なのでできる限り原作に忠実の一人称にしていきます。
あれからわたし達は、ロムちゃんとラムちゃんが誘拐された事をルウィー警備隊に言って、ネプギア、ユニ、えい君を教会まで送って貰った。
「…これで大丈夫よ。」
ネプギアとユニちゃんは別室で簡単な治療、えい君は傷自体は大したことなくパララキシンで治ると判断され、ノワールからパララキシンを打ってもらい、感覚が治ったかの確認の為か、握りこぶしをぎゅーっとして、右ストーレートを放ったよ。
「ネプギアとユニは大丈夫なのか?」
「うん、今別室で治療してもらってるよ。二人とも傷自体は大したことないみたい。」
「そうか…。ブランに、申し訳ない事をした。」
「貴方のせいじゃないわ。私達も、あの時に貴方と一緒に付いて行けばとか、最初からユニ達一緒に行動すれば、未然に防げる場面はあったのだから…。」
「そうそう、えい君一人で抱える必要はないよ。」
「それでも、ブランが心配だ。女神候補生とはいえ、彼女にとっては家族同然の人が誘拐されたのだから。それに、当事者が動かないのは性に合わない。」
「そうね…私達も無関係って訳ではないし、ここで動かないのは女神として失格な気がするわ。」
「そうだね、ここまで来たのだから、誘拐犯捜索に協力するしかないよね!じっちゃんの名に懸けて!!」
「いや、貴方におじいさんなんていたっけ…?それよりも、ベールが協力すると促しには行ったけど、戻ってこないわね。」
「…執務室に行こう。謝らなければならないし、協力できるならした方がいい。」
「よーし、そうと決まれば、執務室に行こう!」
ルウィー教会の執務室に行くことが決まったので、執務室に向かう事にした。執務室前にベールがいて、丁度ネプギアとユニちゃんも一緒だったから、協力の申し出をしようと思ったんだけど…。
「ご、ごめんなさい…ブラン様の命令で、誰も通すなと…。」
予想外だった。普段から堅い所もあるけど、ここまで堅いブランは初めてだった。ルウィーの教祖であるミナさんなら、通してくれるかと思ったんだけど、まさかの誰も通すなという命令を忠実に熟していたよ。
「えぇ?わたし達女神仲間なんだからいいでしょ?」
「それが、例え女神様でも通すなと…。」
「どういう事だ。仮にも俺達は、ロムとラムを預かったのだから、責任はある。」
「そうです、せめて謝らせて下さい!」
「ロムとラムが誘拐されたのは、アタシ達のせいなの!」
「既に、警備兵を総動員で捜索に当たっています。どうか、御理解を…。」
「それは知ってるわよ!!でもどうして!!」
そんなわたし達の嘆きに対して、ブランは扉越しから話しかけてきたけど、協力的なものじゃなかった。
「帰って…貴方達は何時もいい迷惑よ。それに、誘拐を阻止できなかった人の協力なんて、信用にならないわ…。」
『………。』
「ブラン…その言い方は―――――」
「いいから帰って!!…ミナも、通常業務に戻って。暫く一人になりたい…。」
「は、はい…。」
そう言われてしまい、各々中庭に向かう事になった。
【ルウィー教会:中庭】
「こんな非常事態に、意地を張るなんてどうかしてるわよ…!」
「素直じゃないのは、ノワールの特権なのにねぇ。」
「貴方、時と場を考えなさいよ…。」
おっとっと、流石に空気読んだ方がよかったみたい。ノワールが明らかに怒りマークが出てきてもおかしくない表情になってる。
「あの、皆さん…実は…ってあら、永守さんは?」
『え?』
ベールの質問に対して、全員が周りを見渡す。さっきまでいたような気がしたんだけど、いつの間にかいなくなってる。だけど、ネプギアだけは、とある場所を見ていて話しかけてくる。
「お姉ちゃん、永守さんならあそこに…。それに、あれ…なんだろう。」
「…んん?」
ネプギアが見ているのは、丁度ブランがいる執務室。ブランの横にえい君の姿がいる。ここまではまだいいんだけど、見覚えのない3人がいる。2人の黒人は照明とカメラを持っているのに気づく。
「これは…見に行った方がいいかもね。」
そう言ってわたしは執務室まで走り出した。
【ルウィー教会:執務室(数分前)】
「ロム…ラム…ごめんなさい、わたしのせいで…。わたしが、姉として…もっと、ちゃんとしていれば…。」
わたしは、今にも押し潰されそうな気持ちで歩いている。ネプテューヌ達には酷い事を言ってしまった。それでいて、永守は協力も促してくれた。だけど…それは出来ない。こんなみっともない姿を見せるわけにはいかないし、彼女達に預けてれば安心と考えた、わたしの判断にも責任はある…。ルウィーで起きた事は、わたし一人で解決しなければならない。
