超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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Scene63 崩れ行く思想~Collapse~

 

 

【ルウィー:外郭】

 

XLバイオメカニック―――――

 

俺と剣士が、元居た世界で大量出現した、ニグーラの破壊兵器とも言える二足歩行の自立生命体。両手が腕で殴ってくるXLハンタータイプ、両腕がレーザー砲のXLマイナー、ロケット砲のXLメジャーと多彩であり、耐久力も馬鹿にならなかった。…今、それに似たようなのを、アクダイジーンが操っている。

 

ただ、人口生命体のように生々しい所はなく、如何にも機械といえる戦闘マシンに仕上がっている。それでも、姿形は、XLバイオメカニックの面影がある。出現時は思わず驚いてしまった。つまり、俺達が戦ってきた相手もゲイムギョウ界の技術を用いていた事になる。…調べつくしたと思ったが、まだまだ奥が深いようだ。

 

「ずびばぜんでしたあああああ!わしが悪うございましたあああ!!」

「オラッ声が小せえぞ、もう一回だ!!」

「あははははっ!!生意気に人間の言葉なんか話しちゃって…豚は豚らしくしてればいいのぉ!!」

「………。」

 

序盤からシリアス風に始めたのはいいが、俺の目の前ではある意味放送禁止ともいえる地獄絵図が繰り広げられている。…ああ、あの後、追い詰められた大臣ことアクダイジーンが、上記で言った面影のあるパワードスーツを使って、打倒女神と豪語するだけあり、アクダイジーンの使っていたダサいパワードスーツは、十分に女神を倒す性能を秘めていたと思われる。だが、試作品だったのか、未完成だったのかはネプギアと解体しないと分からないものの、操作が於保つかず使い切れていない印象だった。そして、一瞬の隙を付かれ、パワードスーツは粉砕。女神側の当初の予定通り、アクダイジーンの悪事を暴き、ルウィーを取り戻す為に再び全国放送を開始している。

 

「あ“あ”っ!!や、やめて、靴の踵で突っつくのを、髪の毛一本ずつ抜くのはぁ!!地味に痛いからぁ!!」

「豚の癖に、何指図してるのかしらぁ?」

「どうやら、まだ自分の立場が分かってねーようだ…なっ!!」

「…えっと、先ほどから放送している通り、この一連の行為は全て七賢人及び、現在罵られている大臣の企みによって実行されました。如何でしょう、解説のノワールさん。エースさん。」

「あ、はい。えーそうですね…一見、力ずくで無理矢理言わせているように見えてしまいますが、今回の件は全て事実で…」

「(そこで振るか…。)ええ、解説のノワールさんの発言通り、今回の計画は半年前から七賢人との合同で計画され、実行されたものと考えています。証拠は、大臣の執務室にありました。」

「…ねぇ、これ本当に流しちゃって大丈夫なの?あと、あなたそこまで調べてたのね…。」

「ど、どうでしょうね…。でも、止めたら止めたで、また別の問題も起きそうですよ…。」

「賽は投げられた。結果はどうあれ、気の済むまでやらせるのもありだろう。」

 

ここのブランからしたら、どれ程の年月を耐え抜いたか…殆どガス抜きもせずにやってきたと考えれば、あの暴力的とも言えるアクダイジーンへの仕打ちは、納得いくだろう。…プルルートは、あれはもう趣味なのか?常人からしたら、一番怒らせてはならない人物No.1に食い込んでくるだろう。とは言え、小物感が分かったのか、ブランの手が少しずつだが止まっていく。

 

「くそっ…こんな奴にいいように踊らされてたなんて、我ながら情けねーぜ…。」

「や、やっと終わるんですか?た、助かった…。」

「あらぁ、ブランちゃんはもういいの?それじゃあここからは、あたしのスペシャルコースとして、じっくりと…。」

「ひ、ひいいいいやあああああああああああ!!!」

「おい、テレビの前のてめーら…二度とわたしへの信仰を止めようとか考えんじゃねーぞ!!そん時は、此奴と同じ目に合わせてやるからなっ!!」

 

そして、放送自体はブランのこの言葉で幕を閉じたものの、プルルートのアクダイジーンへの御持て成し(?)はここから更に30分続いたのは、また別の話としよう。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

【ルウィー教会:執務室】

 

「………。」

「………。もういいわ。済んだことでもあるし、顔を上げなさい。」

「だが…いえ、しかし、ブラン…ホワイトハート様へ御無礼と言える行為をしたことは事実であり―――――」

「いいから、顔上げやがれ…。」

 

