超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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Steamのセールが来てるので適当に調べてたら、”VSセガハードガールズ”がリストに上がっていて、今月中に配信予定!これは買わざるを得ない!現時点では英語のみだがorz


Scene18 漆黒の狂気~動き出す歯車~

 

 

 

 

あ、ありのまま今起こっている事を話すぜ…。

えい君に急に押し倒され、驚きと恥ずかしさはあったけど、丁度わたしの横を何かが横切っていったと思ったら、ジン君の肩に矢が刺さってるし、正面を見たらわたし達の女神化した状態にそっくりな人が立っているんだよ。あ、頭が可笑しくなりそう…新しい女神が現れたとかそんな情報を聞いた事なんてないし、えい君の表情からしてそんな事はあり得ない感じだよ。

 

「がっ…!くそ、肩の骨に食い込んで中々取れない…!」

「下手に取ると大出血するぞ。」

「くそ、どこかの壁に肉はないか!」

「え、それをどうするの?」

「食う!食えば体力が回復する。」

 

な、何を言ってるんだろ…。兎に角、目の前の女神は“敵”として見ていいのかな?

 

「お前は、何者だ?」

「………。」

「喋る気は無いか…。仕方ない、俺が時間を稼ぐ。ネプテューヌはその間に女神化してくれ。イストワールに連絡はその後だ。ジン、お前は何処か隠れて傷を癒せ。」

「ああ、そうさせて貰う。」

「えい君、無茶しないでね。」

「わかってる。」

 

そう言って、えい君はガントレットとグリーブをコールしつつ某野菜人が金髪になるかのような動きをし、えい君の服や髪が靡いているのが分かる。明らかにえい君の戦闘能力が上がっている感じだね。そうしてえい君が謎の女神に突っ込んでいく。おっと、解説している場合じゃなかったね!

 

 

「あーもー!ゲイムギョウ界の平和を乱すなら、他国で暴れてでも許さないよ!変身~!」

 

 

えい君の御陰で無事わたしは変身する事が出来たわ。しかし、驚いたのは、彼女は接近戦もある程度得意なのね。何所からともなく出している矢…というより大きさも変えられるようで、それは矢というより“槍”に近いわ。それを振り回したり突いたりしてえい君の攻撃を弾いているわ。

 

「変身したか。」

「お陰様でね。少し触れ合った感想は?」

「力はあるが、戦闘経験が少ないようだ。至る所で力の分配が上手くいってないから、そこに隙はある。色々聞きたいことがあるから、峰打ちで頼む。」

「流石ね、えい君。それじゃあ、わたしもあの子からは色々と聞きたいからね…!」

 

そうして、わたしとえい君は敵意剥き出しの女神に接近戦を試みる。それを察したのか、向こうは複数の矢を持ち同時に撃ってくる。そして女神化しているからか、その動作一つ一つが早く中々接近する事が出来ない。しかし、えい君が言った通り、戦闘慣れしていないのか、力を制御しきれていないのか、矢一発一発の威力にムラがある感じがする。

 

「これは、強引に行った方が早そうね。」

「100%とは言えないが、現状切り札は無さそうだ。それにタダ操られてる感じもする。」

「切り札が出た時は、その時…よ!!」

「…全く、女神化すると好戦的になるな…。」

 

えい君が何かぼそっ言ったような気がしたけど、わたしの後ろに着いて来るように突っ込んでいく。急に全力疾走のように突っ込んで来るのを予測していないのか、余裕からなのか、機械のようにさっきと同じような、矢を高速で撃ってくる妨害攻撃をしてくる。えい君は地上からジグザグに動いて的を絞らせないようにし、そしてわたしは上空に飛び上がり狙いを分担させる。飛び上がったと同時にその女神はわたしの方を見上げるように構えてきた。

 

「余所見してると、痛い目みるぞ。」

 

えい君が炎の玉を連続で放つ。標準を地上に向けて、飛んできた火の玉を矢でかき消している…けど…

 

「隙だらけよ!!」

「!?」

 

奇襲攻撃のように上空から飛び降りるように左肩目掛けて峰打ちを仕掛ける。綺麗に決まったその一撃で、左手に持っていた弓を落とした。そして空かさず、えい君が首元目掛けて右手刀を放ち、左手で顔を掴み足を掛け、綺麗な燕返しでそのまま押し倒す…というより地面に叩きつけてる!

