超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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Scene65 戦いの行先・共闘~DeadHeat~

【リーンボックス:ヘイロウ森林】

 

あの後、軽くリーンボックスの歴史を調べ、リーンボックス行きの船に乗りつつ軽食を取る。リーンボックスの女神が誕生した場所は“ヘイロウ森林”と特定している為、到着後直ぐに向かう事になる。

 

「間違いなさそうね、ここで。」

「…此処が、あの女の聖地ね。ここを選ぶ理由が何となくわかるわ。」

「私達とは別の…厳密に言えば、リーンボックスのシェアエナジーが充満している感じがしますね。」

「………、ほぇ?あたしは何にも感じないよぉ?」

『………。』

 

とりあえず、ここはリーンボックスが一部区画にしているからか、モンスターが比較的柵の外にいる事を覗けば、安全と言える場所になっていますね。そして、ベールさんが待ち構えているであろう場所に到着する。

 

『………、え?』

「…ようやく来ましたわね。遅いものでしたから、退屈してましたわよ。」

 

確かにそこには、ベールさんとエースさんがいた。しかし、だからと言って…。

 

「な…何、呑気にお茶を飲んでるのよあなたは…。」

「お茶ではありません、紅茶でしてよ?」

「そう返答してきますか…。」

「お茶だろうが、紅茶だろうが関係ねー、おちょくってるのか…?」

「いいなぁ、あたしも混ざりたい~。」

 

そこには、日傘付きのテーブルに用意された椅子に座っているベールさん。そして、サイズが1つ合っていない執事服を着つつ、ティーカップにお茶を入れるエースさんが居ました。ただ、執事なんてやったことがないのか、手付きがぎこちないように見える。

 

「さて…臆病風に吹かれず、よく来ましたわね。」

「…あなたを恐れる理由は、何一つないわ。」

 

しかし、よくよく考えれば戦う理由は無いように見える。ノワールさんも何となく理由のない戦いだと思っているようで、目が合った瞬間そんな感じがした。

 

「…ここまで来て今更だけど、私達が戦う必要ってないんじゃないの?」

「私もそう思います。ここで戦っても、何も意味がないと思います。」

「そうなのぉ?」

 

…と、一応ベールさんに戦う必要がない事を言うものの、紅茶を一口飲みゆっくりと机に置いた途端、ムスッとした表情に変わる。

 

「いいえ、戦う理由の有無は関係ありません…これは、プライドの問題ですわっ!わたくしが、あなた達より優れている事を証明しないことには、納得がいきませんわ!!」

「エース、あなたは止めようとしなかったの?」

「止めてたら、こんなところで優雅に紅茶など飲んでいない。」

「…それもそうね。全く、ルウィーと言い、ここの女神と言い、どうして先輩女神は頭が固くて面倒臭いわね。」

 

そうしている内にベールさんが席を立ち、此方に敵意を向けるように身構え女神化をし始める。

 

「無駄口はここまで…さぁ、あなた方も変身して武器を構えなさいっ!!」

 

もう、完全に戦う気満々のようで止められる感じは無さそうです。

 

「…てめーが強かろーが、数では圧倒的に有利。その自信たっぷりな顔を吹っ飛ばしてやる。」

「…もう、こんな面倒な事で戦うのもあれだけど、やるからには手加減はしないわよっ!!」

 

そうしているうちに、挑発に乗る様にブランさんとノワールさんが変身する。

 

「わぁ、みんな変身しちゃったぁ~。じゃあ、あたしもいいよねぇ~!!」

 

そして、プルちゃんも流れるように変身する。ある意味、スキャンダルとかパパラッチが居なくてよかったのかもしれない。

 

「うふふふ…やっぱり、変身出来るって清々しい気分になれるわぁ。ねぇ…あなたは戦わないのぉ、えー君?」

「………。」

 

どうやら、プルちゃんのターゲットはエースさんのようです。

 

「え、プルちゃん…?エースさんは…。」

「ナナちゃん…実はねぇあたし、密かにえー君とこの姿で遊んであげられる時を待ってたのよ。止めちゃダ・メ・ヨ。折角なんだからぁ、たぁっぷりと遊んであげるわぁ。」

「待ちなさい。これは、わたくしとあなた達との問題…彼は関係なくてよ?」

 

