超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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Scene39 小さな助っ人~Relief~

 

 

 

 

 

【ルウィー:世界中の迷宮】

 

女神一行は、下っ端ことリンダに誘拐されたロム、そして世界中の迷宮に存在するゲイムキャラを助ける為に、ルウィーの教祖であるミナから許可を貰い世界中の迷宮に向かった。現地に到着し、ロムは何事もなく救出する事が出来たが、ルウィーのゲイムキャラは粉々にされてしまい、ゲイムキャラが封印していた古の殺戮兵器“キラーマシン”が復活を遂げてしまう。一行の全力攻撃により一体のキラーマシンを倒すことに成功する。だが、キラーマシンは一体だけでなく、複数封印されてたという事実に驚愕し、更に復活を遂げたキラーマシンが、女神一行の前に立ちはだかる。そして、キラーマシン2体の昆が、ネプギア、ロム、ラムの三人に向けて無慈悲に振り下ろされる。

 

 

 

 

 

だが、三人にキラーマシンの昆が振り下ろされる事はなかった。

 

「ねぇ、誰あれ!!」

『あ、あれは…!?』

 

ネプギア達の後ろにいたRED、アイエフ、コンパがそれを見て驚く。一体のキラーマシンの頭部には、円盤状の何かがめり込んでおり機能停止をしている。もう一体の振り下ろされた昆は、ネプギア達に当たる前に突っかかっている形になっている。…いや、その昆を誰かが支えている状態だ。

 

≪貴様、何者だ!!≫

「ここから、離れろ…!!」

「…!?え、永守…さん!?」

『え、永守お兄ちゃん(永兄)…?』

 

3人は逃げろという声に反応するかのように後退する。遠目からでもフードが衝撃で捲れたのか、白髪が靡いている。そこに居たのは、服装は違うものの、2年前に行方不明になり、ネプギア達は察していたであろうハーミットの恰好で目の前にいるのだった。そして、彼はキラーマシンの振り下ろされている昆を両手で受け止めて支えている状態だ。そして、そこから押し上げキラーマシンを横転させる。

 

「…懐かしい名だ。コードネームよりは良い。」

≪貴様…その“右腕”に、その力…貴様は同志の裏切者か!!≫

 

何かの因縁があるのか、標的を女神から永守一人に向け始める。その威圧感は、女神に対しての憎悪と似ている。

 

≪何故だ、貴様は“犯罪組織”に所属しているはずでは…。≫

「ああ、お前の言う通りだ。…だが、弱い上司に従う気は無いだろう。」

≪だが、それと女神を助けるのは理解できぬ。≫

「………。」

 

キラーマシンの問に対し、永守は黙ったままキラーマシンに対して戦闘態勢に入る。

 

≪成る程…ならば、力尽くで聞くまでだ。≫

 

その言葉と同時に更にキラーマシンが出現し、永守の目の前に四体のキラーマシンが出現する。

 

「だ、ダメ…!!」

「ね、ネプギア(ちゃん)…!!」

「待ちなさい、ネプギア!!」

 

疲労困憊な体に、ネプギアは鞭を打つように立ち上がり永守の所に向かおうとする。だが、その手が届くことはなかった。

 

「ッ…!!なに、これ…!!」

 

あと数メートルで、その手が届く距離なのだが、見えない壁に進むことを阻まれてしまう。その壁はまるで、プラネテューヌのバーチャフォレスト最深部で張られた結界に似ている。

 

≪女神ヨ、同志ノ仇ノ邪魔ハサセヌ。≫

「ネプギア、ここは一旦引くわよ!」

「で、でも…それじゃあ永守さんが…!」

「…アイツなら…こんな似たような状況でも生き延びてたでしょ。アイツなら大丈夫。だから、今は引くわよ。」

 

そう言うアイエフの顔をネプギアは伺う。力強い物を感じるが、何処か心配な険しい顔をしている。永守の方を見ると、キラーマシンの方を見ながら左親指をサムズアップしている。

 

「コンパ、いいわよ!」

「は、はいです!!」

 

アイエフの言葉を聞いたコンパは、イジェクトボタンを発動させ、ネプギア達は世界中の迷宮から脱出するのだった。

 

 

 

 

 

【ルウィー:教会】

 

ルウィーの教会の広間で、十字架を持って祈っている男がいる。ペンを探すのを手伝っている最中、リンダによりロムが誘拐され、強化されたアイスフェンリルによって一時離脱しなければならない状態になった“ジン”だ。万全とは言えないが、特殊技能“肉回復”により殆ど回復してはいる。しかし、その表情は何処か悩みがある感じだ。

 

「(…結局、俺は何の為に戦ってんだ?)」

 

