超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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Steam版のネプVⅡの発売決定出ましたね…これは買うしかない!!

あと、随分と間が空いてしまいました…別ゲーが面白くてこれであります\(^o^)/


The 5th Encounter ~新世界/別世界編~
Scene56 天翔ける魂の道標~Attack~


 

【???】

 

遠ざかる天の光、侵食していく深淵の闇。何故、こんな感覚になっているのか全く思い出せない。只々、ありのまま身を任せるように闇の中に落ちていく。何処までも不可思議な感覚。無意識の中で、自らの身体、存在という概念すら分からなくなる。俺と言う存在を、全て消し去るように…そして、全ての感覚が刹那のように消えてなくなる。

 

―――――しかし、一筋の光が俺の身体を包む。

 

不覚にも、その感覚は心地が良いものだった。それは、大きな存在の中へと溶け込んでいく様だが、母親の中にいるような温もり、何も抗わずに身を任せられる居心地さ。

 

 

 

 

 

どれ程の時間が経ったのだろう。心地良い感覚が無くなり、仰向けに倒れている感覚を覚える。目を覚まし、地面の感触を確かめる。どうやら草むらの上で仰向けになっているようだ。上半身を上げ周囲を見渡すと、これまた不可思議な状況であるのが分かる。

 

「………。」

 

それこそ、何もいう事の出来ない場所だ。現実では到底見る事の出来ない光景。…浮遊した島々があり、橋のように虹が掛かっているのだから…。しかし、不思議な事に、自分のいる島は自らを誘うかのように、一本道の虹しか見えず、寄り道が出来るような虹の橋はない上に、その虹の橋の先は全く次の島が見えない程に長い。他の島々は、様々な虹が掛かっているのに…。だが、RPGで言う一本道という形でありながら、それは自らを誘うかのように見える。虹の橋の前まで行き、その虹を足で触れてみる。予想通り、橋のように頑丈であり、壊れる気配はない。そもそも、俺がここに居る理由もそうだが、自分がどんな存在なのか分からない以上、誘われるように向かうしかない。

 

「立ち止まっていても仕方ない。」

 

そう呟き、虹の橋を渡る事を決意する。この先に記憶喪失になった理由があるに違いない。そう信じて、只々この長い虹の橋を淡々と歩いて行く。

 

そんな無意識に歩いていると、不意に目の前が真っ白になる。そして、脳裏に映像と声が流れ込んでくる。

 

 

〔パパ、どうしてママはいないの?〕

〔…ママはね、遠い所へ行ってるんだ。お前が大きくなれば、きっと会えるだろう。〕

〔いつごろ?戸棚のモノとかがひとりでとれるくらい?〕

 

 

…これは、小さい頃の…俺か…。俺は、生まれてから母親の顔を覚えていない。そう、温もりすら覚えていない。母親は、秩序を守る仕事をしていると聞いていた為に、遠くへ派遣されていたと思っていた。父親…いや、親父とも言いたくないクソ野郎だったあいつは、同じ秩序を守る仕事をしているとはいえ、仕事にはついてくるなと言いつけられていた。当時は不思議なくらいだった。

 

 

〔どうした?“死んだ猫”なんか抱えて。〕

〔…知り合いが捨て猫を拾って飼おうと思っていたら、ガキ大将風情が来て、この有様だ…。〕

〔そうか…理由はどうあれ、守りたいのを守れなかったかのか。…その猫は、生まれてきて幸せだっただろうか…死んだ方が幸せなこともある。〕

〔なっ…!?〕

〔さっき話したように、捨て猫なのだろう?ペットショップで売っているような猫とは違う。その猫も、不幸と言えば不幸だ。…それでも、その命を助けたいか?弱まってしまった命の灯を救いたいか?〕

〔どうすれば…どうすれば、それを叶えられる?〕

〔強くなれ。神頼みなど捨てろ。誰にも負けない、悪に立ち向かう力と勇気を備るのだ。〕

 

 

…それからだ。“人の命を奪うのは悪だ。”と言うのを口癖のように教え込まれつつ、自らの描く正義を目指し、日々クソ親父からの世間から見れば“虐待”とも言える特訓を熟す。基礎訓練から、息を止められての20kgのバーベルを腰の回転での振り回し。1、2m先を360度の布で覆われた向こう側から、四方八方から投げられる短剣を躱す。高級品の壺を置いた、横の的を射抜く訓練。そして、あらゆる格闘技を叩き込まれる。…そして、目覚める自らの力と、驚異的な肉体。これも全ては、自らの正義を貫く為と信じての事。その合間に一般教養も叩き込まれている。そんな中、俺は知らぬうちに感情を押しとどめる術を身に付けられていた。まさか、犯罪組織に入って暫くしてそれに気付くなんて、俺の身に何をされてたか分からないのも情けない話だ。

