったのだが、ルーデウスは毎回そんな状態だったので実は困っていたようだ。
しかし、リベラルが同行してからは彼の手合わせ中の動きが、目に見えて良くなっていた。
「ルディ様の近接があまり成長しないのは、闘気を一切纏う才能がないためですからね。なので、それに合せた特訓を行う必要があっただけですよ」
「そうだったのか……」
といっても、ルイジェルドは闘気を纏えぬものに合わせた訓練方法なんて知らない。
途中まで強者たるリベラルがいるのだから、彼女の方法で鍛錬するのもいいだろう。
「フッ……折角だ。俺の相手もしてもらおう」
「おやおや随分と楽しそうですね。負けてしまう屈辱が好きになってしまいましたか?」
「バカなことを言うな」
ルイジェルドと手合わせをし、その後はエリスとも手合わせを行う。
エリスはやはり才能があるようで、手合わせを行う度に動きが良くなっていった。
彼女にも龍神流の技を教えると、多少の苦戦はしたものの覚えるものは覚えた。
難しく考えることが不得意なエリスだが、訓練を重ねることで理を理解出来るだけの頭はあるのだ。
攻撃的な性格なだけであり、勝利のために必要な工程を考えることは出来る。
エリスならば技の引き出しが増えることで、逆に迷ってしまうということにはならないだろう。
ルイジェルドも龍神流の技に触れたことで、何かしらを掴んだようだった。
しかし、打って変わってルーデウスは相変わらず瞑想や型の動きをなぞるだけである。
「瞑想はともかく、型というものをどうして反復させるか分かりますか?」
「咄嗟に出せるようにするため、でしたよね確か」
「そうです。戦いに限った話ではありませんが、反復練習することでその動きが身につきます。逆に言えば、身につかないと瞬時の動きが鈍ります」
ゲームでもスポーツでも同じことが言える。
練習していないことは本番で出来ないのだ。
練習で出来ないことを本番で出来る訳がないだろう。
「もっと言えば、選択肢が増えます。相手の行動に合わせて最適解を選べるようになるのが理想です」
相手がAの行動をすれば自分はAの反撃を行う。
BならB、CならCといったように、反射的に選択出来るほどに型が身に付けばかなり強くなれる。
ルーデウスは闘気を纏えない。
なので、リベラルやオルステッドのように相手の動きを誘導したり、制御出来るようになるのが一番いい方法だと考えるのだ。
反射的に最適解を選べるようになれば、相手は段々と崩れて行くのだから。
「うーん……ちょっと理想論的な気もしますけど」
「まあ、理想論も混じってますね。でも、相手に襲われて硬直するんじゃなくて、反撃出来るようになるにはやっぱり繰り返すしかないんですよ」
かつてギレーヌから言われたことだが、ルーデウスは相手に攻められると体の動きが鈍る。
彼女は足が竦む癖の治し方を知らなかったので、リベラルが代わりに教えるのだ。
「いいですかルディ様。怖いとき咄嗟に腕で庇ったりするのは反射的な動きです。なので、その反射的な動きの内容を今作り変えてるんですよ」
「なるほど」
ルーデウスは手合わせよりも、その方が成長出来るだろう。
もちろん、魔術についてのことも教えたりする。
ルーデウスは既に魔術師として完成していると言っても過言ではないので、教えられることは少ない。
特に結界魔術や召喚魔術は彼にとっても難しいようだ。解毒と治癒魔術も覚えることが多いため、苦戦している。
その他では、状況設定の問題をよく行っていた。
扱える術の多いルーデウスは、逆に選択肢が多くて迷ってしまう可能性がある。
そのため、エリスも交えて早押しクイズの形式で問題を出したりしていた。
剣士用の問題も出しているので、エリスも答えるのが非常に早い場面もある。
もちろん実践形式でルイジェルドの手を借り、問題を出すこともする。
エリスはルーデウスと出来ることが嬉しいのか、稽古中は楽しそうに笑顔を見せる場面が多かった。
旅は順調に進む。
とは言え、リベラルと別れるのもすぐだった。
王竜王国の属国であるサナキア王国。
そこを過ぎれば彼女たちとは別行動になるのだ。
フィットア領民も道中で何人か見付けることが出来た。
しかし、位置関係により捜索団と合流を希望するものしかいなかった。
そうした者たちはお金を渡し、護衛を付けてミリスへと向かうことになっていた。
「実に早い別れになってしまいましたね」
「……そう、ですね」
中でも1番悲しそうな表情を浮かべるのはルーデウスだ。
魔術や剣術を分かりやすく教えてくれたこともあり、かなりステップアップした実感があった。
それに、彼女のご飯を食べられなくなるのは非常に辛かった。エリスと共に水浴びしてる場面を覗けなくなることも非常に辛かった。パンツを盗むことは叶わなかった。
