超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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今回から会話分の書き方を変更(と言うより此方の方が正しい風潮?)
落ち着いたら、過去のも今回通りに修正する予定です。


Scene70 受け継がれし聖邪の力~Antiquity~

 

 

【???】

 

何時頃だろうか……目を開けても周りは漆黒のように暗く、一寸先も心が飲み込まれるかのように何も見えない。それでも、何処か懐かしく安心する感覚を覚える。

 

「また…お会いしましたね…」

「まさか、お前から会いに来るとは思わなかったぞ」

「行けるとは思っていなかったが…」

 

セグゥ、ゼロ…。この二人は、過去のゲイムギョウ界にて自らの身体を犠牲にして、大戦を鎮圧化。そして数年前、俺に力を与え、共にエンデを封印すべく影で協力した二人。古の力で消滅してしまったかと思っていたが、身体が徐々に戻っていくうちに覚醒している事に気づき、もしやと考え意思を向けてみたが…まさか行けるとは思っていなかった。

 

「わざわざ来たと言う事は、質問があると言う事ですね?」

「ああ。単刀直入に言う。拒否反応を起こしたあのモンスターについてだ」

「いや、俺もセグゥもよくわかっていない。大戦時にも似たようなのはいたがな…」

 

ガーンだな…。と、冗談はさておき、“ひよこ虫”というモンスターに似ていると言うが、それとは別に酷い悪寒をセグゥが感じたと言う。その影響が表に出ていたのか、右腕の拒絶反応なのだろう。

 

「………」

「何か、気付いたのか?」

「確定ではないが、まぁ……そんなところだ」

 

女神だけでなく、右腕の拒絶反応。そして、アクダイジーンが持っていたであろう複数の女神メモリー…推測としては、あのモンスター達は“誘拐された子ども達”であり、女神メモリーを使った成れの果て…と言うべきか。しかし、成れの果てとは言え、女神の力を持っているのであれば、女神の攻撃に耐える体力や耐久力を持っていても可笑しくはない。真相は、七賢人に聞くしかない。

 

「しかし、お前も丸くなったな」

「丸くなった…?」

「恐らくですが……転生された際に私達三人が合体した影響なのでしょうか」

「昔のお前だったら、あのモンスターも反撃した際、右腕が動かなくても息の根を止めていただろう?俺の気持ちが移ったか?」

「………。ああ…」

 

確かに、言われてみれば無意識に“殺す”ではなく“倒す”になっていたな。ネプテューヌ達に感化されたところもあるだろう…この世界で殺戮は不釣り合いだろう

 

「…聞きたいことは聞いた。俺は戻るとする」

 

そう言いつつ、目覚める準備へと入る―――――

 

 

 

 

 

「―――――がとうございます、お忘れ物がなさいませんよう、今一度お荷物の確認をお願いします」

「………」

 

それなりの時間が経ったらしく、船着き場へと着いたばかりのようだ。そう考えるのであれば、本当に安全な場所で瞑想した方がよさそうだ。幸い、荷物は盗まれてないらしく、持ち物は全て揃っている。不注意な事してるなと思いつつ、船着き場の荷物預り所へと向かう。…が、ここに来てまたしても厄介事になる。

 

「…何、荷物を預かられている?」

「ええ、お知り合いの方が来て、メンテナンスの為に預かると言いまして。それで、丁度今ぐらいの時間帯に、来て欲しいと言うのを残しております。」

 

知り合い…と言えば、女神様ぐらいだが、あいつ等はそんな事が出来る程余裕はない状況だ。となると、俺を知っている人物で知り合いと装い、荷物を奪って奇襲する寸法か。とは言え、手記は持っているが例の無線機は預けられた方にある。頭をポリポリと掻きながら、仕方ない気持ちと自ら罠に掛かるような形で、指定の場所へと向かう事にする。

 

 

 

 

 

【プラネテューヌ:オオトリイ大森林前】

 

指定の場所へ向かうと、そこには覆面と言うよりは、カメラと照明を持っている黒子二人が居る。俺が来たのを確認すると、確認の為か此方に向かってくる。

 

「お待ちておりました。エースさんですね?」

「…アンタ達は?」

「私は、ある方のカメラマンを担当しています、モブA」

「同じく、ある方の照明を担当しています、モブB」

 

…それはギャグで言っているのか?と言いたくなる程に、今回ばかりで使われなくなりそうな、非戦闘員と思われる二人を目の前に、拍子抜けしつつ話を聞く。

 

「………。要件はなんだ」

「ある方がお会いして話がしたいとの事です。着いてきてください」

 