リーンボックス側にエースさんを誘ったが、端から4対1をベールさんは望んでいた模様。しかし、プルちゃんはそれを許さないようです。

 

「ん~…あなたは、あたしの好みじゃないのよねぇ…。悪いけど、ノワールちゃん達と遊んで貰えるかしらぁ?」

「っ…!!わたくしが眼中にない…!?その言葉、侮辱として受け取りましたわ…あなたは、わたくしの手で倒すっ!!」

「ふぅん…構ってちゃんなのねぇ。まぁでもぉ、あたしとえー君の邪魔をするって言うのなら、容赦はしないわぁ!」

 

うぅ…地の文を担当していたらカオスな状況に…。

 

「え、エースさん…?」

「…助けを求めるな。もうここまで来たら止められない。ならば、戦ってストレス発散して貰うまで…。」

 

そう言って、エースさんは執事服を脱ぎ捨てる。その下にはリーンボックス製と思われる全身を纏う戦闘用スーツを着込んでいる。…あれも実験用なのでしょうか。そうして、右腕の手袋に文字を書くような動作をし、変身した時のような右手を構えている。

 

「…ああもう!!分かりましたよ。こうなった以上、白黒つけるまでです!!」

 

そうして、ヤケクソに私も変身する。この勝負の勝ち負けが決まれば、一応の事態は収まると信じて…。

 

「ようやく役者が揃いましたわね…。致し方ありませんが、エースさん…あなたも準備宜しくて?」

「…何時でも。」

「では…リーンボックスが女神、グリーンハートの力…味わいなさいっ!!」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

【リーンボックス:船場】

 

―――――一方その頃…

 

リーンボックス行きの船に、妙な二人組がいると言う噂が広まっている。一人は、フードを被り正体不明な人物を装っている。もう一人…と言うよりはコンパニオン的な巨大なロボットがついてきている。

 

「ここが、リーンボックスか…。成程、成程…壊しがいのあるところだ。」

「くぅーっ!ここがそうかぁ…さぁ、思いっきり暴れまわるぞぉ!!」

「………。」

「んん?どうした、マジェコンヌ。暴れまわるんじゃないのかぁ!?」

「ええい、五月蠅い!!少しは静かに出来ないのか!!」

「おお、これは失礼。周りの目が気になってしまうからなぁ。」

「………、くそっ。」

 

宣言通り、マジェコンヌはリーンボックスへと到着し、性能確認の為にコピリーエースを連れてきた。

 

「(まぁいい…破壊活動をすれば、このイライラは収まるはずだ。)」

「それで、何処から行くんだい?」

「こんな港で暴れても意味がない。中央広場があったはずだ。そこに行ったら始めるとする。」

「OK~!!さっさと行こうじゃないかぁ!!」

「っ………。」

 

血管が浮かび上がるほどの怒りを募らせつつも、宣言通り街を破壊すべくリーンボックスの中央へと向かうマジェコンヌとコピリーエースだった。

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

【リーンボックス:ヘイロウ森林】

 

「受けて見なさい。わたくしの美しき魔法をっ!!」

「くぅっ、言うだけはあるようね。」

「速度、誘導性…中々厄介な風の矢ですね。」

 

戦いが始まってから数分が経過しました。まだ互いの手札を出し切っていない状況でもあり、様子見に近い形でけん制し合う形で戦っている。とは言え、ノワールさん、ブランさんは数の暴力、全力前進とも言える最初から本気モードで戦っている。

ですが、プルちゃんはベールさんの攻撃を躱しつつエースさんを執拗に攻撃している。エースさんも周囲の攻撃を躱しつつ、プルちゃんの攻撃を躱すことに集中していると言った感じです。蛇腹剣でエースさんの腕に絡みつけて引きずろうとしても、それに合わせて上に飛びつつ、けん制で炎の弾を飛ばしてくる等、エースさんは倒すよりも“見”に回っているのか分かる。攻撃を最小限に抑えて様子を見つつ、不思議な程にベールさんと息の合った攻撃をしてくる。

 

「んもぅ、大人しく捕まってくれてもいいんじゃないのぉ?」

「生憎、SMプレイは趣味じゃない。」

「んなこたぁどうでもいい。どうして、てめーらはそんな息が合ってやがんだ?」

「確かに…練習不足感はありますが、つけ入る隙が中々…。」

「そうよ。いつの間に練習したのよ?」

「生憎ですが、練習も打ち合わせもしてませんわよ。こちらも不思議なくらいですが、こっちとしては大助かりですわ。」

 