そして俺は、12という年頃相応というべきか、好奇心もありクソ親父が何をしているか気になり始める。今更、面と向かって質問するのは聞きにくく、身に付けられた追跡術で後を付いていく。身に付いた追跡術が完璧だったのか。それとも、気付かぬ振りをしていたのか…今ではそれを問うことは出来ない。そして、親父というクソ親父が殺し屋稼業というのを目のあたりにする。…それから俺は、クソ親父と口を聞かなくなり、俺は家を飛び出した。幸い、それを見こされていたのか分からないが、ある程度の教養とサバイバル術もあり数日は過ごせた…が、所詮12歳の少年だ。出来る事等、冷静に考えれば限られている。

 

―――――それから、ある雨の降る日だった。気づけば俺は住んでいた場所を離れ、日本についていた。

 

 

〔大丈夫ですか?こんなところで雨に濡れて…風邪を引いてしまいますよ?〕

〔お前には、関係ない。俺は、一人で生きていける…って、何人の肌を触ってる。〕

〔…肉体は成人並に鍛えられてますが、肌の感じ方は私と同じくらい…12歳ぐらいですね?〕

〔ぐらい、だと?…目が、見えてないのか?〕

〔ええ。でも、感じることは出来ますよ。それに、私と変わらない人を放っておける程腐ってませんよ。丁度父上と母上が居るので、相談してみますよ。〕

 

 

その時出会った、同い年であり後の親友であり戦友でもある、名家“劔家”の一人息子である“剣士”と出会う。既に超能力が当たり前であり、目が不自由な代償として驚異的な物質をも作り出す念動力と氷の能力を持っており、変わり者とも言われていたそうだ。多少、夫婦間で揉めたらしいが、幸い息子が一人だけであり、剣士の父は既に俺の素質を見抜いていたらしく、養子のような形で向かい入れられる。話の路線はズレるが、超能力は一人に一種類。つまるところ、簡単な念動力以外は素質、特性で炎、水、雷、風、土の五大元素のようなのが1つだけ特化している。その気になれば、2、3種類扱えるが、当然能力事態は弱い部類になる。炎はライター程度、水は水滴程度といった感じだ。それを二種類以上扱える者は、何かしら体や精神的に問題を抱えている者が多い。俺は、炎と風の二種類を扱えるにも関わらず、その両方を極められているだけでなく、体にも異変や身体障害もない為、かなり特殊体質らしい。だが、今思えば女神を助ける為と力を求める為…そして、俺の中に眠いっている殺意とゼロと融合して得たニグーラの力の暴走を止める方法を探す為とは言え“悪に落ちる”という道を選んだのだから、精神に何かしら問題があったのかもしれない。

 

 

〔見事…だ…。ここまで、力を…つけているとは…。〕

〔貴様の行いは、決して許される行為ではない。例え、実親であってもだ。〕

〔そして、政府に反しこの災害を犯した貴方は、どんなに正義を振りかざしても、悪でしかないのです!〕

〔実親…か…お前達はある意味…幸せなのかもな…。一体何の為に…戦っているか…知らぬのだから…。〕

〔何…?〕

〔戦っている…理由?〕

〔私は、ここで滅びる…。しかし、何れ知る時が来る…真の敵を…そして、お前は…私と同じ過ちをしないことを…祈ろう…。〕

 

 

〔無駄だ…我を倒したとしても、貴様等に勝利など無いのだ…。〕

 

 

これは、縁を切ったクソ親父が、暗殺組織のトップとして政府に歯向かい壊滅に陥れた為に、暗殺組織を壊滅するのが目的で攻めた最終決戦。そして、ポータル最終起動を目前に現れたニグーラの親玉の一人のエンド…。クソ親父の言った事は当時理解できなかったが、今は少なからず、クソ親父が意味深な事を言った事が分かる。そして、エンドの勝利等ない発言…。俺達は、既に敷かれたレールを走る事しかできなかったのかもしれない。そして俺は、滅びるはずだった身体を、ゲイムギョウ界へ転生とは全く違う形で出現し、ゲイムギョウ界に貢献する事にはなる。しかしながら、宿敵のニグーラであるエンデという脅威をも連れてきてしまい、ゲイムギョウ界に被害を与えてしまう。俺は、そこで出会った女神と果敢に立ち向かうも、エンデはエンドとは比較にならない程強大な力を持ち、一度は瀕死になるが、何の縁か、運命の悪戯なのか…ニグーラに打ち勝つために、古の女神の一人であるラズリーハート、裏切りのニグーラのゼロの力を取り入れ、リーンボックスのズーネ地区で奴を討ち取る。