「何とかしなきゃ…何とか…。」
「…何とかするなら、何故俺達を頼らない。」
「…!?」
突然、後ろの方から声が聞こえた。立ち去ったはずの永守がそこにいた。
「永守…いつの間に…!!貴方、なんでここに居るの…!!」
「無礼なのは分かっている。それに、身内が誘拐されたという気持ちは分かる。」
救いの手を差し伸べてくれるのを待っていたのかもしれない。でも、今のわたしは視野が狭くなっている。今のわたしにとって、彼という存在は邪魔でしかない。
「出てって…貴方には関係ないわ。これは、わたし一人の問題よ…。」
「何故そこまでして一人で解決する事に拘る。」
「貴方に…何が分かるっていうの…!!」
「…全ては分からない。だが、俺達はお前の事を心配しての行動だ。ネプテューヌも同じ気持ちのはずだ。」
「五月蠅ぇ…!出てけっつってんだろ!!」
バチーンっ―――
今のわたしは、怒りや悲しみ等が混ざった複雑な感情を抱いている。今の永守は目障りにしかなかった。冷静でないわたしは、彼の頬に向けて思いっきり裏平手打ちをしてしまった。そして罪悪感と疑問の感情が生まれる。一国を支える女神であろう者が、一般人に向かって暴力を振るってしまった事。そして、大振りで雑な裏平手打ち、永守なら避けたり、受け止めたりできるはずなのに、何もせずに裏平手打ちを受けた。彼の口元から血が出ている。
「…!!な、なんで―――――」
「何故、避けなかったと…避ける気がなかったからな。気が済むなら殴ればいい。それでロムとラムを探す案が生まれるならな。」
「………。ごめんなさい。わたし、なんてことを…。」
彼は手で血を拭ってわたしの近くまで来た。相変わらずの無表情だが、怒っている感じは全くしなかった。
「妹達が誘拐され、平常心を保っている方が可笑しな話だ。」
「それでも、貴方に手を出したことは事実…。」
「友達や、仲間だからこそ許せることもある。分かち合えることもある。」
「友達…仲間…。」
「そうだ。何の為の友好条約だ。なんでネプテューヌ達が協力をしたかったか…。ブラン、お前は一人じゃないだろう。あくまで、俺が思う友好条約の解釈だが…。」
「貴方、一国の女神に偉そうに言える立場だったかしら…?」
「そりゃごもっともな回答だ。誘拐を阻止できなかった奴からのアドバイスは特にな。」
「そうね…。でも、有難う。」
彼の言う事は一理ある。“女神戦争”で争っていたが、今は友好条約で結ばれた関係である。だからこそ、今ベールとあの計画を進めている。あの計画を――――
「そうだ、あれを使えば…!!」
わたしは閃いた。丁度、リーンボックスと共同で行っている計画がある。それを使えば、ロムやラムの居場所が分かると思いついた。
「探せる方法があるのか。」
「ええ、一つあるわ。早速――――」
そうして行動に移そうとした直後だった。執務室の扉が横スライドで開く。
「ガラっ!!み~つけた!!」
「!?」
「照明にカメラ…。取材か?」
永守の言う通り、マイクを持った小さい少女と、カメラと照明を持つ黒子が此方に向かってくる。
「だ、誰?」
「私はアブネス!幼年幼女の味方よ!!」
彼女の名前に聞き覚えがない。永守の方に顔を向けるが、彼も首を横に振る。執務室前は兎も角、今教会にいるネプテューヌ達以外は、許可無しに教会内へ通すなと命令はしている。つまり、この3人は不法侵入したと考えつく。
「大人気番組、“アブネスちゃんねる”の看板リポーターじゃないの。知らないの?」
「ああ、知らないも何も、俺は一ヵ月と少し前にゲイムギョウ界に来たからな。」
「一ヵ月前に…?ふ~ん、なるほど。貴方がギルドで噂になっている…。まぁ、後で詳しく聞かせて貰うわ。それより今はこっちよ。中継スタート!!」
「中継…?」
最初は、何を言っているのか分からなかったが、カメラ担当の黒子が持っているカメラが赤くRECと点灯し、照明が向けられている事で理解した。
「全世界のみんなぁ!!幼年幼女のアイドル、アブネスちゃんでーす!!今日は、ルウィーの幼女女神、ブランちゃんの所にきてるゾ!」
こいつ、本気で中継を始めていやがる。しかも、不法侵入してきた輩にだ。おまけに好き勝手に言われ、無性に怒りが込みあがってくる。
「おい、てめぇ…いい加減に―――」
「ところで、妹のロムちゃんと、ラムちゃんが誘拐されたって噂はホントなのかな?そこのとこどうなってるのかな?ブランちゃん!!」
「な…!どうしてそれを…。」
「ブランっ…!!」
