とりあえず、PC版四女神オンラインはストーリークリアまで終わった…後はやり込みのみ…。
ギョウカイ墓場の中心部に存在する、人工物ともいえる碑石。人間の暗い感情を蓄積し、少しずつ脅威を増している。犯罪組織マジェコンヌが崇拝し復活を目論んでいる、犯罪神ユニミテスが眠っている。同時に、異変が起きようともしていた。
それは、数週間前に遡る――――――
「お前が欲しい。」
≪…貴様、何を言っている。≫
「………。正確には、お前の“魂”だ。」
碑石に向かって永守が問いかける。だが、その問いは犯罪組織に加入しているとはいえ、とても受け入れ難いものである。ましてや、相手は犯罪組織の復活目的である犯罪神ユニミテスなのだから。
≪貴様、馬鹿か。我の力なら兎も角、魂だと?ぬかしおる…。≫
「だろうな。自分でも馬鹿だとは思う。」
≪だが、我が下部である4人ですら、我の復活のみを望んでいる。貴様は、我の魂を欲してどうする気だ。≫
「俺が犯罪神になれば、女神と合法的に戦うことが出来る。」
≪…本当に、それだけか?≫
ユニミテスは、永守が何を考えているかは不明だが、何かを隠しているのかを見破っている。
「…マジックやブレイブと同じことを言う。」
≪我等と似て非なる力を持ちながら女神に協力し、我が下部を4人相手に、あと僅か力及ばず敗北、服従する形で我等の仲間になるも、微力ながら女神一行の手助けをしている。おまけに、我が嘗て呼び出した殺戮兵器のハードブレイカーを魔導器として使っている。≫
これまで永守がしてきたことを、犯罪神は簡略しつつも言い当てていく。犯罪組織としては、計画通りに動いているとはいえ、女神一行も着々と力をつけており、シェアの状況も五分五分となっている。
「随分と詳しいな。今更になって処罰を決めると言うのか。」
≪…反論はしないのか。貴様のやろうとしている事…戦で発生するシェアエナジー、魔力を利用しようとしている。確かに、これほど狂気に満ちたエネルギーはない。だが、それをどうするつもりだ。≫
それを問い詰めた途端、永守は腕を組みつつ顔を反らす。あくまでにそれをどうするかは言わないようだ。
≪まあいい。引き続き、貴様は我等の協力をせよ。≫
「…御意。」
―――――――――――
≪(ついに始まったか。女神と我等下部達の戦いが…。)≫
そして今現在、先方の方で激しい金属音、爆音が響いている。毎度展開は違えど、犯罪神は人間が望む度に復活し、幾度も女神と戦ってきている。女神は毎度、犯罪神が原因だと言う。…恐らく、今回の女神達も同じことを言うのだろうと考えている。
≪人間とは、愚かな生き物よ。女神が気に食わんとして、我々のような存在を望み、路線が違えばまた女神を信じ、また新たな悪を望む…。≫
一時は9割以上のシェアを犯罪組織が会得していたが、今は均衡を保つ形まで持ち越されている。現状であれば、あまり良くない状況にまで追い込まれていると考えるはず。だが、今回は一つだけ違うことがある。
≪あの男、手加減しているな…。両方のシェアの影響を受けているのだから、今の状況であれば、本気を出し全てを破壊できるというのに…。≫
「全く…その通りだよ。」
突如、犯罪神に話しかけるような声が聞こえた。その声の主は、犯罪神が眠る碑石の前に突如現れる。見た目は10代前程の姿をしているが、幽霊のように半透明であり、邪悪な覇気を漂わせている。
≪貴様、何者だ。只者ではないようだが…?≫
「そこは、想像に任せるよ。まぁでも、流石に退屈すぎたんでね。」
その少年が言葉を言い終えると、指揮者が演奏開始時に構えるような恰好をする。すると、その少年が突如目の前から消える―――――
≪…!?ぐおぉおおおおおおおお!!≫
次の瞬間、犯罪神から悲痛な声が響き渡る。
「君には失望したよ。まさか復活にこんな手間が掛かるなんてね。でも、安心して。君の力、僕が使ってあげるからさ。」
≪や、やめろぉ…!≫
碑石の中へとその少年の魔の手が、少しずつだが着実に侵入している。だが、その悲痛な声は、ただ響き渡るだけであった。
――――――――――
