超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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ネプテューヌ新作のPVが公開されて早速見てきました。
何時ものねぷねぷクオリティ…だがPS4がない\(^o^)/


Scene24 妹達の反撃~Preparedness~

 

 

 

 

ズーネ地区の廃棄物処理場は、施設以外殆ど人の手が入っておらず、道という道は存在しない為にその殆どが岩山のように凸凹(でこぼこ)している。しかしながら、エアーバイクであればそんなのは関係ない。サイドカーもエアーバイクと同じ方式で宙を浮く。そんな凹凸(おうとつ)な道を、サイドカーにジンを乗せて先行して走行している。

 

「来るぞ…!」

「分かってるつーの!」

 

エアーバイクのエンジン音に釣られて、ビットやR-4といった機械系モンスターが大量に押し寄せてくる。ビットの大群は体当たりと光線、R-4も光線を中心に、6枚刃のような装置を向けて体当たりしてくる。かなりの速度ではあるが、それは並のバイクでなら当たってしまうだろうという話であり、このリーンボックス製のエアーバイクの馬力は、その辺のバイクとは比べ物にならない速さを持っている。

 

「うひょー!まるで神風になった気分だ!!」

「感想はいいから撃ってくれ。」

 

このプロトタイプは、スミレの話では一般向けに開発されていたそうだが、バイクのプロレーサーでも“ジャジャ馬”と言われており、興味本位で乗ってしまった大型二輪免許取り立ての一般人には乗れない代物となってしまった物だそうだ。…そんな話、今はどうでもいい。ジンが突撃銃の三点バーストで上手い具合に当てている。更にそこから、投短剣、手投斧、ブーメランのような十字架、邪を払う炎を放つ聖水といったサブウェポンと言うのを使っている。ある意味ゲームでありそうな攻撃方法だからか、生で見るとなんだか斬新だ。俺は左手に454マグナムで撃ち抜いたり、火炎弾を飛ばしたりする。R-4はレーザーカメラと思われる部分に綺麗に当てなければ一撃で粉砕は出来ないが、ビット程度であれば一撃で機能を停止する。アクティブ・ソナーを見る限り後ろからも出現しているが、後ろはネプギア達をターゲットにしているようで此方に向かっては来ない。

 

(すげ)ぇぜ兄貴、これなら余裕で敵地へ迎えるんじゃねぇか?」

「油断するな。反応にないだけで何処かに隠れてるかもしれないぞ。」

「へいへい。」

 

どう考えても、巷で噂となっている“フラグのようにしか聞こえない”という台詞と共に状況が一転する。今まで周辺に居た機械系モンスターが一瞬に消える。それにより、エアーバイクを一時停止する。

 

「なっ、消えた!?」

「黒幕の仕業か。」

 

アクティブ・ソナーと後ろの音を確認すると、殆どの敵がネプギア達がいると思われる場所に反応している。空間移動装置のようなのは付いていない為、恐らくは空間移動系の呪文や魔法によるものだろう。

 

「兄貴、不味いぞこれ!直ぐに助けに行かねぇーーーーーーなっ!!」

 

ジンの会話を途切るかのように、エアーバイクを急発進させる。次の瞬間、さっきまで居た場所に前後からミサイルのようなものが来ており、ぶつかり合い大爆発を起こす。

 

「なんだなんだ!?」

「………。敵もよく考えている。どうやら簡単には逃げたり、助けに行かせない心算のようだ。」

 

進路方向に1機、その後ろに3機の九十九式戦車が挟み撃ち(サイドアタック)を仕掛けている。

 

「失敗したな。ロケット(R)ランチャー位積んでくれば良かったか。」

「暢気に後悔している場合か!!」

「後悔ではない。反省だ。」

「どっちも変わんねぇよ!!」

「まぁ、こんなところで消耗する気はない。短期戦で行くぞ。」

 

エアーバイクの右レバーを捻り、アクセル全開にする。此奴らを倒し、ネプギアの元へいち早く行かなければならない。だが、俺は一つだけ考えている事がある。極限の状態に追い込まれた時、女神化してくれないかと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「チュっ。レーダーの反応通り、上手く分かれたっチュね。」

「ふふ、上手く出来たね。」

「ふぅん、変身できないのが多い妹達に物量作戦。そして潰しておかなければならない方に大物を用意、悪くないじゃないか…。くくくっいいザマだ。」

 