放送後、暫く熱冷ましの時間も取り、執務室で更に休憩という形でお茶が出されている。が、俺は仲裁どころか、喧嘩を売ってしまった無礼を誤る為に土下座をしている所だった。ブランに諄いと思われたらしく、顔を上げる。

 

「確かに、あなたに負けたことは悔しい…けど、あなた達の言葉に耳を傾けていれば、早い段階で丸く収まっていたかもしれないのも事実。」

「いえ、まぁ…色々ありましたけど、全てひっくるめて一件落着という事でいいですよね?」

「うん。よかったねぇ~、ブランちゃん~。」

「…ん…、あの…。ありがと…ね?プルルート、ナナ、エース…。」

「いいですよ、これから協力しつつ、互いにいい国を作っていく仲ですし。」

「そぉだよ~。お友達なんだからぁ~。」

 

…5秒ぐらい沈黙があった。完全に一人の名を呼んでいないことに、ムッとしたのか突っかかりに行くようだ。

 

「…誰かひとり抜けてないかしら?」

「…あなたには絶対言わない。」

「なっ!!…ま、まぁ別に言ってほしくもないけどね。あなたにお礼言われても、気分が言いものでもないし。」

「んだとぉ…新米の分際で…!?」

「そっちこそ、ロートロの癖に…。」

『ふんっ!!』

「もぉ~、仲良くしなきゃだめだよぉ~。」

『はぁ…(………)。』

「それから、わたしはあなたを完全に許してはないわ。万全な状態になったら、もう一度戦ってもらうわ。」

「………。いいだろう。結果はどうあれ、それで御相子だ。」

 

どうやら、俺の知ってる二人とは違い、今後とも犬猿関係は続きそうな予感だ。おまけに挑戦状も叩きつけられる事となる。

 

「…そろそろ帰ってもいいんじゃないの?ここに長居する理由はないし、イストワールに報告しなきゃいけないでしょ?それに、エースの事も話し合わなきゃね。」

「あ~…そうですね。名残惜しいと思いますが、此方もやることはありますからね。」

「そうか…、また機会があれば来よう。」

「ブランちゃん、ばいば~い。」

 

全員が立ち会がり執務室から出ようとすると、何かを思い出したかのようにブランがプルルートに話しかけてくる。

 

「ま、待って…!その…暫くはわたし、国を立て直したりで忙しくなってしまうけど…。えっと…だから、時間が出来たら、そっちに遊びに行っても…いい?」

「うん、何時でもいいよぉ~。」

「プルちゃんが宜しいのなら、私も歓迎しますよ。」

「ほ、本当…!?や、約束、絶対だからね?」

「うんうん、約束絶対~。」

「…よかった…あは…。」

 

RPG的に言うのであれば仲間が増えて喜ばしい事だろうが、この状況を不満げに見ている人物が一人いる。

 

「むぅ…。」

「どうした、仲間が増えて喜ばしい事じゃないのか?」

「わ、私は、全然嬉しくないわっ!!」

「………。嫉妬か?」

「な、ななな、何よ、嫉妬って…!!…んもぅ…!!ぷ、プルルート!ナナ!何時までも喋ってないで、さっさと帰るわよ!!」

「わわっ、引っ張らないでぇ~!」「な、何ですか、ノワールさん!?」

「あ…。」

 

そう言ってノワールは、会話の中に割る様に二人を引っ張りつつ、部屋を後にしてしまう。プルルートは引っ張られながらもマイペースに“またね~”と言いつつブランに手を振っている。

 

「…済まないな。」

「あなたが謝る必要はないわ。会う約束もしたし。わたしはそれだけで満足よ。」

「そうか…。」

「あなたにも、色々と話したいことはあるけど、今はそうも言ってられないわ。早くしないと置いていかれるわよ?」

「そうだな…。」

 

ブランに一礼しその場を後にする。合流した後、プルルートが牢屋の中で、何故ブランに優しかったのかという話になっていたが、泣いているブランが可愛くて優しくしてから突き放したら、もっと泣いてくれるんじゃないかと。…改めて、プルルートは常人の性格では厳しい…そういう性格なのだと理解した。プラネテューヌに帰還後、どういう訳か、俺が女神化のプルルートに驚かなかったのも不服だったのか、プルルートにちょっかい出されたのはまた別の話である。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

【プラネテューヌ:教会前】

 