本当に、まるで以前協力したような動きをしている。おまけに、エースさんはブランさんとの本気で戦ったような変身状態になっている為に、余計に戦いにくい感じがしている。攻撃事態は、エースさんが見に回っている為にいなしていけるものの、城壁とも言える鉄壁の防御の如くつけ入る隙が本当にない。とは言え、長期戦になればお互い不利になってくる事に変わりはないはずです。ですが、此方もこれだけ時間を掛けて争えば、この方法なら行けるのではという戦法が幾つか出てきた。こっちだって、プルちゃんとノワールさんとは3年間やってきたし、ブランさんもああではあるが臨機応変に対応は出来ている。兎に角、プルちゃんと、ノワールさんにはアイコンタクトを飛ばす。

 

「相談は終わりまして?来ないのでしたら、此方から行きますわよ!!」

「…!はぁあああっ!!」

 

痺れを切らしたのか、ベールさんが此方に特攻してくるが、ノワールさんがそれを食い止める。それに合わせてエースさんも突っ込んでくる。が、私達に出来て、あの人に出来ない事…それは、女神化している間は低空飛行できる事。対してエースさんは変身しても、移動は基本的に“足”を使う。ならば、その足を封じるまでですっ!!

 

「させませんっ!!」

「…!!」

 

一直線に向かってくるエースさんの足元を、瞬時に氷漬けにする。いくら機動力に優れているとは言え、アイススケートのように滑りやすい地面にしてしまえば、足を踏ん張る力が難しくなる。急ブレーキをかけるも、氷の地面により簡単には止まれない。

 

「成程な、狙い所だぜっ!!」

 

術って止まれない所に、ブランさんがホームランを狙うかの如く戦斧を振る。やはりと言うべきか、変身中のエースさんの装甲は、私達の変身中並の防御力があるようで、戦斧を受け止める。とは言え、衝撃波防ぎきれないようで少量の血しぶきが見えた。そこに、プルちゃんが待ってましたと言わんばかりに、エースさんの身体を蛇腹剣で鞭のようにぐるぐる巻きにする。

 

「つ・か・ま・え・た。さぁて、こういうのは、どうかしらぁ?」

 

そう言いつつ、プルちゃんは蛇腹剣から電撃を発生させて、エースさんを感電させる。無言で受けてるようですが、歯を食いしばっているので恐らく通用しているのでしょう。普通の人ならやってはいけないんですけどね…。

 

「…お、おい…?」

「…あの、プルちゃん。ちょっとやり過ぎじゃ…?」

「んん~?」

 

10秒程感電させっぱなしでいるプルちゃんに、若干引き気味です…。とは言え、それだけやって膝をついていないあの人も、化け物と言っても可笑しくはないですね…。そうして、ようやくエースさんが膝をついたところで電撃を流すのを止める。

 

「きゃああああっ!!」

「残念だけど、私は剣だけじゃないのよ?そこを見余ったあなたの負けね。」

「ちぇっ、おいしい所を持っていきやがって…。」

「そっちに回ったのはあなたの判断じゃない。あなただって役割分担した分の仕事はしたじゃないの。」

「うっ…。」

 

どうやら、ノワールさんの方も一人で対処したみたいです。剣で捌きつつ蹴り技に持ち込んだみたいですね。

 

「………。」

「ちょっと、プルルート。やり過ぎじゃないの?」

「やり過ぎちゃったかしらぁ?でもぉ、裏切ったからそこ、いじめ…じゃないわ。手加減しちゃあ悪いと思ってぇ…。」

「呼吸はしてますけど…丸焦げではないにしろ、煙が出てますね。だ、大丈夫ですか?」

「…これが、大丈夫に見えるか…。」

 

ああ良かった…返事が返ってきた。“流石に女神3人同時相手は無理だ”と言いつつ変身が解け、エースさんは仰向けに倒れ込む。それを見たプルちゃんは、玩具に飽きた子どものように蛇腹剣を捨てる。…あの、縛ったままなのですが…。

 