ここまで、女神と共にゲイムギョウ界を救う為、戦ってきたジンだった。そもそも彼が戦ってきたのは、転生した先の家族をニグーラによって失った復讐心で動いており、その復讐は果たしている。しかし、今回のゲイムギョウ界が犯罪組織によって乱れている中、日本一の正義感に感化され立ち上がった。そして、行栄不明になった恩人である永守の手掛かりを探る事も含めて行動している。

 

「(スタントマンになる夢が叶えれば、俺ぁこんな所に居ねぇよな。)」

 

十字架のアクセサリーを持っている手が強く握られる。スタントマンになる夢を諦めきれていない。だが、この状況を打破しなければ、その夢を叶えるのは難しいとも考えている。それでも、本来であれば転生者である自分は部外者に等しい。永守という存在が無ければ、この戦いに身を置くことはなかった…とも考えている。

 

「(今は、ロムが無事ならいいが…。)」

「大分、悩んでいますね…。」

「…ミナさん。」

 

ネプギア達が世界中の迷宮に向かってから、ずっと教会の長椅子に座りつつ今の状態を続けていた為に、教祖であるミナが心配になり様子を見てきたようだ。

 

「…一つ、聞いていいですか?」

「…私で答えれる範囲であれば。」

「教えてくれ、ロムとラムは、ブラン様が居なくなって、鬱になったりしなかったのか?この戦いに恐怖を感じていねぇのか…?」

 

彼は、転生者であるが故、流れをある程度知っている。ルウィーの女神であるブランがギョウカイ墓場に捕まり、本来であれば各女神候補生は、最初は敵同士に近い関係で争い、後に和解する事になる。だが、このゲイムギョウ界は、リーンボックスのズーネ地区に出現したマジェコンヌの存在。そして、ニグーラという本来であれば、ゲイムギョウ界に存在するはずのない存在。大まかな流れはそのままだが、自分の知らない形で動いている。一番の違いは、ロムとラムは幼さ故に捕まった事実を、教会の方針で伏せていた。だが、今のロムとラムはその事実を知っているかのように奮闘しているようにジンは感じている。

 

「それは、どういう意味でしょうか…。」

「俺は、この先の見えない戦いに恐怖を感じてるかもしれねぇ…。怖ぇ…俺のせいで誰か死んでしまうかと思うと余計…。」

 

ズーネ地区での戦いは、復讐心が上回っていた為か、恐怖心を失っていたとも言える。しかし、その戦いが終わり一時的な平和を体験した時、あの時の事を思うと無謀なことをした、死んでいたかもと言う考えが横切ってしまう。

 

「…そうですね、あの子達もブラン様が犯罪組織に捕まった事を、日が経つにつれて薄々気づいていました。」

「しかし、今は力強く感じる…。」

「あの子達も最初は、姉のようなブラン様が居なくなったという不安や恐怖に、押しつぶされる気持ちで、集中できない時期もありましたよ。…でも、数年前の“あの人”の言葉もあって、今のあの子達があります。」

「あの人…?」

 

ミナがひと呼吸置き、その口を開く。ジンも“あの人”というキーワードに何となく察していた。

 

「“獨斗…獨斗永守”さんです。あの方は、ブラン様…四女神が捕らわれた事を一早く掴んでいました。その関係もあり、各国を回って状況を調べていたりしました。そして、この言葉をあの子達…いえ、私達にも告げた感じです。“Be Strong”…強くあれと…。」

「Be…Strong…。」

 

 

 

【…Be Strong―強くあれ―。これは、S.T.O.P.所属時に恩人からの言葉だ。生きている以上、苦労と困難は訪れる。それが、連続で起きることもある。だからこそ、弱気にではなく、心を強く持つことが大事だ。最強の武器は、力や技ではない。信じる事…己の心が最強の武器だ。】

 

 

 

「…獨斗が、そんな事を…。」

 

ジンの返答に対し、ミナは力強く頷く。

 

「はい…。理解は出来ますが、簡単に出来る事ではありませんでした。ですが、簡単に出来ないと思う事が、弱気の始まりではないかと…。そして、あの子達も女神候補生と言えど、女神であります。きっと、不可能を可能にするものを持っている…。その思いを伝えつつ、今のあの子達がいる…そう思います。」

「不可能を…可能に…する…。」

 

ジンは手を口に当てつつ考える。その表情はさっきの苦悩とは違い、己の道を進む為とも思える力強い表情となっている。

 

「…有難う御座います。何となくだが、吹っ切れた。悩む事なんてねぇ。アイツらが居るなら、誰も死なせねぇさ。きっと、無事に助けて万事OKに違いねぇ。」

 