 

「ちょっと、やりすぎじゃない…!?」

「…手加減はした。」

 

いやいやいやいやいやいや…手加減したという割には、アスファルトにヒビが入ってるんですが、それで手加減したってのはちょっとどうかと思うわ!…でも、冷静に考えれば相手は女神で、体も頑丈になる…確かに覗いてみるとあまり傷ついているようには見えないのが分かる。…こう考えるわたしも鬼かな。そして、気絶したのか女神化が解ける。女神化が解けた為か姿が変わる。黄緑色の某魔法少女のような長いポニーテール、黄色いラインが入った緑色のパーカー、白色のスカート…あ、スパッツ穿いてるわね。兎に角、変身が解けた後はわたし達と変わらない普通の女の子って感じね。具体的には、変身前はノワールっぽい、女神化時の体格はベール、プロセッサユニットはブランっぽい感じがするわね。そんな事を考えていると、えい君が驚いている。

 

「この女、まさかな…。」

「知ってるの?えい君。」

「フェリーの駐輪所で似たような奴とすれ違った事がある。恐らくそうだろう。」

「終わったか?」

「ジン君。こっちは終わったわよ。」

「…矢は刺さってないが、治療したのか?」

「ああ、肉食って回復したぜ!」

 

…うん、あんまり追及しない方がよさそうね。変身を解き、いつも通りに戻る。

そうしてるとえい君が、倒れてる女の子に寄って、何か拾い上げる。何を拾ったんだろ?

 

「えい君、何拾ってるの?」

「ああ、何か引き寄せられてしまってな。」

「…なんだそれは…。」

「ごめん、えい君。それ余りこっちに向けて欲しくない…。」

「どうした…?」

 

見た目は凄く濃い赤色のルビーって感じがする。えい君はこれが彼女を操っていたんじゃないかと思っているみたい。ただ何だろう、凄く禍々しい感じがして、吸い込まれてしまいそうな…正直あまり見続けたくないし近づけて欲しくないなぁ…。ジン君もちょっと青ざめた感じであまり手に取りたくないって感じしてるよ。理由は分からないけど、わたしとジン君は拒絶反応的な感じなのに対して、何でえい君だけ何とも思わないんだろう。それに何だろう、えい君はその宝石のようなのに見覚えがあるかのような反応をしている。

 

『な!?』

 

そんな会話をしていると、えい君が持っていた“それ”は突如浮かび建物の奥の方へ飛んでいく。

 

「やれやれ、女神の力を持っているとはいえ、やっぱ相性を確認しとくべきだったね。それに、戦闘慣れしてない人を操っても結果はこれじゃあねぇ。ま、分かってたけどね。」

 

ビルの陰から、わたしと同じくらい…いや、ちょっと高いかな?の少年がひょいっと現れる。えええ!ここにきてまさかの新キャラ登場!?…そう思ってたけど、えい君とジン君を見ると、驚きと殺気に満ちたような表情になっている。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

俺は倒れている女の首下から、赤い宝石のような石を取る。無闇に掴むのもあれだが、見てみないと分からない事もある。だが、握った瞬間、この石から強力な闇の力が漂っているのが分かる。ネプテューヌとジンが拒むのも仕方ない。それだけの力が…特に女神に取っては真逆のエネルギーだ。

 

「(まさかと思うが…この石は…。)」

 

そう考えていると、石が浮かび上がりとある建物の影へと向かっていく。そして、そこから現れた人物は、今出て欲しくない上、場をややこしくする奴だったからだ。

 

「…エンデ。貴様、何故ここにいる。」

「んん?来ちゃ行けない雰囲気だったかな?ボクの私物を取りにきただけなのに。」

「な、何?この感じ…。あの子から…?」

「ふーん、女神もご一緒かぁ。」

 

正直、今の状況では会いたくない奴が現れてしまった。

 

「まさかと思うが、その石は…深紅の石か?」

「へぇ、この石の事を知っている…というより名前だけ知っている感じかな?」

 

俺の持っている情報を知っているかのように話す。確かに今の俺は、その石の名は聞いたことあるが、具体的な能力は何なのかは不明だ。今の状況は不味いと思い、俺はNギアを取ってリーンボックス教会に救援の連絡をする…。

 

「ベール、俺だ。」

≪永守さん…?≫

「…不味い事になった、至急応援を…。」

≪あ、あの。永守さん。何か言っていますの?聞こえているなら返事をして下さいまし。≫

「………。」

 