…あれから数週間が過ぎた。クエストを受け、安定して生活が出来るようになっている。どういう訳か、こっちのプラネテューヌとも縁があるのか、プラネテューヌ教会付近の貸し部屋に居候する形となっている。で、今プラネテューヌに向かって自転車(ママチャリ)を漕いで “3人の子どもを乗せ”ている俺は、ごく一般的…ではないな。どうしてこういう状況になっているのかは1時間前に遡る。

 

 

 

「恐らくですが、エースさんはここに来て少し話は聞いていると思いますが…子どもの誘拐事件が多発していることはご存知でしょうか(・ω・)?」

「その話はノワールから聞いている。」

「では、説明は省略させて頂きますね。実は貴方に私から依頼(クエスト)を出したいと思いましてo(・ω・。)」

「…要件を聞こう。」

「ここプラネテューヌの教会を、数日前から一時的に託児所にすることが決定しました。誘拐されるとなると、やはり物騒ですからね。教会に助けを求める子持ちの方や、先ほど言った保育所等から色々とお言葉を頂いてます( -ω-)و」

「保育所か…。」

「それで、教会に一時的に子どもを預けたいと、とある孤児院から連絡がありました。やはり、万が一に防衛手段をと考えると、そこでは心もとないとの事です(・ω・)」

「…その子どもを、ここに連れてきてほしいと?」

「はい、そうです。今、ナナさんも別件で席を外していますし、プルルートさんは相変わらずの調子ですので…(・Д・`)」

 

 

 

…そんな訳で、子どもを乗せてプラネテューヌに送り届ける為に再び戻ってきたのだ。最初は乗り気ではなかったが、この事件には恐らく裏があると考えている。女神達の情報では身代金目的の誘拐や、奴隷売買的な事では無いらしい。基本的な情報はここで途切れている為、憶測も何もできやしない。ただ言える事は、ラステイションでは孤児院や保育園から誘拐されているという情報はない。兎に角、子どもを送り届けたら情報を集める必要がある。因みにだが、預かる期間は無期限で、早期にこの誘拐事件の犯人が捕まったら、また預かりに戻るとの事。そのまま成人まで預かっても構わないと言う。育児放棄に近いものを感じるが、今日行った孤児院はボランティアで行っている以上、仕方ない事なのかもしれない。…言っとくが俺は、子どもは嫌いではない。元居た世界でも救助とかでよく見るし、子どもの笑顔が守るのもS.T.O.P.の目指すものの一つでもあった。

 

しかし――――――

 

「だうー…。」

「うーうー…。」

「だー!だー!」

 

最後に声をあげた1人は見た目通りの活発さだ。前者2人の子どもは大人しい方だが、何処かで見たような面影がある。そもそも、名前が“コンパ”と“アイエフ”だ。最後の一人は“ピーシェ”と名付けられている。まぁ今は教会へ送り届けるのが最優先であり、教会の扉に手を掛け中へ入る。

 

「あ~、えー君おかえりぃ~。」

「あ、ご苦労様です。エースさん('ω' )」

「連絡のあった子ども達だ。誘拐事件が終わるまで預かってほしいと言う。」

「分かりました。早期に解決できればいいのですが…(-ω-;)」

 

軽く連れてきた子どもの紹介をし、ナナが戻ってくるまで子育てを手伝う事にした。1、2歳児3人を1人で面倒を見るのは大変だろう。活発次期でもあるし、何よりプルルートのストレスが溜まったら、度々女神化していい?と半場ストレス発散よも思える事もある。他の人から見たら脅しとして使ってるようにも見えるが、悪意があって言っている訳でないから何とも言えない。

 

 

 

「ううーっ!」

「…Nギアを使いこなしている。アイエフ、恐ろしい子…。」

「えすー…ぱーんちっ!!」

「っ!!み、みぞおちは、危険だからダメだぞ…(威力、パンチの角度共に的確だ。)」

「あぅ?みぞち?」

「すー…すー…。」

「い~なぁ、えー君。2人にも懐かれてぇ。」

「…そう見えるか。」

 

プルルートは子コンパを上手くあやしており、活発な二人は大人しくなる気配がない。ただ、Nギアを巧みに扱う子アイエフに気を取られ、危なくピーシェの的確なみぞおちパンチを受ける所だった。そうしているうちに、子アイエフがネプテューヌの映っている写真を開いた時、ピーシェが妙に興味を持っていて、名前を教えると“ねぷてぬ”となった。プルルートも“ネプちゃんかぁ…”と既にニックネームで呼びつつ興味を持っている。