女神候補生の活躍により、想像以上のシェアエナジーにより、アンチエナジーによる拘束具が崩壊し、四女神が開放され犯罪組織の方が追い詰められているような形へとなる。それでも、こっちとしては退く気など微塵もない。他の奴ら<四天王>も同じことを考えているだろう。他の方法もあるだろうと言えば、探せばあるだろう。だが、例えネプテューヌ達に止められても、同じ道を歩んでいただろう。実際、女神と模擬戦でなく、本気<ガチ>の戦いをしてみたいと思ったのは事実だ。この時点で、既にプランAは出来ず、プランBを実行している。しかし、日に日にプランBも失敗に終わると感づいている。…だが、そんなのはどうでもいい。奴を抹消できるのであれば、俺はこの命の灯が消えようとも、その手段を選ぶだろう。
「待って!貴方と戦う気はわたしには…―――――」
「無駄話はここまでだ。人生最高の時間にしよう。」
ネプテューヌ…いや、パープルハートの制止を無視し、籠手と足具を作り出す機甲鋼ハードブレイカーを生成する。
≪(貴様…何時までこのような下らない戦いをする心算だ?)≫
「(…どちらかが折れるまでだ。奴らが撤退しても方針は変わらない。)」
耐久戦に我慢ならない、嘗て女神候補生とキラーマシンを操っていたハードブレイカーが文句を言ってくる。多少口五月蠅いところはあるが、使うにあたっては特に問題はなく、多少なりとも目的は同じだからか、反対意見は殆どないに等しい。だが、俺自身この体が長期戦に持つかは分からない。
………。
……。
…。
まぁ、何れにしろ…俺は―――――――――――
≪端から女神をやる気なんてないよね?全く下らなすぎ反吐が出るよ。≫
「…!?」
突然、脳内から声が響く。その声に反応してしまった為に、一瞬体が硬直しつつ、目が周囲を見渡してしまう。周囲は戦闘が続いている。どうやら今の憎たらしい声は俺にしか聞こえてないようだ。しかし、今の硬直によってか、ネプテューヌは俺の行動に何か感づいた反応をしてしまう。
≪あーあ…流石に飽きてきちゃった。もういいや、待つ必要はないし、ボクも好きなだけ暴れようか、この世界を滅ぼす為にね。≫
今度は、その場にいる全員に聞ける程にギョウカイ墓場に聞きたくない声が響き渡る―――――
「な、なんだ!?体から力が…ぬヴぉああああ!!」
「なんだ、何事だ!?あの変態野郎に何が起きてやがる!!」
「わわわ、ドンドンちいさくなってるよ!」
「こ、こわい…(おどおど)。」
その声が言い終わると同時に、周囲から異変が起きる。トリック・ザ・ハードから生気を吸い取られるかのように、上空へとアンチエナジーが舞い上がっている。更に、吸い取られている毎に、トリックが徐々に縮んでおり、最終手的にはブロッコリー程度にまで縮んでしまい、気を失ったかのように倒れこんでしまう。…小さくなっても見た目的に可愛げはないようだ。
「な…か、体が…熱ぃ…!!」
「あ、あいちゃん!ななな、何が始まるですか!?」
「わ、私も聞きたいくらいよ!アンタはなんか知ってるの?」
「俺も知らねぇよ、こんな状況!」
トリックの異変と同時に、ジャッジ・ザ・ハードにも異変が起きる。究極黒魔法の如く複数の光が、ジャッジの体内に吸い込まれていく。そして、ジャッジの体内から大爆発が起こり、特殊合金と言われたボディが木端微塵になる。
「まさか…犯罪新様…!」
「お、おい。マジック…!!クソッ!!」
「待て、早まるな…!!」
俺の制止を無視し、マジックとブレイブは、戦闘を中断し犯罪神が眠っている碑石の方へと向かってしまう。二人の方へと行こうとした時、足元に何かが当たり、そこにはジャッジの頭部分があった。
「ジャッジ…。」
「永守さん…!」
「えい君、そいつから離れて!!」
当然、周囲の女神達が俺の方へ寄ってこようとする。ネプギアとネプテューヌの声もするが、全員に制止するように手を構え屈みこむ。
「…済まない。」
「同情か…?んなもん…いらねぇよ、貴様らしくもねぇ…。が、認めたくねぇが…女神をぶっ殺す前に、こうなるとはな…無様だな、俺も…貴様も…。」
「お前は、後悔はしてないのか。俺が気に入らなかったはずだ。」
「ああ、確かに…貴様は、俺の最高の獲物だった…。そう思ってたが、利害関係で協力する羽目になるとはな…。最高に、気に入らねぇよ。」
最高の獲物…か…。あの時は、1対4で挑んで、ジャッジとトリックを退くところまで追い込んだがな…。