俺はそっとNギアの着信を切る。何かしらの電波障害が起きているのか、着信は出来るが連絡先に音声が通らないようだ。ネプテューヌも教会に連絡を入れようとするが、そっちは着信音が虚しく響いているだけだった。そもそも可笑しいのは、俺があの女を叩きつけた際の騒音はあえて聞こえるようにしたのだが、全く観衆が来ない事も不自然だった。

 

「ふふん。無駄だよ。外部との連絡はまるっとカットしてるよ。」

「随分と手の込んだことを…。」

 

応援を呼ぶことが出来ないこの状況…さぁどうする。相手の要求はなんだ…?そうしていると、エンデに向かって鞭が飛んでいきエンデの腕に巻き付く。そこには怒りの形相をしたジンが立っていた。

 

「ジン…!?」「じ、ジン君…?」

「おや、誰だい君は?」

「エンデぇ…、忘れたとは言わせねぇぞ…!!」

「ジン、止せ!!」

「…用があるのは永守だけなんだけどね…。悪いけど、遊んでる暇はない…よ!」

「な…!!」

「ジン君…!」

 

エンデは、鞭が巻き付いた腕を強引に引っ張ったと同時に、ジンがエンデの方まで持っていかれる。そして奴が左手を前に突き出したと同時に、ジンの腹部を何か鋭利な刃のようなもので貫かれている。

 

「がはっ…!!」

「はい、御終い。壊れた玩具に用はないよ。」

 

そしてエンデは乱暴にジンを裏路地の出入り口のところまで投げ飛ばす。

 

「そ、そんな…ジン君が…。」

「大丈夫だよ。壊れちゃっただけで死んではないよ。」

「…なんて力だ…。」

 

片腕のスナップだけで俺達の頭上を通り越して向こう側に放り投げている。地球で最後に戦った親玉とはまた違った能力のようだ。全く、俺はとんでもない奴に目を付けられてしまったようだ。そして、エンデが一歩ずつ此方に近づいてきている。それを見たのか、ネプテューヌは再び変身し俺の前に出てくる。

 

「動かないで!それ以上近づくのなら、叩き斬るわよ!!」

「それは女神としてかな?それとも何か特別な感情でも?」

「…両方よ。確かに、わたしとえい君は出会って数ヵ月だけど、それでも見捨てるわけにはいかないわ。」

「…ふぅん。できれば、僕も武力行使はしたくないけどねぇ。」

「ネプテューヌ。ジンの様子を見て来てくれ。」

「ダメよ、貴方一人にする訳にはいかないわ。」

「奴の目的は俺だ。それとも何だ、近くに瀕死状態の人がいるのに、そっちを助けないのか?」

「で、でも…。」

「前にも言ったろ。お前は女神だ。俺一人に拘る必要はない。それとも何だ。俺がこんなところでやられるとでも思っているのか?」

「…分かったわ。でも、無茶だけはしないで。それと、約束守ってよ。」

「分かっている。」

 

ネプテューヌはジンの方へ走っていった。

 

「話が纏まってよかったよ。」

「エンデ、貴様の要求は何だ?」

「ふふ、じゃあ話をしよう。要求は至って簡単だよ。君が此方の傘下になる事。そうすれば、僕はゲイムギョウ界から手を引くよ。どうだい、悪くない話でしょ?」

 

…確かに、話としては悪くない。俺一人が犠牲になれば全てが丸く収まる。だがな、俺は仲間や亡くなった市民達に誓っている…。

 

「さぁどうする?気が変わらない内に早く答えちゃいなよ。」

「…お前の話。悪いが、お断りだ。どんなに誘われようが、俺は闇には落ちない。それが、俺の選んだ道だ。」

「ふぅん?じゃあ仕方ない…。少し痛い目に遭ってでも来て貰うよ!」

「生憎だが、そう簡単にはさせるか。」

 

俺はガンホルスターからリボルバーを取り出し、エンデに向かって数発撃ちこむ。しかし、奴が手を前に出すと魔法障壁のようなものにより銃弾が止められてしまう。

 

「そんな豆鉄砲、僕には通用しないよ。」

「なら、これはどうだ!」

 

弾を込め直し、一度ガンホルスターに戻し早打ちスタイルで撃ち込む。やはり魔法障壁にのようなものに防がれてしまう。

 

「何度やっても無駄だよ。」

「便利だな、通販で買ったのか?」

「さぁ、今度はこっちの番だよ!!」

 