ネプギアや永守達に仕向けた方法を確認する為、廃棄物処理場にある使える部品を寄せ集めて作られた、ワレチュー特製のレーダーを見るマジェコンヌ。それを目の前で聞いた、捕まっている4女神は驚きを隠せない表情をしている。

 

「こらー、卑怯だよマジぇもん!正々堂々とやれー!」

「ふんっ、誉め言葉として受け取っておこう。それに、これは作戦だ。卑怯でもなんでもない。」

 

ネプテューヌの言う事に対し、痛くも痒くもないといった態度で言う。確かに、悪=手段を択ばないのは当たり前のようなもの。どんな卑劣な手段を使っても、そこに立っているのが勝者であり結果なのだから。分かっているとは言えネプテューヌ達は、その考えを認めたくはないが事実でもある事に黙ってしまう。

 

そんな時だった。遥か後方の方で、一つの光る柱が見えた。

 

「なんだ、あの光は…。」

「ヂュヂュ!!」

「どうしたネズミ?」

「後方の女神の妹側から強い反応っチュ!!」

「何ぃ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【ズーネ地区:廃棄物処理場・数分前】

 

永守とジンが、エアーバイクで先行した10秒後に、ネプギアを筆頭に後を追うよう向かった。そして、迫り来る敵を、連携を取りつつ次々と倒していくのだった。

 

「覚悟して下さい…!」

「ラムちゃんは、わたしが守る…!」

「うん!わたしが、どんどんヤッつける!!」

「当たって!!」

「行きます!!」

「痛いのいくですよ!」

「邪魔よ!」

 

向かってくるモンスターはそこそこ多いが、永守の活躍もあってか優勢に且つ練習通りに戦う事が出来ていた。

 

 

その時が訪れるまでは…。

 

 

「えっ!?」

「こ、これは…!」

「な、何よこれ!」

「て、敵さんが、一杯現れたですぅ…!」

 

 

突如、全員を囲うかのようにモンスターが急に大量発生し、陣形を崩す事が分かっているのか、攻撃が激化、形勢が逆転してしまい劣勢に立たされてしまった。

 

「(どうしよう…私、間違ってたのかな。私のせいで、皆やられちゃう…!)」

 

R-4から放たれる連続攻撃を防御壁で防いではいるものの、劣勢に立たされてしまった反動か後ろ向きな考えになってしまう。永守を先行したのを何故止めなかったのか。今の状況になるまでに何か間違った行動をしてしまったのか…と自問自答を繰り返している。

 

「(ダメ…、やっぱり、私、何も出来ない…助けて…お姉ちゃん、永守さん…!!)」

 

やっぱり、誰かに頼らなきゃだめだ…そう考えた時、ネプギアはある事に気づいた。まただ…また誰かに頼ろうとしていると。それと同時に、特訓前にユニが言った事が急に脳裏に響いた。何かを恐れており心にリミッターが掛かっている事…。

 

「(私が怖がっている事…、お姉ちゃんが居なくなったり、妹じゃなくなる事…。)」

 

ネプギアは考えた。姉であるネプテューヌに構ってもらえなくなる事や、皆から本当の意味で頼られる存在になる事を恐れているのか。だが、それらは当てはまらない事に気づいた。

 

『ネプギア(ちゃん)!?』

「アイちゃん、ギアちゃんが!!」

「っ!?」

 

ネプギアの体が徐々に周囲を照らす程、強く光り出しそれにその場にいる全員が気づく。

 

「(私は、ずっとずっと、お姉ちゃんに憧れていたかったし、甘えて居たかったんだ…。私が一番恐れていた事。それは、お姉ちゃんを超える…お姉ちゃんより強くなる事!)」

 

R-4からの攻撃を払いのけたネプギアの表情には、一瞬の迷いもないと言える自信に溢れた表情になっていた。まるで、今起こる事が出来るんだとも思える表情になっている。

 

「お姉ちゃんを取り返す為なら、私は…誰よりも強くなる!」

 

次の瞬間、ネプギアを包み込んでいた光が更に強くなり、その光から現れたのは白いレオタードを身に纏い、プロセッサユニットが現れる。持っていたセイバーはM.P.B.L.(マルチプルビームランチャー)へ変形する。