その時、教会の扉が開き数名が立て込んでくるのだった。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

「…そうですが、キラーマシンが…。」

 

私達は、ロムちゃんを無事に救出出来た事、世界中の迷宮で起きた事をジンさん含め話しました。

 

「獨斗が…?」

「ええ…ただ、どう考えても一難さってまた一難って感じよ。」

「もう、ミナちゃん…あのごっついのは何なのよ!いーっぱい出てきたんだけど!!」

「キラーマシンを一体倒しただけでも、此方としては驚く限りです。」

「そうね、攻撃は通用しない訳じゃないけど、女神じゃない私達の攻撃は今ひとつといった感じね。」

「そうですか…前に説明した通り、あれは犯罪神が造り上げた殺戮兵器です。一体一体の戦闘力は女神に匹敵する程です。それが、ルウィーには数十体…数百体封じられていると聞いています。」

「うぇえ!あんなのがいっぱいいるの!!」

 

ミナさんの言葉を聞いて、全員が息を呑む状況になりました。一体であれば、私達だけで倒せるのは実践済みです。ただし、全力を出し切るという前提で且つ、全ての力を放出しないと倒せないので、一体を倒すのが精一杯な状況です。

 

「何か、止める方法はないですか?」

「方法としては、キラーマシン本体を倒す事…若しくは、ゲイムキャラの力を使って封印し続ける事…ですが、前者は理想的ではないです。本体は複製体を凌ぐ力を秘めているとも聞いています。」

「つまり、理想的なのは後者って事ね。」

「でも、ゲイムキャラは粉々にされてしまいました…。」

 

私達は、粉々になったゲイムキャラを見続ける形で黙ってしまいます。壊されるのを阻止できていれば、こんな状況にはなりませんでしたが…。

 

「…兎に角、今は何らかの方針を講じましょう。幸い、お話を聞く限りでは、犯罪組織は直ぐに動くとは思えません。」

「まぁ、時間の問題なのは変わりないけどね。」

「…うー、頭使うのは苦手だよ。この壊れちゃったディスクを直す事出来ないのかな?」

「そんな簡単なように言うなよ…。」

「でも、直す方法を探した方がいいかもしれません。お姉ちゃんを助ける為に、力をお借りする為にも…。」

「ネプギアのいう事は分かるわ…でも、都合良くそんな方法があるのかしら。」

 

 

 

「直せるにゅ。」

 

 

 

突如、私達の輪の中に、聞き覚えのない声が聞こえてきました。

 

「ん!?出来る…だと!?」

「え、え?」

「声?何処にいるの?」

「下を向くにゅ。」

 

その言葉を聞いて下を向くと、そこには背の小さい幼女?がいました。何やら、顔の動く丸い物体を持っていることを除けば…。

 

「えっと…アンタ、誰?」

「…プチ子?」

「プチ子じゃないにゅ。ブロッコリーにゅ。」

 

ジンさんが何か失礼とも思えるような呼び方をしたような…でもなんかテンプレ感を感じます。

 

「これ、直せるの?アンタみたいなのが?」

「ブロッコリーは直せないにゅ。ただ、それを直せる人物は知ってるにゅ。」

 

ラムちゃんの質問に対し、ブロッコリーさんから出た言葉に一途の光が見えたような気がしました。それから、ブロッコリーさんにお願いして、その方を呼ぶようお願いしました。その人は“ガストちゃん”と言い、身長はブロッコリーさんと変わらない感じの人です。ただ、錬金術に秀でて、様々な薬を販売しているだとか…。幸い、今現在ルウィーのアトリエにいるという事なので、直ぐにルウィーの教会に来て、カクカクジカジカ、コレコレウマウマな感じで伝えました。…何故か、直し方がゲーマーズの攻略本に載っているとか言ってましたけど…。

 

「…うん、これなら直せるですの。」

「ほ、本当ですか!!」

「ただ、今ガストが持っている材料だけじゃ直せないの。」

「それで、必要な材料は何?」

「レアメタルとデータニウムですの。どちらも、ルウィー国際展示場や世界中の迷宮で手に入れられるですの。」

「成る程、それなら直ぐ取ってこれるな。」

「そうですね、それじゃあ早速!!」

 

そう言って、早速外に出ようと思った時、アイエフさんが“待って”と言います。

 

「確かに直せるのは有難いけど、報酬を幾ら払うかによっては難しいわよ?」

「あ…。」

「心配しなくていいですの。国の為にお金を取ることはしないですの。」

 

ガストさんのその言葉を聞き、アイエフさんは一安心したという表情をしています。そして、私達はゲイムキャラを直す為に、材料探しに向かう事になりました。

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

物語の流れは頭の中で出来ているのに、いざ文章にすると表現しにくい…。
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