エンデが此方に接近をしてくる。だが、その速度は尋常ではなかった。限界突破(オーバードライブ)状態では、周囲がスローモーションに見えるだけでなく、相手の筋肉の動きもある程度把握できる。だが、そんなスローモーな状態にも関わらず、現実と同じくらいの速度で接近してきている。右手から水平に何処からともなく出した鋭利な刃物を回避するが、そこからショルダータックルを仕掛けてられ避けることが出来ず直撃してしまう。その威力は凄まじく、45度斜め上に吹き飛び路地裏のビル壁に激突し、壁に寄り添う形で地に足を付く。

 

「ぐっ、なんてショルダータックルだ…。悪魔なんか止めてアメフトでもやったらどうだ…。」

「今の攻撃を受けてまだ立っていられるんだね。じゃあ、これはどうかな!」

 

そしてエンデが腕を前に突き出すと同時に、此方に何か細長い棒状のものが1つ迫ってきている。爪…いや、骨、奴の骨が伸びてきている!!壁を背にしながら横にサイドステップし避ける。此方に向かってきた骨が壁に突き刺さっている。

 

「…おいおい、誰が弁償するんだよこの壁修理代。」

「ふふ、減らず口だね。何時までその余裕を保っていられるかな?」

 

今度は両手を前に突き出してきた。そして手だけでなく、手首や腕からも骨が剥き出しになり此方に伸びてくる。それを横にローリングしつつ回避しつつ、スライディングで奴の近くまで滑り込みアッパーを入れる。

 

「何…!!」

 

ここで想定外の事が起きた。奴がすっと避けるまでは想定していた。だが、今度は脇腹から片方4本、計8本骨が突き出され拘束されるように挟まれ壁際まで運送されてしまう。それだけでは終わらす、絡まっている骨が収縮し、俺の肉体にめり込んでいく。

 

「ぐぁ…!!」

「驚いたよ。まさか人間でありながら僕の近くまで来れるなんて。やはり人間って面白ね。…いや、君が凄いって言った方がいいのかな?」

「だから何だと言うんだ。このまま二人でハワイに行くとかいうんじゃないだろうな…。」

「こんな時にでも冗談を言うんだね…まぁいいや。悪魔の契約(ディアボロス・アグレメント)しちゃえばそんな余裕言ってられなくなっちゃうんだから。」

 

そう言って、エンデは右手の指5本の先端を噛み血が流れているのを見る。それを、俺の胸元に押し付けてくる。そして、奴が呪文のようなものを唱えている。それが始まったと同時に、俺の体に何かが流れ込んでいく…!

 

「な、なんだ…これは…!!」

 

全身に何か…エンデの肌に刻まれている紋章のようなものが少しずつ浮かび上がっている!!肌が焼けるような痛さが伝わっていく上に、体の奥底から何かが沸き上がってくる…!!それに、何かの映像、記憶も流れ込んでくる…!!

 

「ぐ、が…あぁ!!」

「へぇ、普通だったらここで落ちてるのにしぶといね。でもやめないよ………ん、これは!?」

 

そう言うと奴は急に拘束を外し一歩後退する。

 

「まさか、女神の加護を受けているのか…。」

「…何を…言ってやがる…?」

 

そんな時だった。

 

「えい君から離れろおおおおお!!!!」

 

怒りの形相で向かってくるネプテューヌがエンデに接近していた。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

えい君に言われた通り、ジン君の方へ行き怪我の状況などを見る。

 

「ね、ネプテューンさんか…。」

「酷い…腹部を貫通してる。でも、出血はそこまで酷くはないわね。」

「す、すまないが…、手を、貸してくれ。」

「どうする気?」

「俺の、力を使って、ここの結界を、壊せるか試す…。」

「そんな、その怪我じゃ無茶よ!」

「だが、このままじゃ、俺達3人は…犬死に、するような、物だ…。なに…上半身を、立たせるだけでもいい…。頼む…仲間を救う為だ…。」

「…分かったわ。」

 

出会って間もないから、信用も信頼も難しいけど打開策が無い以上、ジン君に任せるしかなさそうね。仰向けに倒れているジン君を、ビルの壁側へ移動させる。

 

「助かる…。」

「…そっちは任せたわ。わたしはえい君の所に戻るわよ。」

「…ああ…。」

 

そう言い残し、わたしはえい君の方へ戻ろうとした時だ。

 

「ぐ、が…あぁ!!」

「へぇ、普通だったらここで落ちてるのにしぶといね。でもやめないよ………ん、これは!?」

 