 

「やあああああああ!!!!」

「ネプギア!!」

「ネプギアちゃん…。」

「すごーい!!」

 

今まで押されていたR-4をM.P.B.L.(マルチプルビームランチャー)の一振りで蹴散らし、上空へ飛び周囲のモンスターを強力なレーザーで貫く。絶望だった状況がネプギアの女神化とその活躍により、希望の光の如く周囲の士気が上がる。

 

「引くことはできません…。だから、前へ突き進みます…!!」

 

 

 

 

 

「兄貴…!!」

「ああ…。女神化だ。」

 

挟み撃ちにされ道を阻まれており、エアーバイクから降り応戦していた永守とジンも、女神化する際に放つ光に気づいた。既に4機あった九十九式戦車を2機撃破している。

 

「ここにネプギア達が来るのは直ぐだろう。ならば、道を作らなければな。」

 

永守がそう言うと、サングラスを投げ捨てトラベルハットを深く被る。が、目の辺りが輝いている事に気づいたジンは驚く。

 

「兄貴、その目は…!!」

「話は後だ。此奴らを蹴散らして、道を開けるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雑魚モンスターが殆ど倒されているだと?」

「案外やるっチュね。獨斗永守という奴に仕向けた危険種も、足止め程度にしかなってないっチュ。」

「まぁ、あの子が女神化しなくても、永守が助けに行ってたろうね。」

「ふんっ、まあいい。奴らにとっては丁度いい準備運動になっただろう。」

 

ネプギアの女神化開放により、レーダーに反応しているモンスターの数が急激に減っていく。若干の不服な所もあるが、エンデに忠告されたこともあり、織り込み済みと思わせる素振りをしている。

 

「ふっふっふっ…丁度退屈していたところもある。それに、女神たちの前で、妹達を倒す。その時のお前達の表情を見るのも悪くない。」

 

例え、誰が掛かってこようが誰にも負けるわけがない。そんな考えが顔から出ているのが分かる。そして、不敵な微笑みが響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、無事合流に成功し、各々乗り物に乗って最深部へと向かっている。ネプギアが女神化していたのを確認すると同時に、全員俺の目が女神化と同様の事になっているのもあり、移動しつつ事の経緯を話し黙っていた事に謝る。最初こそ驚いてはいたが、直ぐ納得したという雰囲気になる。

 

「済まない、皆。俺は…。」

「永守さんが謝る事はありませんよ。確かに、最初は驚きましたし、なんでそんな事をしてしまったのか一瞬考えてしまいました。でもそれは、何かを守るためであり、永守さんの覚悟なんですよね?」

 

ネプギアの言っている事は大体合っている。超能力だけでは、生身の体での限界が来てしまい、何時か越えられない壁に当たるだろう。その為にも、限界を超える力を手に入れる必要があった。その時に現れた光と闇の力。その恩義は絶大だが、同時に俺は人間の寿命を遥かに超越するという呪いとも言える負を抱える事となっている。

 

「まぁ、どんな力を付けようが、永守は永守よね。」

「はいです。永守さんは、永守さんです!」

「うん、永守お兄ちゃんは変わらない…!」

「そうよね、アンタなら間違った力の使い方をするなんて事はないわね。」

「ぶっちゃけて言えば、俺も兄貴と同じ…と言う訳じゃねぇが一度死んでるから、人間やめてるのかもしれねぇな。」

「そういうと、私も女神と言う恩恵を受けていますし、そうなりますね…。」

「………、フォローしてるのか捉えにくいな。」

 

日頃の行いが影響しているのか、俺だから大丈夫的な印象を受けている。

 

「それに、永守さんにお礼をしなきゃいけません。」

「お礼…?」

「はい…。私、気づいたの。お姉ちゃんや、色んな人達からずっと守られていたい…だから、弱いままの私でいいと、ずっとそう思ってたんです。でも、それじゃダメだ…お姉ちゃんより強くなりたいって、そう願ったんです。」

「それで変身できるようになったの?参考にならないわね…、弱くいたいなんて思った事ないもの。」

「そ、そうだよね…。」

「だが、それはネプギアにとっては大きな一歩になったことに変わりはないだろう。憧れから超えなければならない存在と捉えたのだから。別に憧れる事は悪い事ではない。だが、それは気づかない内に自分に甘くなってしまう…。」