 

そんな事をしていると、外から喋り声が聞こえている。入ってくるまで妙に時間はかかっていたが、ようやく扉を開けて入ってくる。

 

「只今戻りました。っと、エースさんもいたのですね。」

「おかえり~。もぉ~遅いよぉ~。」

「ああ、邪魔してる。…で、扉の前で何してたんだ。」

「ああ…ノワールさんとブランさんが―――――」

「それは言わなくていいわよ!!…邪魔するわよ。」

「…お邪魔します。」

「あ~、ノワールちゃん、ブランちゃん、いらっしゃ~い。」

 

大勢という訳でもないが、急に人が増えたからか子コンパが泣き始めてしまう。

 

「びくびく…ふ、ふぇえ…」

「わわぁ、大丈夫だよ~、怖い人達じゃないからぁ~。」

「えぇ!?ま、まさか、泣いちゃうの!?」

「…泣いてる子どもは、苦手なんだけど…。」

「…それを子どもの前で言うか。」

「う、うるせー…。」

「あらら…大丈夫ですよ~。ほらほら―――――」

 

泣き出しそうになった子コンパは、ナナが上手い具合にあやして事は済んだ。“ナナちゃん、あやすの上手ぅ~”とプルルートから賛同を受けている。…が、ノワールの発言で暴走し始めてしまう。

 

「…ところでさ、プルルート、エース…そこに居るのって…。」

「ほぇ?子ども達のことぉ?」

「この子たちか?生後間もなくはないが…。」

『………。』

「あぁ、なるほど…。…ん?」

 

ナナは恐らくイストワールから報告を受けていたから、託児所の話は聞いているはず。が、ノワールとブランは目を丸くしてから、息を吸って―――――

 

『ええええええええええええ!?』

「ふぇ…ひ、ぶぇえええええええ!!」

「わああ!だ、ダメだよぉ、大きな声出しらぁ~!」

「ど、どうしたんですか二人共…!?」

「お、大声ぐらい出すわよ!!あなた、いつの間に…っていうか、相手は誰なの!!まさか…。」

「…俺を見るな。」

「えっとぉ~…。」

「前に来た時は、そんな影は感じられなかったわ。という事は…コウノトリ…いえ、キャベツの可能性も捨てきれない。」

「あ、あの、とりあえず冷静になりましょう?」

「そ、そうよ、冷静になるには…。」

「素数を数えれば…。」

『………。』

「もぉ二人共ぉ、話を聞いてぇ~。」

 

会話文が長くなる上に、徐々にカオスな方向へと向かっている。そもそも、ノワールにはプラネテューヌの計画情報は行き届いてないのか?そこに、助け舟のようにイストワールが現れる。

 

「…全く、騒がしいから何かと思いましたが、何バカな事を話してるんですか(´・д・`;)」

「イストワール様…。」

「ああ、丁度いい所に…!どうして事前に教えてくれなかったの!!」

「本来なら祝福したいところだけど、状況が状況なだけに素直に喜べないわ…。」

「だからぁ~。」

 

こんな状況だからか、イストワールも呆れ顔をしている。この様子だと、恐らく伝えていたのだろう。

 

「ノワールさんの教会にも連絡しましたよね?ナナさん(´A`;)」

「はい。子どもの行方不明事件への対応として、ここプラネテューヌ教会を一時的に託児所にするというお話を…。」

「た、託児所…あ…。」

「連絡は行き届いていたのか。」

「ええ。ただ、連絡手段やら報告手順などが整ってないルウィーには、この事を報告していませんので、ブランさんが知らないのは仕方がありませんが…。」

「と、いう事は…この子たちは、プルルートの子どもではない?」

「そ~だよぉ。あたし、男の子というより、えー君とも手をつないだことないのにぃ~。」

「ブランさんは兎も角、何故ノワールさんは勘違いなさるなんて…(ノД`)」

 

とりあえずは、この訳の分からない事は収まった。が、それとは別に子ども達は元気よく遊んでいる。

 

「てぃっ!!」

「いちゃっ!!び、びえええええ…!!ぷぅーちゃーん…!!」

「こあー!いじめたらめー!」

「わぁ!ケンカはダメだよぉ!」

 

こっちの事情はお構いなしに、喧嘩…というよりはじゃれ合いが勃発している。これを止める為にピーシェを抱き上げるも、“だぁ、はなちぇー!”と言いつつ、子コンパに当たらなかったが積み木を投げたりする。