「俺は、貴様等と…端から仲良しごっこをする気など…無かったがな…不思議と…後悔はねぇ…。俺は…俺が思うがまま…悪であった…からな…。」
「ジャッジ…。」
「………。」
その言葉を最後に、ジャッジの目から光が無くなってしまった。そして、ジャッジは結晶片となってしまう。俺は、顔を上げ碑石の方へと向かおうとする。その時、誰かが俺の腕を掴む。
「待ちなさいよ、アンタ!!」
「なんの心算だ、ユニ。」
「何処へ行く心算よ。答えなさい!!」
「…ブレイブと、マジックの後を追う。」
「あの二人を追ってどうする気?貴方には、色々と聞きたい事があるのよ。」
「ノワールの言う通りよ。そんな事、賢明じゃないわ。」
「私も、そう思います。」
ユニの制止に、ノワールが同調。それに賛成するかのように、ネプテューヌとネプギアも同意する。それに釣られるよう、他の全員も集まってくる。
「私達の目的は、四女神様の救出…可能であれば、アンタを連れて帰る事よ。一旦引いて、更に準備をして万全にするのが得策のはず。」
「…でも、今すぐ追いかけなきゃ行けないってことは、何か理由があるって事だよね?」
「そんなに重要な事かにゅ?」
アイエフが言った事が正しければ、現状の任務はほぼ達成という事になる。だから撤退して準備を整えるのが賢明という。だが―――――
「…それでは、間に合わない。」
「………?間に…合わない?」
「それは、どういう意味かしら?」
どうやら、彼女達は犯罪神が復活する条件を知らないようだ。…知らないよりは、知っていた方がいいだろう。
「今、あの二人に死なれては困る。」
「しなれては困るって…あいつ等は敵だよ!!」
「そう、敵…。」
「まさか、この場でも“犯罪組織を壊滅したくない”とでも言う心算か?」
「…もしそうだったら、無理やりでも連れて帰るわ。」
ブランの問いに対して、俺は首を横に振る。
「犯罪神ユニミテス…復活する条件は二通りある。一つは、犯罪組織に一定のシェアを会得し、それを碑石に全てつぎ込む。そして、もう一つは―――――犯罪組織、四天王の“死”。」
「…四天王の死…?それって、マジック、ブレイブ、トリック、ジャッジを全員倒す事…。」
「そうだ。あの4人の死は、犯罪神の器となる。」
そう、4人(?)の死は犯罪神復活の糧になる。皮肉だな、倒そうとしていた相手が、復活の手助けになっているなんてな。
「おい、待てよ。あの変態は死んでねぇぞ?」
「…ああ、トリックは死んでないだろう。トリック・ザ・ハードは死んでるだろうが。」
「どういう、意味です?」
「トリックの体に、トリック・ザ・ハードの魂が宿っていた…ということだ。その魂は、既に犯罪神の器となってしまった。」
「待って、えい君。まさかと思うけど、追いかけなければならいのは、さっき響いた声と関係が?」
…復活したばかりのネプテューヌが、こんなに冴えているとは…普段が普段なだけにな。
「…ねぇ、なんか馬鹿にされたような気がするけど…?」
「(地の文を察するか…)………。犯罪神が眠っている碑石が、奴らが向かった先にある。」
「なんだ、犯罪神に女神が解放されちゃったから、懺悔でもする気か?」
ジンが冗談混じりな事を言う。…考えてみれば、
「ズーネ地区。」
『ズーネ…地区?』
「そう、三年前。四女神がマジェコンヌによって罠にはまった時だ。俺はその時、拭いきれない失態を犯した。」
「ちょっと待ってよ、えい君。話の筋が見えないのだけれど?」
「…ズーネ地区…まさか…。」
「………っ。」
話の筋が見えてこないようだが、ジンとスミレは何かを察しているかのように、顔が真っ青になってる。そいつのせいで、方や幼い頃にいた町が壊滅、方や策にはめられ俺達と一時的に敵対となる。そう、奴は――――――
俺が口を開けようとした途端、ギョウカイ墓場が突如と地震の如く揺れる。突然の出来事だった為に、何人かが体勢を崩したり転んでしまったりしてしまう。その時だった。
≪…ギ…さん。ネプギ…さん!聞こえますか、ネプギアさん!≫
「!?、いーすんさん!?どうして、通信出来ないはずじゃ…。」
本来であれば、通信が出来ない筈のイストワールからの連絡がネプギアのNギアに入ってくる。
「いーすん…!!いーすん、聞こえる?わたしよ!!」