化け物がやりそうな方法で拘束されてて、更に不吉な事をえい君にしているエンデを見る。やばい、止めなければ…。自然にそんな思いが過ぎり体が動いていた。止めなければ…“えい君が、えい君じゃ無くなる。”…そんな気がしたから。低空飛行の状態でエンデに向かって飛んでいく。そんな時、どういう訳かエンデはえい君から離れ攻撃のチャンスが出来た。

 

「えい君から離れろおおおおお!!!!」

「うぉあ!!!!」

 

手加減無しの渾身の一撃をエンデに向かって放ちクリーンヒットする。その勢いでエンデはビルの壁に激突し、砂埃が舞い上がる。それを見たわたしはえい君の安否を確認する為、後ろにいるえい君の方へ顔を振り向かせる。まるで紋章印を象った火傷をしたような後が右腕にあり、痛みを覆い隠すかのように左手で強く握っているのがわかる。しかし、わたしはえい君の目をみた瞬間、開いた口が閉じない状態になっている。

 

「えい君、大丈夫!?」

「あんまり良くないな、左腕の骨にヒビが入ったかもな…。」

「え、えい君…その目…。」

「…目が、どうした…?」

 

えい君の体は見た感じでは異変など起きていない。でもどういうこと…えい君の目…左目が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたし達が女神化する時と同じ”女神化時の瞳”をしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、えい君の突然の変化を目の当たりにしたからか、エンデの確認を怠ってしまったのだ。

 

「ネプテューヌ、後ろだ!」

「隙だらけだよ…!」

「え…!?きゃあ!!」

 

エンデが張り手のようにわたしに向けて手を向けたと同時に、壁際まで吹き飛ばされる。まるでえい君が使っていた“発頸”のような攻撃をしてきた。腹部に腕が貫通したかと思うほどの強烈な衝撃を受け、壁に衝突して座り込むような体勢になってしまう。プロセッサユニットじゃなかったら復活アイテムキボンヌ状態になっていた所だったわ。

 

「ねぷぅ!変身が!!」

 

なんということでしょう、あの時のノワールみたいに変身が解けちゃった!力を使いすぎた訳でもないのに…。しかも、立ち上がろうにも腰が抜けたかのように立てない。

 

「へぇ、ちょっと借りてきたけど、あのオバサンも使えるようなの持ってるんだね。」

「い、一体何の話…?」

「まぁいいや。あのオバサンが倒す予定とか言ってたけど、ボクの計画としては邪魔な存在だし死んでも問題ないよね。はい決定、消えちゃえ。」

 

あ、これは不味いと思っちゃった。こっちに向かって鋭い何かが飛んできて、思わず目を瞑ってしまう。ごめんね皆…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、暫くしても何も起きない。というより一瞬だけフワッした感覚がしたのは驚いた。恐る恐るわたしは目を開けると、信じられない光景が目に映っていた。

 

それは、わたしが本来いた位置にえい君が居て、エンデに串刺しにされていたのだった…。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

「そんな…え、えい君…!」

 

動けないネプテューヌが涙を溢しているように見えた。テレポートの亜種…。有効範囲が短く、発動まで時間が掛かる上に1・2回が限界だが、俺の位置と念じた対象者の位置を入れ替える事が出来る。ネプテューヌ…いや、女神はやられてはいけない存在だ。だが、今の俺にとっては女神としてでは無く、この世界の事を右も左も分からない俺に色々と教えてくれた命の恩人だ。そんな存在を傷つける事は許さない。咄嗟(とっさ)に入れ替わった代償として、エンデの骨による串刺しを左肩、右胸、左横腹、右太ももを貫通しており、身代わりのように受けてしまう。急所は運良く避けているようだが、奴は容赦なく此方に接近してくると共に、深々と刺さっていく。

 

「ぐっぅ、ぁ!」

「驚いた。まさかそんなのも使えるなんて…それに、なんで死なないの?」

「生まれつき丈夫なんでね…。」

「面白いね、手足が無くなっても生きてるか試してみようかな?」

「そいつは断る。」

 

エンデが喋っている間に、念じる余裕が十分にとれた。動ける右腕を使い火と風の念力を融合させた力を奴の右肩に当て、大爆発が起きる。だが、その爆発は普段使う時の爆発よりも遙かに強く、爆発による衝撃を防ぐことが出来なかった。エンデも今の爆発で相当吹き飛んだようで、刺さっていた骨がすっぽりと抜けているのだが、ダメージが蓄積しすぎた為に思わず仰向けに倒れてしまう。

 

「えい君…!良かった…無事じゃ無いけど良かった…!!」

「抱きつくな…血が付くし…イテェ…。」

 