 

そう、憧れる事は、様々な事で強くなる為の目標でもあり最短距離にもなる。だが、それは何時か壁にぶつかる事となる。幾ら真似をしても、そのやり方が万人に出来るものではなかった場合、自分なりにアレンジしなければならない。そして、その憧れの存在を神聖視しているのであれば、尚更壁にぶつかってしまう。自分の憧れの存在でいたかった。それが歯止めになっていたのだろう。

 

「見えて来たわよ。皆、心して。」

 

アイエフがそう言うと、全員が前を向き身構える。前回行った場所までもう少しで着く。

 

 

 

 

 

そして、決戦の場へと到着した一行は、ネプテューヌ達はまだ囚われの身となっているが、無事であることを確認する。

 

『お姉ちゃん…!!』

「ロム…ラム…。」

「ユニ…。」

「…!?す、スミレ…ちゃん…?」

「ベール姉さん…なんてこと…。」

「ネプギア、変身出来たんだね。それに、えい君も来たんだね…。」

「うん、直ぐに助けてあげるからね!永守さん。協力出来ますか?」

「ああ。」

 

ネプテューヌ達を助ける為に、結界の方へ向かおうとネプギアが一歩前へ出た時、不敵な笑い声が聞こえて来た。そこには、永守が撤退する際に襲い掛かって来たマジェコンヌ、そこにはエンデの姿も居た。

 

「エンデ…マジェコンヌ…。」

「ほぉ、私の名を覚えて居たのか。よくもまぁ戻ってきたものだ。まぁいい、小娘達の妹に挨拶がてらだ。私の名はマジェコンヌ。4人の小娘が支配する世界に、混沌という副因を――――――」

「コンパちゃぁん!会いたかったっチュ!!」

「えぇ!?あ…はいですぅ…。」

「ええい貴様、いい所で邪魔をするなぁ!!」

 

マジェコンヌの後ろからワレチューが現れ、目をシイタケのような輝きをしつつ会話に割り込んでくる。何だこの協調性のない悪は的な雰囲気をネプギアサイドは思っている。

 

「ふふ、中々面白いでしょ?結構退屈しないんだよ。」

「貴様、分かってて止めずに楽しんでいるだろ!!」

「揉めるのは勝手だが、貴様らの目的はなんだ?」

「そうですよ、どうしてこんな酷い事をするんですか!」

「ふん、いいだろう。冥土の土産として教えてやろう。私が求めているのは、女神を必要としない新しい秩序。誰もが支配者に成りうる世界だ…!」

 

誰もが支配者に成れる世界、弱肉強食の世界を求めているのか、争いが絶えない世界を求めているのか…。永守はそう考えている。

 

「それって、貴方が支配者になろうとしているだけじゃないですか!!」

「私より強い奴が現れれば、そいつが支配者になる。それこそ平等な世界だ。違うか?」

「力ある者が上になるって言うのか?馬鹿馬鹿しい。最もらしい事言って俺達を納得させてぇのか?」

「要するに女神の力が羨ましいんでしょ!?」

「ふん…。そのように思っていたこともあったなぁ…。」

「エンデ、お前はどうなんだ。」

「僕は上に立つのは面倒だね。玩具を壊すのが僕の楽しみなんだから。」

 

エンデの理由も問いただしている時、マジェコンヌが帽子を深々と被り直したと同時に、ネプギア一行を睨み返した瞬間、マジェコンヌの体が光り出し姿が変わる。それはまるで女神化のような姿だった。

 

『!?』

「なん…だと…!?」

「くくく…どうだ。驚いたか?私も貴様等と同じく、女神の力を手に入れたのだ!」

「変身!!」

「な、なんで!!あの人は女神じゃないのに!!」

「気を付けろ!野郎は変身だけじゃ―――――」

 

ジンが全員に何か警告をしようとした時、永守も含め念動力のような力により宙に浮かぶ。

 

「なっ!!」

「これは…!!」

『永守(さん)(永守お兄ちゃん)(永兄)!!』

「余計なことは言わせないよ。この二人は僕の玩具だ。」

「ふん、好きにするがいい。」

『うおあああああっ!!』

 

それを聞いたエンデは不気味な微笑みをしつつ、反対側、結界の奥の方へ永守とジンを念動力のようなもので吹き飛ばす。

 