彼女の予想外な返答に対して、思わず驚きと本音が漏れてしまう。ロムとラムが誘拐された事は、ネプテューヌ達とルウィーの教会内部の者以外には極秘となっている上に、誘拐された人物の名前も極秘である。幾ら頭のネジが緩いネプテューヌでも、女神を蹴落とすような情報漏洩はしない。だが、アブネスはロムとラムの名前、そして誘拐されたという情報を何処で入手したのか、知っているかどうか別として反射的に答えてしまった。そこに永守が声を掛けた事で“ハッ”と我に返る。その反射的に答えてしまった事が不味かった。アブネスの質問に対する疑問が確信に変わってしまった事を意味する。
「ホントなんだ!!アブネス、心配…。で、可愛い妹を誘拐された気持ちはどうなんですか?」
「っ…。」
「つまり、妹達が誘拐されてしまったのは、貴方の責任ってことですね。ブランちゃん。」
「そ…それは…。」
「見てください、この幼女女神はなーんにも釈明してくれません!やっぱり、幼女に女神なんて無理です!!幼女は、お遊戯とかして、伸び伸びとするべきなんです!!」
極秘だったとはいえ紛れもない事実を言われ、反論する言葉がなくわたしは黙り込んでしまう。
「むぅ…何さ、あの幼女。」
ネプギアが執務室の窓際にブランとえい君。それとカメラと照明を持った謎の黒子が見えたことで気になり、執務室の扉を少し開けて様子を伺っている。
「確かに、あれじゃ虐めじゃない。」
「ブランさんが可哀そう…。」
「あの方は、一体何を考えているのかしら…。」
「なんだか、イライラしてきたわ…。」
わたし達5人共、考え方は違うけど、ブランを心配しているのに変わりはない。あれじゃ公開処刑と同じだよ…。そんな時、ブランの隣にいたえい君が、何か呟いたように見えた後、黒子のカメラをえい君自身に向けたのが見えた。
「ちょっと、貴方何してるのよ!!」
「ルウィーの国民の皆様。この度は、混乱を招くような事態を起こしてしまった事を、お詫び申し上げます。」
そう言って、えい君は幼女の声を無視しつつ深くお辞儀をした後、また語りです。
「今回、ルウィーの女神であるブラン様から、直々にロム様、ラム様の面倒を命じられた者です。アブネスさんの言う通り、誘拐された事は事実です。そして当時、誘拐現場に居合わせていたにも関わらず、お二人の誘拐を阻止できなかった事は、私の全責任であります。」
最後の言葉を聞いてわたし達全員は驚いてしまう。まるでブランだけでなく、わたし達の責任分を全て請け負うかのような発言だった。
「ですが今回の件で、もブラン様も大変お二人を心配ており、悲しんでいます。それでも、ブラン様は全力を尽くしている限りです。…必ずお二人を見つけ出し、皆様にお元気なお二人の姿を見せれるよう、努力致します。そして、今まで女神様が齎した恩義を仇で返さず、ご協力して下さるようお願い申し上げます。」
そして、えい君は再び頭を深々と下げていた。ブランも何かえい君に向けて呟いているのも見えた。
「…なんの心算か分からないけど、話は分かったわ。つまり貴方は、今回の誘拐事件の首謀者を見つけたにも関わらず逃したってことよね。なら、貴方から聞いた方がいいわね、カメ―――――」
「こらぁ、何やってるのぉ!!」
一方的に攻められている二人(えい君は自分から追いやってるけど)を見ている事に、我慢の限界を迎え、ノワール達の待ってを無視してカメラ担当の黒子を退かし、幼女の前に立つ。
「ネプテューヌ…何で…?」
「ネプテューヌ。お前…。」
「何よ貴方、邪魔しないで。」
「そっちこそ何さ。わたしはネプテューヌ…プラネテューヌの女神だよ!!」
「プラネテューヌの女神ぃ…?」
「あぁ…信じられないだろうが、彼女はプラネテューヌの女神だ。」
…今、えい君がさりげなく釘を刺してきたような気がしたけど気にしない。そして、幼女はわたしを見定めているかのようにマジマジと見ている。
「ふぅん、外見は少女とも言えなくもないけど…。でも体が未発達だわ!貴方は幼女、幼女認定よ!」
「…これは、おま言うというべきか?」
えい君、ナイス発言!!その発言には乗らざるを得ないね!!
「そうだそうだ!わたしより小さいのに、幼女なんて言われたくないよーだ!!」
「な…!わ、私の何処が幼女って言うのよ!!」
「そうでしょ!わたしより一回り小さいんだから、幼女に違いないでしょ!!」
「何よ!幼女って言う方が幼女なんだからね!!」
「それならそっちが幼女だね!先に幼女って言ったのはそっちだもん!!」
「ぐぬぬぬ、また幼女って言ったぁ!!ムキーーーーー!!」
わたしと幼女が言い争っている中、ノワールとベールがカメラ担当と照明担当の黒子を追い出していた。ナイスファインプレー!!