「身体に、力が…。」

「そっちはそっちで、でけー割には脆いじゃねーか。」

「まぁ一人でも、そこそこはやるみたいだったけど、所詮助っ人に助けられていた訳であって、4人がかりじゃ当然こうなるわよね。」

「うぅ…。」

 

まるで力が抜けるように、グリーンハートことベールさんが膝をつき変身が解けるのだが―――――

 

「認めませんわ、認めませんわ!こんなの絶対認めませんわ!レギュレーション違反ですわぁ!!」

『えぇ…。』

「………。」

 

なんとまぁ…先輩であるブランさんより大人びた風貌であるベールさんが、大泣きし始めたのでした。おまけにこの戦いを不服と思っているようです。

 

「…おい、似合ってねーから泣き止め。」

「これがデジャブって奴?あなたもこんな感じに泣いてたじゃない。」

「なっ!わたしはこんなガキみてーな泣き方してねーだろーが!!」

「4人なんて卑怯ですわ!!正々堂々1対1で、再戦を要求しますわっ!!」

「自分から言って、それはないだろ。…それからプルルート。俺は椅子ではない。」

「でも、結構座り心地は悪くないわよぉ?」

「そんなの知りませんわ、存じませんわ!わたくしが、勝たなきゃ意味がないのですわ!!」

 

 

 

 

 

―――――それから暫く…という訳ではないですが、全員落ち着いたところで変身を解き、再戦は万全な状態でという事になりました。

 

「そういうことね。今の身体じゃどう考えても無理でしょ?」

「…それで言い訳されても、困るののね。」

「ううううう…。」

「むぅ~、そんな無理してケンカしなくてもいいのにぃ~。」

「一番はそれなんですけど、売られた喧嘩を買っちゃうのが…ねぇ…。」

『何よ(何だ)、その目は…。』

 

チラッと二人を見て、察したのか直ぐに返答が帰ってくる。

 

「兎に角、終わった…これで今回の件はチャラだ。」

「あれ、エースさん動いて大丈夫なんですか?」

「これ以上戦うのは厳しいが、帰るだけなら問題ない。」

「今回ここでやる事は終わりかしらね。余計な事が増えないうちに…。」

「そうね、こうしている間に何か起きても―――――」

 

 

「グリーンハート様っ、緊急連絡です!!」

 

そう思って帰ろうとしたが、そうは問屋が卸さないが如くリーンボックスの兵士が此方へと、慌ただしい様子で向かってくる。

 

「何ですの、騒がしい。大した事のない用で、わたくしの休憩を邪魔する気でして?」

「大変なんです!七賢人と名乗る者が2名…いえ、1人と1機が、リーンボックスの街を破壊して回っておりまして!此方も応戦はしていますが、まるで歯が立ちません…。」

「まぁ無理な話ね。一般人に女神対策してる奴等を相手するにはきついと思うわ。」

「そんな…。ぐっならわたくしがいかなければ…っ!!う、こ、腰が…。」

「その体では無理よ。行ったところで勝ち目はないわ。」

「で、ですが…このままでは…。」

 

プラネテューヌの女神として考えるのでしたら、協力はしない事で帰還するのが普通でしょう。ですが、今回の出来事とは無関係な一般人が巻き込まれているのは、見て見ぬ振りをする訳には行きません。

 

「…ちょっと二人共、まさか…。」

 

行動に移していこうとした時、ノワールさん止めに掛かるのですが…二人?と思い横を見ると、エースさんも立ち上がっていました。

 

「エース…さん…?」

「同じ考えなのだろう?リーンボックスの街に行き、七賢人を撃退する。タイミング的に、七賢人が来たという事は、ここで女神同士が競い合う事が漏れていたか、あるいは情報網があったと言ってもいい。それを吐き出す事も視野に入れられる。」

「………。ええ。」

 

疲れているはずのエースさんは、力強くそう答える。何故でしょう、何処か懐かしさもありますが、安心感といいますでしょうか、お任せしても問題ないと言える感情が、湧き上がってきます。

 

「本気で言ってるの…?」

「無駄よ。ナナは、ああ言ったら頑固なのよ…。まさかエースも乗り気だったのは予想外だったけど…はぁ、仕方ないわね。今回だけは、七賢人を退かせる手伝いをするわ。」

「え…で、ですが…。」

「べ、別にあたなの為じゃないわよ…!この国のシェアを獲得するには、ここで仕事をすればいいと思っただけよ。」

『ツンデレか(ね)(ですね)…。』

「ノワールちゃん、ツンデレぇ~。」

「な、何よあなた達はっ!!」

 