言われるがままになるが、真相を確かめるべくモブ二人に着いていくことにする。そして、人気もモンスターも滅多にいない所に、女性がポツンと一人待っていた。

 

「ようやく来たわね」

「…幼女が何している。」

「幼女言うな!!アタシの事を忘れたっていうの!!」

 

そこに居たのは紛れもなく“アブネス”本人だ。予想外な人物な為に、伏兵がいるのではないかと考え、当たりを見渡す。

 

「心配はいらないわ。何も嵌めようと、呼んだわけじゃないわよ」

「デートの予約なら、相手を間違えてるぞ」

「…こっちは真面目な話をしたいんだけど?」

 

流石に冗談を交え過ぎたか、アブネスに怒りマークが見える。咳ばらいをしつつ、何を企んでいるかを探るべく話を聞くことにする。

 

「…要件を聞こう」

「要件も何も、今回はアンタの助けが必要なのよ」

「助け…?女神に頼めばいいだろう」

「そうしたいのは山々だけど、アタシがやってきた事を覚えているなら、簡単に受け入れられる訳ないでしょ?それに、借りを返すものもアンタの方がいいし、アンタに渡すものもあるんだから」

 

そう言いつつ、アブネスが何かしらの合図を出すと、モブBから船着き場で俺が預けていた道具一式、それからモブAがトラベルハットと、見知らぬアタッシュケースを渡してくる。トラベルハットは兎も角、アタッシュケースを受け取り、中にあるものを見る為にそれを開ける。中には黒色のリボルバータイプの銃が二丁は言っている。かなりの大型なのだが、見た目がどう見ても“バー〇ャガン”の類だ。しかし、俺仕様なのか右手用のリボルバーはトリガーガードが大きめに作られている。3ドットサイト、グリップには滑り止めが備わっている。レーザーサイトにフラッシュライトも装備されている。光線弾は好きじゃないが、実弾も使えるようになっている。だが、この世界で出来たとしても相当な費用が掛かるはず。アブネスには、とてもじゃないがこっち方面に投資するとは思えない。

 

「…これ程のものを何処で手に入れた?」

「アンタの知り合いって言ってた奴から貰ったのよ」

「どんな奴だ」

「さぁね。名前を聞くときには、既にいなくなってたわ。黒いパーカーに紫色の長い髪。…あと、アホっぽかった。」

「………」

 

何となく、特徴で誰が渡したか分かった。…何故こんなのを託すのかは置いといて、そうと分かれば、受け取らないという選択肢はない。トラベルハットを被り、リボルバーを携える。

 

「…意外と様になってるじゃないの。」

「そりゃ、どうも」

「まぁそれはいいわ。渡すものは渡したし、こっからが本題よ」

「まだ何かあるのか」

「アンタ、アタシの護衛兼協力の為に着いてきなさい」

 

本題と言われた内容が、摩訶不思議だ。今のところ女神からしたら、敵であるアブネスの護衛に着く。七賢人が居るにも関わらず、これだけでは話の糸が読めない。

 

「七賢人はどうした。そっちから護衛、協力を頼めばいいだろう」

「抜けたわ。あんなところ…寧ろ、今は許せない存在よっ!!」

 

何時もの怒り方とは何か違うようだ。完全に所属していた組織を目の敵にしている。そんな気迫を感じる。

 

「内容によっては、護衛に着こう」

「…アンタ、誘拐事件の事は把握してるわよね?」

「ああ。全てを把握している訳ではないが…」

「分かったのよ、全て…。許せないわ…七賢人が誘拐に関わってたのよ!!」

 

そう叫びながら、モブAから書類を渡される。何かのリストのようだが―――――

 

「これは…」

 

そこに記載されていたのは、孤児リストだ。完全に把握はしていないが、一部の子どもは行方不明で捜索願がある子どもが載っている。リストには父母、祖父母との関係や有無、適正の有無と色々と書いてあるが、共通点として丸が着いている子どもは、父母関係が居ない上に一人っ子である事。…つまり、誘拐していなくなっても、誰も悲しむ事がない。闇に葬られても、誰も気に留めない子どもを狙っていた事になる。恐らく、アブネスは行方を暗ました子どもを探す手伝い、七賢人を抜けた報復の為の護衛と言ったところか。

 

「中々、黒い事している」

「関心している場合じゃないでしょうが!!」

「………」

「何よ、文句あるような顔して」

 