もっとも、水浴びの場面ではルイジェルドだけでなくリベラルにも気付かれ、お仕置き(全力でケツをシバかれ川に叩き落された)されたのだが。
「もう行っちゃうのね……」
「大丈夫ですよ。今度会ったらまた一緒に料理でもしましょう」
エリスとリベラルは関わる時間が長かったためか、結構仲良くなっていた。
鍛錬でも嫌がるような場面はなかったし、難しくて分からない、ということも殆どなかった。
水浴びも料理もよく一緒だったので、会話する時間が多かったのだろう。
エリスもいつリベラルのことを認めたのか分からないが、割と最初の段階から認めていたような気がするのだ。
「世話になったな、銀緑」
「スペルド族の差別意識を取り除く手伝いが出来なくて申し訳ございませんね」
「構わない。それよりもルーデウスの母親を早く治してやれ」
「ええ、終わり次第スペルド族の疫病調査を行いましょう」
「……助かる」
このふたりの仲も結構良好だった。
鍛錬についての相談もし合っていたようだし、意外にもラプラス戦役の話もしていた。
エリスは目を輝かせながらその話を聞いていたが、ルーデウスもまた貴重な話なので楽しく聞かせてもらっていた。
最初の頃に抱いていた猜疑心も、すっかり晴れた様子だ。
「ルディ様、フィットア領についたら……もしかしたらあの2人に会えるかも知れませんよ」
「あの2人、とは?」
「ルディ様が大好きな2人ですよ」
その言葉に彼は頭にはてなマークを浮かべる。
リベラルはそれを楽しそうに眺めていた。
「それは例の『未来日記』とやらの情報ですか?」
「いいえ、状況から見たただの推測ですよ。なんせ捜索団に合流すると伝言を残したのに、王竜王国には痕跡もなかったのでその可能性があるかなと考えただけです」
「えっと、よく分からないですけど……」
「ふふ、それは着いてからのお楽しみです」
ルーデウスはよく分からなかったが、取りあえず頭の片隅には入れておくかと考える。
「あと、それとは別件ですがもしも龍神と遭遇したときのことを伝えておきます」
旅の道中で、既にオルステッドの存在は伝えられていた。
容姿や性格、呪いについてのこと。
最終的にエリスとルイジェルドの反応ですぐ分かるだろうとのことだった。
やることは単純で、コミュニケーションを取ればいいとのことだ。
リベラルはオルステッドにいきなり殺気全開で襲いかかられたが、ルーデウスは大丈夫だろうと考える。
彼の周りにはルイジェルドとエリスがいるのだ。
少なくとも、無言で3人を強襲して殺しに掛かることはあり得ない。
ルイジェルドとエリスは彼にとって必要な存在なのだから。
絶対に何言か会話がある筈なのだ。
その際に、ヒトガミへの敵意を見せれば問題ない。
ついでにリベラルに対する誤解も解いてもらえると助かる、と伝えておいたのだ。
「まあ、遭遇すればですけどね」
「僕としては遭遇するのは天文学的確率だと思いますけど」
歴史もずれてしまっているため、ルーデウスの言うように遭遇する可能性は低いだろう。
なので、ただの備えとして伝えただけだ。
「では、私はそろそろ行きますね」
「リベラルさん!」
ゼニスを連れて別れようとしたリベラルだが、呼ばれた声に反応して振り返る。
「母様のこと、よろしくお願いします」
「任せて下さい」
この旅の道中で、ゼニスは皆と関わる時間が少なかった。
というのも、コミュニケーションが取れないからだ。
みんな話し掛けたりしたが、ゼニスの応答は微妙なものばかりだった。
微笑みながらみんなのことを眺めているのだが、どういう風に対応すれば良いのかが分からなかったのだ。
リベラルとしては、ちゃんと治す予定なのでその後に今までの分も含めて接していってくれたらいいと考えていた。
こうして、旅は順調に進んでいった。
Q.ルーデウスが醤油の所在地をしれっと知ってしまったけど大丈夫?
A.普通に輸入品として手に入れるようになるだけで特に影響は受けません。
Q.あの2人!?まさか!!
A.一体誰なんでしょうか。私分かりません。でも中央大陸北部に行ったっきりですもんね。忘れてた訳じゃないよ!
Q.リベラルの料理
A.生前は一人暮らしに困らない程度の腕前だった。たまにネットのレシピから美味しそうなものを作る程度だった。
しかし、リベラルとなってからは故郷の味を追求し、気が付けばグルメ漫画に通用する実力となる。しかし、主人公のカマセで終わる程度の腕前。龍神流の技術を惜しみなく注ぎ込み作られるその料理は六面世界でも有数の美味しさを誇る。実はメシマズリベラルと設定を迷っていたが、どっちでもよかったのでペンを転がして決めた。良かったねリベラル!