≪その声は…ネプテューヌさん…!!となりますと、女神達は…。≫
「ええ、全員解放されたわ。」
ネプテューヌが通話に入ると、何やら通信先からわーわーぎゃーぎゃーと言う声が漏れている。“ノワールはいるのかい?”や“ブラン様はそこにいらっしゃいますか?”や“お姉さま、お姉さまは無事なんでしょうね!”等々…他にも職員がいたのか、漏れている声からして、士気が高まっているのが分かる。そんな時、俺の持っているマジコンからも連絡が入る。ネプテューヌ達から少し離れ、連絡を入れる。
「…俺だ。」
≪おい、テメェ何しやがったんだ!?≫
「何があった。」
≪“何があった”じゃねぇよ!!ギョウカイ墓場が、目視できて、城塞のように上に動いてんだ!!お陰でマジコン製造の野郎どもがどよめいちまって、作業が進まねぇんだよ!!≫
さっきの地震のようなのは、どうやらギョウカイ墓場が動いているということで発生したと考えられる。加えて、霧のように見えない筈のギョウカイ墓場が多くの人に見え、動揺しているのだと言う。
「…四天王は全滅…実質、犯罪組織は壊滅状態と言える。もう、マジコンを作る必要もない。」
≪は…?何言ってやがんだ…?それじゃあトリック様は…?≫
「トリックは無事だ。最も、お前の知っているトリックとは多少異なるが…。」
≪待ってくれッチュ!それじゃあ、おばはんは!!≫
「碑石の方に向かった。安否を確認しに俺は向かう…。お前達はもう自由だ。」
“お、おい、待てよ!!”と向こうで言おうとしていたが、それを割るように通話を切る。そして、ネプギアの通話に交じる事とする。
「そっちの話は、纏まったのか?」
≪永守さん!?無事だったのですか?≫
「…無事とは言い切れないが、そうしておいてくれ。」
≪そうですか…では、此方は状況を整理する為に、一旦撤退する事にしています。永守さんも、協力できますか?≫
どうやら、一旦戻って状況を確認した後、準備をして戻るという考えらしい。…だが、それでは時間がない。
「………。悪いが、それには応じることは出来ない。」
『え…!?』
≪どうしてですか!?≫
その場にいる全員と、通信先でも驚いた声が聞こえる。全員撤退に合意しているにも関わらず、俺だけはそれにNoと答えたのだから。
「恐らくだが、犯罪神ユニミテス…いや、エンデが復活した。」
「エンデ…!あの時のか…!?失態というのはそういう事だったのか!!」
「そう、奴は死んではいなかった。精神だけをこの世に残し、復活の機会を伺っていた。だが、犯罪神の力を利用するのは計算外だった。そして、奴の目的は…今やこの星だけでなく、全宇宙の星々を滅ぼす事。」
≪そんな…。しかし、それでも皆さんは万全とは言い切れません。一旦撤退すべきです。≫
「いーすんの言う通りよ!!えい君、ここは一旦撤退すべきよ!!」
「断る。こうなってしまった責任は、俺にある。」
「だからって、貴方一人が背負うことは…。」
力づくでも、俺を連れ戻そうとしているようだ。確かに、戻って万全な状態であれば…と思うが、奴はその間にも全てを破壊する可能性もある。
「…すまない。」
「え…っ!?」
「お、お姉ちゃん!!」
どうしても、ここは退くことが出来ない俺は、ネプテューヌの首元を抑え気絶させ、倒れそうなんネプテューヌを支える。
「おい!永守、テメェ…!」
「落ち着きなさいませ、ブラン!良く見てみなさい。」
「気絶させただけだ。」
「だからって、貴方は…!!」
「何とでも言え。俺は、碑石へと向かう必要がある。」
≪…分かりました。≫
「いーすんさん!?」
≪理由は分かりません。ですが、永守さんなら…。≫
今までの俺の活躍を振り返っての総評なのか、イストワールは俺を信用するようだ。それに応じるように、無理やりな感じもあるが全員が頷く。
「…はぁ…どう言おうが、それだけは退かない気ね。」
「しょうがねぇ…わたし達は一旦退くぞ。」
「永守さん、無茶だけはしないで下さいませ。」
「絶対に、生きて帰ってくるのよ…!」
「必ず帰ってきてよね!永兄!」
「無事に、帰ってきて。」
「君とは、一度冒険に出たかったんだ。だから…無茶はしないでよ。」
「全く、無茶が好きな男だにゅ。ドMかと思うにゅ。」
「…無事で…。」