この様子では、アブネスは子ども達が今どうなっているか分かっていない。この書類を見て、漸く途切れ途切れの線が繋がった。やはり、あのモンスターは女神メモリーを使った、子ども達の成れの果てだ。アブネスの期待とは裏腹になるが、内部情報を持っている人物が協力関係になるのは大きい。ここは大人しく、協力関係を持っておくとしよう。

 

「いや…何でもない。一度プラネテューヌに戻る。教会に報告してから、考えよう」

「はぁ?アタシも行けって言うの!?」

「敵じゃないという事は、俺が話す。今は報告が先だ。女神の協力は必要不可欠なのはわかるだろう」

「う…そ、それは、そうだけど…」

 

アブネスの有無を聞かず、プラネテューヌ教会に戻る為に足を運ぶ。それから、他国の事情が終わっていれば、プラネテューヌに集まり、助け出せる子どもがいるなら助け、七賢人本部が分かれば、万全な準備をして叩き潰す。

 

 

 

 

 

 

【プラネテューヌ:教会前】

 

アブネスとモブの二人を連れて、プラネテューヌ教会前に着く。道中で報復や、闇討ちのような事は起きなかった。そして、俺は扉の前で足を止める。

 

「…?何よ、急に立ち止まって」

 

時間はまだ20時…夜の8時だ。子ども…特にピーシェは中々寝なくて、この時間でもよく騒いでいる。しかし、今はまるで寝静まった後のように静かだ。だが、どの部屋の明かりも付けっぱなし状態と、何か可笑しい状態である。

 

「…少し、待っていてくれ。あと、騒ぐな」

「な、何よ、本当に訳わからないわね…」

 

アブネスにそう伝え、教会の扉前に立つ。銃を構え、扉を開け周囲を見渡す。

 

「………、誰もいない…?」

 

ハッピーバースデイとか、ドッキリとか、そういう様子はなく、荒らされた形跡もない。そう、まるで鍵を開けたまま出て行っていったような、不用心ともいえる状態だ。

 

「…~…!……む…!()」

 

耳を澄ますと、何処からか聞き覚えのある声がする。…ゴミ箱から?物音のした方に向かい、そのゴミ箱を確認する。中には、ガムテープでぐるぐる巻きにされて、無理やり捨てられている本がある。その本の間に、何か挟まって―――――

 

「むーっ!!むむむーーーーーっ!!(>=<;;)」

「い、イストワール…!!」

 

子どもの悪戯にしては、悪意に満ち過ぎている巻き方である。銃を仕舞い、優しくも急いでガムテープを外す。そして、本を開きイストワールを開放する。

 

「ぶはぁっ!!(゚Д゚;;) ふぅ…あ、危うく窒息死するところでした…」

「何があった」

「そ、そうですっ!!あの子達が…ああ、どうしましょうどうしましょうっ!?」

 

この慌てようと子ども達がいない状況から、只事ではないとは分かるが、正確な情報はイストワールしか知らない。

 

「落ち着け。何があったかわからないぞ」

「お、落ち着いていられませんよっ!子ども達が、七賢人と名乗る人物に攫われたのですよっ!!そして、わたしは見ての通り、ガムテープでぐるぐる巻きにされた挙句、ゴミ箱に…( ・ὢ・ )」

「な、なんですってぇ!!」

 

どうやら、アブネスは話を聞いていたらしく、部屋へ入ってくる。

 

「あ、アブネスさんっ!?これはどういうことですかっ!!(゚д゚;ノ)ノ」

「彼女は、七賢人を脱退したと言う。…子ども達は何処へ連れて行くとか言っていなかったか?」

「え?ええと…数十分前ですが…確か、ルウィー方面のルートを使うとか…(-ω-?)」

「どうする心算よ?」

「今から向かって助けに行く。イストワール、済まないが各国の女神に連絡と、教会の強化を頼む」

「あ、ちょ、ちょっとっ!!ΣΣ(゚д゚lll)」

 

イストワールが何か言いたそうに制止をしていたが、距離を考えれば時間との勝負となる。別世界とは言え、あの三人が女神メモリーによって失敗作のようになってしまうのは見たくない。そう思うと、尚更止まってはいられない。教会を飛び出し、ルウィー方面へと向かう―――――

 

 

 

 

 

【プラネテューヌ:ハネダ山道】

 

走る、兎に角走る…一分一秒でも早く、救出するために向かったであろうルートを、追うように走る。ショートカットをするように、山々を飛び移るように移動もする。その甲斐もあり、見つけた…橋を渡ろうとするそれらしき人物…具体的には一人と一匹だ。

 

「だ、大丈夫っちゅかね…。追手とか、来ていなければいいっちゅけど…」

「………」

「ああ…無視っちゅか…」

 