恐らく今の攻撃で奴も無事では居られないはずだ…。こっちは満身創痍で体を起こすことも難しい。

 

 

 

「まさか…これほどの力があったとはね…驚いたよ…。」

 

 

 

目の雨に映る光景が信じられなかった。奴は、右腕から胸部が吹き飛んで欠損しているにも関わらず、ゆらりと立ち上がっている。

 

「う、うそ…。」

「…本当の、化け物…だな。」

「これでも結構痛いんだよ?まぁ、君達には分からないか。…ん?」

 

 

 

「やあああああああああああ!!」

「たあああああああああああ!!」

 

 

 

そんな時だ。俺とネプテューヌを飛び越えるように2つの影がエンデに向かって攻撃を仕掛ける。奴はそれをバックステップして回避する。俺達の目の前に現れたのは、橙色のボブカットに、明らかにサイズ合ってないだろと思う露出の高い服装の女の子、もう一人は金色のショートヘアで、猫耳帽にショートパンツに尻尾が付いた小麦肌に紋章のような模様のある女の子が居る。

 

「助けに来たよ!」

「よかった、ネプテューヌ様も無事で…。ジン君の知り合いだね?」

「ねぷぅ!だ、誰?」

「…誰だお前達は…。」

「わたしは、マーベラスAQL。気軽に“マベちゃん”って呼んでもいいよ!」

「私はサイバーコネクトツーだよ。ジン君から連絡を受けて助太刀に来たよ。」

「ジン君が?」

「…そう、か。」

 

しかし、奴は形勢が悪くなったとみたのか、エンデは影に潜り込むように沈み、姿を消してしまう。

 

「ああ!逃げるの!!」

「!?ま、待て!!」

 

そんな声が頭の中に響く…。

 

≪流石にこれじゃあ戦えないからね。勝負は次に持ち越しだよ。≫

 

 

 

 

「おい!こっちに人が倒れてるぞ!!」

「早く、救護班を!!」

 

出入り口の方から声が聞こえ、此方に人が向かってくるのを確認し、意識を失ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーンボックスにある総合大病院…。そこに一人の男が手術室に向かって運ばれている。

 

「患者の状態は…!」

「バイタルは搬送中から正常です。ですが、左の鎖骨と脇腹が三本と左腕の骨折、脇腹に裂傷、左肩、右胸部、左横腹、右太ももに鋭利な刃物で貫かれた刺し傷です!それと、右手に爆風を受けたような後、その右腕に火傷と思われる後があります!」

「そんな状態で良く生きている…直ぐに手術(オペ)に入るぞ。」

『はい!』

 

手術服に着替えた集団が手術室へと入り、その男の術式を開始する事になった。

 

「ああ、総長!大変です!」

「どうしたというんだ。心電図も、脳波も正常じゃないか。」

「い、いえ…それが…。この男性の傷を見て下さい…。」

 

総長と呼ばれた男や術式に入ろうとした人も、その男を…獨斗永守の傷を見る。

 

「こ、これは…どういうこだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

傷が…治りかけている…。」

 

 

 

 

 




【用語集】

○どこかの壁に肉はないか!
○食えば体力が回復する。
 元ネタは時間制限横スクロール時の『悪魔城ドラキュラ』または『悪魔城伝説』の回復アイテム。ゲーム中は殆ど隠しに近く、壁を破壊するとポロリッと出てくる。食べると体力を半分回復(当時のライフメーターはメモリ制で16、その半分の8回復)する。ドラキュラ様が態々仕掛けたのだろうか…?

○某野菜人が金髪になるかのような動き
 元ネタはDB-Zのサイヤ人化のモーション。考えてみれば、あれの源って怒りなんですよね。ただ、永守のはどちらかと言えば界王拳のようなもの。

○外部との連絡はまるっとカットしてるよ。
 TRICKより「お前らのやっている事は、全てまるっとお見通しだ!」のオマージュ。

○壊れた玩具に用はないよ
 PSO2のルーサー「壊れた玩具に用はない!」よりオマージュ。

○なんということでしょう
 「大改造!!劇的ビフォーアフター」より生まれた名(迷?)言。ただし、私がよく聞くのは、Minecraftの匠(クリーパー)の自爆によって建造した自宅に大穴を開けられた際に言う言葉の「なんてことをしてくれたのでしょう。」


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


恐らく察しの良い方は気づいてると思いますが、ジンのキャラ設定は「悪○城ドラキュラ」を引き継いでいます。
そして、永守の身に何があったのか…。
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