まぁ、一応理には適ってますけど、言い方がどうしてもノワールさんらしいというか…ツンデレと言われても仕方ありませんよね。

 

「ノワールちゃんが行くなら、あたしも行くぅ!」

「…七賢人には個人的な恨みもあるし、今回は協力するわ。」

「情報網が分かれば、七賢人を大きく崩れる可能性はある。」

「そういう訳です。ベールさん、ここは皆さんと協力して、七賢人に一泡吹かせてやりましょう。」

「み、みなさん…。」

 

どうやら一致団結のようですね。願わくは表面上だけでないようでありたいですが。恐らくは、現状は一時休戦という事ですよね。

 

そうして、エースさんはベールさんに肩を貸し、兵士の道案内によりリーンボックスの街へと急ぐのだった。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

【リーンボックス:街中・おもちゃ工場】

 

「おお、やるなぁ!これは俺様も負けてられないなぁ!!よぉし、そおれそおれ!!」

「ぬぐ…。」

「ああ、気持ちいいなぁ。この体を動かした時に流れる汗の心地良さは…!おやぁ?どうした、手が止まっているじゃないか?」

「…誰のせいだと思っている。その喋り方はどうにかならんのかっ!!」

「はっはっはっ!俺様はまるで生まれ変わったように清々しい気分だよ!!前の俺様だったら、こんなに破壊活動が気持ちいいなんて思わなかったよっ!!ああ…ゲイムギョウ界に生まれてきて、よかったああああああああ!!」

 

 

 

 

 

『………。』

「………。なんだ、あの破壊マシンは。」

 

思わず口に出してしまった。恰好は違うが、あっちは嘗て前のゲイムギョウ界のズーネ地区で会ったマジェコンヌ。もう片方は所見だが、やっている事と性格が体育会系で、且つ青春男性と言ってもいい程だ。

 

「わ、私に言われても知らないわよ…。」

「あの機械はあんな性格じゃなかったんですよ…。もっとこう、悪の如くデストロイと言いますか…。」

「さぁ、全身全霊を込めて、破壊活動を…レッツ、デストローイッ!!」

「…少なくとも、清々しくは言わなかったという事か。」

「傍から見れば、街を破壊しつつド付き合い気味の漫才夫婦ね…。」

 

どうやら、ブランとベール以外はあの清々しいマシンと対峙した事があるらしい。となると、修理されて再投下されたということか。性格を変える必要があったのかは置いといて、見る限りでは、マジェコンヌとは意気投合仕切れていないと見る。

 

「くっ…街をふざけながら壊すなんて…許せませんわっ!!」

 

そう言いつつベールは前へと出る。それに吊られるように全員が敵の正面に立つ。

 

「そこまでですわっ!これ以上の破壊行為は、見逃す事は出来ませんっ!」

「来たか…。………、まさか女神全員揃うとは、予想外だが…。」

 

何だ、今の妙な間は…。表情も心なしか、俺達が来たことを安堵しているようにも見える。よっぽど息が合わないようだ。

 

「やぁ、女神諸君、久しぶりだねぇ!!それに、友達も増えてるみたいだし、いい事だよ!友達はかけがえのない宝物だっ!!その証拠に、頼もしい仲間によって直され、こうして俺様は再び君達の目の前に立つことも出来るようになったっ!!女神と再び戦える喜び、破壊活動を再び出来る感動…ああ、生きてるってなんて素晴らしいんだあああ!!」

「おお~、ぱちぱちぃ~。」

「ええぃ、黙れ!貴様も相手に乗るな!!はぁ…はぁ…。…久しいな女神共、貴様等と再び相まみえる、この時をな…!」

「こいつぅ!カッコいい事言うなぁ!!」

「…無理をするのは体に良くない。」

「そうね。わたしから見ても、無理やり場を支配しようにも無理があるわ。」

「う、五月蠅い!あと貴様も黙れ、だーまーれー!!」

 

会話をする度に、方向性がズレていく気がする。これを続ければ、約一名は消耗して弱体化するが、女神達はそれでは納得しないだろう。

 