「永守さん、ジンさん!!」

 

ネプギアの声と共に、全員が吹き飛ばされた永守とジンを追おうとした時、マジェコンヌが立ちはだかり道を阻む。

 

「そこを退いて下さい!」

「そうはいかんなぁ。貴様らの相手は私だ。小娘共と同じく、貴様等に絶望を与えてやろう!」

 

マジェコンヌの持っていた槍が、大剣へと変化しネプギアに襲い掛かる。

 

「クロス、コンビネーションッ!!」

「えっ!?ああぁあああ!!!!」

「嘘ぉ!!わたしの必殺技!!」

 

ネプギアが吹き飛ばされた事、マジェコンヌが繰り出した技にその場にいた全員が驚く。マジェコンヌが繰り出した技、それは紛れもなく、ネプテューヌが使う必殺技の一つだからだ。

 

「っ…!どうして、その技を…!」

「ふっふっふっ…。私には他人をコピーする能力があってな。遂には女神の力をコピーする事に成功したのだ。」

「そんな…!!」

「ついでだ。私はこんなことも出来るのだ…!パイロキネシスッ!!」

 

マジェコンヌが左手をネプギアに向け掛け声を言った瞬間、掌から火炎弾が3発ネプギアの方に向かっていく。向かってくる炎に驚きつつも、体制を立て直し辛うじて避ける。

 

「(そんな…!あれは永守さんが使っている技…!!)」

「テンツェリントロンペッ!!」

「きゃああああ!!」

 

永守の超能力による火炎弾を使ったという事実に驚いてしまった事が無防備となり、大剣から戦斧に変化した武器による、ブランが使う必殺技をネプギアは真面(まとも)に受けてしまう。

 

「さぁ、終いにしようか…!」

「やめて!!」

「あぁん?」

「ネプギアちゃんを、虐めちゃダメ…!」

「ネプギアに酷い事しないで!!」

「はんっ、餓鬼(ガキ)はオシャブリでも咥えてな!!」

 

女神化しているとはいえ、強力な攻撃を受けてしまった為かネプギアは直ぐに立ち上がる事が出来ない。ロムとラムの悲痛の言葉に容赦なく返し、マジェコンヌによる戦斧がネプギアに振り下ろされる。だが、その攻撃はある人物によって食い止められ、金属音がぶつかり合うような音が響く。

 

「何ぃ…?」

「す、スミレ…ちゃん…?」

 

ネプギアの目の前に、戦斧を弓のようなもので受け止めている、緑色のポニーテールを残したロングヘア―、若干胸が協調されているものの、薄灰色と緑のラインが入っている白のレオタードタイプのプロセッサユニットを纏っている、女神化したスミレの姿がそこに居た。そして、弓を薙ぎ払うようにしてマジェコンヌとの距離を作る。

 

「立てる…?」

「あ、ありがとう。スミレちゃんだよね…?」

 

女神達にのみ極秘に伝わっている為、ネプギア達もスミレが女神化できることは知っていたが、直に見るのは初めてな為、若干戸惑っている。ネプギアの質問に対して、スミレは只頷くだけだった。如何やら、変身すると無口になってしまうらしいと察する。

 

「今度は、私が守る…!」

 

そう言って、何処から兎も角現れた矢をマジェコンヌに向けて射る。女神化しているだけあって、矢の速さはかなりの速度だが、が見え見えだったのか避けられてしまう。

 

「素人め、貴様の能力はこうやって使うのだよ!ボムアローッ!」

『あぁ!!』

 

マジェコンヌの持っていた戦斧が弓に変わり、放たれた矢がネプギアとスミレの足元に刺さり大爆発が起きる。

 

「ぐっ…!!どうして…!!」

「くくく…、気に入らないが、これもあのクソガキの御陰と言っておこう。下らない話はここまでだ、二人纏めて終わりにしてやろう。」

 

そして、マジェコンヌは2人に容赦なく攻撃をしていく。2対1と有利な立場だが、スミレは実践戦闘の経験が少なく4女神の必殺技の情報が少ない為に、防御に徹する状態となってしまい、対するネプギアもマジェコンヌの隙の無い攻撃に隙を見出せず防御に徹してしまう。

 