 

―――――だが、女神の力を取り入れたとはいえ、ニグーラの力の方が俺には馴染んでしまい、俺自身が何れ最終兵器となってしまう事になる。そして、エンデはその身は滅ぼしたが、不完全ながらゲイムギョウ界に、魂だけを繋ぎ留め、復活の機会を伺っていたのだ。

 

 

〔…何、俺は待機だと?〕

〔今回は、女神が対応します。…貴方をギョウカイ墓場へ向かわせるのは…どうか、ご理解を…。〕

 

―――――1年後

 

〔貴様…そのような力を持っていながら、何故女神に加担している。〕

〔さぁな…。〕

〔しかし、一人で来たとはいえ、4人相手にここまで追い詰めたのは流石だ。貴様、我等の仲間になる気はあるか?〕

〔断る…と言ったら?〕

〔捉えている女神を生贄に捧げるまでだ。代わりに、自由に動いても構わない。〕

 

 

独自の調査で俺は、犯罪組織マジェコンヌが存在するギョウカイ墓場に、エンデは魂を留めていることを突き止め、女神一行が犯罪組織と対立した為に向かう事が決まり同行するよう申し出た。しかし、イストワールに制止され、女神不在の間、イストワールと俺がプラネテューヌを支える事となる。そして、朗報で女神一行が犯罪組織マジェコンヌに敗北したという情報が、各教会の限定された人物に通達される。当然、ゲイムギョウ界の一般の人々はそれを知るはずもなく、場合によってはアイエフが所属する諜報部による隠蔽操作で隠し通していた。しかし、エンデは力を蓄えている事を知るだけでなく、俺自身の闘争心が玉勝っている為か、1年後に辞職書を部屋に置き、イストワールの言い付けを破り、単独でギョウカイ墓場へ向かう。番人をしていたジャッジを退き、ブレイブ、トリック、マジックの3人が連戦で現れ、ブレイブとトリックを退かせ、マジックを追い詰めるも、ゾディアーク化とオーバードライブの同時併用による限界を突破、ガス欠となりあと一歩のところで敗北。そして、その戦闘力を買われ、脅しに近い形で犯罪組織に所属した俺は、言葉通り自由に動き、女神とニグーラの過去の資料、惑星チキュウが誕生した経緯と破滅へと向かった理由、おまけとして転生に関する資料を探し出す。ギョウカイ墓場、ほぼ荒地で決して心地いい場所とは言えないが、拠点・隠れ家としては最適ともいえる場所だ。女神とて簡単に踏み入れる場所ではない。そんな場所で、俺の身体は馴染んでいる。そして、犯罪組織の言い分にも女神達にとっては間違っているとは言え、信念を掲げている。故に、女神とて信念を掲げている点では俺達と何一つ変わらない。詰まりは、互いの信念のぶつかり合いとも言える。俺は、心の何処かで犯罪組織の信念に共感してしまったのかもしれない。違法とは言え、女神でも手の届かない不幸な人達にも平等の権利を―――――

そして時が過ぎつつ、何れ起こる暴走を食い止める術はなく、女神候補生と戦いながら支援する事となる。プランAは失敗に終わり、プランBである“女神一行がジャッジの強い奴と戦いたい欲を満たせ、俺を殺せる程の戦闘力”を身に着けさせる事。ノルマは十分達したが、女神としての信念か情か分からないが、俺を追い詰めるまでには至らず、寧ろ女神候補生側が暴走等あり食い止める事になる。そして、調べているうちに、魔剣の存在、その使用した過去や経緯を知る。更に、このままでは確実に今の女神もその剣を手に入れ、女神殺しとしての同じ過ちを繰り返してしまう事を知る。そんな中で見つけた魔剣を邪聖剣へと変える秘術を見つけ、それを実行させる。

 

 