子コンパ、子アイエフ、ピーシェ…騒いでいても可笑しくないが、催眠薬か何か使われているのか、眠っているように大人しい。一人はよく見たネズミ、もう一人は…何処かで見た事のある青髪の女性…。だが、今は子ども達が最優先という事もあり、俺は奴らのすぐ後ろに着くように飛び降りて行く。強い衝撃と音により、ネズミは驚くも、女性の方は微動だにしない。それどころか、まるで来ることを待っていたかのようにも見える。

 

「ぢゅぢゅぢゅっ!!お、お前はぁっ!!」

「…追い詰めたぞ」

「…追い詰めたぁ?馬鹿かしら…私が誘き寄せたのよ。そこんとこ、勘違いしちゃ困るわぁ」

 

そして、その女性はゆっくりとこっちに振り向く。その人物はなんと、超次元でビラ配りしていた“キセイジョウ・レイ”本人だ。だが、超次元で見た、あのおどおどしていた感じとは偉く違い、王者とも言えるオーラのようなものを放っている。しかしながら、現にピーシェを抱えている事は事実。そして、七賢人の一人として名乗っていたネズミ事ワレチューが居るのなら、キセイジョウ・レイは七賢人の一人で間違いない。ならば、相手が誰であろうとも、取り戻さなければならない。

 

「…今すぐ子ども達を開放しろ。飲めないのなら、今ここで倒す」

「んん~、誰を倒すってぇ?超、面白過ぎるんですけどぉ?」

「………(な、なんだこいつ)」

 

…兎に角、今俺が知っているキセイジョウ・レイのイメージを捨てなければならない。今、目の前に居るキセイジョウ・レイは、この状況を楽しんでいるように見える。そして、不気味な程に、巨大な壁のように見える。そう、まるで“ニグーラ”を相手していたかのような重圧を感じる。ワレチューは完全に部外者であるが、キセイジョウ・レイから漂う覇気、俺から出す殺気に飲まれて、まるで漏らして怒られるのを恐れている子どものように、プルプルと震えている。

 

「ふーん、成程ねぇ…。あいつ等が手も足も出せないのも頷ける。でも、それはアンタ一人の力じゃないわよねぇ?」

「…子ども達を、返す気はないのか」

「最初っから、返す気なんてぜーんぜんありませーんっ」

 

自分の力に絶対の自信を持っているのか、こっちを見下した態度を崩していない。そして問いに対して、即答で返さないと言う。

 

「うーん?どうしたのぉ、怖気づいちゃったかなぁ?それともぉ、私に勝てる自信がない?」

「御託はいい。力尽くで返して貰う…」

「………。ネズミ、子どもを連れて先に行って頂戴」

「さ、三人は無理っちゅよ!!」

「なら、此奴だけ連れてって頂戴。あいつと少し遊んでくから」

「逃がす――――――っ!!」

 

そう言いつつ、ワレチューにピーシェを託し、連れ去る様に走っていく。そう見す見すと逃がさないと、無理やり追う為に、足を踏ん張った瞬間だった。強烈な威圧感…まさにニグーラと戦っていた時と同等、それ以上の重圧を受ける。そして、キセイジョウ・レイが光だし、姿が変わる。そして、橋の出入り口が、謎の結界が張られ、出られない様になってしまう。

 

「この私を無視する気ぃ?腹立たしいわっ!!」

「この感じ…まさか、女神…!?」

「でもまぁ、いいわぁ、そんな事…。アンタの、その裏切り者から授かられた力、試させて貰うわ」

「…上等」

 

ニグーラと戦っていた時と同じ重圧。そして、相手は女神。飛び出してきた為に援軍も、支援も求められない。そして、俺の力を知っているかのような口ぶり。尚更、退くわけにはいかない。ワレチューが準備していたのか、子コンパと子アイエフは、視界に見えるが安全な場所へと移動させられている。…挑発に乗る様になってしまうが、右腕を開放し変身をする。

 

「へぇ、あの時と変わらないわねぇ…その分、実に腹立たしいっ!」

「俺の知らない事を話しても困る」

「そうよねぇ、知らないのも仕方ないわよね。アンタ、私より馬鹿そうだし」

「………」

「何、その“貴様をぶっ飛ばす”みたいな目つき…冗談にしても最あ―――――」

 

奴が喋り終わる前に、高速で近づき顔面に向けて右ストレートを放つ。だが、レイは空かさず、槍とも杖ともいえる武器を構え、俺の拳を防ぐ。

 