「わたし、あの人、嫌い…!」

「わたしも、あのおばさん、大っ嫌い!!」

「やっつけるっ!」

「うん!二人で!!」

 

ただ見ているだけで怖がってばかりじゃ何も起こらない、二人でマジェコンヌを倒す。ロムとラムが一つの覚悟を決めたかのように、二人手を握り合わせた瞬間、二人の体が光り出す。

 

「んん?」

「ロム、ラム…!」

 

ロムとラムの輝きが更に強くなり、女神化が始まる。同色のプロセッサユニットだが、ロムは水色の髪と杖、ラムは桃色の髪と杖を握る。今ここに、ホワイトシスターズが誕生したことに、ただ見ているだけのブランも驚きつつも喜びを感じていた。

 

「絶対許さない…!」

「覚悟しなさい!」

「ふん、餓鬼が2人女神化したところで、何が出来るというのだ。」

「だったら、貴方を倒すまでよ。行くよ、ロムちゃん!」

「うんッ!」

 

二人がマジェコンヌに向けて杖を(かざ)す。杖の先端に魔力が溜まり、巨大な氷の塊が出来る。

 

『アイスコフィン!!』

 

巨大な氷の塊が驚異的な速さでマジェコンヌ目掛けて飛んでいきヒットと同時に砂埃と煙が立つ。

 

「ぬぅあっ!!」

『やったぁ!!』

 

強力な技が当たった事で、只では済まないだろうと思いロムとラムは喜ぶ。だが、その喜びもつかの間。煙の中からマジェコンヌが飛び出し、二人目掛けて飛んでいく。

 

「レイシーズダンスッ!!」

『きゃああああああ!!』

「ロムちゃん、ラムちゃん!!」

「なっ!!許さない…!」

 

攻撃を受け吹き飛ばされるロムとラムを見たネプギアとスミレは、すぐさまマジェコンヌに向けて攻撃を仕掛ける。だが、殆どの攻撃を防がれてしまうだけでなく、マジェコンヌの背中に自動砲撃するプロセッサユニットが展開され、更なる反撃を受けてしまう。そんな空中戦を繰り広げている中、ただ一人地上からマジェコンヌに銃身を向けているが震えている候補生が一人いた。

 

「(なんで、アタシだけ変身出来ないなんて…。お姉ちゃんだって見てるのに、なんで…震えが止まらない…。)」

 

恐怖で震えているのか、はたまた変身出来ないでいる自分に怒りを覚えているのか分からない状態のユニがいる。だが、直ぐに気づく。また、“どうしてお姉ちゃんの事を考えているんだ”と。そう自問自答している間も、マジェコンヌは容赦なく4人に攻撃を仕掛けていく。4対1になったにも関わらず、マジェコンヌに押されている状態だ。

 

「(何考えてるのよアタシ。今はそんな事を考えてる場合じゃないでしょ…!そうよ、ユニ…。永守が言ってたじゃない。今のアタシに出来る事をやる。そう、今は標的の事を考える事のみ…!!)」

 

そう言ってユニは、マジェコンヌに向けて銃口を構える。

 

「食らいなさい!エクスマルチブラスター(X.M.B.)ッ!!」

「なぁっ!!」

 

ユニの撃った銃口から強力なレーザーが放たれ、マジェコンヌのプロセッサユニットを一部破壊する。

 

「迷いはない…、あるのは、覚悟だけ…!」

「ユニちゃん、カッコいい!」

「おめでとう…!」

「ユニちゃん、すごーい!」

「やったねユニちゃん。変身出来たね!」

「…へ?」

 

どうやら、変身出来ている事に気づいてなかったらしく、自分の姿を改めてみて飛んでいる事にも気づく。

 

「ま、まぁ、当然ね!主役は最後に出るもんだし、切り札は最後に出すものよ!」

「うん!」

「ユニ…。」

「皆、素晴らしいですわ…!」

「(皆…やったね…!えい君も、頑張ってるんだから、これなら…。)」

 

女神候補生全員の女神化、そして自らの力に恐れていたが、覚悟を決め女神化したスミレを含め、ネプテューヌ達に一つの希望が見えて来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、同時に絶望も刻々と迫っている事に、ネプテューヌ達含め全員は気づいていない…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


次回は、時間を少し戻して永守・ジンVSエンデの方をやっていきます。


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