「アンタに死なれちゃ、俺も困るんでね…必ず、戻ってきてれ。」
「永守さん…。お姉ちゃんは、私が…。」
「…頼む。」
全員が撤退の準備に入る。そんな中、ジンが一旦俺の元へ戻ってくる。
「…そうだ、獨斗。これを返しておく。」
そういってジンが差し出してきたのは、以前ギョウカイ墓場の戦いにて、破壊され捨てざるを得なかったリボルバーの片方だ。シアンが元通りにしたらしく、俺の使っている弾では分からないが、テストはクリアしているとの事。差し出されたのを俺は受け取り、ホルスターに入れる。
「もう一度言う…絶対に、死ぬなよ。」
「…ああ。」
俺の胸あたりに拳を当て、ジンはそう告げて撤退する。そうして、俺は碑石のある方角へ体を向ける。
「…もう二度と、会うことはないがな…。」
碑石へ向かう途中に、誰かが倒れているのが見える。
「…マジック…。」
「ハーミット…いや、獨斗…か。」
「ブレイブはどうした。」
「奴は…犯罪神様に立ち向かったが…消滅した…。そして、この私も、この様だ…。」
「…後は、俺に任せろ。」
マジックも、相手が犯罪神の皮を被った奴だとわかり戦ったようだが、力及ばずといったところだ。ブレイブは、持っていた剣以外は消滅してしまったようだ。
「おい、オメェ!!それはどういうことだよ!」
向かおうとした途端、待てと言わんばかりに“クロワール”が現れる。
「アイツの強さ知ってんだろ?一人で歯向かうなんて無事で…、まてよ…まさか、死ぬっていうのかよ?」
「…その心算だ。」
「おめぇ、馬鹿か!?女神の約束を破る気かよ!!」
「…また、俺の心配か?世界がめちゃくちゃにするのが、お前の願いだろ。」
「そうだけどよ、星が無くなったら意味ねぇし…。」
「………。」
歴史をめちゃくちゃにするのはいいが、星が無くなるのは嫌であり、死ぬのも嫌という事か…。
「マジックを…いや、
「お、おい!!」
落ちていたブレイブの剣を携え、碑石の方へと一気に駆け寄ることにした。
≪獨斗よ、勝算はあるのか?≫
「一時的に封じる程度だな。」
≪命を掛けてその程度か…。だが、貴様と運命を共にするのも余興よ。≫
ハードブレイカーも、犯罪神に仕えてはいるが、中身が違うのなら容赦は無い考えで居る。そして、遂に奴が見えてきた。
≪クククク…やはり来たか、ハーミット…いや、永守。≫
「エンデ…なんだその恰好は…。」
犯罪神ユニミテスの体を使っているエンデ…。犯罪神って女性の体たったのか。
≪仕方ないでしょ、素体がこれなのだから…でも、力は凄いよ。こんな事だって出来るんだから。≫
そう言って、持っている鎌を振り上げると同時に、衝撃波が俺の方へ向かい、横を通り過ぎる。
「以前より早い…。」
≪ククク…諦めるなら今の内だよ?まぁ、どっちにしろ君を取り込むのも悪くはないかな?十分、ボク達と同じく、ニグーラとして汚染されてるのだから。≫
「…お前の思うように行くと思うな。」
≪我が主の肉体を利用した代償、払って貰うぞ。≫
そう言いつつ俺は、ゾディアーク化し、影剣と籠手、足具を作り出し、テレキネシスでブレイブの剣を操りつつ、腰から剣の柄を取り出し、禍々しい色の長剣を取り出す。
≪魔剣ゲハバーンね…通りで、城を探してもないわけだ。でも、その程度の力で、ボクを両断出来ると思ってるの?≫
奴の言う通り、魔剣ゲハバーンは俺の手にある。古文によると、嘗て同じ状況になった時、世界を救いたいが為に、集結した鍛冶達の手によって生み出された剣だ。だが、その鍛冶屋達の願いは、本来とは違った形で叶う事となる。この剣は、女神の血や魂を吸い取ることで強くなる、女神殺しの剣<ハードイーター>となる。今でも、この剣からは、吸われてしまった女神の残骸となる力を感じている。
「…試してみるか?」
≪面白い…。そこまで言うなら、殺し合いごっこをしようよ。≫
俺は、この戦いを生き抜こうとは思っていない。元々、エンデと心中をする気でいる。だが、今の奴の力は心中を狙える程、甘くはない。だが、ゲハバーンを使えば、ある方法が出来る。…結果、女神に押し付ける形になってしまうが。これ以外、今すぐ破滅を防ぐ方法はない。
「(ネプテューヌ…皆…済まないな。…これが、ハーミット…いや、獨斗永守が生きた証、最後のプレゼントだ…!!)」