〔成程、其方は自らの命を捨ててまで、我々が使った剣を使いたいと。〕

〔ああ…俺が、あいつ等の命を奪うくらいなら、この命…この世界の平和の為に捧げるまでだ。〕

〔ふっ…即答…か…。若いな。それを使ったとして、果たして其方が思う理想の形に流れていくと行く保証もないのだぞ。〕

〔ああ、貴女の言う通りだ。この戦いは、既に数値や理論では到底計り知れないところまで到達している。それでもだ…ここまで俺を導く為に死んでいった人々や仲間の想い。そして、呪われし運命をこれ以上増やさない。それが、今俺が出来る奴らへの最後の道標。〕

〔…良かろう。其方の想い、しかと受け止めた。其方に、魔剣の真の力を開放する、混沌とも言える秘術を教えよう。〕

 

 

ギャザリング城の最深部に、魔剣を求め、そして捕らわれの魂だけの存在となった古の女神“ウラヌス”。彼女の助言がなければ、同じ過ちを繰り返す事となるのを知る由もなかった。そして、彼女の助言により魔剣の力を最大限に引き出す、光と闇を混同させる禁断の秘術を手に入れ、俺は自ら望み死を選んだ。俺が生きていては、何れ同じ過ちを繰り返してしまう可能性がある。しかし、女神やその仲間、そして出会った人々には感謝していると同時に、重い十字架を背わせてしまったと後悔してる。しかし、彼女達に出会っていなければ、俺はただ復讐心で動く殺戮者になっていた可能性もある。

 

「………。ネプテューヌ、ノワール、ブラン、ベール…。こんな俺を、ありのまま受け入れてくれたのは、剣士やジョニー、キャプテン以外、お前達ぐらいだ…。」

 

今のこの状況を考えると、本当に死んでしまったのか分からない。ふと、俺は足を止め、手摺もない橋の横に立つ。この虹の橋から落ちれば、本当に死ぬのか、又はゲイムギョウ界の地面に辿り着くのか―――――

 

「何してるの、こっちだよ、こっち!!」

「うぉっ!?」

 

…何処かで聞いたような似た声と同時に、手を掴まれ引っ張られるように橋を渡らせる。何処か幼さを残しつつ、大人びた黒色の丈の長いパーカーを着込んだ少女に引っ張られ、ついた先は巨大な樹海が聳え立つ小さな大陸。

 

「ダメだよ、足止めちゃ!君は、ここに来なきゃいけないんだよ。」

「………。」

「ん、どったの?わたしの顔に何かついてるの?」

 

俺の目の前にいる人物…まるでネプテューヌがそのまま大人びたような恰好の少女…女性と言えばいいのか分からない感じの人物だ。

 

「…いや、似ている人物を知っていてな。それで、俺がここに来なければならない理由とは?」

<そりゃあ、オメーが死んじまったら、色々と困んだよ。>

 

理由を問いただそうとした時、ネプテューヌ似の人物から“クロワール”の声が聞こえてきた。

 

「クロワール…?」

<おう、そうだ。オレだよ、オレ。…つっても、訳合って、今はコイツから離れなくなっちまったけどな。まぁ、単刀直入に言うとな。オメェには、まだこの世界でやる事が残ってんだよ。>

「やる事が、ある…?…その前に、これは夢か、現実か?それとも、俺は…死んだのか?」

 

<―――――いいや。其方は死んではない。同時に、今は生きてもいない。>

 

まるで役者が揃っていくように、聞いたことのある声が聞こえる。

 

「その声は、“ウラヌス”…どうして、お前がここに。」

<そこの、歴史を司る者の御蔭…と言うべきか。ここは、ゲイムギョウ界に隠された世界である“天界”。その中でも更に隠されし場所、生死の存在しない空間“魂が集う場所(ソウルストリーム)”。そこへ我々を空間移動して貰ったのだ。そして、其方は見たはずだ。“魂の無を有にする歩み”。>

「無を有にする歩み…。」

<今、其方の心は非常に揺れている。其方が名称している“ニグーラ”を滅ぼす殺戮の闘争心である闇。ゲイムギョウ界の女神や出会った仲間に対し想いを馳せる光。その光を汚さなぬ為に闇に還るか。闇を振り払い光の中に溶け込むか…これが“死”であるなら、その通り元の世界では死ぬ事となる。逆に、“生”と思うのならば、その通りになる。そして、それを受け入れるか否かの選択権は、其方が握っている。だが、それは本質とは違う。其方がゲイムギョウ界に来た理由。“ニグーラ”を滅ぼす為に来たわけではない。>