「あぁ、こら!!なんてことしてるのよ、営業妨害よ!!」
「営業妨害か…アポ無しで、事前説明も無しの放送の方がよっぽど法的にどうかと思うが?」
「何よ、これは取材よ!犯罪ではないわ!!」
「ちょっと何それ、それじゃ自分は悪くないって言いたいの?」
「ええそうよ!それにそっちもそっちよ!誘拐と言う事実を隠してたのだから、そんな事言える立場なの?」
そんな時だった、その場にいる全員がえい君を見た。なんとも言えない、不気味な雰囲気が漂っていたから。
「(あ、あれ?もしかして、えい君怒ってる…?ていうかちょっと待って、えい君の両手が凄い力入ってるんだけど?)」
「お前は、そんなにルウィーが嫌いか…?そんなに女神が嫌いか…?そんなに、女神を蹴落とすのが好きか…?」
「な、何をどう言われようが、ゆ、誘拐された事は事実じゃない…!!」
「誘拐という事実は覆せない…。だが、誘拐されて一番悲しんでる相手に、追い打ちを掛けるような事して、お前は何にも思わないのか…?」
「で、でも事実は事実な―――――」
「事実だろうが、言っていいことと言ってはいけない事があるだろう。それに、お前は俺の恩人…俺達の大事な仲間の心を踏みにじった…。」
『え、永守さん…?』
「え…あ…。」
ネプギアとユニちゃんが、何かを感じたのかお互い手を握って震えている。幼女もそれを感じ取ったのか後ずさりをしている。そして、わたしは見てしまった。多分忘れる事のないであろう、あの目を。
「さっさと失せろ…。じゃないと、俺はあんたを…。」
左手で顔を覆い被さると同時に、強烈な威圧を一瞬だけ感じた。明らかな殺意と、その瞳からは今までのえい君とは思えない恐ろしい目をしていた。まるで、平気で人殺しを、悪魔が友のような目を…。わたしやネプギア、ユニちゃんはそれを見て腰が抜けてしまった。ノワールやベールも壁に背を向けて動けなかった。
「きょ…きょきょ今日の所はこ、これくらいに、してあげるわ…!!」
そう言って、幼女は黒子の後を追うように逃げていった。それを見終えた後、えい君は自分の額を思いっきり殴ったので、わたしは、普段では見ない行動に驚いてしまう。
「俺は…一般人に何やってんだ…。」
「あ…あ…。」
「ねぇベール…普段怒らない人を怒らすと怖いっていうけど…。」
「あれは…それとは比にならないと思いますわ…。」
いやホントそれだよ。今まであった敵の中で、こんなに怖いと思ったのは無かったよ。それが、まさか身内にいるなんて…。でも、その後の顔をみたら、何時もの無表情のえい君だし、えい君はえい君だと思う。それよりも…。
「えい君~…手貸してぇ…腰が…。」
「あ、ああ…。」
そうして、わたしは差し出されたえい君の手を掴んで何とか立ち上がる。
「うぅ、まさかえい君が厨二病的なものを解放するなんて…。」
「厨二病は置いといて…すまなかった。ネプギア、ユニ、立てるか?」
「う、うん。何とか…。」
「でも、あれはアタシ達の前でして欲しくはなかったわ…。」
「す、すまん…。ブランも済まなかった。出しゃばり過ぎたことを…ブラン?」
えい君がブランに声を掛けた後、何かを感じたかのように言い、わたし達全員がブランに方を見る。顔を俯けたまま動かなかっただ。次の瞬間、ブランがフラッとなり倒れ込もうとする。ネプギアとユニちゃんが、何とか倒れる前に体を支えてくれた。ブランの状態を見ると、心なしか、呼吸が乱れてて疲れたような表情をしていたよ。心配になりブランの元にみんな集まる。えい君はブランの首元に指を添えている。
「ブラン…!!」
「ぶ、ブランさん!!」
「しっかりして、ブランさん!!」
「もしかして、今の中継を見た国民達の影響で、シェアが減った…?」
「シェアが減ると、女神は力が出なくなっちゃうもんね。」
「それにしては早すぎるわ。」
「確かに、脈拍は高いな。判断は難しいが、疲労かストレスか、或いは前者のシェアの影響か…兎に角、職員に伝えて休ませた方がいい。」
「皆さん…。」
周りが心配している中、ベールが突然わたし達に向けて話しかけてきた。
「方法があります。ロムちゃんと、ラムちゃんを見つける方法…。」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
ネプテューヌの新作の情報が公開されていましたね。
しかしPS4…持ってないorz