「喋る暇があるのか?」

「…私が喋り終わる前に、手出すとか…超ムカツクし、レディーに対して失礼じゃない?」

「………」

「まぁいいわぁ。私は寛大だから許してあげるわ。それに、今はアンタと二人になるのが大事な事…でもぉ、力の差は見せておかなky―――――ぶっ!!」

 

随分とお喋り好きな女神らしい。力も重圧は一流だが、隙は大きい。こっちは針の穴を通すように重心を移動させ、奴の顔面に左拳を放ち、拳が奴の顔面に届く。…だが、殴った感じは非常に軽い感触であり、クリーンヒットはしていないと分かる。何より、頬部分の唇から血が流れていなく、殴られた跡も掠った程度しかない。その間に、奴からも武器による突き攻撃を放ってくる。反撃を想定していた為に、身体を捻っていなす。回避しつつ距離をとり、銃を抜き発砲する。発砲した弾丸は奴の目の前で止まり、銃弾が零れ落ちる。

 

「へぇ…成程…成程ぉ…。この世界を潰してしまうのは、勿体無いくらいの逸材。今までの誰よりも…古の馬鹿達よりも、確かに強い…」

「古…だと…」

「確かに今の私じゃあこの姿でも、パワー、スピード、反射神経は一歩負けちゃってる。ああ、醜い程悔しい…!!」

 

自らの分析結果と思える事を、こうもペラペラと喋るとは…。実際俺もそこは感じている。

だが、古の奴等というのが本当であれば、奴は古の女神かそれ同等の力を持っている。そこから導き出される回答は―――――

 

「でも、決定的な差…それは、経験(キャリア)の差」

「っ!?…地の文を読むな」

「はぁ?地の文なんて読んでましぇーん!…ただ、私はアンタの思っている通り、古の女神の一人って訳ぇ!!」

「何…!!」

 

そうペラペラと喋りながら、奴は雷の球体ともいえる物体を一つ作り出す。だが、それが同じ形状で複数作り出される。一つだけでも既に悪寒を感じる程のエネルギーを発していたが、それが数えるだけでも2、30はある。

 

「私との差は、経験だけじゃない…。それは、シェアエナジーの差。人の信仰心がどうかは置いといて、蓄えた分は十分ある…今の生真面目な女神とは歴然の差ともいえるわぁ!!」

 

その言葉を終えると同時に、球体全てがエネルギー弾のように此方へと向かってくる。

 

「(多すぎる…避けつつ弾いていくしかない)」

 

そう考え、移動しながら回避し、被弾しそうになったら右腕を使い、弾く事に徹すればいい。そして、被弾しそうになった為に弾こうとした時だった。

 

「…っ!?」

 

弾いて球体を消し去った瞬間、針が右腕を通り抜けていくような激痛が走る。そのせいか一瞬判断と動きが停止してしまう。それでも、何とか体を動かし回避をするが、上手く体が動かない。それを見過ごさないが如く、球体の中をレイが潜る様に向かい、柄で殴り掛かり防御するも、体制が崩れてしまう。

 

「ぐあああ…っ!!」

 

そして、残り数十発となる球体をノーガードの状態で受けてしまう。流石に痛い…が、立てない訳じゃない。そして、驚く事に、今まで攻撃されてもヒビが入っていなかった変身中の仮面に、ヒビが入っている。だからどうした、という事で若干重い体を立ち上がらせる。しかし、既に奴は先ほどと同じ球体の準備をし終えていた。第二派と言ったところか。

 

「…以外とタフな事。これだったらGの方が可愛いかもねぇ?ああ、そうそう。折角だし教えちゃうけど、私のエネルギー…何も、シェアだけじゃないのよぉ?」

「…そうかい」

 

 

受けた激痛から感じた力。純粋なシェアエナジーによるものかと思っていたが、いざ受け止めた瞬間、アンチエナジーのようなエネルギーも備わっているらしく、基本的に女神に近い状態の俺は、防ぎきれなかったアンチエナジーが体内に潜り込み、暴れまわったのだろう。それでも、逃げる場所も隠れる場所もない…ならば正面突破しかない。

 

「はぁ…見え見えのまた同じパターン?流石に芸が無さすぎるんじゃない?」

「グダグダ言ってないで、さっさとやってみろ」

「…私に命令してんじゃないわよっ!!」

 

挑発に乗るかの如く、再び同じ攻撃を仕掛けてくる。だが、先程と比べると数が増えている。…だが、今の俺は前に突き進むのみ。接近して、奴をぶっ飛ばす。俺は、嵐のように向かってくるエネルギー弾の中へと突っ込んでいく。

 

 

 

 

 

 

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