 

「ああ、ダメですよ。人に物を投げては…。」

「…折角だけど、日を改めた方がよさそうね。」

「そうね、また今度二人の手が空いてる時に来るとしましょ。」

 

と、ノワールとブランは教会から出ようとすると、プルルートに“帰っちゃうのぉ?”と引き留めつつ、手伝ってほしいと言う。そして、プルルートによる魔法の言葉“変身”を言い無理矢理二人を手伝わせる事となる。この状況では俺も退場は出来ない。子育てスキルを磨くついでに付き合うのも悪くはない。

 

「…しかしこれ、お二人が帰って“ラステイションとルウィーの女神は子どもが苦手”とか“子育てが苦手なのか~”とか言われる可能性もあるんですよね。」

「ナナ…。」

「あなた、意外と毒があるわね…。」

「え?…あ…。」

 

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

一方その頃―――――

 

【七賢人:会議室】

 

「ああああああああ…口惜しいのう、口惜しいのう…。前代未聞の恥晒しじゃぁああ…許さんぞ女神共ぉ…許すまじ…。」

「な、なんで言い直したんですか…。それに、あの…いい加減、立ち直って頂けると、そのぉ…。」

「ええい鬱陶しい!!貴様、いい年した男が何時までもウジウジするな!!」

「あらぁ、意外…マジェちゃんって男のお尻を叩くタイプなのねぇ…。」

「貴様…次言ったらその口縫い合わすぞ。」

「ってゆーか、よくもまぁ、戦闘シーン無い上にあんな醜態を晒した癖に、いけいけしゃあしゃあと会議に来れたわね。アンタのせいでこっちは大変なのよ!!」

 

場所が女神達にバレてない為、前回と同じところを使い会議をしている七賢人。だが、前回に比べて明らかに空気が重くなっている。それもそのはず…前回退場願おうと計画を早め行動に出たアクダイジーンが、その退場するはずの女神達に負けた上、見っとも無い姿も曝け出され、計画も七賢人の仕業だと証拠も突き詰められ広められてしまった。おまけにルウィーは復活だけでなく他の国とも協力関係を結ぶ計画も順調に進んでしまっている。その為に、七賢人の評判がガタ落ち、顔の割れてしまっているアクダイジーン、アブネス、ワレチューは風当たりもあり、表舞台での行動がしにくくなってしまったのである。そして内部での喧嘩が勃発する始末である。そんなこんなで、アブネスは“付き合ってられない!”と言いつつ、会議室を出てしまう。

 

「全く…五月蠅いのが居なくなって清々するわい。」

「きゅ、急に元気になったっちゅね…」

「元気になるのはいいけどぉ、コピリーちゃんも、アーさんのスーツも修復までまだまだ時間掛かるわ。正直な話、行き詰ってる感はあるわよねぇ。代わりに、あっちの計画は進んでいるけど。」

「ふふ、その話はあの五月蠅いのに聞かれては、少々厄介じゃの。」

「…私は乗り気ではないのだがな…。」

「もぅ、マジェちゃんったらぁ。レイちゃんも嫌がってるのに、そう言われたらぁ…。」

「貴様等七賢人としては必要なのだろうが、女神達を私の力でねじ伏せるやり方とは違うのだからな…。」

 

戦闘面での計画とは別に、七賢人として何かしらの計画を進めている。だが、賛成二人、反対二人、中立一人…ではなく一匹と意見が分かれてしまっている。

 

「何を恐れているのじゃ。この計画が進まなければ、わし達の王国を築き上げることは出来ぬのだぞ?」

「だが、その計画がバレてしまった場合、隠蔽計画とかあるのか?それに、あの女が更に五月蠅くなるのが目に見えている。」

「だからこそ、そうならないのをターゲットにしてるのではないか。」

「あ、あの…喧嘩は、ダメですよ…?」

『五月蠅い!外野は黙っていろ(黙っておれ)!!』

「ひぃっ!ごめんなさい、ごめんなさい…!!」

「これじゃあ、何時もと変わらないっちゅね。」

「そうねぇ…行き詰ってるのは事実だし、こっちの計画も出発点に立っている訳でもないしねぇ。」

 

素材はあるが、見切り発信状態では話ならない。そんな状況な為に、様子見を取らざるを得ない七賢人である。だが、ここから先、女神だけでなく七賢人も願ったり叶ったりと思えない出来事が起きることは、また別の話となる。

 

 

 

 

 

 

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