 

ウラヌスの話が本当であれば、俺には生きなければならない理由があるようだ。

 

「ここで“生”を選べば、俺は生き延びる事になるのか…。」

<そうだ。>

「それで、俺が生きなければならない理由とはなんだ?俺は自ら死を望んで、アイツ等に力を与えた。それで、今更蘇ると言われて、受け入れられるか?」

<…それもそうだな。成らば、その理由を知る彼等と話すべきだ。>

 

ウヌラスがそう言うと、巨大樹の枝先が光だし、その木々の下に落ちる。そして、その光は人の形となり半透明の人物が2人現れる。

 

「…!?きゃ、キャプテン…ジョニー…。」

<よう、永守。元気だな。…俺達は死んじまったけどな。>

<頑張ったな…良く、ここまで来てくれた。>

「頑張った…か…。最後は女神達に託してしまった。そんな事言えるような立場じゃない。」

<そうか?確かに戦いの中を生き抜いてきた。そして、お前の来てしまった世界でも、戦いからは背くことはできなかった。でもな、そんな戦いのない日々で、お前は復讐心ではなく、お前自身は明日(素顔)を見ていた。>

 

キャプテンの言うのも分かる。あの時は、何があるのか分からずがむしゃらに世界に馴染もうとしていた。1つは情報収集の為、もう1つは、奴に俺が生きている事を知られない為…。だが、俺はネプテューヌ達といる時、ふとそれを忘れている時間があった。

 

<俺達のやったことは、戦争の火種になってしまったと言われれば、そうかもしれない。実際、俺はお前に銃の扱いを教えたことは、それを推進させてしまったと考えれば、周りはそう考えてしまうのかもしれないな。だが、そんな力があっても、お前は誰かの為に使ってきた。そして、お前は本当に強い。その強さは、これからを生きる“意思”になる。>

<私達は、明日を求めて一緒に歩んできた。…私にとって、その考えは、お前に使命と言う十字架を背負わせていたのかもしれない。だが、それも今日で終わりだ。お前に生きる意志があれば、お前が生きる意味を探せ。それが、S.T.O.P.から…いや、私個人の最後の命令だ。>

 

俺には、強さがあると言う。そして、その強さはこれからを生きる道標となる…か。

 

「…一つ、聞きたい。死んでいった他の仲間や、人々は…それを受け入れてるのか?それと、俺が生きなければならない意味を知っているのが、2人の訳を…。」

 

それを言った瞬間、俺の周りに大量の光る小さな玉が集まる。それらは、何処か羨ましそうな感覚もあるが、暖かく歓迎してる感覚がある。

 

「………。全く、お前達は…。」

<決して全員が、そういう訳ではない。私達は、お前が一番相応しいと考えている。時間が経ては、我々がいたという事は薄れて忘れてしまう。さっき、背負うべき十字架はないと言ったが、それを捨てるか否かはお前次第だ。忘れて平凡に生きていてもいい、語り手になってもいい…。だがその前に、お前の親っさんと、急に入ってきた女性からな、メッセージを預かっている。お前の真相を知る存在だ。…どうか、これを聞いて悲観しないでほしい。>

 

キャプテンとジョニーが光だし、姿形がはじけると2つの小さな光が現れる。それが、俺の手元に向かい、光出すとメッセージのようなものが脳内に流れてくる。

 

〔これを聞いているのなら、恐らく私の魂は既に消滅しているだろう。恐らく、許しては貰えないだろう。元より、お前を息子としてでなく、一人の戦士として見てきてしまったのだから。…お前は、私の“本当の息子”ではない。〕

 

クソ親父の音声のみだが、真実が語られる。政府が発案した、“ハードリバース”。恐らく、この戦いが起きる事を想定して作られた、光と闇の力の両方を身に着け、最終的に身を滅ぼしつつ星に生命を息吹かせる…ニグーラ同等の戦士としての人工戦闘兵士計画。その中の完成体である一人が俺である。そして、研究員の一人であり、工作員でもあったクソ親父の元で育てられる事となる。結局のところ、残酷な事に俺は一般教養を受けつつも、本質は戦いに特化した兵士ってことになる。だが、結局のところ、俺はニグーラの力に飲まれているあたり、想定外か失敗作なのだろう。だが、一部の権力者が暴走。そしてあの惨事が発生してしまったという。

 