「御託はいい。ここに女神達が来た理由は分かるはずだ。」

「ふっ、言われなくても。個人的には、そこの3人、特にプルルート、ナナっ!!…だが、私は―――――」

「わぁ~、すっごく適当だよぉ~。」

「成程ぉ、お前達はライバル同士なのか…お互いに切磋琢磨して高みを目指す。強敵と書いて“とも”と読む!!いやぁ、いいなぁ、羨ましいなぁっ!!」

「き、貴様ぁ…。」

「これは…なんとも言えませんね。」

「…これは、投げやりになる気持ちも分からなくもないけどね。」

 

会話から武力へと切り替える予定が、この頭花畑な機械によって再び会話へと戻される。…無限ループって怖いな。

 

「話をしても無駄ですわ。兎に角、話が盛り上がってるところ悪いですが、誰の街を破壊しているか、理解しているのかしら?」

「ああ、貴様がリーンボックスの…安心しろ。そこの男を殺した後、貴様等女神も葬ってやろう。」

「…俺を指名?」

「後…?わたくしを差し置いて、そこの殿方に興味がないですって…?」

 

マジェコンヌが、ベールを指名しなかった事に若干不服なのか、逆上の如く女神化をする。

 

「あなた、変身して大丈夫なの?」

「…これしき事で、自らの国も守れないようでは女神として恥だけでなく名折れ…、この者達は、わたくしが倒すっ!!」

「おおっとぉ!マジェコンヌの前に、俺様を倒せなきゃダメだぞ!!」

「くっ邪魔を…!!」

「待ちなさい。逆上したら相手の思う壺よ。」

「ここは、冷静になってあのデカブツを倒す。その後に加勢すればいい話。」

 

そう言いつつ、ノワールとブランは女神化をする。それに流れるように、ナナとプルルート(喜びながら)も女神化する。

 

「ふん、これで舞台は整ったか。だが、私はまず、そこの男からだ。貴様は戦闘能力は高いと踏んでいる。くれぐれも、私の足を引っ張るなよ。」

「なっ!!お前…そんなに俺様の事を信頼していたのか…!!嬉しい事言うじゃないかっ!くっ今日の汗は、やけに目が染みるぜぇ!!」

「…信頼しているのなら…黙ってくれ…。」

「いい加減、あなた方の漫才に付き合う心算はありませんわよ。」

「好きで漫才している訳ではない!!」

「エースさん。わたくし達はこのマシンと相手します。その間に倒したり、やられたりしてはなりませんわよ。」

「おい、何てめーが先陣切ろうとしてるんだ。」

「そうよ、何勝手にリーダーを気取ってるのかしら?」

「ここで喧嘩しても仕方ないですよ…。早く倒せばいいだけの話です。」

「そうねぇ…、機械相手じゃ面白くないしぃ。ちゃちゃっと済ませて、あっちを堪能したいわぁ。」

 

女神5人は標的をあの機械の方へと向ける。そして、俺はマジェコンヌと対峙することとなる。

 

「貴様の噂は聞いている。あの伝説の書通り、貴様から漂う力は我々寄りにも関わらず、女神に協力している。」

 

伝説の書。この女は恐らくかじった程度なのかもしれないが、聞き出すことは出来そうだ。

 

「お前も、世の為、人の為になる力を持っていながら、悪の道へと進んでいる…。」

「…何の事だ?私は、女神が嫌いだ。だから、この世界を破壊する。それだけだ。」

 

―――――もし、ズーネ地区のマジェコンヌと同様なら、気を付けるべきはコピー能力。プルルート、ナナ、ノワールが対峙しているのなら、3人の技を使ってくる可能性もある。俺の知っているこいつなら、戦えば戦う程に技のレパートリーが増えていく。

 

「…ならば、俺は無関係な市民も巻き込むお前を止める。」

「ほう、やれるものならやってみろ。」

 

そう言いつつマジェコンヌは身構え、それに合わせるように俺も身構え、何時でも戦える体制に入る。ここに、ネプテューヌとネプギア、ジンにスミレはいないが、女神と共闘出来るのなら勝たなければならない。右腕に印を書き、右腕を開放させる。

 

 

 

 

 

「ところでマジェコンヌ、俺様が女神達を倒してしまっても構わないだろう?」

「…貴様、露骨な死亡台詞を言うな…。」

『………。』

 

―――――最後の最後まで閉まらないな。

 

 

 

 

 

 

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