〔…平和の為、自由を得る為、お前を生き延ばす為とは言え、お前には責任を負わせすぎた。成功したとしても、所詮は内なる自由だったのかもしれない。…だが、お前に与えられたのは外への自由だ。お前は、もう運命に縛られる必要はない。戦争を招く火種でもない。お前の身体、心は…お前の宝物だ。その足で、大地を、風を、空を感じ…自らの生きる意味を探せ。〕

 

そして、クソ親父からの音声は消えてなくなる。そして、もう1つの音声が脳内に流れてくる。

 

 

〔人にはあーだこーだ言ったり助けたり、生きる意志を持たせておいて…何で相談もしねぇで、テメェ自身はぽっくりと逝く選択しやがって…テメェは一体何様だ!!…アタイは、あの戦いが終わった後の自分が見えねぇと思ってた。でもな、テメェを見てたら、その背中を追ってみたくなった。まぁ、テメェとツルムのも悪くはないが、テメェにはもっとやらなきゃならねぇ事、逢わなきゃならねぇ奴が一杯いるだろが。だったらよ、生きて帰ってきやがれ。…あと、アタイにも謝りやがれ。〕

 

 

「何故、リンダが?」

「それはね、わたしがクロちゃんにお願いして、メッセージを預かってきたんだ。」

<て、テメェ、その名で呼ぶなってんだろ!>

 

これまた微笑ましいと言うべきか…正直、俺はあいつ等…女神達とどう接していいのか分からない。恋愛みたいに胸が高鳴るわけじゃない。だが、女神達といる間、今までどんな事をしても埋められなかった隙間を、パズルのピースの如くぴったりと埋めてくれそうな感じはあった。そして今は恥ずかしながら、心の奥底に眠っている俺の感情…魂が“喜んでいる”。

 

「やれやれ、死に損ないだ。このまま消滅しようと考えていたが…。」

<そうだ、それでいい。其方の生きる源、未来へと続く道標。憎まず、拒まず、撥ねつけず。其方と、現在の女神なら、新たな翼を生み出せるだろう。>

「………。一つだけ、頼めるか?」

<頼み事とは?>

「…恐らく、奴との決着はついていないのだろう?」

<女神一行は、今まさに戦っている。…そこに行けないかと言うのか?>

 

俺は、ウラヌスに対して縦に頷く。心残りや後悔といえばそうだろう。だが、最後の火種だけは消しておかなければならない。

 

<其方の肉体は、今のゲイムギョウ界て保つのは難しい。だが、わしの力、そして邪聖剣に宿っている力があれば、其方の肉体は、持って15分だろう。それを過ぎれば、魂諸共消滅してしまう。>

「十分だ、10分で終わらせる。」

<…もう一つ。戦いが終わったのなら、邪聖剣を壊せ。>

「その心算だ。」

<頼もしい言葉だ。わしも、あやつに因縁がある。其方に15分間、わしの力を与えよう。>

 

ウラヌスがそう言うと、俺の周囲に小さな光が集まってくる。すると、徐々に俺の魂に炎が付くように湧き上がり、背中に炎の翼のようなものが現れる。…これが、ウラヌスの力がどうかは分からないが、力を得た事によって目覚めたのだろう。それと同時に、巨大樹の前方にワープホールのような物体が現れる。

 

<さぁ、道は開いた。あとは、其方次第だ。>

「じゃあ、わたしの役目はこれで終わりだね。」

「…短い間だったが、世話になった。」

「うーん、これで別れるのは何だが残念だよ。」

<おうおう、オメェよ。オレの力使ってやる事あるっつったのはどこのどいつだ?>

「あ、そーだった、てへっ☆」

「………。」

 

若干反応に困るが、やはりこの女性…いや、今はいい。不思議とまた何処かで会ってしまうような感じがある。俺はワープホールに向かって歩み始める。

 

「これ以上待ってるわけにもいかない。俺は行く…達者でな。」

<おうおう、ここまでしたんだからよぉ、犬死なんてすんなよ。>

「あ、うん!無理はしないでね、“えい君”!!」

 

ワープホールに飛び込むと同時に、聞き覚えのある呼び方が聞こえた気がする。…今、今後生きる意味は分からない。だが、今はそれでいいと思う。だからこそ、この戦いは終わらせなければならない。悪しき1を0にする為、ゲイムギョウ界の平和の為、そして俺の先の見えない未来の為に―――――

 

 

 

 

 

 

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